化学メーカーの品質管理・品質保証 職務経歴書の書き方・ポイント
この記事では、化学メーカーの品質管理・品質保証で働く人向けに、職務経歴書の書き方とポイントを解説していきます。
最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載しているので、テンプレートをダウンロードし、早速作成していきましょう。
化学メーカーの品質保証・品質管理
職務経歴書の書き方・ポイント
今までの経験業務を詳細に書き出すことが大切
化学メーカーの製造フェーズでは欠かせない品質管理・品質保証ですが、企業によって担っている具体的な業務や範囲は異なります。
たとえば同じ「品質管理」でも、工場や研究所などで測定機器を使用した分析・検査業務だけを行っていたのか、分析・検査業務に加えてQC工程表やガイドラインの作成などを含む品質管理を主導する立場を経験したのか…では持っているスキルや強みとなるポイントは異なるでしょう。
このため、職務経歴書では経験してきた業務内容を詳細に書き出すことが大切です。実際には業務経験があったのに職務経歴書上で書き出さなければ、企業側には「自社で求めている経験はない」と判断されてしまう可能性も。本来であれば応募先に活かせる経験やスキルがあったのに、書類選考で不合格となるのはもったいないでしょう。
職務経歴書では今までの業務経験やスキルを漏れなく伝えることが、企業との良いマッチングにつながります。自分の今までの経験をすべて書き出すことを意識してください。
キャリア
アドバイザー
仕事の幅広さが有利に働くため、他部署経験もすべて書き出す!
規模の比較的小さな企業では業種別の垣根がなく、開発をやりながらクレーム対応を担っている人や、生産技術の部署でありながら分析業務まで担当しているというケースも。
化学メーカーは作る製品がシンプルだからこそ、転職時には経験業務の幅の広さが有利に働くため、品質管理・品質保証以外の業務であっても、所属部署ごとに業務経験をすべて書き出すのがポイントです。
1.「職務要約」を記入するときのポイント
重要度:★★★★・
業務範囲が伝わるように3行程度で記載する
職務経歴書の「職務要約」では、今までの職歴を3行程度でまとめましょう。
ここで「品質管理」や「品質保証」と一言書くだけでは記載不足。企業によって品質管理部門の業務内容が異なるため、どのような業務を行う部署で、どういった業務に携わっていたのか、具体的な業務内容を記載しましょう。
キャリア
アドバイザー
外部/内部監査対応やISO/TS16949推進の経験があれば、職務要約でも軽く触れておきましょう。品質管理部門を主導していた経験が伝わり、企業からも高い評価を得られます。
2.「職務経歴」を記入するときのポイント
重要度:★★★★★
製品・業務・実績の3つを端的に書き出す
一見ルーチンワークに思われがちであり、企業によって担当業務が異なる化学メーカーの品質管理・品質保証にとって、「職務経歴」は最も力を入れて記入したい項目です。
ここで担当してきた製品や材料、経験業務、実績などをすべて書き出すことで、企業側に「今までどのような業務経験があるのか」「どのような立場で業務を進めてきたのか」がしっかりと伝わるからです。
「職務経歴」の中では下記の3つについて、見出しを立てて箇条書きで記載しましょう。それぞれのポイントを紹介します。
1)担当製品
どういった業界のどんな材料・製品か
化学メーカーでは「どういった材料や製品に携わってきたか」だけではなく、たとえば自動車業界や半導体業界など「どこの業界向けの製品を担当したのか」も、応募先とのマッチングの際に重視されます。
このため、1の【担当製品】では「自動車ブレーキ摩擦材」「半導体ウェハ」など、どのような業界の製品を扱っていたのかがわかるように示しましょう。
2)主な業務
どのような業務経験があるか、業務範囲を任されていたか
2の【主な実務】では、箇条書きですべての担当業務を書き出します。
異なる業務を並行して行っていた場合は「■顧客先品質窓口業務全般」「■監査対応」「■サプライヤー管理」など、見出しをつけて対応していた具体的な業務内容を記載しましょう。経験業務の幅が適切に伝わるだけではなく、作成時に細かい粒度で業務経験を洗い出しやすくなります。
3)主な実績
どのような成果を上げたのか、どんな役割を任されていたのか
3の【主な実績】では、「社内ルールの整備や生産移管の受け入れ対応をリードした」「品質改善に向けたQCサークル活動を企画・実施した」など、これまでの業務のなかでも自ら主導した経験や実績を記載しましょう。特に品質管理はどのような立場・役割で業務にあたっていたのかが見えづらいため、メンバーをリードした経験や管理した経験は評価されます。
また、作業方法の改善などによる原料コスト削減・不良発生率の低減も評価が高い経験のひとつ。具体的な金額・数値を出せる場合はぜひ記載を。
キャリア
アドバイザー
分析・検査を行っていた場合は【使用機器】を記載
分析・検査を行っていた場合は「職務経歴」内に【使用機器】という項目を作り、使用経験がある機器や設備・装置について記載してください。化学メーカーでは製造品の種類が多岐にわたるため、企業側に自社で使っている機器の使用経験があるかも見られています。
3.「活かせる経験・知識・技術」を記入するときのポイント
重要度:★★★・・
QC/QAの専門的な知識・経験があることを念押しする
【活かせる経験・知識・技術】の項目では改めて、ISO/TSに関する知見や推進経験があることを示すのがポイント。これらは企業が応募者を評価するうえで重要なポイントになるので、この項目では端的な表現で自身の経験・スキルを念押しすることが大切です。
業務でQC7つ道具を活用した評価・解析経験などがあれば、使用ツールも含めて記載しましょう。製品の品質担保に向けた基礎的な知識があることが伝わるだけではなく、企業側は「実際に入社した場合に経験を活かして業務にあたってもらえそうか」を判断することができます。
海外工場での業務経験から国外の化学物質関連法規、医療機器規格及び関連法規に関する知識などがある場合も必ず記載を。品質管理・品質保証として海外工場での業務を担当している人は決して多くないため、他の求職者より評価されやすい経験です。
4.「語学」を記入するときのポイント
重要度:★★★・・
海外工場とやり取りの経験があればアピールを
品質管理・品質保証は日常業務で英語を使用する場面はほとんどないため、【語学】が重視されることはありません。
ただし、海外工場とのやり取りを経験している人は、プラスαのアピールになるのでぜひ記載しておきたいところ。TOEICの取得経験や点数、業務での使用経験や頻度などの客観的な情報を伝えることで、説得力に繋がります。
なお、現在勉強中という人は、その旨を記載しておくのがベスト。言語習得に対して前向きに取り組んでいるという印象を与えられるでしょう。
キャリア
アドバイザー
語学経験を書く場合は「具体的な使用場面」も記載を
「海外工場エンジニアとの技術的なやりとり」や「英語仕様書読解、電話・対面での簡単な指示出し」などのビジネスの場での具体的な使用場面を記載しましょう。あなたがどのくらいのレベル感で他言語を使って業務遂行できるのかが伝わりやすくなります。
5.「自己PR」を記入するときのポイント
重要度:★★★★・
「QC/QAの専門的な知見」と「幅広い業務経験」をアピールする
品質管理や品質保証として最もアピールしたいのが、「QC/QAに関する知見を有していること」と「幅広い業務経験があること」の2つです。
「QC/QAに関する知見」の裏付けとして、担当していた製品/材料にまつわる品質の評価や試験、品質値のシミュレーション業務の詳細を記載し、専門的な職種だからこそ、そこでの揺るがない経験とスキルがあることを改めて自己PRで記載しましょう。自動車業界であれば、ISO26262やISO/TS16949に準拠した対応経験を記載するのも効果的です。
「幅広い業務経験」では、たとえば「顧客対応~不具合情報分析〜改善計画立案~社内及びサプライヤー改善指示~効果測定までひととおり自身で対応できるスキル」など、自分が過去に携わった業務経験から幅広い対応ができることを伝えるのがポイント。生産技術や研究開発からの異動経験があれば、そこからものづくりの一連の知見があることを伝えるのも一つの方法です。
推進役や監査対応などの役割・実績は高評価
社内で品質管理・品質保証における仕組みづくりや推進役、内部/外部監査対応などを担っている人は、責任ある立場にいたと高く評価されるため、自己PRでもぜひアピールを。
たとえば「不具合解析のプロジェクトをリードしている」「ISO内部監査員として監査している」など、過去の経験業務をもとに具体的なエピソードを伝えましょう。
この際、他メンバー・部署にどのような働きかけをしたのか、課題に対してどのような対応をして解決に導いたかがわかるように記載すると、企業側に課題解決力や折衝力が備わっていることが伝わります。
gd2md-html: xyzzy Wed Aug 07 2024
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。