化粧品業界の品質管理・品質保証 職務経歴書の書き方・ポイント
化粧品業界で転職する際に必要な「職務経歴書」。
ここでは品質管理・品質保証の方が作成する職務経歴書の書き方とポイントを解説していきます。
テンプレートをダウンロードし、早速作成していきましょう。
化粧品業界の品質管理・品質保証
職務経歴書の無料テンプレート
職務経歴書を書くときに押さえるべきポイント
品質管理は「仕事の幅×製品の種類×仕事の速さ」が大切
化粧品業界ではそれぞれの専任の職種を置く場合もあれば、規模感の小さな会社では品質管理から品質管理・薬事まで1人ですべて担っているケースもあります。自社工場を持たないメーカーでは、品質保証がOEMの品質を保つマネジメント業務も担うこともあるでしょう。
このように企業によってひとりひとりが担当する業務の範囲がさまざまなので、職務経歴書では、どのような業務を担当したかという「仕事の幅」が伝わることがとても大切です。分析や検査業務がメインなのか、品質管理から品質保証までひととおりの業務に携わってきたのかでも、応募者への評価が変わるため、「職務要約」や「職務内容」では業務範囲が明確にわかるように記載しましょう。
加えて、取り扱った経験のある「製品の種類」はしっかりと示したいところ。例えば液体と粉体とでは品質管理の方法も内容も大きく異なるため、採用基準との整合性が大切になるからです。「スキンケア(液体、クリーム)」「ヘアケア(スプレー、カラー)」など、担当製品のカテゴリや剤型を【職務内容】で触れてください。
また、仕事の速さも大切な要素。1日でどれくらいのアイテム数をチェックできたか、出荷書類作成をしていたのか…といったスピーディさも問われるのが品質管理の職務経歴書です。【成果/実績】で担当していた対応数、書類作成実績などを記載しましょう。
品質保証は「裁量の大きさ」と「リスク回避力」を伝える
品質保証の職務経歴書のポイントの1つは、トラブルに対して自分一人でどこまで対応したかという「裁量の大きさ」。「職務経歴」の【成果/実績】や「自己PR」では、どんな案件に対してどのように、どこまで対応し、円満解決を実現したのか…など、具体的に例を挙げて示すと伝わりやすいでしょう。
ポイントの2つめは「先回りしてリスクを防ぐ力」。品質保証は本来、問題が発生してから動く「守り」の仕事がメインとなりますが、そもそも問題が起こらないようにするためには何が必要か…など、リスクに対して事前に対策が打てる人ほど評価される傾向にあります。
このため、自己PRでは「この人に品質保証を任せたらどんな問題が発生しても安心だ」と思ってもらえるような内容を意識しましょう。
薬事なら一任できる経験があると伝えて
品質管理や品質保証に加えて「薬事」を兼任していたという人もいるでしょう。主な業務は「申請薬事」と「広告薬事」の2つで、各企業で大きく変わりませんが、業務内容の専門性が高く経験そのものが評価されます。
このため、薬事への転職を考えている場合は、薬事としてのひととおりの実務経験があることを伝えてください。書類作成業務や法定ラベル作成・確認など、対応してきた業務をすべて書き出しましょう。
ここからは、上記のポイントを職務経歴書の中でどのように伝えていくべきか、記入見本を元に解説していきます。
「職務要約」の書き方・ポイント
経験社数・年数・業務範囲を3~5行で記載する
職務要約では「経験社数」と「年数」「業務範囲(品質管理/品質保証/薬事)」の3つがわかるように明記しながら、これから記す職務経歴を簡単に要約します。
1社経験であれば3行前後、2社経験であれば5行前後を目安に記載しましょう。
キャリア
アドバイザー
分析・検査以外の経験経験は職務要約にも記載!
職務要約は採用担当者が最初に目を通す項目。品質管理の分析業務だけではなく、品質保証や薬事まで及ぶ場合は「商品化後の品質管理対応」や「申請対応」など、どこの業務範囲までカバーしているのかを伝えましょう。業務の担当範囲がパッと見でわかることが、募集条件にマッチするかどうかを判断するポイントになります。
「職務経歴」の書き方・ポイント
※職務経歴が2社以上ある方は、直近勤めていた会社が書類の上部にくる「逆編年体」形式で情報をまとめるのがおすすめです
「職務内容」は項目を立てて詳細の記載を!
職務経歴は、いままでの業務経験の詳細を記載する項目です。まずは職務経歴の上の枠内に「企業概要」を記載します。
その下に「職務内容」を記載していきます。はじめに配属先を明記し、役職を記載しましょう。その配属先に続いて、業務内容を1行程度で明記します。
品質管理は「自社化粧品のスキンケアライン(化粧品、乳液)の品質管理業務」など、カテゴリや剤型などがわかる形で記載しましょう。剤型によって分析方法が異なるため、商品を詳細まで書き出すことでいろんな製品に対応できることが伝わります。
品質保証であれば、基本的には「自社化粧品〇〇〇〇に関する品質保証関連業務」などと書けばOKです。
【担当業務】では経験したことのある業務と裁量を伝える
「品質管理部門」や「品質保証部門」といった部署名が同じでも会社によって業務役割や業務範囲が異なることがあるため、【担当業務】では経験してきた業務内容をすべて書き出しましょう。
ここで、どのような業務を担当してきたのかを具体的に伝えきれなければ、採用担当者はあなたが応募条件を満たす経験・スキルを持っているかを判断できないためです。
品質管理は企業によっては派遣・パートが行う場合もあるため、【担当業務】を書く際にポイントになるのが「いかに責任ある立場で仕事をしてきたか」を示すこと。「初回導入品の受入試験」や「製品標準書/作業指南書の作成」といった、品質管理を主導・管理する重要な役目を担っていたのであれば、しっかり書くことで高評価に繋がります。
一方で品質保証は、デスクワークから顧客対応まで業務範囲が多岐にわたるので、担っている業務をいかに詳細に書き出せるかが重要になります。QC工程表や標準作業手順書、各種報告書の作成、社内マニュアルの整備、検査・分析を効率的に行うための業務フローの作成・運用、クレーム対応など、箇条書きで経験業務を全て羅列しましょう。
キャリア
アドバイザー
「専門性」か「幅広さ」は応募先にあわせてアピール!
規模の小さな企業に応募する場合は、担当業務が広いと「ここまで一人でできるのか」と高評価に繋がる一方で、専門性が重視される大手企業では「経験が広く浅そうだ」と懸念されることも。求人票などから業務内容を確認の上、どんな経験を自分の強みとして押し出すべきか考えましょう。
【使用機器】は分析業務経験がある場合はすべて書き出す
これは品質管理を経験した場合に限りますが、【使用機器】という欄を作り、使ったことのあるアナログツールや計測機器を全て列挙していきましょう。そこに書かれている内容が自社と共通するものであれば、企業は入社後の活躍イメージを持ちやすくなります。
【実績/成果】では自主的な取り組みをアピールする
比較的地道なルーチンワークが多い品質管理ですが【実績/成果】として、検査方法手順の見直しや社内勉強会の実施、確認手順の作成など、品質意識向上に向けた目指した取り組みや業務改善による工数削減といった成果を記載できるとプラス評価に繋がります。
品質保証の場合は、クレーム低減に向けた取り組み、工場や研究所の査察対応などの実績を記載するのがよいでしょう。もちろん、ここでも一人でどこまで対応したのかを具体的に記します。
「活かせる経験・資格・知識・スキル」の書き方・ポイント
基本的なPCスキルがあれば問題なし
品質管理・品質保証の場合、PCスキルについてはWord・Excel・PowerPointが基本的に使えればまず問題ありません。
なお、普通自動車免許を持っているなら書いておいた方がよいでしょう。業務で地方の工場を回る際など、何かと必要になる可能性があるからです。
キャリア
アドバイザー
薬事3役の資格取得はプラス評価
品質保証や薬事経験があり「品質保証責任者」や「安全管理責任者」などを担当している場合は必ず記載しましょう。なかでも「総括製造販売責任者」を務めた経験がある人は特にアピールになるため、ぜひとも盛り込みたいところです。
「自己PR」の書き方・ポイント
自己PR欄は、ここまでの職務経歴書の内容を振り返りながら「いかに自分が応募先企業にとってふさわしい人材か」をアピールする部分です。
ここでは漠然とした話に終始するのではなく、実際にあったエピソードを添えると効果的です。エピソードは誰が読んでもわかるよう、社外秘にあたる部分以外はできる限り細かく具体的に書きましょう。
品質管理の自己PR
1)分析経験
品質管理の場合、自己PRでも改めてどのような分析機器を使って、どのような業務を行っていたのか、詳細に説明しましょう。
ただ、それだけ記載するのでは上記の項目の繰り返しになってしまうため、生産工程に対する問題点を明らかにし、業務効率化に向けた取り組みや、それによる結果が盛り込めるとベストです。
品質管理の自己PR
2)社内コミュニケーション力
また、製品の出荷に向けて他部署の連携が欠かせないため「社内コミュニケーション力」もアピールしたいところ。
製造部門との協議体制や品質教育などの取り組み、派遣社員やパートの取りまとめなど、関連部署とのやり取りや気をつけていた点を具体的なエピソードをもとに伝えましょう。
品質保証の自己PR
1)折衝力
品質保証は、消費者からのクレームに対応したり、製品の不具合があればOEM先や自社の製造部に指摘や改善策を促したりする必要がある職種です。
このため、状況に応じて強い意志で意見を通す「折衝力」はアピールポイントのひとつになります。問題発生時にも、外部や関連部署と迅速かつ円滑に意見を交わすことができるという印象を抱いてもらえるようなエピソードを記載しましょう。
品質保証の自己PR
2)主体的な対応
企業が求めるのは、受け身でトラブルを収めてくれるだけではなく、問題そのものが起きないようにしてくれる「攻め」の品質保証。主体的に行動した経験を伝えられれば、「自社でも能動的に業務にあたってくれそう」という好印象につながります。
たとえば、製品の不良や不具合などの問題を未然にふせぐ施策を講じた経験や、トラブル対応のマニュアル化といった業務改善に向けて積極的に動いた経験など、具体的なエピソードとともに品質保証としての主体性をアピールしましょう。
キャリア
アドバイザー
薬事経験者は「誤字脱字」に注意!
薬事は公的文書の作成・申請を主な業務としているため、記載内容から対応の粗さ・雑さが伝わったり、書類に誤字脱字があったりすると職務適性を疑われて不採用になることも。書類がひととおり完成したら最後に必ず見直しを行いましょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。