化学メーカーの生産技術・プロセス開発 職務経歴書の書き方・ポイント
化学メーカーの生産技術・プロセス開発で働く人向けに、職務経歴書の書き方とポイントを解説していきます。最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載しています。
テンプレートをダウンロードし、早速作成していきましょう。
化学メーカーの生産技術・プロセス開発
職務経歴書の無料テンプレート
メインの業務が成形加工分野の人は「生産技術」を、化学工学分野の人は「プロセス開発」の職務経歴書テンプレートを活用してください。
生産技術
プロセス開発
化学メーカーの生産技術・プロセス開発
職務経歴書を作成するときのポイント
生産技術とプロセス開発は同じ「生産・製造」フェーズを担う職種ですが、職務経歴書で押し出していくべきポイントはそれぞれ異なります。
職務経歴書の作成に入る前に、自分の業務経験を踏まえ、どういった点をアピールすべきなのかを確認しましょう。
生産技術…「担当材料」と「担当工程」をしっかり伝える
化学メーカーの生産技術は「型」を使用し、金属や樹脂などの材料を加工して製品化する業務を担っています。
扱っている材料は企業によってさまざまで、射出成形、押出成形、ブロー成形など成形手法も異なるため、担当材料と担当工程でどのような成形手法を検討していたのかをしっかりと記載しなければ、企業側は自社が求める経験があるのかどうかを判断することができません。
このため、職務要約や職務経歴では「担当材料」と「担当工程」をしっかりと伝えることが重要になります。
すなわち生産技術は、具体的な業務内容が企業によって異なる分、応募者の経験・スキルが企業の求める条件にガチッとはまれば、専門性を活かした転職を実現させることができるということ。企業とのマッチングを意識して、いままでの経験業務をすべて書き出しましょう。
キャリア
アドバイザー
生産技術から研究開発に転職したい場合は…
「新卒時に研究開発を希望したが叶わなかった」とか「研究開発から生産技術に異動になった」という人のなかには「やはり研究開発がやりたい」という理由で転職を考える人が少なくありません。このような場合、直近の生産技術の経験よりも、過去のものでもよいので研究開発に活かせる経験・スキルを押し出しましょう。
未経験の人なら学生時代の研究テーマから研究開発に活かせる経験・スキルを、経験者であれば研究開発だったときの経験や実績をアピールするのがポイントです。
特に、研究開発から生産技術に異動した人で、自分の研究開発テーマを製造技術で量産化した経験があれば、研究から製造までのひととおりの経験を積んでいると評価されるので必ずアピールしましょう。。
プロセス開発…職歴自体が高評価なので「経験業務」を書き尽くす
化学メーカーのプロセス開発は「化学品を工業的にどうやってつくるか」を考える仕事で、業務内容や必要なスキルはどの企業でも比較的共通しています。ただし、化学工学に精通している人の母数が極めて少ないため、転職市場ではかなり希少性の高い人材だと企業に評価されます。
このため、職務経歴書で最初に目に入る「職務要約」ではプロセス開発として量産ラインへの落とし込みや工場の立ち上げに関わっていたことをしっかりと伝え、「職務内容」では具体的に担当した業務経験を余すことなく書き出すことが大切です。
ここからは、各記入項目のポイントを解説していきます。
【職務要約】を記入するときのポイント
重要度:★★★・・
社名・職種名・担当製品/業務を5行程度で書く
「職務要約」は採用担当者が最初に目を通し、採用条件にマッチするかどうかを判断する重要な項目です。
ここでは
- どのような会社の
- どのような部署・職種で
- どのような業務を行ってきたのか(=担当製品や担当業務の幅)
の3点を盛り込みながら、目安として5行程度で簡潔に記載します。
3つ目のどのような業務を行ってきたのかでは、「生産ラインの設計」「ライン立ち上げ(新設ライン、既設ライン)」「設備の検討・構築」など、生産技術やプロセス開発としてどの役割をメインに、どの範囲までの業務経験があるのかが伝わるように記載しましょう。
また、「マネジメント経験」や「海外工場の立ち上げ経験」は他の応募者との差別化ポイントになるので、職務要約でも触れておくのが効果的です。
【職務経歴】を記入するときのポイント
重要度:★★★★★
マッチングを意識して概要を箇条書き・固有名詞を列挙する
「職務経歴」は具体的な業務経験を詳細に書き出す項目です。採用担当者はここに書かれている担当製品や担当工程、業務内容などから「自社で活かせる経験・スキルがあるか」を判断しています。
企業が求める業務経験やスキルを有していても、「職務経歴」に記載していなければ評価してもらえません。そのため、ここでは経験した業務をすべて書き出すことが大切です。
【担当製品】【担当工程】などの見出しを立てて、それぞれの概要を箇条書きもしくは固有名詞を列挙しましょう。各項目の記入時のポイントは以下のとおりです。
項目 | 記入時のポイント |
担当製品 |
|
担当工程 |
|
主な業務 |
|
取扱材料 ※生産技術のみ |
|
技術知識/使用ツール |
|
主な実績 |
|
キャリア
アドバイザー
他部署での業務経験を書き出すことで転職先の選択肢が増える!
化学メーカーでの転職は、現職での経験の幅と深さが、応募先企業の採用条件に合致するかどうかが重要なポイント。そのため、経験した業務の幅が広ければ広いほど転職先としてマッチする会社の選択肢が広がります。
社内異動などを経て、生産技術フェーズと隣り合う「研究開発」や「製造」「品質管理」などの経験がある場合は、所属していた部署・期間ごとに記入枠を区切って、それぞれの業務経験を洗い出しましょう。
【保有資格・スキル】【活かせる経験・知識・技術】【語学】を記入するときのポイント
重要度:★★★★・
専門性が高く、再現性のありそうなスキルを書き出す
ここでは、いままでの業務で培ってきた「専門性の高い経験」や、転職先でも活かせるような「再現性のあるスキル」をまとめましょう。
特にプロセス開発に携わっている場合には「建設プロジェクト時の工程管理と予算管理」「ラボ→パイロット→量産化のスケールアップ検討」「スケールアップに伴う設備選定とレイアウト」など、具体的な経験を列挙することで、転職先でも直接活かせるスキルがあることをアピールできます。
「メインは化学プロセスの検討だが設計の経験もある」という人は、CADなどの設計ツールやシーケンサーの使用経験と具体的な種類を忘れずに記載してください。経験を活かせる求人を探しやすくなり、マッチする応募先の選択肢も広がります。
ISO/TSなどの知見や推進経験、加工プロセスに関する知見がある場合もぜひ記載を。生産ラインの立ち上げに伴うひととおりの知識と経験があると判断されます。
キャリア
アドバイザー
英語力は評価アップ!実務経験まで詳細に記載を
英語力は企業の歓迎条件に含まれることもあり、持っている人はプラス評価。海外工場への出張経験や現地メンバーとの情報交換など、業務で英語を使用する機会がある人は必ず記載してアピールを。
「TOEIC」のスコアに加えて、文書読解が可能なのか、実際にメール対応しているのかなど、「実務経験」を記載しましょう。
コラム:学生時代の研究が業務に活きる場合は記入を!
化学工学、流体力学、熱力学、材料工学など、学生時代の研究テーマと現在の業務内容の関連性が高い場合は、職務経歴書にも記載しましょう。学生時代から一貫してその領域に対する専門的な知見があることが伝わります。
【学生時代の研究】では、以下の3つのポイントを簡潔に記載しましょう。
- 研究テーマ:学生時代に取り組んでいた研究のテーマ
- 研究概要:研究の目的、検討内容、実験・評価手法などの概要
- 研究成果:研究によって得られた成果や結果
【自己PR】を記入するときのポイント
重要度:★★★★・
関連部署とのやり取りをとおした「調整力」はアピール必須!
生産技術・プロセス開発は「研究開発部門」や「製造部門」と協働しながら、量産化に向けて製造プロセスの開発・検討や生産ラインの立ち上げを行います。また、新工場を稼働させる際には、顧客や設備メーカー・ゼネコンなどともやり取りを行うこともあるでしょう。
このように生産技術・プロセス開発は業務上、他部署や社外の関係者と関わることが多いため、「関係各所との調整力」は自己PRで絶対にアピールしたいポイントのひとつ。関係部門や製造分野との具体的なやり取り、直面した課題の解決を図った事例を記載しましょう。
たとえば「設計活動時にDR(デザインレビュー)を実施してリスクマネジメントを図った」「ライン立ち上げの際に品質管理と協力してクレーム対応や安全性評価の手法を確立した」といったエピソードからは、関係各所と連携している具体的な様子が伝わります。
「顧客からの問い合わせには自社の狙いを建設的に伝えて実現可能性の有無を説明した」「連携が必要な他部署やメーカーと丁寧なコミュニーションを図り、信頼関係の構築に努めた」など、業務を行う上で心がけていたことを盛り込み、目の前の課題を解決したエピソードを伝えるのも効果的です。
キャリア
アドバイザー
工場新設に関する経験・スキルはプラス評価!
工場新設の経験があれば、自己PRでもぜひアピールを。自身が向き合った課題と具体的な解決策、それによる結果を伝えましょう。海外工場立ち上げの経験がある場合は、海外だからこその苦労などを具体的なエピソードをもとに記載するのも有効です。
gd2md-html: xyzzy Tue Aug 06 2024
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。