書き方・テンプレート 組み込みエンジニアの職務経歴書
組み込みエンジニアの職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。組み込みエンジニアに関する最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
組み込みエンジニアの職務経歴書テンプレート
組み込みエンジニアが職務経歴書を書く上での心得
とにかく大事なのは経験・スキルをくわしく・具体的に伝えること
組み込みエンジニアが職務経歴書を書く上で何よりも大切なのは、下記の4点をできる限りくわしく・具体的に伝えることです。
なぜなら組み込みエンジニアは、例えば「複合機→自動車電装品」など、転職によって業種や関わる製品が変わるケースが多く、採用してもらえるかどうかは「これまでの開発経験や技術・知識のうち、応募先でも活かせるものがどれだけあるか」がすべてだから。
例えば複合機の経験一つとっても、単に「複合機の組み込みソフト開発」ではなく「複合機の組み込みソフトにおける、用紙搬送制御の設計開発」などと詳細に記載するようにしましょう。
そうすることで、採用担当者は「製品は違っても、搬送制御の経験があるなら、自社のモーター制御にも活かせそう」などと判断し、「ひとまず会って話を聞いてみよう」と思ってもらえるのです。
では一体、何をどのように書いていけばいいのか、項目ごとにくわしく解説していきます。
1)職務要約
重要度:★★★☆☆
応募先でも活かせる経験・スキルを5行前後でまとめる
職務経歴書冒頭の「職務要約」欄は、その先を読み進めてもらうためのフックとなる部分。
忙しい採用担当者にパッと見で自社との共通点を見つけてもらい、まずはざっくりと「採用要件を満たしていそう」と感じさせることが大切です。
そのため、応募先の企業・ポジションでも活かせそうなものを中心に、これまで関わった製品やソフトウェア、担当範囲やチーム内での役割などについて、5行前後で端的にまとめましょう。
キャリア
アドバイザー
幅広い担当領域・折衝経験は好印象
組み込みエンジニアの場合、上流から下流まで広く経験していることや、顧客や協力会社などとの折衝経験が評価される傾向があります。
そういった経験があれば「職務要約」欄でも触れておくのがおすすめです。
2)職務経歴
重要度:★★★★★
担当範囲や開発環境などをくわしく記載する
「職務経歴」欄は、組み込みエンジニアの職務経歴書における最重要項目であり、ここをいかにくわしく・具体的に記入できるかで合否が決まると言っても、過言ではありません。
採用担当者は、「職務経歴」欄から応募者の経験してきた製品やソフトウェア、開発環境(OSや言語)や担当範囲などをくまなくチェックすることで、その内容やレベル感が自社製品でも活かせるかを精査しているからです。
応募先との共通点を見つけてもらえるよう、できる限りくわしく・具体的に、下記の項目を部署や担当製品ごとに記入しましょう。
なかでも「主な業務内容」は抽象的になりがちなので要注意。一口に「ソフトウェア開発」といっても、何をどうするためのソフトウェアで、そのうち自分自身の担当範囲や役割は何だったのか、イメージが湧くようできる限り詳細に記載します。
キャリア
アドバイザー
「実績・工夫した点」では課題解決や折衝の経験を記載する
組み込みエンジニアの場合、「実績・工夫した点」では
- 課題やトラブルの改善・解決に向けて取り組んだ経験
- 関係各所と調整・交渉を行った経験
などを記載しましょう。
組み込みエンジニアは職業柄、社内外の多くの人と関わるため、価値観の衝突や利害関係の調整が避けられません。
よって、自ら課題解決に向けて行動できる主体性や関係各所に対する調整力、巻き込み力、交渉力などが求められるため、そうした能力が備わっていることをしっかりアピールする必要があるからです。
「テクニカルスキル」をまとめて書く
組み込みエンジニアの場合、経験のあるOS・言語(テクニカルスキル)について、種類と使用期間、使えるレベル感について、「職務経歴」欄の最下部にまとめておくのが一般的です。
「職務経歴」欄とあわせて、採用担当者に自分のスキル感をさらに具体的にイメージしてもらえます。
3)活かせる経験・知識・技術/保有資格・スキル/語学
重要度:★☆☆☆☆
「職務経歴」欄の補助として、伝えきれないことを書く
資格やスキル、語学力などについて記載する項目です。
あくまで「職務経歴」欄の補足的な位置づけではありますが、「職務経歴」欄では伝えきれない経験・スキルを書いたり、「職務経歴」欄に記載した内容を一言にまとめて箇条書きにしたりすることで、プラスアルファのアピールにつながるケースも。「わかりやすく・端的に」記入しましょう。
活かせる経験・知識・技術
組み込みエンジニアの場合、「職務経歴」欄に記載した内容のうち、応募先の企業・ポジションでも活かせそうな経験・知識・技術を箇条書きでまとめるのがおすすめ。
「職務経歴」欄はどうしても情報量が多くなってしまうため、採用担当者にとって読み込むのが手間になったり、アピールポイントがわかりづらくなったりするケースがあるからです。
〈「活かせる経験・知識・技術」欄の記入例〉
- C++言語による、プリンタ組み込みモジュール及び Windows ドライバ開発経験
- ソフトウェア開発の上流から下流、量産の製造現場・出荷まで立ち会った経験
…など
保有資格・スキル
組み込みエンジニアで最も重視されるのはあくまで実務経験であり、資格の有無や内容が採用基準になることはほとんどありません。
ただし、独学で勉強している技術に関する資格(情報技術者試験など)や、競技プログラミングのハイスコアなどを持っている場合、自己研鑽の姿勢や技術力のアピールにつながるでしょう。
特に書くことがない場合、項目自体を削除してもOKです。
語学
組み込みエンジニアは、企業や製品によっては海外の協力会社とのやり取りが発生するため、TOEICなどの語学力を証明する資格・試験があれば、加点要素になります。
その際は「英語ネイティブとの会議が可能」など、「実務においてどれくらいのレベル感で使えるのか」についても併記しておくのがポイント。
4)自己PR
重要度:★★★★☆
組み込みエンジニアの「自己PR」欄では、下記の2点がポイントです。
組み込みエンジニアの場合、「自己PR」欄は「職務経歴」欄に次いで重要です。
組み込みエンジニアは、顧客やベンダーなどの協力会社をはじめ、社内の機械設計や電子回路設計など、関わる人が多い職種だからこそ、調整力や巻き込み力、交渉力といったコミュニケーション能力を強く求められます。
そうした能力があることを確実に評価してもらうためにも、「職務経歴」欄だけではなく、「自己PR」欄もフル活用してしっかりとアピールしていく必要があるのです。
アピールしたい内容が端的に伝わるように、たとえば「関係各所に対する調整力」といった見出しを1~3個立てた上で、その根拠となるエピソードを書きましょう。
エピソードは「逆境を乗り越えた経験」にする
自己PRのエピソードを書くときに注意したいのが、「壁にぶつかり逆境に立たされた経験」を選ぶという点。
組み込みエンジニアは関係各所とコミュニケーションをとる機会が多い職種だからこそ、単に「的確な指示出しをしてトラブルの未然防止に努めた」といったレベルのエピソードでは、ライバルに差をつけることは難しいからです。
〈自己PRの題材となるエピソードの例〉
- 顧客から実現不可能な要望や本質的ではない要望などを受けた場合に、QCD(品質・コスト・納期)をふまえ落とし所を探った経験
- 協力会社の進捗や成果物の品質が芳しくない場合に、依頼の方法やフローを改善した経験
…など
そうではなく、価値観の違いで衝突したり、利害関係の調整が必要になったりといった、課題やトラブルを起点にしたエピソードを題材にすることで、レベル感の高さが伝わり、ライバルから抜きん出ることができます。
自己PRを書き始める前に、そうした経験はないか、振り返ってみましょう。
組み込みエンジニアの志望動機もあわせてチェック
職務経歴書が完成したら、悩みがちな志望動機の書き方や例文についても、下記の記事から確認しておくのがおすすめです。
実務経験や技術・知識が重視される組み込みエンジニアの転職において、志望動機を問われるケースは多くはありません。
ただし、熱意や入社意欲を確かめる上で聞かれる可能性がゼロとは言い切れないため、このタイミングで準備しておくと、のちのち回答に困らずに済みます。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。