【診療科目別の例文も紹介】 歯科衛生士の志望動機の書き方は?
志望動機は、転職の応募書類の項目のなかでも、選考の通過を左右する重要な項目です。採用担当者に熱意を伝え、「入社後の活躍イメージ」を持ってもらい、書類選考の通過につなげるにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、歯科衛生士の志望動機の書き方と、すぐに使える例文を紹介します。志望動機で必ず伝えたい内容も紹介するので、あわせて確認してください。
志望動機で伝えておくべき内容
そもそも志望動機は、書類選考の段階で採用担当者が応募者を絞り込むために、熱意や志望度の高さを見極めるための項目です。
採用担当者からの印象をよくして、書類選考の通過に近づけるためには、志望動機のなかで「1)応募先を選んだ理由」と「2)転職後に活かせるスキル・経験」の2つを伝えることが重要です。
「1)応募先を選んだ理由」は、熱意や意欲を伝えるために必要な情報です。採用担当者は、「明確な理由があって自社を志望している人物か?」を確認することで、応募者の熱意や志望度の高さを見極めようとしています。
そのため、志望動機で「応募先のどのような部分に魅力を感じたか」「その企業で、自分は何を実現したいのか」といった応募先を選んだ理由を明確に伝え、熱意や意欲を強くアピールしましょう。
一方で、「2)活かせるスキル・経験」は、「入社後に活躍できるイメージを持ってもらう」ために必要な情報です。意欲だけでなく、「実際に活躍できるだけのスキルや経験がある」ことに加えて、「そのスキルや経験を活かしてどう活躍したいのか」をアピールして、あなたを採用するメリットを感じられるようにしましょう。
具体的にどのようなことを伝えればいいか、下記でくわしく説明します。
1)応募先を選んだ理由
応募先を選んだ理由を伝える際のポイントは、「何を実現したいと考えているのか」と「応募先で魅力を感じた部分」を、セットで具体的に伝えること。
「歯科衛生士としてスキルアップしたいと考えており、研修や勉強会が充実している貴院の環境に魅力を感じた」「ひとりひとりの患者様に寄り添ったケアをしたいと考えており、完全予約制で患者様との時間を確保できる貴院の環境に惹かれた」といった形で、応募先だからこそいえる内容を伝えましょう。
応募先を選んだ理由としておすすめなのは、「理念・診療方針に魅力を感じた」「スキルアップできると考えた」の2つです。下記の例のように、自分の想いを整理しておきましょう。
〈応募先を選んだ理由の例〉
▼「理念・診療方針に魅力を感じた」
- より多くの子どもの健康を守る仕事に就きたいと考えており、地域での啓蒙活動に力を入れている貴院の活動に共感した
- 重要度が高まり続けている訪問歯科で地域貢献したいと考えており、「地域医療の最後の砦になる」という理念のもと、訪問歯科に注力している貴院に魅力を感じた
▼「スキルアップできると考えた」
- 矯正に関する専門性を高めたいと考えており、研修や勉強会が充実している貴院の環境に魅力を感じた …など
また、「魅力を感じた部分」を伝える際には、「なぜ」魅力を感じたのかもあわせて伝えると、説得力が高まります。
志望動機の文章を作成する際には、「〇〇の業務を通じて、✕✕と考えるようになった」といった形で、過去のエピソードを紐づけて応募先を選んだ理由を語りましょう。
2)転職後に活かせるスキル・経験
次に、転職後に活かせそうなスキル・経験を整理しましょう。
職務経歴書とは違い、志望動機ではスキル・経験そのものの有無を問われるわけではありませんが、「これまでに培ったスキル・経験と、入社後に叶えたいことに一貫性があるか?」「スキル・経験を踏まえた活躍イメージを、具体的に描けているか?」という部分は評価につながります。
そのため、志望動機の冒頭で「これまで〇〇の業務を経験するなかで~」と転職のきっかけにつなげる形で触れたり、締めの部分で「〇〇の経験(スキル)を活かして貢献したい」といった形で貢献意欲に絡めたりしてアピールできれば、「入社後に活躍してくれそうだ」と評価される可能性が高まります。
歯科衛生士の場合、「コミュニケーション能力」と「向上心」が重視されやすいため、これらが備わっていると感じさせる経験やエピソードを志望動機に盛り込むと効果的です。
〈コミュニケーション能力を伝える際のポイント〉
歯科衛生士の業務は、患者はもちろん、同僚の歯科衛生士や歯科医、歯科助手など、多くの人と接しながら進めるため、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
患者と接する際には、会話のなかから治療に必要な情報や不安などを汲み取る「傾聴力」が、歯科医や同僚とは、スムーズに情報共有するために普段から関係を良好に保つ「関係構築力」が重要になります。
これらの能力を発揮した経験を絡めて、「培った〇〇を活かして貢献したい」という転職後の抱負を伝えると、効果的な志望動機になります。
また、応募先の理念や方針で特に大切にしていることがある場合や、小児歯科のように患者に合わせた応対が特に求められる場合は、それに紐づく経験を伝えると効果的です。
▼コミュニケーション能力が伝わるエピソードの例
- 術前のカウンセリングに力を入れており、患者様の要望や不明点を把握して説明を行うことで、信頼関係の構築に努めてきた
- 小児歯科で子どもと接するなかで、不安や恐怖心を和らげるために、悩みに共感する姿勢を見せる・できるだけ目線を合わせるといったコミュニーケーションを取ってきた
- 患者様に寄り添うことを大切にしており、要望や不安を踏まえた説明・対応を行うことで、納得して治療を進められる状態を整えてきた …など
〈向上心を伝える際のポイント〉
個々の患者にあわせた適切な治療を行うには、常に新たな知識や技術を学んでいく向上心が必要となります。
特に、これまでと異なる診療科に移る場合は、応募先でスキルを伸ばしていく熱意があることも重要視されるので、「向上心を発揮してスキルを伸ばし、貴院に貢献したい」という想いは積極的に伝えていきましょう。
なお、応募先で勉強会や外部セミナーへの参加が活発な場合は、それらを活用してスキルアップしていく姿勢を見せるのがおすすめです。転職に向けて自主的に学んでいることがあれば、そちらも伝えておくといいでしょう。
▼向上心が伝わるエピソードの例
- 矯正に関する専門性を高めるため、セミナーに自主的に参加して、最新の治療に関する知識を深めてきた
- 患者様との信頼関係をさらに深めるため、院内で積極的に情報交換を行ってきた …など
志望動機の書き方・構成
履歴書の志望動機は、「1.応募した理由(結論)」→「2.その背景やエピソード」→「3.応募先にどう貢献していくか?」の3段構成で作成するのがおすすめです。
応募した理由を冒頭で端的に伝え、そう考えるに至った理由や背景を具体的に補足することで、応募した背景を採用側が理解しやすくなり、志望動機の説得力も高まります。
3段構成にそってまとめた例文を見ながら、志望動機の書き方を確認しましょう。
〈例文〉
(1)
歯科衛生士としてスキルアップしたいと考え、研修や勉強会が充実している貴院を志望いたしました。
(2)
現職では外来診療を行う一般歯科医院に3年間勤務し、診療補助業務全般を担当しております。経験を積むなかで、歯周病で来院される患者様が多いことを知り、より専門的な知識や技術を習得したいと考えるようになりました。そのため、歯周病治療の経験を多く積める環境で働きたいと考え、転職を決意いたしました。
貴院は、歯周病治療に注力しており、外部研修や勉強会といったスキルアップの機会も充実していると伺い、魅力を感じております。
(3)
現職で培った、幅広い世代の患者様と円滑にコミュニケーションをとる能力を活かしつつ、業務を通じて歯周病治療の知識を深めたいと考えております。また、ゆくゆくは認定歯科衛生士の資格も取得し、専門性を高めることで貴院に貢献したいと考えております。
(371文字)
1.応募した理由(結論)
志望動機の冒頭では、まず1~2文で「応募した理由(結論)」を伝えましょう。下記のように、応募の決め手になった想いを簡潔に伝えることで、志望動機の内容を採用担当者に理解してもらいやすくなります。
- 〇〇に関する専門知識を深めるために、貴院に応募した
- 「歯科治療をとおして、患者様の未来の健康を守る」という理念に強く共感し、貴院を志望した …など
2.その背景やエピソード
応募した理由(結論)に続いて、転職を決意したきっかけ・背景やエピソードを説明します。未経験者・経験者ともに下記の3点を、これまでに経験した業界や業務内容を交えて、具体的に伝えてください。
- どんなきっかけから転職を考えたのか
- 転職によって何を実現したいのか
- 応募先を選んだ理由
なお、未経験の診療科に応募する場合は、そもそも「なぜこの診療科を選んだのか?」が問われる傾向があります。志望動機の説得力を高めるためにも、応募先を選んだ理由とあわせて必ず伝えましょう。
3.応募先にどう貢献していくか?
最後に、志望動機の締めとして「応募先にどう貢献していくか?」を伝えます。未経験者・経験者それぞれ、下記のような姿勢をアピールしましょう。
▼未経験者の場合:
- 「これまでの経験・スキルをベースに積極的に学び、貢献していきたい」
▼経験者の場合:
- 「経験を活かして貢献したい」
- 「新しい環境でさらに成長し、貢献したい」
【例文】歯科衛生士の志望動機
ここではあらためて歯科衛生士の志望動機の例文を、経験者・ブランクありといった「状況別」と「応募する診療科目別」に分けて紹介します。
押さえておくべきポイントとあわせて確認し、自分の志望動機を作成してください。
状況別の例文
「経験者」の場合
〈例文〉
(1)
貴院の「患者様の健康をチームで支える」という理念に共感し、応募いたしました。
(2)
現職では5年間にわたって、一般歯科医院の歯科衛生士として診療補助やクリーニング、保健指導に携わっております。医師と連携して患者様の健康を守ることにやりがいを感じており、患者様と医師との意思疎通をスムーズにするべく、患者様の不安や希望をカウンセリングで汲み取り、整理して医師に伝えることを心がけておりました。経験を積むなかで、院外の医療スタッフと協働して、地域ぐるみで患者様を支援するという働き方を知り、自分もぜひその一員になりたいと考え転職を決意いたしました。
貴院では「患者様の健康をチームで支える」という理念のもと、外部の医師との連携や、地域住民向けの保健指導教室に力を入れていると伺い、地域ぐるみのチーム医療の一員として働けると考え志望いたしました。
(3)
現職での経験を活かしつつ、チーム医療の実現に必要な業務を覚え、貴院の理念の実現に貢献したいと考えております。
(419文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 経験のある診療科目に応募する場合、「なぜ現職ではなく、応募先に移りたいと思ったのか?」を明確にするのがポイントです。「現職ではできないことを実現するため」といったポジティブな理由を、できるだけ具体的に伝えましょう。
- また、現職の業務内容・業務範囲を具体的に伝えることも重要です。勤務先の診療科目や規模、主に対応していた業務内容などを記載しましょう。
「ブランクがある」の場合
〈例文〉
(1)
「子どもの将来を見据えた、最良の治療を提供する」という貴院の理念に強く惹かれ、応募いたしました。
(2)
前職の一般歯科クリニックでは、5年間にわたり診療補助や受付業務、保健指導に携わっておりました。出産・育児をきっかけに退職したものの、子育てのなかであらためて予防歯科の重要性を感じ、歯科衛生士として多くの子どもの将来を守る仕事をしたいという想いが強くなりました。そんななか、同居を始めた両親が育児に協力的で、仕事に復帰する余裕が生まれたため、復職に向けた活動を行っております。
「子どもの将来を見据えた、最良の治療を提供する」という理念を掲げ、高品質な治療や、親御さんへの積極的な啓蒙活動を行っている貴院なら、自分が理想とする医療を提供できると考え、応募いたしました。
(3)
ブランクはありますが、前職で培った経験や、子どもに不安を与えないコミュニケーションの技術、子育て経験を活かして貴院に貢献し、長期的に活躍したいと考えております。
(410文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- ブランクがある場合、採用担当者は「なぜ期間が空いてしまったのか?」「すぐ辞めてしまわないか?」といった疑問を抱きます。ブランクがあること自体はマイナスではないので、採用担当者の疑問を晴らすよう、2つの疑問に正直に答えましょう。
- 「すぐ辞めてしまわないか?」という疑問を晴らすには、「復帰を決意した理由」や「今後のキャリアプラン」を伝えるのが効果的です。「育児が一段落したため、復職を決意した」「将来的には、パートから常勤になりたい」といった内容を伝えるといいでしょう。
パートの募集に応募する場合
〈例文〉
(1)
貴院が強みとする「質の高い審美歯科のスキル」を習得し、患者様へ満足度の高い治療を提供したいと考え、応募いたしました。
(2)
前職では一般歯科クリニックにて、診療補助やクリーニング、患者様へのカウンセリングを担当しておりました。結婚を機に一度退職したものの、家族の協力により家庭と仕事の両立ができる見込みが立ったため、復職先を探しております。また、以前から「美しさを守ることで、患者様の心まで前向きにする」という審美歯科の意義に強く共感しており、自身も一端を担いたいと考えております。
そんななか貴院のホームページを拝見し、「質の高い審美歯科のスキルを学ぶことで、患者様へよりよいサービスを提供できるようになりたい」と考え、応募させていただきました。
(3)
貴院から自宅が近く、家族のサポートもあるため、応募資格で求められていた「柔軟な勤務時間の調整」が可能です。パートとして貴院で審美歯科の知識を磨き、ゆくゆくは正社員としても活躍できるだけのスキルを身につけて貢献したいと考えております。
(435文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- パートの募集に応募する場合は、「柔軟に勤務時間を調整できる」点を、理由も添えて伝えることが重要です。「子育てのために離職していましたが、家族に預けることができるため、勤務時間を柔軟に調整できます」といった形で、簡潔にまとめて伝えましょう。
- 長期的に働ける人を募集しているケースも多いため、「ゆくゆくは正社員(正職員)として働きたい」など、長期的に就業する意思を見せるのも効果的です。
診療科目別の例文
一般歯科
〈例文〉
(1)
「健康な歯を守る活動を通じて、地域の方々の健康を支える」という貴院の理念に共感し、志望いたしました。
(2)
現職の一般歯科には5年間勤務しており、口腔内のクリーニングや歯科診療の補助などの業務を行っております。「患者様に歯科治療に対する不安や悩みを打ち明けていただける関係」を大切にしており、幅広い年齢層の患者様ひとりひとりと丁寧に応対することで信頼関係の構築に努めてまいりました。今回、家族の転勤にともない転職先を探しております。
そんななか、貴院の理念に強く共感し、応募させていただきました。貴院なら、患者様と長期的な関係を築き、不安や悩みに寄り添い続けるような医療が提供できると考えております。治療前のカウンセリングが手厚い点でも、より患者様に合った医療を提供できるのではと感じ、惹かれております。
(3)
現職で培った歯科衛生士の知識・経験や、患者様ひとりひとりに寄り添うコミュニケーション能力を活かしつつ、さらにスキルを伸ばし、貴院に貢献したいと考えております。
(426文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 一般歯科は患者の年齢層が幅広く、さまざまな方が来院するのが特徴です。そのため、子どもから老人まで、相手に合わせた対応が求められます。
- 対応力を印象付けるために、幅広い層の人たちとコミュニケーションを取った経験や、人と関わるうえで大切にしていることを絡めて、「どう貢献していきたいか」を伝えるといいでしょう。
小児歯科
〈例文〉
(1)
「地域の子どもたちの未来を守る」という貴院の理念に惹かれ、応募いたしました。
(2)
現職は一般歯科クリニックで、歯科診療補助やクリーニングなどひととおりの業務に携わっております。診療のなかで、健康な歯を維持するには幼児期からの適切な治療や、親御さんも含めた啓蒙活動が必要不可欠と感じるようになり、小児歯科で専門的な治療に携わりたいと考え転職を決意いたしました。
そんななか貴院のホームページを拝見し、「治療の前に、まずはお子様が歯科医院に慣れることを大切にする」という姿勢や、産前産後から親御さんへ虫歯ケアの啓蒙活動を行っていることを知り、ぜひ貴院で子どもの健康を守る活動に貢献したいと考え応募いたしました。
(3)
現職でも小さなお子様と接する機会が多く、不安や恐怖心を和らげるようなコミュニケーションを心がけてまいりました。こうしたお子様への気遣いを大切にしつつ、貴院で治療や啓蒙活動に従事することで、地域の子どもたちの未来を守る一端を担いたいと考えております。
(423文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 小児歯科では、来院する子どもに安心して治療を受けてもらうことが大切です。ひとりひとりの子どもにあわせて、不安や恐怖心を取り除けるようなコミュニケーションが求められているので、子どもに寄り添った丁寧な応対をしてきた経験などを伝えるといいでしょう。
- また、「健康な歯を維持するために、子どもの頃からのケア・治療を大切にする」など、理念・方針にこだわっている施設も多いため、応募先を選んだ理由として触れておくと志望度の高さを伝えられます。
矯正歯科
〈例文〉
(1)
矯正の専門性を高め、より多くの患者様の力になりたいと考え、貴院を志望いたしました。
(2)
現職の一般歯科医院では、5年間にわたって診療補助やクリーニングなどの口腔ケアに携わっております。矯正治療の補助も担当しており、患者様から矯正中の生活に関する相談を受けることもありました。そうした場面で的確な対応が取れるよう、自主的に矯正に関する専門書籍やセミナー・勉強会などで知識を深めるなかで、矯正歯科の歯科衛生士として専門性を高めたいと考えるようになり、転職を決意いたしました。
そんななか、貴院の「最高品質の治療を提供することで、患者様に安心と信頼を届ける」という理念を拝見しました。私自身、過去に矯正治療を受け、納得いく説明によって安心した経験があり、理念に強く共感できたため応募いたしました。
(3)
院内勉強会や外部セミナーで知識を深めながら矯正治療の経験を積み、専門性を高め続けることで、貴院の理念の実現に貢献したいと考えております。
(409文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 矯正歯科は専門性が高いため、知識や技術を習得する向上心が特に求められます。転職にあたって勉強会やセミナーに参加しているといったアクションをとっている場合は、積極的に伝えていきましょう。
- 興味を持ったきっかけとして、自身の体験を伝えるのも効果的です。「矯正をしたことで気持ちが明るくなったので、同じ悩みを持った患者様を笑顔にしたい」など、体験談を交えて伝えると説得力が増し、熱意や意欲も伝わりやすくなります。
審美歯科
〈例文〉
(1)
口元の印象を変えることで、患者様の気持ちを前向きにするという審美歯科の意義に魅力を感じ、志望いたしました。
(2)
現職の一般歯科では、幅広い年齢層の患者様の虫歯治療や診療の補助を務めてまいりました。患者様と接するなかで、歯並びや歯の大きさなど、口元の見え方に関する悩みを抱えている方が多くいることを知り、こうした方々の力になりたいと考え審美歯科への転職を決意いたしました。
特に「女性が安心して利用でき、また行きたくなる医院」という方針のもと、女性スタッフのみを集め、安心して悩みを打ち明けられる環境を整えている貴院に魅力を感じました。治療前のカウンセリングに力を入れている点にも共感しており、ぜひ患者様の悩みや不安に寄り添う治療の一端を担いたいと考えております。
(3)
審美歯科での勤務は未経験ですが、現職で培った患者様に寄り添うコミュニケーション能力を発揮しつつ、専門技術や知識を習得して、貴院に貢献したいと考えております。
(405文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 審美専門の歯科医院では、ホワイトニングやインプラント治療など、専門的な治療を行います。応募先で行う業務の経験がある場合は、具体的に伝えることでアピールにつながります。
- 治療前の患者へのカウンセリングも歯科衛生士の業務の一つ。希望や悩み、施術に対する不安を抱えている患者に寄り添うようなコミュニケーションが求められます。こうした特徴を理解し、寄り添っていく姿勢を伝えて、業務への適性を感じてもらうことも大切です。
口腔外科
(1)
手術を要する患者様を支えるため、口腔外科領域の業務に専念したいと考え、転職を志望しております。
(2)
現職の一般歯科医院では3年間にわたり、口腔ケアや虫歯治療といった一般歯科診療の補助や、親知らずの抜歯など外科処置の補助を担当しております。手術を終えた患者様と接するなかで、術後のケアや保健指導の重要性を感じ、より多くの患者様を支えたいと考えるようになり口腔外科への転職を決意しました。
そんななか貴院のホームページを拝見し、「患者様の早期回復を一丸となって支援する」という方針のもと、術前術後の説明や保健指導を手厚く行っている点や、院内外の協力体制によってチームで患者様を支える意識が強い点に魅力を感じ、応募いたしました。
(3)
現職の経験や知識を活かしつつ、貴院でさまざまな症例に対応できる知識や技術を習得することで、患者様の早期回復とスムーズな社会復帰を実現するチームの一員として貢献できるようになりたいと考えております。
(405文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 口腔外科の歯科衛生士は「外科処置のサポートを行うだけでなく、治療中の保健指導などをとおして患者の早期回復を支える」といった特徴があります。こうした特徴と絡めて応募した理由を伝えると、説得力が増します。
- また、専門知識やさまざま疾患への対応力が必要になるため、向上心が求められるのも特徴です。未経験から転職する場合は、採用後に知識を習得して貢献していく姿勢を積極的にアピールしましょう。
訪問歯科
〈例文〉
(1)
高齢化により重要性が増している訪問歯科の道に進みたいと考え、志望しております。
(2)
現職では一般歯科の歯科衛生士として、口腔ケアをはじめ診療補助業務をひととおり担当しております。そんななか、担当した患者様が怪我により通院ができなくなったことや、高齢の祖母の通院が困難になったことをきっかけに、訪問歯科の重要性を感じるようになりました。自身も訪問診療で患者様の力になりたいと考えたものの、現職では訪問診療を行っていないことから転職を決意いたしました。
転職先を探すなかで、地域で希少な訪問歯科に注力している貴院を知り応募いたしました。「地域医療から置き去りになる患者様をゼロにしたい」というポリシーのもと、この地域の訪問治療の最前線を歩み続けている姿勢にも強く惹かれております。
(3)
訪問歯科での経験はありませんが、一般歯科で培った診療補助の経験や、多くの方と打ち解けるコミュニケーション力を活かしつつ、貴院のポリシーの実現に貢献したいと考えております。
(419文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 訪問歯科を選んだ理由を伝える際は、社会的な意義・必要性と絡めて伝えるのがおすすめです。高齢化を背景に需要が高まっていることや、自身の経験などを踏まえて「社会や患者様に貢献したいと考えるようになった」と伝えましょう。
- 訪問歯科では、患者はもちろん、その家族やケアマネージャーとも接し、信頼関係を築いていくことが求められます。幅広い年代の人と接した経験や、信頼関係を築くために行ってきた工夫などを、これまでの経歴と絡めて伝えるといいでしょう。
予防歯科
〈例文〉
(1)
貴院が掲げる「今ある歯を守り、患者様の未来を守る」という理念に共感し、応募いたしました。
(2)
現職の一般歯科医院では4年間にわたり、虫歯治療などの補助や口腔ケアを担当してまいりました。業務の一環で保健指導を行うなか、患者様ひとりひとりの生活スタイルに応じて予防法の指導をより細かく行いたいと考えるようになり、予防歯科に注力している職場への転職を決意しました。
貴院では「今ある歯を守り、患者様の未来を守る」という理念のもと、患者様ひとりひとりに寄り添うための担当制を敷いていると知り、自分の理想とするスタイルでの保健指導を行えると考え応募いたしました。
(3)
貴院では院内研修や外部セミナーに力を入れていると伺っております。学びの機会を最大限に活かすことで、最新の技術や知識を習得し、予防のプロとして患者様の健康に貢献していきたいと考えております。
(366文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 予防歯科は、定期メンテナンスなどで患者と長期的に関わっていきます。「ひとりひとりに寄り添い、健康的な生活を守る」という考え方への共感が求められるので、応募のきっかけに絡めて伝えておきましょう。
- 患者のモチベーション維持も、予防歯科の歯科衛生士にとって大事な業務です。患者の気持ちに寄り添い、「どう伝えれば行動してもらえるか」を考えてやる気を引き出すことが求められるため、こうした「寄り添いのコミュニケーション」の経験があれば伝えておきましょう。
書き終えたら、必ず見直しをしよう
志望動機は、内容や書き方によって採用担当者へ与える印象が大きく変わる項目です。そのため、記入し終わったら、必ず時間を置いてから見直すようにしましょう。
下記の記事では、「志望動機を書くうえでのポイント」や「効果的な表現」などを説明しているので、見直しの際のチェックポイントとしてぜひ参考にしてください。
この記事の執筆者
ライター・編集者
久保田 敦大
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。
大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。
転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。