化粧品業界の商品企画・商品開発 職務経歴書の書き方・ポイント
化粧品業界で転職する際に必要となる「職務経歴書」。
この記事では、商品企画・商品開発として働いている方向けにくわしい書き方やポイントを紹介します。
テンプレートをダウンロードし、早速作成していきましょう。
化粧品業界の商品企画・商品開発
職務経歴書テンプレート
職務経歴書で押さえるべき3つのポイント
化粧品業界の商品企画の役割は、会社ごとにそれほど変わるものではありません。ですが、幅広い仕事のどこからどこまでを担ったのか、そこでどれくらい実績を出したのかは、個々人によって大きく異なるところです。
このため、職務経歴書では「あなたが商品企画として何年の経験があるのか」だけでなく、採用担当者があなたの商品企画としての力量をはっきりイメージできるよう、次の3つのポイントを押さえた具体的な記述をしましょう。
1.仕事の幅
:特に企画以外の仕事をどこまで行っていたか
まずは職務経歴欄で、化粧品業界の商品企画・商品開発として行っていた仕事の幅をしっかり伝えましょう。
メイン業務は企画立案ですが、それは商品企画であれば誰でも行っていること。企業側が知りたいのは、むしろ企画・アイディア出し以外の業務、すなわちゴーサインが出た企画を商品化させるまでのディレクション業務や容器・パッケージデザインの検討、販売戦略立案や実施などをどれくらい行ってきたかです。
詳細は「職務内容」欄に【担当製品】【担当業務】という欄を設けて、その中で記しましょう。
キャリア
アドバイザー
「職務内容」の冒頭で配属先・役割・メンバー数を伝えよう!
商品企画が1人しかいない企業と10名いる企業とでは、業務量や働き方は異なるはず。「職務内容」の冒頭には配属先と自身の役割、部署内の人数を記載することで、企業により正確にあなたの業務経験や仕事の幅をイメージさせることができます。
いままでの担当製品と担当業務をすべて書き出す
まず【担当製品】欄では、担当ブランドと製品・種類を記載します。
このとき、ブランドページのURLも掲載しておくのがポイント。そこから商品ビジュアルやコンセプト、価格帯など、職務経歴書には書ききれない詳細な情報がわかり、企業側に担当製品のイメージがより明確に伝わります。
続いて、【担当業務】の下に「■自社化粧品(携わっていた商品の種類)の商品企画・開発」という見出しを立て、行っていた業務を箇条書きしましょう。ここで、企画立案以外のディレクションを中心とした業務内容をすべて出し切るようにします。
販促・ブランド管理経験も見出しを立てて詳細を記載!
【担当業務】の範囲が販促やブランド管理にも広がる場合は、「■自社化粧品(携わっていた商品の種類)の商品企画・開発」と同様に「■販売促進・広告宣伝」などわかりやすい見出しを立て、それぞれの概要を記載しましょう。
こちらも具体的であるほど、担当していた業務の幅の広さが伝わりやすくなります。
化粧品原料や成分の知識がある場合は+αの評価に
商品企画は、ご存知の通り文系出身者の多い仕事です。そのため、処方開発経験や原料・成分についての知識がある、研究者と成分量をどう配合・調整するか折衝している…など、開発寄りの知識・経験は他の応募者との差別化ポイントになります。
もしも化粧品の成分や配合に関する知識があり、それを活かした業務を行っている場合は「■容器/製造メーカーへの開発・調整依頼」などの見出しを立て、その旨がわかるように明記しておきましょう。
〈記入例〉
容器/製造メーカーへの開発・調整依頼
- 原料や成分に関する相談と詳細検討
- 配合の指定や分量の細かな調整依頼
- 資材(容器、ラベル、パッケージ)の仕様決定
- 製造に関するスケジュール・進行管理
ただし、企画職の求人に応募するのに、商品開発寄りの業務経験ばかりアピールしてはミスマッチの原因になってしまいます。自己PRなどで扱うかどうかは応募先の企業に合わせて検討しましょう。
2.実績
:アイディアから商品化に至った数
商品企画にとって大切な企画力と実行力を計るには「出した企画のアイディアの数」と「年間どれくらいの数が商品化にこぎ着けたか」の2点は欠かせない要素です。
「職務内容」に【主な実績】という欄を設けて「年何本の企画が通り、うち年間何本が商品化されたか」を記載します。商品名と発売日(○年○月まででOK)を記載してもOKです。
販売実績やメディア掲載実績などもぜひ記載を!
企画した製品の販売実績や消費者からの評価は、あなたの実績を示す客観的なデータとして有効です。
売れ行きや知名度などは販売促進や営業など別部門の力に左右される場合が多いものの、企業側としてもヒット商品を手がけた商品企画とあれば「ぜひとも一度会ってみたい」と考えることも多いでしょう。
書くことで不利になるようなものは書かなくて良いですが、成功を収めたプロダクトに関しては、年間の売上金額や出荷本数、メディア等での評価などはぜひとも記載しておきましょう。
3.テイスト
:誰に向けたどんな価格の製品をどんな手法で企画してきたのか
「ブランドの世界観がマッチするか」や「企画の立案方法や考え方が自社と近しいか」といった、感覚的な要素も判断基準のひとつになるのが化粧品業界の商品企画・商品開発職ならではのポイント。
経験やスキルを記載する際は、応募企業のテイストとマッチするものを選びましょう。商品企画としての経験・スキルだけではなく感覚も合いそうだと判断されれば、書類選考突破に近づきます。
キャリア
アドバイザー
「世界観の親和性がある」と伝わるほど選考は有利
「10代向けのプチプラから30代向けのデパコス」や「ケミカル系コスメからオーガニック系コスメ」など、製品の世界観が全く異なる企業への転職がなかなか厳しいのが企画職の特徴。
このため、過去の企画立案経験のなかでも、応募先の世界観に合致した商品の企画やディレクション経験を軸に実績やエピソードを伝えるのがポイント。ブランドページのURLや、商品のコンセプト・ターゲットについても触れておきましょう。
企画の立案手法がマッチすると伝えるのも一つ
ブランドの世界観や感性を大切にしながら実現するような「プロダクトアウト」思考の企画提案なのか、それとも消費者行動データなどを参考にした「マーケットイン」が考え方のベースなのか…といった企画の立て方・考え方から、前職と応募先に親和性があると伝えることも有益です。
応募先がプロダクトアウト思考の企業であれば「ブランドのコンセプト設計のこだわりや考え」を伝えましょう。逆に、マーケットイン思考の企業ならば「インタビューやアンケート調査など消費者ニーズを掴むための取り組み」や「調査・データなどを活用した既存商品のリニューアル企画経験」を伝えるとよいでしょう。
「自己PR」でアピールすべきこととは?
職務経歴書のなかでも「自己PR」は、自分の強みとなる経験・スキルを文章で具体的に伝えられる項目です。
多くの転職者が悩むポイントですが、化粧品業界の商品企画・商品開発の場合、企画職としての素養があることや業務経験に説得力を持たせることが重要です。下記のようなポイントをアピールしましょう。
アイディア力
0から1で商品を生み出す商品企画・商品開発だからこそ、業務経験を通して「アイディア力」はアピールしたいところ。どのような考えのもと、どういった人に向けて、どのような商品を企画したのか、詳細に伝えましょう。このときにこだわったポイントやコンセプトなども伝えます。
また、一見華やかに見える企画職ですが、企画がすべてスムーズにとおる訳では無いため、粘り強さがあるかどうかも見られます。
たとえば「平均3ブランドの商品化を進めながら、月に1度は企画案を提出し続けた」といったアイディアを出し続けた経験や「OEM営業に同行して商品企画案をプレゼンした」など一つの製品を商品化にこぎつけたエピソードなども効果的です。
社内プレゼン力
社内で合意を得られなければ、せっかくの企画も実現しないのが商品企画というもの。アイディア力に加えて、社内関係者を納得させる「プレゼンテーションスキル」もアピールしたい能力の一つです。
「活かせる経験・資格・知識・スキル」にWord、Excel、PowerPointそれぞれの使用レベルを記載した上で、自己PRでは「営業部門に掛け合い顧客の声を集めて資料に反映した」「競合商品との比較をまとめて新商品の“売り”を明確にした」など、具体的なエピソードを記載しましょう。
トレンドへの関心
「トレンドへの関心」も商品企画であれば改めて強調して伝えたい強みの一つ。化粧品業界では「日頃から化粧品に対してどれくらい高い関心を注いでいるか」という業界適性がかなり重視されるためです。したがって、ただ化粧品が好きというだけでなく「自主的に他社の商品や流行をモニタリングしている」エピソードを添えて示すとよいでしょう。
この際、「毎週百貨店に直接足を運び、売れ行きのよい商品をチェックして傾向をまとめている」「毎日コスメ口コミサイト10社と、美容系SNSアカウント50件を確認し、リアルな情報収集に努めている」など、具体的な行動を伴うエピソードを記載してください。頻度やチェック数といった定量的な情報を盛り込むことで、あなたの行動に説得力が出ます。
gd2md-html: xyzzy Mon Jul 29 2024
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。