書き方・テンプレート 電気設計・制御設計エンジニアの職務経歴書
電気設計・制御設計エンジニアの職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。メカトロニクス業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
▼電子回路設計の方はこちら
電気設計・制御設計の職務経歴書テンプレート
電気設計・制御設計の職務経歴書を作成する上での心得
「職務経歴」欄を具体的に書くのが鉄則
電気設計・制御設計エンジニアが職務経歴書を作成する上で最も大切なのは、「職務経歴」欄を具体的に書くという点です。
電気設計・制御設計は業務の専門性が高い一方、資格の有無で経験・スキルのレベル感を把握できる職種ではありません。
そのため採用担当者は「応募者の実務経験が自社の業務内容や募集ポジションとマッチするか」、その親和性をシビアにチェックしているのです。
よって電気設計・制御設計の職務経歴書では、実務経験の内容・レベル感が採用担当者に漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄を中心に「これまでどんな業務を担当し、何のツールを使っていたのか」を具体的に書くのが鉄則です。
折衝力は自己PRでアピールすると◎
あくまで加点要素ではありますが、電気設計・制御設計エンジニアは「自己PR」欄で折衝経験や調整力(コミュニケーション能力)をアピールできると、さらなる高評価につながります。
電気設計・制御設計は職業柄、顧客メーカーとの折衝が多く発生します。また、メーカー側の生産技術に応募する場合でも、設備メーカーや社内の製造/設計・開発部門との連携が必要です。
そのため、「自己PR」欄に「顧客の課題解決に向けて、何をしてどうなったのか」についてくわしい記載があると、電気設計・制御設計としての適性や応募先との親和性が伝わりやすくなります。
キャリア
アドバイザー
「職務経歴」欄以外は重要度「低」
現状、電気設計・制御設計エンジニアは市場価値が高いため、書類選考の通過率は比較的高めです。
昨今、人手不足による生産ライン自動化の流れを受け、各メーカーでは生産設備の導入・改善の需要が高まっている反面、電気設計・制御設計の経験・スキルがある人材は少ないことから、職務経歴書の出来に関わらず「ひとまず会ってみよう」と考える企業も多いからです。
そのため「職務経歴」欄”以外“の項目については、基本的なルールに従って記載すれば、合否に大きく影響することは考えにくいでしょう。
1)職務要約
重要度:★★・・・
応募先にマッチする経験を端的にまとめる
「職務要約」欄は合否への影響はほとんどないものの、後述の最重要項目=「職務経歴」欄まで読み進めてもらうためのフックとなる項目です。
採用担当者に「ザックリ採用要件を満たしていそう」と印象付けられるよう、応募先のポジションや業務内容に近いものを中心に、これまでの経験について3~5行程度で端的にまとめましょう。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)職務経歴
重要度:★★★★★
合否を分ける最重要項目
電気設計・制御設計エンジニアの職務経歴書において、「職務経歴」欄は合否を左右する最重要項目です。
電気設計・制御設計は実務経験が重視されるため、採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容・レベル感が「自社の業務内容や募集ポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているからです。
そのため、実務経験の内容・レベル感が採用担当者に漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄には下記の項目を記載しましょう。
「職務経歴」欄で特に気をつけたい3つのポイント
電気設計・制御設計エンジニアが「職務経歴」欄を記入する上で、特に気をつけたいポイントを3つ、ご紹介します。これらのポイントを意識して書くことで、書類選考の通過率がグンとアップするでしょう。
1)担当業務は幅広く・詳細に書く
「担当業務」は幅広く・詳細に記載するのがポイントです。
電気設計・制御設計の業務範囲は企業によって異なりますが、幅広く記載しておくことでマッチする企業が増え、書類選考の通過率が高まります。特に客先訪問(仕様に関する打ち合わせ)や出荷前の客先立会などの顧客折衝の経験は高評価につながりやすいため、漏らさず記載しましょう。
また、ソフト設計については単に「PLCラダー設計」と記載してもレベル感が伝わらないため、「ラダープログラム作成(/変更)」など、ラダープログラムをゼロから作成したのか、変更・修正がメインだったのかまでわかるよう、くわしく記載します。
2)「使用ツール」はメーカーまで書く
設計で使用するCADをはじめ、担当製品で使用したPLC、ロボットやサーボ、カメラや2Dコードリーダーなどの各種ツール・部品は、三菱電機やオムロンといったメーカー名まで記載しましょう。
一部の企業ではありますが、「自社と同じツール・部品の使用経験があるかどうか」を、評価基準の一つとしているところもあるからです。
3)「実績」は設備の種類・台数を書く
「実績」には、どんな設備を何台導入したのか、生産設備の種類と台数を記載します。
また、設備を導入するメーカー側で「生産技術」の職務を担当している場合、サイクルタイムや歩留まり率の改善などの定量的な成果を記載しましょう。実務経験やスキルのレベル感が伝わりやすくなります。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)保有資格/活かせる経験・知識・技術
重要度:★★・・・
電験や語学力があれば評価アップ
電気設計・制御設計エンジニアの職務経歴書において「保有資格・スキル(語学)」欄や「活かせる経験・知識・技術」欄はあまり重視されませんが、電気主任技術者(電験)の資格や語学力(英語)がある場合は、記載しておくと高評価につながります。
語学力(英語)については、TOEICなどの点数のほか、「オンライン会議での技術的な意見交換(週1回)」など、実務における使用レベルや頻度についても併記しましょう。
▼「保有資格(語学)」欄についてさらにくわしく
「活かせる経験・知識・技術」欄については下記のように、「職務経歴」欄に記載した内容を一言にまとめて箇条書きしておけば、問題ありません。
〈「活かせる経験・知識・技術」の記入例〉
- 客先との仕様検討~不具合対応までの一連の業務経験
- 産業用装置の電気回路、制御盤設計、配線設計スキル
- PLCラダー、タッチパネルの設計スキル
…など
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)自己PR
重要度:★★・・・
折衝力やコスト低減・納期短縮について書く
電気設計・制御設計エンジニアの職務経歴書において、「自己PR」欄はあくまで加点要素ですが、下記の2点をアピールできると、適性やスキルの高さが伝わりさらなる高評価につながります。
顧客折衝については、顧客の満足度向上や追加受注に向けた取り組みや、要望どおりの設計が難しい場合に落とし所を探った経験などをエピソードとして、ユーザーファーストの意識や調整力(コミュニケーション能力)をアピールするとよいでしょう。
また、膨れがちなコストを低減したり、厳しい納期に間に合わせたりといった経験も、電気設計・制御設計としての適性やスキルの高さが伝わるのでおすすめです。
自己PRを記載する際は「顧客のどんな要望や課題に対し、どんな工夫をしてどういった成果につながったのか」について、ストーリー立てて説明するのがポイントです。
〈自己PRのエピソード例〉
(課題)顧客ごとの操作性を重視すると設計内容が複雑化するケースが多々あった
→(工夫)顧客に対しては同コストで実現できる仕様変更を提言したり、社内メンバーに対しては仕様をわかりやすくまとめた資料を作成したり、現場に赴き直接指示出しをしたりといった取り組みを行った
→(結果)複数の顧客から感謝の言葉をもらえたり、社内メンバーから「安心して製造・検査に臨める」と信頼してもらえている
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。