書き方・テンプレート 建築施工管理の職務経歴書
建築施工管理の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。建設業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
建築施工管理の職務経歴書テンプレート
職 務 経 歴 書
20XX年XX月XX日現在
氏名:転職 一郎
【職務要約】
●●建設株式会社に入社後、現場係員として●●新築工事を担当し、工程管理の補助業務としてスケジュールや資材を管理。次に配属された●●新築計画の現場では、図面のチェック・各種工事の工程管理、手配を任され、主体的にスケジュール調整を担当しました。その次に配属された●●案件の新築工事では外壁の修繕、内装の変更など多種多様な工事を経験しそのなかで主担当者として全体の工程管理、品質管理等を進めておりました。現在は大規模な解体工事で全体の工程の管理および各種諸官庁との打ち合わせ・原価管理をしており、トラブルや事故が発生しないように密なコミュニケーションや人員管理に徹し、円滑な工事を進めています。
※これまでの職歴の要約をご記入ください。加えてご自身の強みに触れていただいても構いません。
【職務経歴】
20XX年XX月~現在 ●●建設株式会社(雇用形態:正社員)
事業内容:建築一式工事、土木一式工事等に関する調査、企画、設計、監理、施工
資本金:XX億円 売上高:XX億円 従業員数:XXXX人
期間 |
工事物件の概要 |
業務内容 |
規模/役割 |
20XX年XX月 |
・発注者:●●不動産 |
・工程管理、安全管理、施工検討 |
全XX名/ |
20XX年XX月 |
・発注者:●●不動産 |
・工程管理、安全管理、施工検討 |
全XX名/ |
20XX年XX月 |
・発注者:●●不動産 |
・工程管理、安全管理、施工検討 |
全XX名/ |
20XX年XX月 |
【工事物件の概要】 |
・原価管理、工程管理、安全管理、施工検討 |
全XX名/ |
20XX年XX月 |
・発注者:●●不動産 |
・現場管理、工程管理、品質管理 |
全XX名/ |
※かかわった工事・物件の詳細とご自身の担当業務を、できるだけくわしく記載ください。どんな工事・物件においてどのような立場で何をしたかをご記載いただくイメージです。
【保有資格・スキル】
・1級建築施工管理技士
・1級建築士
・3D CAD(AutoCAD)
※主要な資格をご記入ください。取得年月は記載不要です。CADの使用歴があれば、あわせてご記載ください。
【自己PR】
■計画どおりに工事を進める社内外とのコミュニケーション能力
建設現場全体の工程管理担当として、計画どおりの円滑な工事のために、社内の現場作業員だけでなく社外の業者や発注者の方などとの密な連絡や報告に尽力しています。仮設工事や仕上げ工事など、各業者とこまめに打合せを行い事前の手配物の確認および最終の仕上がりイメージの共有を行ってきました。状況を細部まで把握することで、想定外のトラブルや事故の発生を防ぎ、計画どおりの建設に貢献してきました。
■徹底したスケジュール管理によるコスト削減
工事の際は二度手間にならないような管理を徹底し無駄のない工事を心掛けています。仮設、外装、内装といった各工事で必要な資材の使用スケジュール、行政への届出などを管理し、人員配置にも気を配り、各工程の工数を考慮して人数調整するなど生産性の向上に努めています。結果としてコスト削減につながり、自社の売り上げ拡大に貢献しました。
これまでの経験を活かし、貴社におきましても貢献していきたいと考えておりますので何卒宜しくお願いいたします。
※これまでのご経験からできるようになったことや、業務を遂行する上で意識されていたことなどをご記載ください。最後に簡易な自己アピール文があるとよりよいですが、難しいようであれば無くても構いません。
以上、記載内容は事実と相違ありません。 転職 一郎
※最後にもう一度、氏名をご記載ください。
建築施工管理が職務経歴書を書く上での心得
大事なのは工事経歴をくわしく・わかりやすく伝えること
建築施工管理が職務経歴書を書く上で何よりも大切なのは、
- 建築面積/延床面積
- 構造形式/階数
- 請負金額
- 役割/担当業務
など、担当した建築物やそこでの役割・業務内容をくわしく・わかりやすく伝えることです。
建築施工管理の中途採用で最重視されるのは実務経験。採用担当者は「どんな工種のどれくらいの規模感の工事を、どの立場で担当していたのか」をチェックし、その内容・レベル感が自社の求める水準をクリアしているかを判断しています。
そのため、単に発注者や「高齢者複合施設◯◯新築工事」などの工事名だけの記載では情報不足。「よくわからないから不採用」という判断になってしまうのです。
「発注者か請負か」で書くべき内容が違う
建築施工管理の場合、「職務経歴をくわしく・わかりやすく記載する」という点は変わりませんが、「発注者」側と「請負」側のどちらに応募するかによって、職務経歴書に書くべき内容が異なる点には注意が必要です。
「請負」側の多くの企業では「工事の監理や現場を監督する」という業務内容自体は大きく変わらないため、採用担当者は職務経歴(工事経歴)さえわかれば、自社との親和性を8割方判断できてしまいます。
一方、デベロッパーやメーカーなどの「発注者」側やコンストラクトマネジメント/ファシリティマネジメント企業などでは、例えば下記のように、「職務要約」欄や「自己PR」欄のほか、経験・スキルのレベル感まで厳しくチェックされる傾向にあります。
〈「発注者」側で見られているポイントの例〉
- 「職務要約」欄や「自己PR」欄などを省略せずに、自分の言葉で・かつ5行前後のボリュームで書き込めているか
- 「職務経歴」欄は経験・スキルの内容・レベル感が伝わるようわかりやすく・詳細に書かれているか
- 全体をとおして日本語や文章にミスや違和感がないか、見やすいレイアウトになっているか
…など
これは「発注者」側のメイン業務が「請負」側と違い、建物の企画立案やプロジェクトマネジメントなどになることから、そうした業務も問題なく遂行できるポテンシャルがあるかどうかをシビアに見られていることが背景にあります。
また、「発注者」側は少ない募集枠に多くの転職希望者が殺到し、採用倍率が非常に高いため、採用基準が自然と高まることも影響しています。
では一体、何をどのように書いていけばいいのか、「請負」側と「発注者」側の具体的な書き分けも含め、項目ごとにくわしく解説していきます。
1)職務要約
重要度:★★☆☆☆
かかわった案件や役割・業務内容を5行前後でまとめる
建築施工管理の場合、採用担当者は後述の「職務経歴(工事経歴)」欄を最も注視しているため、「職務要約」欄の重要度はそれほど高くありません。
「発注者」側に応募する場合は、書いた方がより丁寧な印象になり高評価につながりますが、「請負」側なら最悪、時短のために項目ごと削除してしまってもあまり問題はないでしょう。
記載する場合は、これまでかかわった建築物・工作物の概要やそこでの役割・担当業務などについて、5行前後で端的にまとめます。
2)職務経歴(工事経歴)
重要度:★★★★★
建造物・工作物の内容や役割をくわしく記載する
「職務経歴(工事経歴)」欄は、建築施工管理の職務経歴書において最も重要な項目であり、ここをいかにくわしく・わかりやすく書けるかで合否が決まるといっても、過言ではありません。
採用担当者は「職務経歴」欄から、応募者がかかわってきた建造物・工作物やそこでの役割などをくまなくチェックすることで、その内容やレベル感が自社で求めるものとフィットするかどうかを精査しているからです。
採用担当者がイメージしやすいよう、工事ごとに下記の項目を記入しましょう。
- 発注者(可能であれば請負金額も)
- 工事名
- 工事概要(※特にくわしく!)
(建築面積、延床面積、構造形式、階数、用途) - 工事期間
- 役割/担当業務
とくに「工事概要」は建築面積が何平米か、構造形式がRC造かW造かなどまで漏らさず記載するのがポイント。ここの情報が不足していたり曖昧だったりすると、採用担当者が自社との親和性を判断できず、不採用になりかねません。

キャリア
アドバイザー
「発注者」側なら「実績・取り組み」も記載するとなおよし
「発注者」側に応募する場合、担当業務とは別に、そのなかで工夫したことやその実績などについて追加で書いておくのもおすすめ。
人柄や思考パターン、課題解決能力などがより伝わりやすくなり、好印象につながる可能性があります。
スケジュール管理を徹底し無駄のない工事を心掛けた。行政への届出などを管理し、各工程の工数を考慮して人数調整するなど生産性の向上に努めた。その結果としてXX%のコスト削減につながった。
すべての案件を書く必要はない
これまで担当した案件が多い場合、「職務経歴(工事経歴)」欄にすべて書く必要はありません。どんな案件を何件書くべきかは、応募先によって異なります。
「発注者」側に応募する場合
ディベロッパーなどの「発注者」側に応募する場合、直近の3~5年以内にかかわった案件のうち、応募先の事業内容に近い案件を5~10件ピックアップするのがおすすめ。応募先との親和性が伝わり、好印象につながります。
例えばオフィスビルを多く扱うディベロッパーであれば、オフィスビルの案件を中心に記載しましょう。
「請負」側に応募する場合
ゼネコンや工事会社などの「請負」側に応募する場合、経験してきた工種や規模の幅広さが求められる傾向があります。
そのためバリエーションが出るよう、直近の3~5年以内にかかわった案件のうち、規模が大きいものや難易度が高かったもの、やりがいがあったものなどを3~5件ピックアップします。
大手のゼネコンに応募する場合、一定以上の経験を求められるため、5~7件など少し数を増やすとよいでしょう。

キャリア
アドバイザー
転職経験がある場合は各社3~5件を記載する
転職経験がある場合、1社につき3~5件の案件を記載しましょう。
社数が多い場合、直近の経験が重視されるため、新しいものを多めにし、古いものは少なめにしたり何件かを簡略化してまとめたりと、メリハリをつけて記載するのがポイントです。
3)保有資格・スキル
重要度:★★★★★
主要な資格を5つ前後記載する
資格が経験・スキルの証明となる建築施工管理では、「保有資格・スキル」欄もかなり重要な項目。資格の有無や内容によっては、問答無用で”足切り”になってしまうケースもあります。
ただし、資格は「あるだけすべて書けばいい」というわけではないので要注意。経験や年齢にそぐわない易しい資格まですべて記載してしまうと、むしろ逆効果になることもあります。
「保有資格・スキル」欄には、建築施工管理技士などの国家資格をはじめ、施工管理の業務にまつわる主要な資格を5個前後記載するようにしましょう。建築施工管理技士以外にも、建築設備士や構造設計一級建築士、監理技術者といった高難易度の資格も高評価につながります。
キャリアアドバイザー

キャリア
アドバイザー
CADのスキルも書いておくと◎
「保有資格・スキル」欄には、資格以外にも使用経験のあるCADを記載しておくのがおすすめ。採用担当者がよりスキルを把握しやすくなります。
2D・3Dだけではなく、「AutoCAD」や「Jw_cad」といったソフト名まで記載しましょう。
4)自己PR
重要度:★☆☆☆☆
「発注者」側に応募するならしっかり書き込む
実務経験(工事経歴)が最重視される建築施工管理においては、基本的に「自己PR」欄の重要度は低め。「請負」側に応募する場合、項目ごと削除しても問題ありません。
ただし「発注者」側に応募する場合、「職務要約」欄と同様、しっかりと自分の言葉で書き込む必要があります。
「発注者」側は立場上、「請負」側よりも関係者が多く、折衝も頻繁に発生します。文章能力や細やかな気遣い、緻密さが求められるため、「自己PR」欄一つとっても、手抜き感が出てしまってはマイナス印象です。
そのため「自己PR」欄では下記のような経験・スキルを見出しに立て、その詳細や裏付けのエピソードについて記載しましょう。数も1つだけではなく、2つ以上記載するのがベストです。
〈自己PRに記載する経験・スキルの例〉
- 周辺住民や関係者、職人との調整力・リーダーシップ
(大人数の案件を取りまとめた経験) - 原価・工程・品質・安全管理能力の高さ
(工期短縮やコストダウンを達成した経験) - トラブル時の臨機応変さ・対応スピードの速さ
(工事期間中などに起きたトラブルを解決した経験)
…など
エピソードを書く際は「どんな状況で、何をして、どうなったのか」を順序立てて説明すると、論理的思考能力や文章能力の高さが伝わり、好印象です。
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
gd2md-html: xyzzy Thu Aug 08 2024
この記事の担当者

「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。
