施工管理向け 職務経歴書の書き方・ポイント
施工管理の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。建設業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
施工管理の職務経歴書テンプレート
施工管理が職務経歴書を書く上での心得
大事なのは工事経歴をくわしく・わかりやすく伝えること
施工管理が職務経歴書を書く上で何よりも大切なのは、
- 建築面積/延床面積
- 構造形式/階数
- 請負金額
- 役割/担当業務
など、担当した建築物・工作物やそこでの役割・業務内容をくわしく・わかりやすく伝えることです。
施工管理の中途採用で最重視されるのは実務経験。採用担当者は「どんな工種のどれくらいの規模感の工事を、どの立場で担当していたのか」をチェックし、その内容・レベル感が自社の求める水準をクリアしているかを判断しています。
そのため、単に発注者や「高齢者複合施設◯◯新築工事」などの工事名だけの記載では情報不足。「よくわからないから不採用」という判断になってしまうのです。
「発注者か請負か」で書くべき内容が違う
施工管理の場合、「職務経歴をくわしく・わかりやすく記載する」という点は変わりませんが、「発注者」側と「請負」側のどちらに応募するかによって、職務経歴書に書くべき内容が異なる点には注意が必要です。
「請負」側の多くの企業では「工事の監理や現場を監督する」という業務内容自体は大きく変わらないため、採用担当者は職務経歴(工事経歴)さえわかれば、自社との親和性を8割方判断できてしまいます。
一方、デベロッパーやメーカーなどの「発注者」側やコンストラクトマネジメント/ファシリティマネジメント企業などでは、例えば下記のように、「職務要約」欄や「自己PR」欄のほか、経験・スキルのレベル感まで厳しくチェックされる傾向にあります。
〈「発注者」側で見られているポイントの例〉
- 「職務要約」欄や「自己PR」欄などを省略せずに、自分の言葉で・かつ5行前後のボリュームで書き込めているか
- 「職務経歴」欄は経験・スキルの内容・レベル感が伝わるようわかりやすく・詳細に書かれているか
- 全体をとおして日本語や文章にミスや違和感がないか、見やすいレイアウトになっているか
…など
これは「発注者」側のメイン業務が「請負」側と違い、建物の企画立案やプロジェクトマネジメントなどになることから、そうした業務も問題なく遂行できるポテンシャルがあるかどうかをシビアに見られていることが背景にあります。
また、「発注者」側は少ない募集枠に多くの転職希望者が殺到し、採用倍率が非常に高いため、採用基準が自然と高まることも影響しています。
では一体、何をどのように書いていけばいいのか、「請負」側と「発注者」側の具体的な書き分けも含め、項目ごとにくわしく解説していきます。
1)職務要約
重要度:★★☆☆☆
かかわった案件や役割・業務内容を5行前後でまとめる
施工管理の場合、採用担当者は後述の「職務経歴(工事経歴)」欄を最も注視しているため、「職務要約」欄の重要度はそれほど高くありません。
「発注者」側に応募する場合は、書いた方がより丁寧な印象になり高評価につながりますが、「請負」側なら最悪、時短のために項目ごと削除してしまってもあまり問題はないでしょう。
記載する場合は、これまでかかわった建築物・工作物の概要やそこでの役割・担当業務などについて、5行前後で端的にまとめます。
2)職務経歴(工事経歴)
重要度:★★★★★
建造物・工作物の内容や役割をくわしく記載する
「職務経歴(工事経歴)」欄は、施工管理の職務経歴書において最も重要な項目であり、ここをいかにくわしく・わかりやすく書けるかで合否が決まるといっても、過言ではありません。
採用担当者は「職務経歴」欄から、応募者がかかわってきた建造物・工作物やそこでの役割などをくまなくチェックすることで、その内容やレベル感が自社で求めるものとフィットするかどうかを精査しているからです。
採用担当者がイメージしやすいよう、工事ごとに下記の項目を記入しましょう。
- 発注者(可能であれば請負金額も)
- 工事名
- 工事概要(※特にくわしく!)
(建築面積、延床面積、構造形式、階数、用途) - 工事期間
- 役割/担当業務
とくに「工事概要」は建築面積が何平米か、構造形式がRC造かW造かなどまで漏らさず記載するのがポイント。ここの情報が不足していたり曖昧だったりすると、採用担当者が自社との親和性を判断できず、不採用になりかねません。
キャリア
アドバイザー
「発注者」側なら「実績・取り組み」も記載するとなおよし
「発注者」側に応募する場合、担当業務とは別に、そのなかで工夫したことやその実績などについて追加で書いておくのもおすすめ。
人柄や思考パターン、課題解決能力などがより伝わりやすくなり、好印象につながる可能性があります。
スケジュール管理を徹底し無駄のない工事を心掛けた。行政への届出などを管理し、各工程の工数を考慮して人数調整するなど生産性の向上に努めた。その結果としてXX%のコスト削減につながった。
すべての案件を書く必要はない
これまで担当した案件が多い場合、「職務経歴(工事経歴)」欄にすべて書く必要はありません。どんな案件を何件書くべきかは、応募先によって異なります。
「発注者」側に応募する場合
ディベロッパーなどの「発注者」側に応募する場合、直近の3~5年以内にかかわった案件のうち、応募先の事業内容に近い案件を5~10件ピックアップするのがおすすめ。応募先との親和性が伝わり、好印象につながります。
例えばオフィスビルを多く扱うディベロッパーであれば、オフィスビルの案件を中心に記載しましょう。
「請負」側に応募する場合
ゼネコンや工事会社などの「請負」側に応募する場合、経験してきた工種や規模の幅広さが求められる傾向があります。
そのためバリエーションが出るよう、直近の3~5年以内にかかわった案件のうち、規模が大きいものや難易度が高かったもの、やりがいがあったものなどを3~5件ピックアップします。
大手のゼネコンに応募する場合、一定以上の経験を求められるため、5~7件など少し数を増やすとよいでしょう。
キャリア
アドバイザー
転職経験がある場合は各社3~5件を記載する
転職経験がある場合、1社につき3~5件の案件を記載しましょう。
社数が多い場合、直近の経験が重視されるため、新しいものを多めにし、古いものは少なめにしたり何件かを簡略化してまとめたりと、メリハリをつけて記載するのがポイントです。
3)保有資格・スキル
重要度:★★★★★
主要な資格を5つ前後記載する
資格が経験・スキルの証明となる施工管理では、「保有資格・スキル」欄もかなり重要な項目。資格の有無や内容によっては、問答無用で”足切り”になってしまうケースもあります。
ただし、資格は「あるだけすべて書けばいい」というわけではないので要注意。経験や年齢にそぐわない易しい資格まですべて記載してしまうと、むしろ逆効果になることもあります。
「保有資格・スキル」欄には、施工管理技士などの国家資格をはじめ、施工管理の業務にまつわる主要な資格を5個前後記載するようにしましょう。施工管理技士以外にも、建築設備士や構造設計一級建築士、監理技術者といった高難易度の資格も高評価につながります。
キャリアアドバイザー
キャリア
アドバイザー
CADのスキルも書いておくと◎
「保有資格・スキル」欄には、資格以外にも使用経験のあるCADを記載しておくのがおすすめ。採用担当者がよりスキルを把握しやすくなります。
2D・3Dだけではなく、「AutoCAD」や「Jw_cad」といったソフト名まで記載しましょう。
4)自己PR
重要度:★☆☆☆☆
「発注者」側に応募するならしっかり書き込む
実務経験(工事経歴)が最重視される施工管理においては、基本的に「自己PR」欄の重要度は低め。「請負」側に応募する場合、項目ごと削除しても問題ありません。
ただし「発注者」側に応募する場合、「職務要約」欄と同様、しっかりと自分の言葉で書き込む必要があります。
「発注者」側は立場上、「請負」側よりも関係者が多く、折衝も頻繁に発生します。文章能力や細やかな気遣い、緻密さが求められるため、「自己PR」欄一つとっても、手抜き感が出てしまってはマイナス印象です。
そのため「自己PR」欄では下記のような経験・スキルを見出しに立て、その詳細や裏付けのエピソードについて記載しましょう。数も1つだけではなく、2つ以上記載するのがベストです。
〈自己PRに記載する経験・スキルの例〉
- 周辺住民や関係者、職人との調整力・リーダーシップ
(大人数の案件を取りまとめた経験) - 原価・工程・品質・安全管理能力の高さ
(工期短縮やコストダウンを達成した経験) - トラブル時の臨機応変さ・対応スピードの速さ
(工事期間中などに起きたトラブルを解決した経験)
…など
エピソードを書く際は「どんな状況で、何をして、どうなったのか」を順序立てて説明すると、論理的思考能力や文章能力の高さが伝わり、好印象です。
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
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gd2md-html: xyzzy Thu Aug 08 2024
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。