自動車整備士向け 職務経歴書の書き方・ポイント
忙しい自動車整備士の方に向けて、「簡単にできて・かつ評価される」職務経歴書の書き方を解説します。
整備士業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載しています。
職務経歴書とは?少しの工夫で評価はガラリと変わる!
職務経歴書とは、「これまでにどんな会社で、どんな経験をしてきたのか」をまとめた応募書類のこと。
大前提として、人手不足の整備士業界では「ひとまず会って話をしたい」という採用意欲の高い企業が多く、職務経歴書を厳しくチェックされるケースはあまり多くはありません。
しかし、だからといって手を抜くのはもったいないでしょう。というのも、整備士業界は企業によって評価の制度や基準が異なり、たとえ自分では「大したことない」と思っている経験・スキルでも、ときには評価につながり、年収がグンとアップする可能性もあるから。
逆に、どんなにすごい経歴・スキルがあっても、職務経歴書に書かなければ採用担当者には伝わらず、せっかくの評価のチャンスを逃してしまいます。書いていないことについて、面接時に親切に確認してもらえるとも限りません。
そのため、職務経歴書では出し惜しみをせず、自身の経験・スキルをしっかりと自己申告する必要があるのです。
では一体どうすれば評価の高い職務経歴書を作れるのか、簡単にできる書き方を解説していきます。
まずはテンプレートをダウンロード
職務経歴書を自分でイチから作るのは、時間も手間もかかって大変。以下のテンプレートをダウンロードして、自分なりにアレンジしていくのが楽でおすすめです。
自動車整備士の職務経歴書の書き方
書くときの3つのルール
- PCでWordやExcelを使って作り、プリンターで印刷したものを提出する(データのままメールで送るケースも)
- 2~3枚でまとめる
- 勤続年数にかかわらず、すべての職歴を書く(アルバイト経験は書かなくてOK)
1)日付と氏名
職務経歴書を提出する日付を書きましょう。郵送する場合は、ポストに投函する日付を記入します。
年は西暦(20✕✕年)と和暦(平成✕✕年)のどちらでもOKですが、職務経歴書のなかで統一しましょう。
2)職務要約
「職務要約」欄では、これまでにどんな仕事を経験してきたのかを4~5行で簡潔にまとめます。
採用担当者が一番はじめに読む項目なので、パッと見で経験・スキルをわかりやすく伝え、「この人に会ってみたい」と思ってもらうことが大切です。
3)職務経歴
これまでに勤めた会社ごとに、企業情報とそこでの業務内容をまとめます。
転職経験がある場合、基本的には「新しい職場が1番上にくるように」記入すればOK。
ただ、厳格なルールはないので、もし現職ではなく、それより前の職場の方が応募先のポジションに近い業務内容だった場合はそちらを上に記載するなど、柔軟に変えても問題ありません。
会社情報
会社情報は会社のホームページやパンフレットを参考に、下記の項目を書くのが基本です。
- 働いていた期間
- 会社名(※「(株)◯◯」などと省略せず、正式名称で!)
- 事業内容
- 資本金
- 売上高
- 従業員数
業務内容
★★★重要★★★
業務内容には、自身の経験を思い出しながら、下記の項目を記入しましょう。
経験・スキルの内容やレベル感が正しく伝わるよう、できる限り具体的に書くのがポイントです。
- 働いていた期間
- 部署(職種・役職もあわせて!)
- 整備士の人数(全社)/所属店舗のメンバー構成
- 担当車種(メーカーや国名、新車/中古車まで細かく!)
- 主な業務
- 作業環境(ピット数など)
こんな経験があれば評価アップ!
もし下記のような経験・スキルがあれば、評価アップにつながるため、出し惜しみせず「業務内容」にしっかりと書いておくのがおすすめです。
- 業務でPCを使った経験(WordやExcel、管理ソフトなど)
- 受付・接客などのフロント経験(状況ヒアリング・整備箇所の説明、追加整備の提案など)
- マネジメントの経験(メンバーの工程やモチベーションなどの管理)
- 分解整備の経験
- 社内コンテストへの出場・入賞経験
車検の入庫管理システムなどが導入されつつある今、PCを使った業務経験は大きな強みになります。
また、競合との差別化や生き残りをかけて、質の高い接客サービスを通じた「お客様との長期的なつながり」を大切にするディーラーが増えているため、受付・接客などのフロント業務の経験も重宝されるでしょう。
マネジメントや後輩指導の経験は、工場長(フォアマン)への近道になるため、こちらも記入しない手はありません。
建設機械メーカーや大型車ディーラーに応募する場合、分解整備の経験も評価につながりやすいでしょう。
加えて、社内コンテストへの出場・入賞経験がある場合、向上心や技術力は評価につながるため、必ず記入しましょう。
キャリア
アドバイザー
1人でこれまでの経験や業務内容を整理し、まとめるのは大変なことです。何をどこまで書けばいいのか迷うこともあるでしょう。
そんなときはいつでも、自動車整備士専門の転職支援サービス「整備士JOBS」までご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーが、職務経歴書の作成や面接対策をまるごとサポートします。
4)保有資格・スキル
★★★重要★★★
整備士に関する資格やPCスキルなど、仕事に役立つ資格を書きます。資格を取得した日付は書かなくてかまいません。
キャリア
アドバイザー
資格はあるだけ書くと評価アップ!
「保有資格」欄には、自動車整備士や検査員の資格以外にも、メーカー検定をはじめ有機溶剤作業主任者や危険物取扱者など、自動車や機械に関する資格であればすべて書いておくのがおすすめです。
例えばホンダ社のディーラーに応募する場合、トヨタ社のメーカー検定は「関係ないだろう」と書かない方もいますが、それは間違い。
たとえ違うメーカーの検定でも、取得しているだけで技術の高さはもちろん、勉強熱心な人柄が伝わり、企業からの印象がグンとアップするからです。
「きっと書いても意味ないだろう」と思わず、書けそうなものはすべて書き出しましょう。
5)自己PR
これまでの経験をもとにして、自分の魅力をアピールするのが「自己PR」欄。
強みといえそうな経験・スキルを見出しとして立て、その根拠となるエピソードを記入します。
エピソードは「どんな状況で、何をして、どうなったのか」を順序立てて書くのがポイント。
自動車整備士の場合、主に下記のような経験は評価アップにつながるので、これまでを振り返り、書けそうなことがないか考えてみましょう。
〈自己PRの例〉
- 高難度整備など、技術力をアピールできる経験
- 得意車種やメーカーごとの特徴をふまえた整備経験
- 受付・接客業務を通して顧客から評価・感謝された経験
- マネジメントや後輩の指導の経験
…など
自己PRを書き終えたら、次の行の右端に「以上」と記入して完成です。
キャリア
アドバイザー
自己PRは仕事で気をつけていることでもOK!
自己PRに書く内容が思いつかない場合、例えば「ダブルチェックの徹底」など、日頃仕事をするなかで気をつけているポイントを記載するのでもOK。
具体的には「お客様の大切な車両をお預かりしているため、周りの方と連携しながら、作業のダブルチェックを怠らないように心がけています」といった具合です。
普段から自分なりに考え工夫しながら仕事をしている真面目な姿勢が伝わり、好印象につながるでしょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。