書き方・テンプレート 総務の職務経歴書
総務の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新のコーポレート部門の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
総務の職務経歴書テンプレート
総務の職務経歴書では、この2つが特に重要!
総務の職務経歴書において、採用担当者は特に下記の2つのポイントを重視しています。
実務経験
総務の職務経歴書で最も重視されるのは、「実務経験」の内容です。
一口に「総務」といっても、機器・備品/オフィス管理や社内行事の企画・運営のほか、経理や人事・労務管理も兼任しているなど、企業によって個人に任される業務範囲が大きく異なります。
そのため採用担当者は、応募者がこれまでどんな業務を担当してきたのか、具体的な内容がわからないことには、「自社でお願いしたい業務を担える人材かどうか」を判断できず、不採用になってしまうのです。
よって総務の職務経歴書では「職務経歴」欄を中心に、担当業務を漏れなくすべて書き出すのがポイントです。
ドキュメンテーション能力
総務の書類選考では、自身の経験・スキルを「わかりやすく正確にまとめる」ドキュメンテーション能力も、厳しくチェックされています。
総務はレンタル機器や従業員にまつわる契約書や申請書など、多くの書類を作成・管理する立場にあり、そこには正確さや明晰さが強く求められます。
そのため職務経歴書が見にくいレイアウトだったり、誤字脱字があったりすると「適性がない」として、不採用になるリスクが高まってしまうのです。
よって職務経歴書の作成時には、表組みや枠線、改行などを使って読みやすく整えることはもちろん、完成後には必ず読み返し、記載内容にミスがないかを入念に確認することが大切です。
1)職務要約
重要度:★★・・・
職務経歴書冒頭の「職務要約」欄では、下記の2点に注意しましょう。
応募先にマッチする経験を書く
第一に、「職務要約」欄には、応募先で求められている経験を中心に記載しましょう。
例えば「機器・備品・ファシリティ管理」「BCPの策定/避難訓練の実施」など、求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードを盛り込むのがポイントです。
総務の書類選考で合否の決め手となるのは後述の「職務経歴」欄ですが、採用担当者が最初に目を通すのは、あくまで「職務要約」欄。
まずはここでザックリ「求めている経験がありそう」と感じてもらわないことには、そもそもその先を読まれずに不合格になってしまうリスクがあるのです。
3~5行程度で端的にまとめる
第二に、ドキュメンテーション能力を疑われないよう「読み手にとって端的でわかりやすい文章になっているか」はよく確認しましょう。
応募先で求められる経験を中心に、関わってきた業務やその年数について、3~5行程度で簡潔に記載します。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)職務経歴
重要度:★★★★★
総務の職務経歴書において、「職務経歴」欄は合否を分ける最重要項目です。
なぜなら先述のとおり、採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容・レベル感が「自社で求める総務ポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているから。
そんな「職務経歴」欄を記載する上で、特に注意したい3つのポイントを紹介します。
1)担当業務をすべて書き出す
「職務経歴」欄には、これまで経験したすべての担当業務を書き出しましょう。
「総務」の業務範囲は幅広く、例えば同じ「労務管理」でも、勤怠データの集計や給与計算の補助だけなのか、社会保険の手続きやメンタルヘルス対策までやるのかは、企業によって異なります。
そのため、自身の経験を漏らさず・具体的に記載することで、業務経験の幅と深さが正しく伝わり、採用担当者が自社との親和性を判断しやすくなります。
2)社内外の関係者が多い経験は高評価
総務の業務のなかでも、多くの社員や社外の取引先と関わった経験は、高評価につながります(※)。
※OA機器の業者やITベンダー、不動産管理会社など
下記のような業務・プロジェクトの経験があれば、忘れずに記載しましょう。そのなかで具体的にどんな役割を担ったのか、自身の担当範囲も併記します。
▼「社内外の関係者が多い経験」の例
- 工場・営業所の開設・移転
└移転計画・予算の策定/経営陣への提案
└新オフィスの選定・契約条件の確認・弁護士への書類作成依頼
└レイアウト設計/オフィス機器のリース手配 - リモートワーク体制の構築
└リモートワークに関する就業規則の改定
└リモートワーク用の機器のリース手配
└リモートワークツールの選定・契約手続き
…など
3)「取り組み・実績」で主体性を伝える
「職務経歴」欄の最下部には「取り組み・実績」の項目を設け、コスト削減や社員の満足度向上に向けて工夫したことと、その結果について記載するのがおすすめ。
総務は立場上、他部署から依頼された業務を行う機会が多いため、下記のように自ら考え、実行した取り組みを書くことで、主体性が伝わり好印象です。
▼「取り組み・実績」の例
- 書類の電子化に向け、クラウドストレージや電子契約システムを比較検討し、より使いやすく安価なものを選定。結果として省スペース化や印刷・用紙コストの削減のほか、社員の混乱を最小限に抑えることができた
- フリーアドレス制度の導入に際し、完全な自由化ではなく、プロジェクトや利用目的に応じたエリア分けを行い、ルール化することで、社員が業務内容に応じた最適な環境を選べるようになり、生産性の向上に寄与した
…など
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)PCスキル・保有資格など
重要度:★・・・・
総務は実務経験の内容が重視されることに加え、業務に必須となる資格もないため、このあたりの内容が合否に大きく影響することは考えにくいでしょう。
自身の経験・スキルを正しく・漏れなく伝えられるよう、書き方やポイントをひととおり確認しておきましょう。
PCスキル
総務の職務経歴書では、「Word/Excel/PowerPoint」のスキルレベルを「PCスキル」としてまとめて記載しておくのがおすすめ。
どの企業の総務においても、備品や勤怠に関するデータ集計、議事録や契約書などの書類作成時には、これらのソフトを使用するケースが多いからです。
総務の業務は経理や財務と違い、システム導入されていないケースもあるため、特にExcelのスキルは重視されます。下記の表を参考に、使える機能と使用場面を明記しましょう。
レベル | 機能・使用場面の例(Excel) |
初級 |
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中級 |
|
上級 |
|
保有資格(語学)
総務は実務経験が重視されるため、資格は重視されません。英語を使う機会もあまりないため、高得点(600~700点以上)の場合以外は記載不要です。
ただし、応募先の「総務」の業務内容に安全衛生管理や労働災害防止に関するものが含まれる場合は「衛生管理者(第一種/第二種)」、人事・労務管理や社会保険に関するものが含まれる場合は「社会保険労務士」を記載すると、プラス評価につながるケースがあります。
▼「保有資格(語学)」欄についてさらにくわしく
活かせる経験・知識・技術
「活かせる経験・知識・技術」は、前述の「職務経歴」欄のまとめのようなものと考えましょう。
例えば「オフィス設備の維持管理、レイアウト変更の経験」「社会保険手続きに関する知識」などと、「職務経歴」欄に記載した経験・スキルを一言のフレーズに言い直し、箇条書きにします。
そうすることで、人事担当者が採用要件となるキーワードを拾い読みしやすく、書類選考の通過率が高まる可能性があります。
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)自己PR
重要度:★★★・・
総務がアピールしたい2つの能力
総務の書類選考では実務経験が最重視されるため、「自己PR」はあくまで加点要素です。
ただし、この「自己PR」欄から応募者の人物面=「仕事に対するスタンスやコミュニケーションスタイルはどのようなものか」「どんな職務遂行能力があるのか」を知りたいと考える採用担当者は少なくありません。
総務は多くの業務を最小限の人員で対応していることから、必然的に属人的業務が多くなり、異動も少ない傾向があります。そのため「既存社員に溶け込み、良好な関係を築けるか」「既存社員の不足部分を補える職務遂行能力があるか」が重視されるケースがあるのです。
そこで、総務が「自己PR」欄で特にアピールしたい2つの能力を紹介します。
自己PRを書く際は、これらの能力の裏付けとして「何の依頼や業務に対し・どんな取り組み/工夫をして・どうなったのか」について、順序立てて説明しましょう。
1)計画策定力・実行力
計画策定力や実行力とは、業務を優先順位付けした上で対応スケジュールを立て、実行する力を指しますが、総務においては重要な能力の一つ。
総務は他部署から業務を依頼される機会が多くあるため、依頼内容をしっかりと精査し、「できる/できない」の対応可否の判断、他業務も含めた優先順位付けや計画立てはもちろん、それを確実にやり遂げる力が求められるのです。
キャリア
アドバイザー
「自己PR」欄でこうした計画策定力・実行力をアピールする場合は、多くの業務を効率よく対応した経験や、関係者が多い・納期が厳しい・前例がないといった高難度のプロジェクトを推進した経験などを題材にするがおすすめです。
2)誠実さ/ホスピタリティ
社内外の関係者が多い総務だからこそ、「自己PR」欄では誠実さやホスピタリティをアピールするのも効果的。
ここでいう誠実さとは、社内外の関係者に対して、対応可否やスケジュール、依頼事項などに関する報連相を正しく・適切なタイミングで行うこと。
また、ホスピタリティについては、人当たりのよさはもちろん、依頼をただこなすだけではなく、「より効率的で本質的な課題解決ができないか」を主体的に考えることも含まれます。
キャリア
アドバイザー
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
総務の志望動機もあわせてチェック
職務経歴書が完成したら、悩みがちな志望動機の書き方や例文についても、下記の記事から確認しておくのがおすすめです。
総務の転職において、志望動機は、書類選考では合否の決め手にならないものの、面接では一般的な質問であり、答え方によっては合否に影響することもあるでしょう。
書類作成のタイミングで準備しておくと、のちのちの面接で回答に困らずに済みます。
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。