質問例・注意点も 面接の逆質問、新卒ならではのポイントは?
就活の面接の最後には、「質問したいことはありませんか」と逆質問の時間が設けられることがあります。
面接官に好印象を与える逆質問の例と、その際の注意点をご紹介します。
逆質問は熱意・志望度を伝えるために有効
まずは、逆質問の基本の考え方と質問が思いつかないときの対処法をご紹介します。
もし面接の前半で長所や志望理由を伝えきれなかったとしても、逆質問次第でリカバリーできるケースもあります。
逆質問は最低5個程度用意しよう
逆質問は最低5個程度、業務内容、研修、仕事に対する考え方などさまざまな切り口のものを用意しておきましょう。
企業によっては逆質問の時間を多めに確保している場合もあります。また、逆質問で聞こうと思っていた疑問が面接中に解消してしまうこともあるため、心配な人は10個以上準備しておくと安心です。
逆質問は面接の段階別に用意
逆質問は面接の段階別に用意し、面接官の人数や役職によって質問内容を変えましょう。
例えば、経営者クラスの面接官に細かな業務や研修について質問しても、詳細を把握していない可能性があります。面接官の立場を考えずに質問することで「状況を把握する能力が低い」と判断される恐れも。しっかり状況に応じた質問をしましょう。
逆質問したいことがないときは?
逆質問したいことがないからといって「特にありません」と答えるのはNGです。
その理由は以下の2点です。
- 面接官から熱意・志望度が低いと捉えられるリスクがある
- 企業とのマッチングを確かめる機会を十分に活用できない
逆質問は、自分は企業への志望度が高く、働くことを想定して今から準備を進めているというアピールになります。
例えば、逆質問で「御社の事業の◯◯についてですが、なぜ◯◯が理念につながるのか理解しきれません。理念と事業とのつながりについて教えていただけないでしょうか?」と尋ねれば、事業内容について研究しており、理念を踏まえて仕事に臨みたいと考えていることが伝わるでしょう。
また、逆質問の答えは、企業の生の声です。信ぴょう性が高い上、ほかでは得られない情報のため、企業とのマッチングを確かめる上で非常に役立ちます。
【面接の段階別】面接官に響く逆質問の例
ここからは、面接の段階に5個ずつおすすめの逆質問の例を紹介していきます。自分の状況に合わせてアレンジしながら取り入れるてみてください。
社長・役員(最終面接)の場合
【POINT】
役員・社長は、応募者の考えが企業理念に合うか、会社に貢献してくれるかどうかを重視しています。そのため、企業の成長や事業、理念に関わるような質問がおすすめです。
また、質問に以下のような要素を交えると会社への貢献度が高い人材だと認めてもらいやすくなります。
- 自分の考え・仮説を述べてみる
- 社会問題を取り上げる
- 調査した質問を前提に話す
※社長・役員への質問について詳しくは→例文から選ぶ!最終面接の「逆質問」攻略法
人事・現場社員(1次~2次面接)の場合
【POINT】
1次面接・2次面接は人事担当者や現場の社員によって行われます。
1次面接はビジネスマナーやコミュニケーションスキルが、2次面接は社員との相性や求めるスキルの有無などが見られる傾向にあります。そのため、質問内容だけでなく、質問の仕方や態度についても注意を払うことが大切です。
現場の社員には一日のスケジュールや具体的な仕事内容について質問するのも良いでしょう。自分の長所や希望を説明した上で質問をすると、自己アピールにつながります。
コラム面接官の人数別・逆質問のコツ
面接官が1人のとき
面接官が1人のときは、しっかりと目を見ながら話しましょう。目をそらしていると、消極的・コミュニケーションが苦手という評価が下されてしまう恐れがあります。
また、面接官が複数人いないと、ほかの面接官からのフォローがないため、会話が途切れやすくなります。質問を多めに用意する、質問に対する返答を想定してそこからどう会話を続けるか考えるなどの対処を行いましょう。
面接官が複数人のとき
面接官が複数人のときは、できるだけ全員と目線が合わせられるように気をつけましょう。話が切り替わるタイミングで目線を変えることをおすすめします。
面接官が複数人の場合は、面接官全員が答えられる質問を用意しておくと良いでしょう。
ただし、特定の人に答えてほしい場合は、他の面接官へ配慮すれば行っても問題ありません。以下のように、ほかの面接官に配慮する一言を添える、なぜ特定の人に聞きたいのか理由を伝えることがポイントです。
【業界別】面接官に評価される逆質問
医療・介護、IT、アパレル、クリエイティブの4業界について、面接官に評価される逆質問をご紹介します。
医療・看護業界
【POINT】
医療・看護業界の面接では、患者さんへの思いやりや学ぶ意欲、コミュニケーション能力などが重視されます。
患者さんとのコミュニケーションが大切という気持ちや勉強したいという向上心が伝わる質問を行うと良い印象を持ってもらえるでしょう。
IT業界
【POINT】
日進月歩で発展しているIT業界において、面接官には継続的に勉強できる人かどうか、好奇心が旺盛化か、向上心はあるかなどが見られます。
例えば、SE志望の場合、プログラミングについて勉強中であることを質問の前提として盛り込むなど、向上心のある人物としてみられるよう意識すると良いでしょう。
アパレル業界
【POINT】
アパレル業界の面接官には、ファッションへの興味・関心があるか、お客様とのコミュニケーションを大切にしたい意志があるか、ブランドとの相性が良いかなどが見られます。
ファッションのトレンドや接客のコツなどに関心があることが伝わる質問ができると良いでしょう。
クリエイティブ業界
【POINT】
クリエイティブ業界にはデザイナー、ライター、エンジニアなどさまざまな職種がありますが、共通してコミュニケーション力や向上心などがあるかどうかは見られていると考えて良いでしょう。職種に合わせて○○の部分を埋める形で例文を活用してみてください。
また、会社によっては専門スキルの有無も確認しています。専門的な質問は、人事ではなくクリエイターの上司が面接官だった場合のみ質問しましょう。
※より多くの逆質問例を確認したい方は→面接官にウケる逆質問の例30選-NG例や注意点も-
逆質問のNGパターン4つ
逆質問は、どんな内容でも良いからすればいいという訳ではありません。
内容次第で不採用になる恐れも。ここでは、逆質問の注意点をご紹介します。
調べればわかる情報を聞く
企業のHPや会社説明会でわかるようなあまりにも基本的な内容を質問すると、面接官に「会社を理解しようと思っていない」「準備をしていない」「人の話を聞いていない」と思われてしまいます。
ただし、「御社のHPを拝見した際に○○について疑問に思ったのですが、○○はどのような経緯で決められたのでしょうか?」などと、既に公開されている情報を深掘りする質問であれば問題ありません。
定番の逆質問をそのままする
定番の逆質問である「御社の弱み・強みについて教えてください」「今後の目標は何ですか」などをそのまま聞くのは避けた方が無難です。調べればわかることが多い上、「マニュアルを見てそのまま聞いているのではないか?」と疑われる可能性が高いからです。
定番の逆質問をしたい場合は、「御社で実際に働いていらっしゃる方の声をお聞きしたいと思ったので、〇〇さんにとっての御社の強みと弱みを教えてください」と、聞く目的を補足してください。
はい・いいえで答えが完結する質問をする
「はい・いいえ」で答えが完結する質問は、会話が続かず、有益な情報が得られないため避けるべきです。また、そもそも調べればわかるケースが多いため、しっかりと企業研究をしていないと思われるリスクもあります。
ただ、「はい・いいえ」の回答を確認した上で、続けて質問したい事柄がある場合は、例外的にそのような質問をしても問題ありません。大事なのは有益な情報を得ようとする姿勢です。
福利厚生・給与・残業時間のみを質問する
福利厚生・給与・残業時間だけを質問すると、労働条件で会社を決めているのかと思われます。やる気がないと見なされる可能性が高いので、直接的な質問はしない方が良いでしょう。
どうしても確認したい場合は「御社で長く働き続けたいと思っているのですが、産休・育休は取りやすい環境なのでしょうか? どのくらいの女性が取得されているのでしょうか?」と、明確な質問意図を補足してください。
まとめ
新卒の面接でしばしば聞かれる「最後に質問はありませんか」。
面接官に効果的な質問は、準備次第で行うことができます。今回ご紹介した逆質問の例と注意点を踏まえて、面接に臨んでみてください。