趣味や自己PRの記入例も 面接カードの書き方|公務員を目指す人向け
公務員試験では、一次試験後の面接の際に「面接カード」というものが使われます。
しかし、どういった内容を書けばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか?
ここでは、面接カードの記入例や書き方のポイントについて説明します。
面接カードとは?
まずは、「面接カード」の使われ方や記入項目について説明します。
公務員試験で使われるエントリーシートのようなもの
面接カード(面接シート)とは、国家公務員試験や地方公務員試験の二次試験の面接で使われる、民間の新卒採用でいうES(エントリーシート)のようなものです。
公務員試験では、この面接カードをもとに面接が行われます。
面接カードの提出方法は主に3つ
面接カードは自治体によって提出方法が異なりますが、主に下記の3つの方法があります。
- 記入済みの原本をコピーとともに二次試験に持参する
- 事前に提出した上で面接を受ける
- 試験当日にその場で書く
事前に提出が必要な場合は、コピーをとって自分がどんなことを書いたのか把握しておき、面接カードに書いた内容と面接での答えに違いがないようにしておきます。
その場で書く場合は、定番の質問などをまとめた独自の面接カードを作成しておき、当日それを持参して書き写す形でも問題ないようです。
記入項目は自治体によって異なる
面接カードの記入項目は、公務員の分類(地方公務員、国家公務員、特別区)や、市役所などの自治体によって異なります。
手書きが指定されている場合や、パソコン作成がOKな場合もあります。
〈主な記入項目〉
- 志望動機
- 最近の関心事項(最近関心を持った社会問題や出来事など)
- 自己PR(長所・短所)
- 趣味、特技
- 最終学歴(大学・高校)、専攻分野
- 職歴
入手方法はダウンロードか郵送
面接カードの入手方法は、受験先の特設ページからPDFデータなどでダウンロードするのが一般的です。
地方公務員
市役所職員や教員など地方公務員を受験する場合は、公務員試験の特設ページでダウンロードする、もしくは一次試験通過後に自治体から郵送で届きます。
郵送で原本しかない場合は、下書き用にコピーし、原本は清書するときに使いましょう。
国家公務員
国家公務員の場合は、人事院の特設ページからダウンロードします。
コラム:特別区の3分間スピーチにも使われる
特別区(東京都23区)の人事委員会面接では、冒頭に3分間のプレゼンテーション(3分スピーチ)をするため、面接カードにもその内容を書きます。
テーマは主に「自己PR」「志望動機」「挑戦したい仕事」の3つです。
内容を800字ほどにまとめて、面接のときに同じ内容を話せるようにしておきましょう。
面接カードの書き方【記入例】
次に面接カードの書き方を説明します。
面接カードの記入例やアピールにつなげるための内容例を項目ごとに紹介します。
(1)専攻分野
面接カードの「専攻分野」は、大学などで学んだ専攻分野について簡潔に記入します。
〈例文〉
心理学部心理学科に所属し、主に発達心理学について学んでいます。
(2)志望動機・受験動機
面接カードの「志望動機」では、なぜ公務員でなくてはならないのか、公務員になってどんな仕事がしたいのかを書きましょう。
私は〇〇市を若者がより活躍できる市にしたいです。SNSなどを活用し、若者に移住者支援や地域おこし協力隊の制度を身近に感じてもらえるようにアピールしたいと考えております。
公務員の場合は、その自治体の特色や問題点、求められる仕事内容をしっかりと理解し、地域の発展に貢献したいという意気込みを伝えることが重要です。
また、地域貢献について考えるきっかけとなったエピソードなどを入れると説得力が増し、熱意も伝わりやすくなります。
(3)これまでに取り組んだ活動や体験
面接カードの「これまでに取り組んだ活動や体験」では、学業や職務、社会的活動や学生生活についての具体的なエピソードを書きましょう。
※これまでに取り組んだ活動や体験…達成感があったと感じたり、力を入れてきたりした経験
学業や職務において
〈例文〉
人の発達や情緒について研究しております。人の感情の変化や人間関係の構築にかかわる社会性について学び、自分自身だけでなく周囲の人々を理解することにも役立ちました。
学業について書く場合、ゼミや研究室で学んだことを簡潔に記載しましょう。具体的な内容は面接で話すことになるので、ここでは専攻した学問の中で主に勉強したテーマが伝わればOK。
社会的活動や学生生活において(ボランティア活動、サークル活動、アルバイトなど)
〈例文〉
3年間、地域清掃のボランティア活動を行っていました。地域の方々とのコミュニケーションを大切にしながら地域の問題改善にも取り組んだところ、新しい提案を採用していただくこともありました。
社会的活動や学生生活について書く場合は、どのような思いで取り組んでいたのか盛り込むとよいでしょう。
(4)関心事項
面接カードの「最近の関心事項」では、気になったニュースや出来事に対して、自分の考察や見解を述べましょう。
※関心事項…最近興味を持った社会問題や出来事、日頃興味を持って取り組んでいることなど
〈例文〉
熊本市役所で行われている対話式AI「ChatGPT」の実証実験にまつわるニュースに関心があります。現状では、外国語の文書の翻訳などに時間がかかっている自治体が多いようですが、普及すれば、業務効率化につながり、外国人の方とのやり取りもよりスムーズになるのではないかと思います。
できれば自治体に関するニュースが望ましいです。また、自分の詳しい分野や、ほかの記入項目に関連する内容であれば、面接のときに話題が広がりやすくなります。
(5)趣味、特技など
面接カードの「趣味・特技」では、自分の人間性を伝えることができるので、面接のときに会話が弾むような趣味や特技を書きましょう。
〈例文〉
趣味はドライブで、週末は友人と一緒に道の駅巡りをしています。
特技は英会話で、夏季休暇には一人でアメリカへ旅行に行きます。
気軽に取り組むことができ、ストレス解消やリラックスにつながる運動や音楽鑑賞などの趣味も、「ストレス耐性あり」と高評価につながる場合もあるようです。
(6)自己PR
面接カードの「自己PR」では、長所と人柄に一貫性を持たせるようなものを書きましょう。
※自己PR…長所や人柄について
〈例文〉
長所は困っている人を見過ごせないところです。常に周りの状況に気を配る性格で、上司からは円滑なコミュニケーションを取っていると評価されています。
主観的な伝え方にならないように、第三者の評価を入れることが重要です。
面接カードを書くときの3つのポイント
面接カードを書くときのポイントを3つ紹介します。
(1)結論を最初に書く
面接カードは、どの項目も結論から書き、要点のみを説明します。結論から書くことで、より何が言いたいのかがわかりやすい文章になるためです。
〈例〉
✕「私は販売職を通してさまざまなお客様とかかわったことから、コミュニケーション能力に自信があります」
◯「私はコミュニケーション能力に自信があります。販売職を通してさまざまなお客様とかかわったためです」
(2)できるだけ簡潔な内容に
面接カードでは、詳しい内容よりも簡潔な内容であることが重視されます。
そうすることで、面接官は「具体的にはどんなことをしたのか」を質問しやすくなるため、会話のキャッチボールが生まれて話が広がりやすい上に、面接でどう答えるべきかが予想しやすくなります。
ただし、簡潔ではあるものの、初見でも内容を理解できるように要点を記載するようにしましょう。
〈例〉
✕「2019年度の売上目標を達成するために、30ページの販売促進マニュアルを作り、売上が低い店舗に対してこれまでと違うプレゼン方法を提案した」
〇「売上目標を達成するために、自らマニュアルを作り、プレゼン方法を工夫した」
(3)字は見やすく、文は長すぎず
面接カードを書く際には、一文を20~40字程度にして読みやすくなるように心がけ、文字数が指定されている場合は超過しないよう注意しましょう。
パソコンで編集できるデータ形式であれば、書式が崩れないように注意して記入します。
〈例〉
✕「私は◯◯市の子育て支援事業の一つである通学路に信号機を増やすなどの安全確保や学校の垣根なく児童生徒が学べる小中一貫教育の実施に大変興味を持っています」
◯「私は◯◯市の子育て支援事業に興味があります。特に関心があるのは通学路への信号機の増設や小中一貫教育の実施についてです」
手書きする場合は、誤字脱字に注意し、見やすい大きさの字で丁寧に書きます。鉛筆などで下書きをしてから清書し、完成したら下書きを消しゴムで消すという方法もあります。
ただし、鉛筆で濃く書きすぎると跡ができたり、ボールペンのインク溜まりがあると下書きを消しゴムで消す際にインクがのびたりして、見栄えが悪くなることも。下書きの際に筆圧が強すぎないか、消しゴムを使う前はインクが完全に乾いているかどうかを確認しましょう。
コラム:面接カードの誤字には訂正印を
面接カードで誤字脱字をしてしまった場合、基本的には訂正せずに新たに書き直すことをおすすめします。
もし1枚しかない原本で誤字脱字をしてしまった場合は、訂正をしましょう。
訂正する場合は、誤字脱字部分に定規を使って二重線を引き、その線上もしくは近くに訂正印を押印します。そして、正しい文言を修正箇所の1行上に書きましょう。
訂正印は認印でも良いですが、小型のものが望ましいとされています。修正液や修正テープはマナー違反となり、悪い印象を与える可能性があるので避けましょう。
まとめ
面接カードは、国家公務員試験や地方公務員試験で使われるエントリーシートのようなものです。
この内容をもとに面接が行われるため、しっかりと自己分析をした上で書きましょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。