弁理士
資格内容
弁理士とは、発明者が努力して実現させた発明を、特許といったより強い権利の形にする国際資格です。特許事務所において、産業財産権に関する全ての手続きを代理して行います。
私たちの身の回りには毎日のように多くの新製品が登場し、生活を充実させてくれています。こういった新たに発明された新製品は多くの特許によって保護され、模倣品の出現や横行を防ぐようになっています。情報、知識によって創造された知的財産を特許という権利として適切に保護し、かつ知的財産権を活用する知的創造サイクルを構築する必要があるのです。
特許という言葉は正しくは「特許権」となり、この他にも実用新案権、意匠権、商標権など多くの特許があります。これら特許権、実用新案権、意匠権、そして商標権は、総称して産業財産権(工業所有権)と呼ばれます。産業財産権は、特許庁へ出願後、審査を経て初めて登録されるものです。ただし、実用新案権は形式の審査のみとなっています。
弁理士試験は3次試験まであり、5月に1次試験、7、8月に2次試験、そして10月に3次試験という流れになっています。試験は1次が短答式、2次が論文式、3次が口述式となっていて、法律の出題範囲も各回によって違ってきます。1次では工業所有権法、条約や著作権法、そして不正競争防止法について出題され、また2次では、工業所有権法が必須科目となる上に、さらに地球工学、機械工学、物理工学、情報通信工学、応用化学、バイオテクノロジー、弁理士の業務に関する法律のいずれか1科目を選択して受験します。最後の3次では、工業所有権法の3科目について出題され、それを合格すると資格取得となります。
資格概要
■ 受験資格
筆記試験に関しては特にありませんが、口述試験は筆記試験に合格した方のみが受験することができます。また筆記試験は短答式と論文式に分かれていて、短答式に合格しなければ論文式を受けることはできません。
■ 試験方法・内容
・筆記試験
・短答式
工業所有権法に関する法令、条約、著作権法、不正競争防止法について
マークシート方式60問、3.5時間
・論文式
工業所有権法に関する法令について3科目計5時間
「地球工学」「機械工学」「物理工学」など7科目の選択科目から任意に1科目を選択、1.5時間
・口述試験 : 特許法・実用新案法・意匠法・商標法についての口頭試問
■ 試験日程
・短答式試験5月中旬〜下旬(土・日いずれかの日)
・論文式試験必須科目 6月下旬〜7月上旬
選択科目 7月下旬〜8月上旬
・口述試験10月(中旬〜下旬)
■ 受験料
12,000円
■ 問い合わせ先
特許庁総務部秘書課弁理士室
TEL 03-3581-1101
URL http://www.jpo.go.jp/indexj.htm
転職アドバイス
弁理士有資格者は製造業、サービス業など多くの職種において、特許及び商標の出願、社内の知財管理、知的財産関連業務等にその資格を活かせるでしょう。IT、医療など業界知識を重視する業界もありますが、あらゆる業界において経営に直結する場面で活躍している方もいらっしゃいます。