離職票が届かない…対処方法まとめ
失業保険の申請や保険の切り替えなど、退職後に必要な離職票。退職してから10日~2週間で自宅に届くのが一般的ですが、会社が手続きしてくれないとなかなか受け取れないことも。
離職票が届かなくて失業保険の申請ができないと、満額受給できない可能性があります。できるだけ早く対処しましょう。
離職票は失業保険や各種保険の手続きに使うもの
離職票は、退職後に働かない期間がある人が受け取るべき書類のこと。失業保険の受給手続きや、年金・健康保険の切り替え手続きなどに使います。
離職票が自宅に届くまでには、10日~2週間かかるのが一般的。これは、離職票があなたのもとへ届くまでに
- 会社がハローワークに必要書類を提出
- ハローワークが離職票を会社に交付
- 会社が退職者の自宅に送付
という手続きが必要だからです。退職後数日しか経っていない人は、焦らずもう少し待ってみましょう。
なお、離職票は会社で雇用保険に加入していた人にしか発行されません。雇用保険に入っていたかわからない人は、給与明細の「控除」欄で「雇用保険料」が引かれているかを確認するか、会社に問い合わせてみましょう。
失業保険は離職票が必須!届かないときの手順
失業保険の受給には離職票が必ず必要です。離職票が届かないからといって手続きをしないままでいると、受給期間が短くなり、失業保険を満額もらえない可能性も。自己都合退職の場合、失業保険の受給期間は90~150日間ですが、退職後1年たつと打ち切られるので注意しましょう。
自己都合退職した人(失業保険の給付日数:90~150日)の場合は、
- 給付日数が150日の人は退職日から4カ月以内
- 給付日数が90日の人は退職日から6カ月以内
に申請しないと、もらえる金額が減ってしまいます。
※詳しくは→「自己都合退職での失業保険のもらい方」
【最新情報】自己都合退職の給付制限が2カ月に短縮されました(2020年10月1日更新)
自己都合退職の給付制限が、3カ月から2カ月に短縮されました。なお、期間短縮の対象者は2020年10月1日以降に退職した方です。ただし、最新の離職日からさかのぼって5年以内に3回以上自己都合退職をしている場合は、引き続き3カ月の給付制限がかかります。
離職票が必要だと会社に伝える
離職票を確実に受け取るためにはまず、「離職票が欲しい」と会社に伝える必要があります。伝えていない人は、会社に連絡しましょう。
会社は、退職者全員に離職票の発行手続きをするわけではありません。ほとんどの会社は退職前に離職票がいるかどうかを確認してくれますが、中には社員から申し出ないと手続きをしてくれない会社も。離職票について何も聞かれなかった人は、会社が発行手続きをしていない可能性があります。
会社がハローワークに必要書類を提出しないと、離職票は発行されません。辞めた会社には連絡しにくいかもしれませんが、これは避けて通れません。
退職後2週間経っても届かないときは会社に催促
退職後2週間経っても離職票が届かない人は、会社の人事担当者か経営者に問い合わせましょう。担当者が手続きを後回しにしていたり、忘れていたりする可能性があります。
雇用保険法では「退職者からの希望があれば、会社は離職票の発行手続きをしなければならない」と規定されており、会社が必要な手続きを行わないのは違法。毅然とした態度で催促してかまいません。
まずは自分で会社に連絡するのが基本ですが、退職前に嫌がらせを受けていたり、退職時にもめたりして直接会社に連絡したくない人は、ハローワークに相談してみましょう。事情を説明すれば対応してくれる可能性があります。
会社が送ってくれないならハローワークに相談
会社に催促しても離職票が届かないときは、「会社に離職票を発行してほしいと連絡したのに届かない」とハローワークに相談しましょう。ハローワークから会社に離職票を送るよう話をしてくれます。
離職票を無くしてしまった人は、会社が離職票の発行に必要な書類をハローワークに提出していることが確認できれば再発行してもらえます。急いでいる場合は、会社の住所を管轄しているハローワークで申請すれば、早く再発行してもらえます(早ければ即日)。
年金・保険切り替え/扶養加入は資格喪失証明書が基本
年金・健康保険の切り替えや、扶養加入手続きは「資格喪失証明書」を使うのが基本。離職票は必要ありません。退職証明書など、退職日がわかる書類でも手続きできます。
資格喪失証明書
資格喪失証明書とは、会社で加入していた年金や健康保険から脱退したことを証明する書類のこと。加入していた健康保険によっては、会社に連絡しなくても発行してもらえます。
【全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険に加入していた人】
全国健康保険協会(中小企業が多い。保険証に「全国健康保険協会」と記載)の健康保険に加入していた人は、近くの年金事務所で発行してもらえます。日本年金機構のホームページから請求書がダウンロードできるので、記入して持っていくとスムーズです。
【健康保険組合の健康保険に加入していた人】
健康保険組合(大企業が多い。保険証に「◯◯(会社名など)健康保険組合」と記載)の健康保険に加入にしていた人は、組合が直接発行してくれることもあれば、会社を通して組合に発行してもらわなければならないこともあります。加入していた健康保険組合に問い合わせてみましょう。
【どんな健康保険に加入していたかわからない人】
住んでいる市区町村によっては、ホームページから資格喪失証明書がダウンロードできるところもあります。どんな健康保険に加入していたかわからない人は「◯◯(市区町村名)資格喪失証明書」で検索してみてください。なお、ダウンロードした書類を手続きに使うには、会社の署名と押印が必要です。
退職証明書
退職証明書とは、あなたが会社を退職したことを証明するために会社が作成する書類のことです。うまくいけば即日発行も可能なので、できるだけ早く手続きを済ませたい人におすすめです。会社に「退職証明書を発行してほしい」と連絡して発行してもらいましょう。
年金や保険の切り替え方法が知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
さいごに、離職票が届かないときの対応方法をまとめました。
- 会社に離職票が必要であることを連絡
- 10日~2週間待つ
- 届かなければ会社に催促
- それでも届かなければハローワークに相談
(文:転職Hacks編集部)
この記事の監修者
社会保険労務士
山本 征太郎
山本社会保険労務士事務所東京オフィス
静岡県出身、早稲田大学社会科学部卒業。東京都の大手社会保険労務士事務所に約6年間勤務。退所後に板橋区で約3年開業し、2021年渋谷区代々木に移転。若手社労士ならではのレスポンスの早さと、相手の立場に立った分かりやすい説明が好評。様々な業種・規模の会社と顧問契約を結び、主に人事労務相談、給与計算、雇用保険助成金などの業務を行う。