未経験でも大丈夫? 外資系企業への転職ノウハウまとめ

グローバルで活躍したい方にとって、転職先候補の1つとなるのが外資系企業です。華やかで高収入なイメージがある一方で、日系企業との文化の違いや英会話が不安という方も多いのではないでしょうか。

外資系企業ならではの特徴や、転職する際のポイントを解説します。

転職の前に|外資系企業の特徴4つ

外資系企業とは、日本ではない外国に本社がある企業や、日本人以外の外国人からの出資が多い企業を指します。具体的には以下のような企業が外資系企業に当てはまります。

  • 外国企業が日本に設立した子会社
  • 外国企業と日系企業が共同出資して日本に設立した会社
  • 外国企業に買収された日系企業…など

まずは、外資系企業ならではの4つの特徴を紹介します。

成果主義で性別や年齢を問わず活躍できる

一般的に外資系企業は成果主義のため、実績で評価されることが多く、年功序列・終身雇用の考え方が残る日系企業とは企業文化が異なります。

成果を出せば年齢や性別にかかわらず昇給や昇格ができるため、年下上司・年上部下も珍しくありません。また、女性管理職の割合も日本と比べて高い傾向があります。

成果主義のもとでは具体的な数値目標が設定され、生産性を高めて仕事をこなすことが求められます。営業やコンサルタントなど、職種によってはハードワークになることもあるでしょう。

雇用が流動的で退職勧奨されることも

外資系企業では成果が出せない社員に対して、客観的な指標による判断に基づき、退職勧奨が行われるケースが多いようです。また、たとえ能力が高くても、海外本社から不採算部門の解体や日本からの撤退が指示されれば、解雇されてしまう可能性もあります。

外資系企業は終身雇用を前提としていないため、転職も盛んです。働く人の間でも「転職によってキャリアアップする」という考え方が一般的なため、転職回数が多いからといって採用に不利になることはあまりありません

▼転職回数による人事の印象って?

個人主義で公私の区別がはっきりしている

外資系企業は個人主義の考え方が根強く、各々が自分の仕事を遂行することが重視される傾向にあり、公私の区別もはっきりしています。

そのため「周りにあわせて残業をする」「有給休暇を取りづらい」ということはほとんどありません。一方で、会社の人間関係がビジネスライクになりがちという意見もあります。

柔軟な働き方ができる

外資系企業は多様な人材を生かすダイバーシティを重視する傾向があり、在宅勤務や育児休暇などの制度が充実していることが多いようです。

仕事のレベルを維持することは求められますが、育児や介護などの家庭の事情に合わせて柔軟に働き方を変えることができます

外資系企業への転職にまつわるQ&A

外資系企業への転職を考えている人に向けて、よくある疑問について答えます。

Q1.未経験でも外資系に転職できる?

未経験の業界・職種への転職の場合、外資系企業からの内定をもらうことはなかなか難しいかもしれません。外資系企業では日系企業以上に即戦力の人材が求められるため、応募職種に関連する経験や知識、スキルを持っていることがほとんど必須条件と言えます。

どうしても未経験の分野に挑戦したい場合は、未経験者歓迎の求人情報を探しましょう

未経験で外資系企業に入社した場合、日系企業と比較して社内に教育制度や研修が整っていないことも多いため、自ら積極的に吸収していくような姿勢で仕事に取り組むことが重要です。

Q2.外資系は英語ができないと絶対ダメ?

外資系企業でも英語を使わない職種はあるので、英語ができなくても転職できるケースがあります

外資系企業の日本オフィス勤務であれば、社員や顧客の多くは日本人です。業務に関するスキルがあれば、英語ができなくても外資系企業に転職することはできます。

ただし、昇進・昇格を重ねると、海外の本社にいる上司や世界中の拠点とコミュニケーションを取る場面も増えます。そのため、将来的には英語力が必要になる可能性が高いといえます。

Q3.年齢制限は?40代以上でも大丈夫?

外資系企業では能力や成果を評価する傾向が強いため、日系企業よりも比較的年齢に関係なく転職できます

ただ、40代以上の場合は高い専門性やマネジメント能力が期待されることが多いようです。そうした企業が求める条件にマッチしていれば、年齢が高くても採用されるチャンスがあります。

Q4.転職エージェントや転職サイトは使うべき?

外資系企業に転職するために必須ではありませんが、転職エージェントや転職サイトを使った方が、希望に合った求人情報を見つけやすくなります。転職エージェントを利用すれば、企業が一般に公開していない「非公開求人」も見ることができるのもメリットでしょう。

一方、大手企業は自社サイトの採用ページから独自に応募をしていることも多いため、行きたい企業が決まっている人は各社のサイトを確認しましょう。

外資系企業に転職して後悔する3つのタイプ

外資系企業に向いていないのはどんな人でしょうか。外資系企業への転職を後悔しがちな3つタイプを紹介します。

年収だけで転職先を決めてしまう人

最初に提示された年収だけで転職先を決める人は、外資系企業に転職したとしても、期待された成果を出せずに給料が下がった場合、不満を抱くことになってしまいます。

外資系企業の給与は基本給とインセンティブで成り立っていることが多く、年功序列で給料が上がっていく日系企業と比較すると、成果と連動して給与額が激しく変動しがちです。

また、基本給の昇給・減給もシビアに行われます。高収入を維持するには、収入に見合った成果を出し続けることが求められます

さらに、外資系企業では住宅手当や家族手当、退職金などの福利厚生が限られていることも多く、日系企業の年収と単純には比較できません。年収を上げることだけを目的に外資系企業へ転職する人は、入社後に後悔してしまいがちです。

仕事に対して受け身な人

外資系企業では自分の意見を主張できる積極性や自発性が求められるため、仕事に対して受け身な人は評価されづらいといえます。また、外資系企業では会社の育成計画に従うのではなく、自分でキャリアプランを考え、主体的にスキルを身に着けていく必要があります。

上司から指示を受けて働きたい人、丁寧な教育を受けたい人は、外資系企業よりも日系企業への転職が向いているでしょう。

安定志向で環境の変化に弱い人

1つの会社に長く勤めたいと考える安定志向の人は、解雇されるリスクが比較的高い外資系企業への転職にはあまり向いていません。

外資系企業でも突然「明日から来なくていい」と言われることは稀ですが、成果が出せない場合は業務改善プログラム(PIP:Performance Improvement Plan)が設けられ、期間内に改善できないと自主退職を促される可能性があります。安定して働きたい人は日系企業の方が向いているといえます。

外資系企業への転職の流れ

外資系企業への転職の流れは、基本的に日系企業と同じです。書類選考の後、複数回の面接を経て内定が出されます。

ただし、英文の履歴書が求められたり、内定後にリファレンスチェックが行われたりといった外資系企業ならではの選考が行われることもあります。

【1】求人を探す

まずは、転職サイトや転職エージェントを活用して、興味のある求人情報を探します。基本的には大手の転職支援サイトやエージェントを利用することによって、ある程度は外資系企業の求人情報を得ることができます。

英文の履歴書や英語面接のサポートを受けたい場合は、外資系特化型の転職エージェントにも併せて登録すると良いでしょう。

【2】書類選考

希望に合った求人情報を見つけたら、履歴書と職務経歴書を提出し、書類選考を受けます。

企業によっては英文の履歴書の提出を求められることも。日本語と英語のどちらで記載するのか、求人票の応募書類の欄を見たり、転職エージェントの担当者に質問したりして確認しましょう。特に指定がなければ、求人票で使用されている言語に合わせるのが無難です。

英文履歴書は日本の履歴書と職務経歴書を合体させたような書類です。決まったフォーマットはなく、職歴や学歴、資格などを自由に記載することができます。

日本で流通している一般的な履歴書と異なり、年齢や性別、志望動機などは記載しないため注意しましょう。

▼英文履歴書の書き方・コツ

【3】面接

書類選考を通過した後、面接が行われます。面接の回数は企業によって異なります。面接の質問は日系企業と同じく、転職理由や志望動機、過去の実績、スキルに関するものが中心です。また、英語スキルが必要な職種では、面接も英語で行われます

職種によっては実務能力を測るためにテストが行われる場合もあります。例えば営業・企画職であればプレゼンテーション試験、コンサルタントであれば論理的思考力を試すケース面接が行われることがあります。

▼面接でよくある質問まとめ

【4】リファレンスチェック

外資系企業では、応募者の前職での実績や働きぶりなどを第三者(推薦者)に確認するリファレンスチェックが行われることがあります。応募者をよく知る人物から客観的な意見を聞き、ミスマッチを防ぐことが目的です。

リファレンスチェックは内定直前か内定後に実施されます。経歴詐称などの重大な嘘をついていなければ、不合格になったり内定取り消しになったりすることは基本的にありません。

▼リファレンスチェックについて詳しく

【5】内定

最終面接に合格し、内定が出るとオファーレター(採用通知書)が届きます。オファーレターには給与や勤務時間などの条件が記載されているので、よく確認して内定を承諾するか判断します。

外資系企業では最終面接から内定が出るまでに時間がかかることがあります。日本法人が採用を決めても本社の決裁が下りなかったり、選考途中で採用が中止になったりする可能性があるので、正式に内定が出るまで油断しないようにしましょう。

まとめ

外資系企業の最大の特徴は成果主義です。多くの外資系企業では実力次第で年齢や性別にかかわらず、昇給・昇格を目指すことができます。

外資系企業への転職では即戦力として活躍できることが重視されるため、未経験の業界や職種に挑戦する際は、日系企業以上にハードルが高くなります

日系企業から外資系企業へ転職する場合は、企業の文化や雰囲気に馴染めるかどうか事前によく確認しましょう。

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