すぐ使える例文・書き方を紹介! カスタマーサポートの志望動機

志望動機は、採用担当者からの印象を大きく左右する項目です。採用担当者に熱意を伝え、入社後の活躍イメージを持ってもらうには、どうしたらいいのでしょうか。

この記事では、カスタマーサポートの志望動機の書き方と、すぐに使える例文を紹介します。志望動機で必ず伝えておきたい内容も紹介するので、あわせて確認しておきましょう。

志望動機を書く前に、仕事内容を確認しよう

カスタマーサポートは、主に商品・サービスに関する問い合わせ対応を行う職種です。お客様窓口ユーザーサポートとも呼ばれています。

基本的にカスタマーサポートが応対する顧客は、自社の商品やサービスを購入した「既存顧客」が中心です。顧客から届いた商品やサービスに対する問い合わせに対応するのが主な業務で、テレアポのように自分から電話をかけることはほとんどありません。

〈カスタマーサポートの主な仕事内容〉

  • 商品・サービスに関する問い合わせの対応
    (商品の使い方の説明、トラブル対処方法の紹介など)
  • 苦情(クレーム)対応

※電話やメール、チャットなどでの対応がメイン。場合によっては、対面で対応することもあります。

コールセンターとの違いは?

カスタマーサポートと業務内容が近い職種にコールセンターがありますが、「顧客とのやりとりに使うツール」と「業務範囲」が異なります。

まず「顧客とのやりとりに使うツール」ですが、カスタマーサポートが電話・メール・チャットなど様々なツールを使うのに対して、コールセンターが使用するツールは電話のみです。

また「業務範囲」に関しては、カスタマーサポートより幅広く、「新規顧客からの商品・サービスの注文受付」や、製品の紹介・訪問のアポ取りのために自分から顧客へ電話をかける「アウトバウンド業務」も手掛ける点が特徴です。

違いを把握せずに応募するとミスマッチの原因になってしまうため、両者の違いを把握して、自分に適した職種に応募しましょう。

コラム:カスタマーサポートの仕事は、今後無くなる?

AIの普及にともない、カスタマーサポートの仕事にも変化が生じています。チャットボットをはじめとするAIの導入によって、簡単な問い合わせなら自動で対応できるようになり、カスタマーサポートの人員を減らす動きが目立つようになりました。

その一方で、顧客が自分の困り事を正確に言語化できていないケースや、問い合わせ内容が複雑なケースはAIでは対応できず、まだまだ人が対応する必要があります。そのため当面は、カスタマーサポートの仕事が無くなることはないでしょう。

ただし、AIが対応できない仕事をこなすには、「商品・サービスに関する豊富な知識」や「会話から相手の意図を汲み取る能力」「相手に寄り添い、適切な対応を取る力」といった、より高度な能力が求められる点には注意が必要です。今後もカスタマーサポートとして活躍したいと考えている人は、これらの能力を積極的に習得していきましょう。

カスタマーサポートの志望動機で伝えたいこと

志望動機は、その会社で働きたいという熱意と、入社後どのように貢献できるのかを伝えるものです。そのため、カスタマーサポートに求められる能力や経験をアピールすることも必要です。

ここでは、カスタマーサポートに必要な「コミュニケーション能力」「臨機応変な対応力」を例に、志望動機にどのような経験を盛り込めばいいか紹介します。

コミュニケーション能力

カスタマーサポートは、顧客の問い合わせを受けて、課題を解決していく仕事。当然、会社の顔としてふさわしい対応ができる基本的なコミュニケーション能力が必要不可欠です。

また、問い合わせをしてくる人の中には、焦りや知識不足から、用件をうまく伝えられない人も少なくありません。そのため、顧客に寄り添った「傾聴力」や、顧客の真意や要望を正しく理解し、問い合わせ内容から問題点を発見する「洞察力」も必要です。

加えて、人によって製品・サービスの理解度が異なるため、相手が理解できる言葉でわかりやすく説明する「伝達力」も求められています。下記のような経験・実績を伝えることで、これらの力が備わっていることを積極的にアピールしていきましょう。

〈アピールに繋がる経験・実績の例〉

  • (経験者)顧客の状況を正しく理解するため、相手の話をこちらで整理しながら、深堀りしていくようなコミュニケーションを心がけてきた
  • (経験者)会話を通して相手の理解度を確かめ、伝わりやすい言葉選びをするよう心がけていた
  • (未経験者)販売スタッフとして、お客様の要望を受けて、それにかなう商品を紹介してきた経験がある
  • (未経験者)接客業で幅広い年齢層のお客様と接するなかで、相手が内容を理解できるように、相手に合わせて伝え方を変える工夫を行ってきた …など

臨機応変な対応力

一般的に、問い合わせ対応はマニュアルに沿って行います。ただし、マニュアルがあるからといって、すべてその通りに対応すればよいわけではなく、ケースバイケースの対応を求められることもあります。たとえば、マニュアルでは対応できないイレギュラーな問い合わせにも、臨機応変に対応した経験などがあればアピールしておきましょう。

また、カスタマーサポートは苦情(クレーム)対応を行う場合があります。強い言葉や態度で接してくる相手に対しても、動揺せず、その場で冷静に対処方法を考えなければなりません。

臨機応変に対処する力は一朝一夕で身につくものではないため、前職でクレーム対応をしていたといった経験はアピールポイントになります。経験があれば、エピソードを交えて伝えるようにしましょう。

〈アピールに繋がる経験・実績の例〉

  • (経験者)イレギュラーな問い合わせにスピーディに対応でき、職場内で評価されていた
  • (未経験者)飲食店の接客のなかでクレーム対応を担当することもあり、冷静に対処するスキルが身についた …など

カスタマーサポートの志望動機の書き方・構成

転職の志望動機は、「1.応募した理由(結論」→「2.その背景やエピソード」→「3.入社後の意気込み」の3段構成でまとめるのがおすすめです。応募した理由や背景を深堀りしつつ、入社後にどう貢献していきたいかを整理して伝えることで、志望動機の説得力を高められます。

この3段構成に沿って作成した例文を見ながら、具体的な書き方を確認しましょう。

〈例文〉

(1)
接客業で培った「お客様に寄り添い、困り事を解決する力」を活かしたいと考え、カスタマーサポートを志望しております。

(2)
私は携帯電話販売店で4年間にわたり、機種変更の手続きやサービスのご案内を行っております。お客様からの質問を受けることも多く、お客様が何に困っているのかをヒアリングし、サポートすることに強いやりがいを感じるようになりました。そこで、より多くの方の役に立ちたいと考え、カスタマーサポート職への転職を決意いたしました。

携帯電話関連の問い合わせ窓口を運営している貴社なら、これまでの業務で培った知識を活かせると考え、応募いたしました。貴社の採用ページで、「困っているお客様に安心感を提供する」という理念をもとに、お客様に寄り添うような対応をされているという記事を拝見し、私もそのような対応を行いたいと考えております。

(3)
接客業で培った、お客様の言葉から意図を汲み取る力や、クレーム対応の経験は、カスタマーサポートにも活かせるものと考えております。貴社の業務をいち早く覚えて貢献したいと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

(467文字)

1.応募した理由(結論)

志望動機の冒頭では、まず「応募した理由(結論)」を簡潔に伝えます。

「顧客の困り事を解決するという仕事に魅力を感じた」「(応募先企業の)〇〇な部分に惹かれて志望した」など、応募の決め手になったことを1~2文でまとめましょう。

2.その背景やエピソード

応募した理由(結論)に説得力を持たせるため、転職を決意したきっかけ・背景やエピソードを説明します。

未経験者の場合は、「カスタマーサポートに興味を持ったきっかけは何か」+「どこに魅力を感じているか」を整理して伝えるのがおすすめです。

経験者の場合は、現職で担当していることを踏まえて「経験を活かしてキャリアアップしたい」「自分が興味のある分野(得意とする分野)で活躍したい」といった、前向きな理由を伝えましょう。

なお、前職(現職)に不満があって転職する場合でも、ネガティブな内容や待遇面の理由を伝えるのはNGです。応募先の理念や扱っている商材、顧客の年齢層など、別の側面から応募先に惹かれた理由を記載してください。

3.入社後の意気込み

志望動機の締めとして「入社後の意気込み」も伝えましょう。どうやって活躍していきたいかを宣言することで、採用担当者に「入社後に活躍する姿」を想像してもらいやすくなります。

未経験者の場合は「前職の経験も活かしつつ、入社後に積極的に学んでいく姿勢」を、経験者の場合は「経験・知識を積極的に活かして貢献したい」という姿勢をアピールするのがおすすめです。

【例文】カスタマーサポートの志望動機

ここでは、あらためてカスタマーサポートの志望動機の例文を、「未経験者」「経験者」向けにそれぞれ紹介します。

押さえておくべきポイントも参考にして、自分の志望動機を作成していきましょう。

未経験者の場合

〈例文〉

(1)
お客様の困りごとを解決する仕事に魅力を感じ、カスタマーサポートを志望しております。

(2)
前職では健康食品店の販売スタッフとして、主に売場での接客業務を担当していました。商品についての質問やお客様の不安、困りごとにお答えすることで、感謝の言葉をいただくことも多く、お客様をサポートする仕事にやりがいを感じるようになりました。こうした経験から、より多くのお客様の困りごとを専門的に解決する仕事をしたいと考え、カスタマーサポートへの転職を志望しました。

健康食品のサポート専門窓口を開設している貴社であれば、問い合わせに専念できるだけでなく、前職と同じく「仕事を通じてお客様の健康を支える」ことに貢献できると考え、惹かれております。

(3)
カスタマーサポートの経験はありませんが、接客で培った相手に合わせてコミュニケーションの取り方を変える力や、クレーム対応経験などを活かし、貴社に貢献したいと考えております。

(394文字)

〈押さえておくべきポイント〉

  • 未経験者の場合、カスタマーサポートとして活躍できる可能性を感じてもらうために、「前職でどのような経験をして、何を応募先で活かせそうか」を伝えるのがポイント。
  • 前職でコミュニケーション能力を発揮した経験や、応募先で扱っている商材を扱った経験など、応募先との共通点を探してアピールすると効果的。 

経験者の場合

〈例文〉

(1)
カスタマーサポートとして、よりお客様に寄り添える環境で働きたいと考え、貴社の求人に応募いたしました。

(2)
前職では2年間にわたり、健康食品を扱う企業でカスタマーサポートを担当しておりました。主に電話・メールで寄せられるお客様からの問い合わせ対応や、契約内容の確認・変更手続きなどを行っております。ただ、会社の方針として短時間で効率的に問い合わせ対応を終えることを求められるようになり、ひとりひとりのお客様によりきめ細やかな対応で寄り添う仕事をしたいと考えるようになりました。

貴社では、問い合わせ対応にAIツールを導入し、スタッフがきめ細やかな対応が求められる案件に集中できる環境を整えているとうかがいました。貴社の環境なら、お客様の言葉にしっかりと耳を傾け、より丁寧な応対ができると考え、魅力を感じております。

(3)
前職で培った問い合わせ対応の技術や、顧客の言葉から意図を汲み取るスキルをもとに、より高品質な対応ができるスキルを伸ばし、貴社に貢献したいと考えております。

(429文字)

〈例文(キャリアアップを目指す例)〉

(1)
カスタマーサポートチームの立ち上げに携わりたいと考え、貴社の求人に応募いたしました。

(2)
現職ではPCの販売・修理を行う企業で5年間、カスタマーサポートを担当しております。問い合わせ対応のほか、チーム運営の補佐も任されており、メンバーサポートだけでなく、過去に事例のない問い合わせ内容の取りまとめやマニュアル反映など、業務の効率化と品質向上に取り組んでまいりました。こうしたチーム運営補佐の経験を活かして、より責任のある仕事をしたいと考え、転職を決意いたしました。

今回、業務拡大に向けて貴社がカスタマーサポートチームを新設すると知り、応募いたしました。PC関連機器の販売を行っている貴社であれば、現職で身につけた知識・経験も活かせると考えております。

(3)
これまでのチーム運営補佐の経験を活かし、貴社のカスタマーサポートチームの立ち上げ、運営と事業の発展に貢献したいと考えております。

(386文字)

〈押さえておくべきポイント〉

  • 経験者の場合、応募先の業務とのマッチングをしやすくするため、「どんなポジションで、どのような業務を手掛けたか」「扱っていた商材は何か」など、これまで手掛けてきたことをできるだけ具体的に伝えるのがポイント。
  • リーダー経験やチーム運営の経験があれば評価に繋がるため、書いておくのがおすすめ。

【書き終わったら…】時間を置いて見直しをしよう

志望動機の内容によって、採用担当者に与える印象は大きく変わります。そのため、時間を置いてから、必ず見直しをしておきましょう

見直す際には、下記の記事で解説している「志望動機を書くうえでのポイント」や「効果的な表現」なども参考にするのがおすすめです。誤字・脱字などを含めて、間違いがないかチェックしておきましょう。

この記事の執筆者

ライター・編集者

久保田 敦大

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。

大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。

転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。

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