伝えておくべき内容は? 【例文付き】営業企画の志望動機の書き方

志望動機は、書き方や内容によって採用担当者からの印象が大きく変わる項目です。採用担当者に「入社後の活躍イメージ」を持ってもらい、選考の通過に繋げるにはどうしたらいいのでしょうか?

この記事では、営業企画の志望動機の書き方と、未経験者・経験者それぞれの志望動機の例文を紹介します。営業企画の志望動機で必ず押さえておきたいポイントも紹介するので、あわせて確認しておきましょう。

【作成前に確認】営業企画の仕事内容

営業企画は、製品・サービスを販売するための営業戦略の立案や、目標設定を行う仕事です。市場調査の結果をもとに、営業用のトークスクリプトの作成や、販促キャンペーンの企画、販促ツールの作成などを行い、売り上げの拡大を目指します。また、インセンティブの設定や、業務効率化のための営業ツールの導入など、社内向け施策の企画も行います。

競合や顧客に関する調査・分析などマーケティングのスキルが問われるほか、自社の製品・サービスに対する深い理解や、営業活動への理解も求められる仕事です。

〈営業企画の主な仕事内容〉

  • 市場調査・分析
  • 営業戦略の立案
  • 営業目標の設定
  • インセンティブなど、社内向け施策の企画
  • 営業支援ツールの導入検討 …など

コラム:営業企画のキャリアパスは?

営業企画へ転職する場合のキャリアパスは、まず営業職の経験を積み、マネジメントや育成を経験した後に、キャリアアップ先として目指すのが一般的です。

では、営業企画になったあとのキャリアパスは、どうなっているのでしょうか?

営業企画からの転職先として考えられるのは、事業企画経営企画です。営業企画で培ったマーケットの分析能力や課題発見・解決力は、事業戦略や経営戦略の立案にも共通するスキルです。企業によっては、営業企画もほかの企画職の業務の一部を担うケースがあるため、親和性が高いようです。

また、コンサルティングファームに転身する選択肢もあります。営業企画の業務を通じて実践的な課題解決の知見を身につければ、クライアント企業の営業戦略や組織課題を解決するコンサルタントとして活躍することも可能です。また、コンサルタントとしての経験を積むことで、事業会社の経営企画などのポストへのキャリアパスも描けるでしょう。

志望動機で伝えておくべき内容

営業企画の志望動機で伝えるべきことは、「応募先を選んだ理由」と「転職後に活かせるスキル・経験」の大きく2つに分けられます。

営業企画は、企業の売り上げを左右する重要なポジションです。重要な業務を任せるからこそ、「自社の強みや、扱っている商品をよく理解しているか」「明確な目的があって自社を志望している人物か」といったことを確認して、応募者の熱意や志望度を見極めようとしています。

そのため、選考を通過するには応募先を選んだ理由を明確に伝え、「この企業で働きたい」という熱意を強くアピールしましょう。具体的に「その企業の、どのような部分に魅力を感じたのか」「その企業で実現したいことは何か」を伝えてください。

同時に、営業企画として活躍できるだけの経験・スキルがあることを示し、「転職後に活躍できるイメージ」を持ってもらうことも重要です。

具体的にどのようなことを伝えればいいか、くわしく見ていきましょう。

「応募先を選んだ理由」の伝え方

企業の売り上げを左右する営業企画には、その企業への深い理解や、会社に貢献したいという熱意が求められます。

そのため、応募にあたっては、応募先の企業や業界事情を入念にリサーチ・分析したうえで「その企業や商品、販売戦略のどのような部分に魅力を感じたのか」「なぜ、そこに魅力を感じたのか」を、応募先を選んだ根拠として伝えてください。その際、たとえば「前職での○○した経験から△△と考えるようになったため」といったように、自身の経験に裏打ちされた「なぜ」を伝えることができると説得力が増します

また、営業企画の業務には市場や競合に関する知識が必須なため、業界に関する知識や応募先企業の商材と近しいものを扱った経験があると評価される傾向があります。同業界の経験などがある場合は、「これまでに培った経験・知識を活かして貢献できると考えた」といった形で、貢献意欲を伝えるといいでしょう。

〈応募先を選んだ理由の例〉

  • 〇〇業界での営業戦略立案の知見を活かし、より大きな規模の組織を牽引する経験を積みたいと考えた
  • 短期スパンで商品展開を行っている貴社なら、スピード感を持って営業戦略を立案できると考えた …など

「転職後に活かせるスキル・経験」の伝え方

営業企画には、「情報収集力・分析力」「企画力・発想力」「コミュニケーション能力」の3つの力が求められます。転職後に活躍できるイメージを持ってもらうために、これらの力の裏付けとなる業務経験を、志望動機でも伝えておきましょう。

〈情報収集力・分析力〉

営業戦略の立案には、消費者や市場の状況、トレンドなどをキャッチアップする「情報収集力」が必要不可欠です。同時に、データから潜在的なニーズや競合との差別化ポイントを導き出す「分析力」も求められます。

そのため、企画やマーケティングなどの業務を通じて、市場やユーザーの調査・分析を行った経験や、応募先の業界に関する専門知識があれば、積極的にアピールするといいでしょう。いずれも営業企画の業務に活かせるものなので、即戦力として評価してもらえる可能性が高まります。

  • 現職では、競合各社の動向調査や消費者へのヒアリングを担当し、業界知識を培ってきた
  • 市場で受け入れられている商品の傾向や、販売戦略などを調査・分析し、営業トークに取り入れてきた …など

〈企画力・発想力〉

営業企画は、データ分析の結果や競合他社の事例などをもとに、営業戦略を立案する職種です。自社の課題や市場の状況といったデータをもとに、売り上げを最大化するための戦略や、キャンペーンのアイデアを生み出す「発想力」と、アイデアを実現可能な計画に落とし込む「企画力」が求められます。

志望動機では、分析結果をもとに何らかの施策を考えた経験や、課題の抽出・解決を行った経験を通じて、企画力・発想力があることを印象付けるといいでしょう。売り上げや改善効果などは数値を使って定量的に伝えると、成果が客観的に伝わりやすくなります。

  • (経験者)市場調査やユーザーニーズの分析を行い、得られたデータをもとに営業戦略の立案を手掛けてきた
  • (未経験者)ユーザーニーズの分析結果を営業トークに取り入れ、メンバーに共有することで、チーム全体の売り上げを〇〇%改善した …など

〈コミュニケーション能力〉

立案した営業戦略を実行に移すには、営業担当をはじめ関連部署とコミュニケーションをとり、協力関係を築くことが必要不可欠です。そのため営業企画には、自分の考えを理解してもらうために、相手にあわせて最適な伝え方を考える「意思伝達力」や、物事を筋道立てて伝える「論理的表現力」が欠かせないと言えるでしょう。

また、円滑に業務を進めるには、関係者のモチベーションを向上させたり、協力が得られやすい雰囲気づくりも欠かせません。周囲と連携して円滑にプロジェクトを推進した経験を伝えることで、リーダーとして必要なコミュニケーション能力が備わっているとアピールするといいでしょう。

  • チームマネージャーとして、社内各所との連携・調整や、チームメンバーへの施策の説明を行ってきた
  • 顧客や経営層へのプレゼンテーションや調整を担当し、合意形成に繋げてきた …など

志望動機の書き方・構成

履歴書の志望動機は、「1.応募した理由(結論)」→「2.その背景やエピソード」→「3.入社後の意気込み」の3段構成で作成するのがセオリーです。

応募した理由を冒頭で端的に伝え、そう考えるに至った理由や背景を具体的に補足することで、応募した背景を採用側が理解しやすくなり、志望動機の説得力も高まります。

この構成にそってまとめた例文を見ながら、志望動機の書き方を確認しましょう。

〈例文(未経験者)〉

(1)
営業職で培った知識や経験を活かしてキャリアアップしたいと考え、営業企画を志望しております。

(2)
現職では、産業機械のルート営業を〇〇年間担当し、顧客ニーズの掘り起こしと商品提案を行っております。また、市場分析や競合調査といったマーケティング業務も担当しており、新規顧客開拓のための戦略立案なども手掛けておりました。こうした営業企画に近い業務を担当するなかで、営業企画としての専門性を高めたいと考えるようになったものの、社内では転属が難しかったため、転職を決意いたしました。

事業規模の拡大にともない、業界知識を有する人材を募集している貴社であれば、これまでに培った業界知識や営業ノウハウ、市場分析などの経験を活かして貢献できると考え、応募いたしました。

(3)
営業経験者として、顧客から得たニーズや業界知識、営業の現場感覚を活かしつつ、営業企画の業務を学び、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。

(393文字)

1.応募した理由(結論)

志望動機の冒頭では、まず「応募した理由(結論)」を伝えます。

営業の経験を活かし、営業企画に挑戦したいと考えた」「現在よりも幅広い商品を世に送り出す仕事をしたいと考えた」といった形で、応募の決め手になった想いを簡潔にまとめましょう。

2.その背景やエピソード

応募した理由(結論)に続いて、転職を決意したきっかけ・背景やエピソードを説明します。

未経験者・経験者ともに、これまでに経験した業界や業務内容を伝えつつ、「どんなきっかけがあり、転職を考えたのか」+「応募先を選んだ理由」+「転職によって何を実現したいのか」の3点を伝えてください。

なお、未経験者の場合は、そもそも「なぜ営業企画を目指しているのか」が問われる傾向があります。志望動機の説得力を高めるためにも、応募先を選んだ理由とあわせて必ず伝えましょう。

3.入社後の意気込み

最後に、志望動機の締めとして「入社後の意気込み」を伝えます。

未経験者の場合は、「これまでの経験・スキルをベースに、積極的に学んでいく姿勢」を、経験者の場合は「経験を活かして貢献したい」「新しい環境でさらなる成長を目指したい」という姿勢をアピールするのがおすすめです。

【例文】営業企画の志望動機

ここではあらためて営業企画の志望動機の例文を、「未経験者」と「経験者」に分けて紹介します。

押さえておくべきポイントとあわせて確認し、自分の志望動機を作成してください。

未経験者の場合

〈例文〉

(1)
営業経験を活かして営業戦略の立案に携わりたいと考え、転職を希望しております。

(2)
現職の食品メーカーでは営業職を5年間担当しており、主に新規顧客の開拓に携わっておりました。2年前からは10名規模のチームのマネージャーとして、マネジメントや育成も手掛けております。営業用のトークスクリプトの共有をはじめ、ノウハウの展開を積極的に行うことでメンバーの営業成績向上を実現し、昨年は成績優秀チームとして表彰されました。営業活動やチーム運営で培った経験を活かし、営業企画へ挑戦したいと考えていたものの、社内での異動が難しいことから、転職を決意いたしました。

新機軸の商品を多数開発し、新たな販路を開拓し続けている貴社であれば、現職での新規開拓の経験やノウハウが活かせると考え応募いたしました。

(3)
これまでに培った営業のノウハウや、顧客・競合分析の経験を活かしつつ、営業企画の業務を覚え、一日も早く貴社の業績に貢献したいと考えております。

(407文字)

〈押さえておくべきポイント〉

  • 営業職から転職する場合は、担当していた業務内容や商材を必ず記載する。特にマネジメント経験や育成の経験は、営業企画に通ずる面があるため記載するのがおすすめ。
  • 応募先と同業界の経験や業界知識は評価されやすいため、記載しておくと効果的。
  • 営業としてのスキルを伝える際は、営業成績や表彰歴を使って客観的に伝える。

経験者の場合

〈例文〉

(1)
営業企画として、現在よりも大規模な営業組織を牽引したいと考え、貴社を志望いたしました。

(2)
現職の食品メーカーでは、3年間営業を担当したのち、営業企画部門へ異動し、〇〇名規模の営業組織の支援業務を担っております。営業企画としては、営業戦略の立案や営業目標の設定、営業キャンペーンの企画などを手掛けたほか、昨年度には事業拡大に向けた営業ツールの導入を提案、導入と運用環境の整備までを担当しました。自身の施策により、営業活動の効率化や売り上げの回復といった成果が得られたことを受け、より大規模な組織で成果を出したいと考えるようになり、転職を決意いたしました。

2030年までに売り上げ〇〇億円という目標を掲げ、営業組織も拡大し続けている貴社であれば、自分の理想とする営業企画として業務拡大に貢献できると考え応募いたしました。国内のみならず積極的に海外進出されており、国外市場に関する経験を積める点も魅力に感じております。

(3)
同じ食品業界で営業企画として培ってきた経験や業界知識を活かし、貴社の成長に貢献したいと考えております。よろしくお願いいたします。

(468文字)

〈押さえておくべきポイント〉

  • 担当していた業務(業務範囲)がわかるように、手掛けてきた業務は具体的に伝える。
  • 応募先と同業界での経験や業界知識があると即戦力として評価されやすいため、必ず記載する。

完成したら、必ず時間を置いて見直しを

志望動機が採用担当者に与える影響は大きいため、必ず時間を置いてから見直すようにしましょう。見直す際には、下記の記事で解説している「志望動機を書くうえでのポイント」や「効果的な表現」なども参考にするのがおすすめです。

また、続けて職務経歴書も作成する場合は、下記の記事で書き方職務経歴書のサンプルを用意しているので、参考にしてください。

gd2md-html: xyzzy Thu Aug 08 2024

この記事の執筆者

ライター・編集者

久保田 敦大

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。

大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。

転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。

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