失礼にならない理由の伝え方 【例文あり】転職で内定を保留する方法

転職活動中に応募先の企業から内定が出たとき、内定を保留する方法失礼にならない保留理由の伝え方を解説します。

今すぐ内定メールに返信したい方は「【例文】メール・電話連絡のテンプレート」を確認してください。

転職活動でも、内定保留はしてもいい?

そもそも返事には1週間ほどの回答期間がある

中途採用における内定には、1週間ほどの回答期間があるのが基本。企業から指定された期限内に回答できれば、わざわざ内定を保留できないか確認する必要はありません

内定の連絡を受け取ったタイミングですぐに結論を出せない場合は、まずお礼の連絡だけ返しておきましょう。「内定のご連絡をありがとうございます。検討し、期限日までに回答いたします」などと返信することで、失礼な印象を与えることなく、考える時間を確保できます。

なお、内定承諾の連絡は早ければ早いほど意欲の高さを伝えられるため、保留したい事情がないのであれば、すぐに承諾の連絡をするのがベストです。

▼内定承諾のメール例文はこちら

内定保留が必要な2つのケース

期限内に回答できれば、わざわざ内定を保留する必要はありませんが、下記の2つのケースに当てはまる場合、内定保留をお願いする必要があります

期限日までに回答できない場合

企業からはじめに提示された回答期限日までに内定承諾・内定辞退の回答ができない場合は、内定を保留できないか交渉する必要があります。

長期の内定保留は受け入れてもらえないケースもあるため、あくまでもお願いベースで伝えるようにしましょう。

そもそも内定通知に回答期限日が記載されていない場合

内定通知のメールや文書に回答の期限日が記載されていなかった場合も、すぐに回答できないのであれば内定保留のお願いをする必要があります。

保留のお願いをする・しないの判断ラインは、連絡から1日以内に返信できるかどうか。回答に2日以上かかるのであれば、内定通知日から1週間以内を目安に内定保留ができないか交渉するようにしましょう。

コラム:内定保留にはリスクもある

他社の選考結果待ちなど、内定保留の理由によっては入社意欲が低いとみなされる可能性があります。その場合、企業側がほかの応募者の選考を進め、最終的にあなたの内定が取り消されるリスクもあるので注意が必要です。

また、保留後に内定を承諾したとしても、企業からのイメージが悪化していれば、入社後の働きづらさにつながってしまう可能性もあるでしょう。

内定を保留する前に、こうしたリスクを抱えてでも回答を先延ばしにしたいのか、きちんと考えることが大切です。

保留理由はどのように伝える?

内定保留のお願いをするとき、印象を左右するのが保留理由。

4つの事情別に、失礼にならない保留理由の伝え方を解説します。

他社の選考結果を待ちたい場合

他社の選考結果を待ってから回答したい場合は「他社の結果を待ちたいが、貴社の志望度も高い」と示しておくことが、イメージを悪化させないポイント。

内定が出た企業も、第一志望群のうちの1社であることが伝わるようにしましょう。

例文

先日の面接でも申し上げました通り、他社の選考結果が◯月◯日頃に出るため、それまで返事をお待ちいただくことは可能でしょうか?

貴社の志望度も高く、内定のご連絡をいただけて非常に嬉しいのですが、最後まで転職活動をやり切ったうえで回答させていただきたいと考えております。

家族に相談したい場合

家族に相談してから返事をしたい場合は、事情をそのまま伝えましょう。家族への相談が理由なら「あくまで本人の入社意欲は高い」と伝わるので、印象が悪化する心配はありません

家族に相談するタイミングの見通しが立っていることを伝えておくと、企業の担当者も安心して回答を待つことができます。

例文

内定のお返事につきまして、家族と相談して判断するための猶予をいただくことは可能でしょうか?

本日中に家族に伝えて相談いたしますので、回答を◯月◯日までお待ちいただけますと幸いです。

決め手に欠ける場合

ほかに志望度が高い企業があるわけではないものの、決め手に欠けて入社を迷っている場合は、何が懸念点なのかを企業に伝えるようにしましょう。

「懸念点を伝えると印象が悪化してしまうのでは?」と思うかもしれませんが、長く働くことを考えると、不安は内定承諾前に払拭しておくのがベスト。懸念点によっては、改めて面談を設定してもらえる可能性もあります。

例文

貴社で働きたい気持ちは強いのですが、業務内容について懸念点があり、承諾の決断ができない状況です。

面接で「採用後しばらくはルート営業を担当する」と伺いましたが、可能であれば早い段階でこれまでの経験を活かせる新規営業に携わりたいと考えております。

可能でしたら、具体的にどのくらいの期間ルート営業を経験すれば新規営業に携わることができるのか、お聞かせいただけないでしょうか?

また、そのお話を伺ったうえで回答したいため、◯月◯日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか?

退職交渉が難航している場合

今の会社との退職交渉が難航していて退職の見通しが立たない場合や、入社予定日までに退職ができる雰囲気ではない場合は、差支えのない範囲で事情を伝えるようにしましょう。

企業から「待ってでも入社してほしい」と思われていれば、入社日の調整に応じてくれる可能性もあります。

例文

内定のお返事につきまして、ぜひ貴社に入社させていただきたいのですが、現職で強い引き止めにあっており、退職日の目処が立たない状況です。

現職と交渉を進めたうえで正式にお返事したいと考えておりますので、◯月◯日まで回答をお待ちいただくことは可能でしょうか。

コラム:一貫性のない理由を伝えるのはNG

内定の保留理由は正直に伝えるのが基本ですが、面接で伝えた内容と一貫性のない理由を伝えるのはNG

面接で「応募しているのは御社のみ」と言ったのに「他社の選考結果を待ちたい」と伝えるなど話がかみ合っていないと、企業からの印象が悪くなってしまいます

もし面接で事実と異なることを言ってしまっていた場合は、つじつまが合う保留理由を選び直しましょう。

【例文】内定保留メール・電話のテンプレート

内定保留の連絡をする際のテンプレートを、メール・電話用でそれぞれ用意しました。

内定保留の連絡はメールが一般的です。「大切な連絡なので電話で直接伝えたい」と思う場合は、保留の意志を伝えた証拠として、電話のあとにメールも送っておきましょう

なお、メール・電話いずれの場合も必ず、1.内定へのお礼、2.保留理由+いつまでに回答できるかの2つを伝えます。2にあたる部分には、前述の「保留理由はどのように伝える?」の例文をあてはめてください。

メールで連絡する場合

件名:内定保留のお願い(氏名)
本文:
株式会社◯◯◯
人事部 △△様

お世話になっております。
[氏名]と申します。

先日は、内定の連絡をいただき誠にありがとうございました。

先日の面接でも申し上げました通り、他社の選考結果が◯月◯日頃に出るため、それまで返事をお待ちいただくことは可能でしょうか?

貴社の志望度も高く、内定のご連絡をいただけて非常に嬉しいのですが、最後まで転職活動をやり切ったうえで回答させていただきたいと考えております。

無理を申しまして大変恐縮ですが、ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。


氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)

電話で連絡する場合

あなた:
お世話になっております。
先ほどメールにて御社の○○職の内定通知をいただいた[氏名]と申します。

この度はメールへのお返事を直接お伝えしたく、お電話いたしました。
人事部の△△様はご在席でしょうか?

~取り次ぎ~

あなた:
お忙しいところ、失礼いたします。
御社の総合職で内定をいただいた[氏名]です。
ただいまお時間よろしいでしょうか?

担当者:
どうぞ、大丈夫です。

あなた:
ありがとうございます。
この度は内定の連絡をいただき、誠にありがとうございました。

実は、入社のお返事についてしばらく猶予をいただきたいと思い、ご連絡いたしました。

担当者:
ご連絡をありがとうございます。
返事までにかかる期間によって、待てるかを判断したいのですが、いつまでにご回答いただけそうでしょうか?

あなた:
先日の面接でも申し上げましたとおり、他社の選考結果が◯月◯日頃に出るため、それまで返事をお待ちいただくことは可能でしょうか?

貴社の志望度も高く、内定のご連絡をいただけて非常に嬉しいのですが、最後まで転職活動をやり切ったうえで回答させていただきたいと考えております。

担当者:
〇月〇日ですね。承知しました。
上の者に伝え、あらためてご連絡させていただきます。

あなた:
内定をいただいたにも関わらず、身勝手な申し出をしてしまい誠に申し訳ございません。

ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

電話連絡後に送るメール例文

件名:内定保留のお願い(氏名)
本文:
株式会社◯◯◯
人事部 △△様

お世話になっております。
[氏名]と申します。

標題の件、先程はお電話にてご対応いただき、誠にありがとうございました。
口頭でのお伝えとなりましたので、内定保留の期限について、念のためあらためてメールでもご連絡いたします。

内定のお返事ですが、延ばしていただいた期限である◯月◯日までに回答させていただきます。

この度は無理なご相談にも関わらず期限を延長していただき、誠にありがとうございました。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。


氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)

転職エージェントを利用している場合

転職エージェントを利用している場合は、担当者にメールや電話で「内定を保留したい」と伝えればOK。企業に直接連絡する必要はありません。

なお転職エージェントには、できるだけ正直に保留の理由を伝えるのがベスト。何が原因で保留したいのかを具体的に伝えると、その後のやりとりがスムーズになります。

エージェントに伝えた内容がそのまま企業に伝わることはないので、安心して伝えるようにしてください。

具体的な伝え方は、下記のメール例文を参考にしましょう。

件名:Re:選考結果のご連絡【株式会社◯◯◯】

本文:
株式会社◯◯◯
△△様

いつもお世話になっております。[氏名]です。

◯◯◯株式会社につきまして、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

大変申し訳ないのですが、入社のお返事について、 しばらく猶予をいただけないでしょうか?

先日の面談でお伝えさせていただいたとおり、××社を第一志望にしております。
そのため、◯月◯日頃に出る××社の選考結果を待って、正式にお返事したいと考えております。

仕事内容は両者ともに魅力的なのですが、やはり条件面では××社が上回るため、そちらで内定をいただけたら入社したいと考えております。

何卒よろしくお願いいたします。


氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)

内定保留後の、承諾・辞退の伝え方は?

内定保留後に承諾もしくは辞退の意志が固まったら、できるだけ早いタイミングで連絡しましょう。

保留後の回答の例文は、下記の記事で紹介しています。

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