一次・二次・最終・職種別で紹介 すぐ使える面接の逆質問の例37選
面接終盤に聞かれる逆質問。咄嗟に質問が出てこず、気まずい雰囲気になってしまう人も少なくありません。
「何か質問はありますか?」と聞かれたときにすぐ答えられるよう、この記事を読んで事前準備を徹底しておきましょう。
逆質問とは?何が見られている?
面接終盤の「何か質問はありますか?」のこと
面接における逆質問とは、応募者から面接官に質問する時間のこと。面接官が面接終盤に「何か質問はありますか?」と確認するかたちで始まるのが一般的です。
面接官が応募者に回答を求める他の質問に対して立場が「逆」になることから、逆質問と呼ばれています。
面接官が見ている3つのポイント
面接官は逆質問を通して、以下の3つのポイントを確認しています。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1企業理解ができているか
面接官は逆質問によって、応募者が自社についてきちんと理解できているのか確認しています。
そのため「ホームページで◯◯という記述を拝見したのですが~」「貴社は△△に注力していると伺ったのですが~」などと、調べた内容を前提にした逆質問をするのが効果的。
こうすることで「きちんと自社について企業研究を行い、理解を深めてくれている」「これだけよく調べてくれているのだから、志望度が高いはずだ」という高評価につながります。
2自社と価値観が合っているか
面接官は逆質問の内容を通して、応募者の価値観が自社に合っているかを確認しています。
よって、逆質問では応募先企業がセールスポイントとしていることについて聞き、その内容に共感を示すのがおすすめ。
そうすることで面接官は「自社が大切にしていることに興味・関心を持ってくれている」=「自社と価値観が合っている」と評価するからです。
3きちんと空気を読めるか
面接官は逆質問を通して、応募者がきちんと空気を読めるかどうかを確認しています。
逆質問の時間に限らず、面接はビジネスマン同士の対話の場。TPOをわきまえた発言ができるかどうかが重視されています。
よって、まったく質問しなかったり、給与など待遇についての質問ばかりしたりといった態度はNG。自分が面接官の立場だったとして、不快な思いをするようなことは避けましょう。
具体的なNG質問については「【NG集】聞いてはいけない逆質問」の章で解説します。
コラム:逆質問はいくつする?適切な数とは
逆質問で聞く質問の数は2~3個程度がおすすめです。
ただし「話の流れで次に聞こうと思っていたことも話されてしまった…」という事態に備え、4~5個程度用意しておくのが無難です。
一次・二次・最終面接の逆質問の例
この章では、一次・二次・最終といった面接のフェーズ別(担当者別)に、ふさわしい逆質問の例を紹介します。
一般的に面接官は面接ごとに異なるので、それぞれの面接官が答えやすい質問=面接官の役職・業務範囲に合わせた質問をすることが大切です。
※業種別・職種別の逆質問の例は、次の章「業種・職種別の逆質問の例」で紹介しています。
一次面接(人事)
一次面接では人事担当者が面接官をする場合が多いので、全社的な働き方・制度や福利厚生、労務環境などについて逆質問するのがおすすめ。
また、人事は人材の採用や育成、評価に関わっているため、求められる姿勢や人物像などについて聞くのも良いでしょう。
一方、具体的なスキル・実務に関する質問、経営や事業戦略に関する質問などは避けるのが無難です。
〈逆質問の例〉
- 御社で活躍されている社員の方の特徴があれば、教えていただけますか。
- リモートワークを積極的に取り入れていると伺いましたが、それにより見えてきた、あるいは新たに生まれた課題点や、その改善のために取り組まれていることがあれば、教えていただけますか。
- 「若手でも活躍しやすい」と伺いましたが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。
- 今回応募している事務職ですが、どのような評価制度をとっているのでしょうか。
- 私は営業職志望ですが、マーケティング部をはじめ社内の他部署とはどのような関わり方をするのでしょうか。
二次面接(現場社員・マネージャー)
二次面接の面接官は現場社員や部署のマネージャーが担当することが一般的。逆質問では具体的なスキルや実務に関することを聞くのがおすすめです。
入社後、一緒に仕事をする社員が面接官であることも多いため、応募職種・ポジションの仕事をする上でわからないことや興味・関心があることについて、積極的に聞きましょう。
一方で、一般社員レベルの面接官に経営・事業戦略について聞くのは避けた方が無難。規模が大きな企業では特に、一般社員がそうした内容を詳しく把握できていないこともあるからです。
〈逆質問の例〉
- 私はこれまで「○○○○」といった取り組みを続けてきました。この経験は、御社でも活かせそうでしょうか?
- 求人票にて「年次関係なく意見交換を行える自由闊達な雰囲気」だと拝見しましたが、そうした雰囲気を醸成するために何かメンバーに要望していることはありますか?あるいはマネジメントをされる上で意識されていることはありますか?
- 今回募集されているルート営業では、1人あたり何件のお客様を、どのようにフォローされているのでしょうか?
- 「○○○○」という御社の経営理念に大変共感しています。理念を実現するために現場で取り組まれていることについて、差し支えなければ教えてください。
- ○○様(面接官の名前)が、仕事をしていて印象的だったこと(嬉しかったこと)を教えていただけますでしょうか?
最終面接(社長・役員)
最終面接の面接官は社長や役員であることが多いため、逆質問では経営や事業戦略など「企業の未来」に関する内容を聞きましょう。そのほか、上層部だからこそわかる企業の根幹に関わるテーマや、人事と同様に求める人物像を聞くのもOKです。
一方で、現場での具体的な実務については把握していないケースも多いため、そうした質問は避けるのが無難です。
〈逆質問の例〉
- 企業経営をされている中で、従業員に最も求めている資質は何ですか?
- 御社の「○○○○」という経営理念に大変共感したのですが、どのようなお考えからこの理念を掲げられたのですか?
- 決算書では○○年の利益が○%上がっていたようですが、これはどういった取り組みの成果が現れたのでしょうか?
より多くの質問例を知りたい方は、下記の記事をチェック。面接官に実際に聞いた、最終面接で聞くべき逆質問を紹介しています。採用の可否が決まる最も重要な面接のため、入念な対策をしておきましょう。
内定を勝ち取る人は「数字」で逆質問する
リクルートやライフネット生命の採用責任者として2万人以上と面接した人事コンサルタントの曽和利光さんによると、面接で高い評価を受ける人は数字を使った逆質問をしているそうです。
数字を使った逆質問とはどんなものなのか、内定獲得につながる逆質問のポイントを下記の記事で紹介しています。
業種・職種別の逆質問の例
この章では7つの業種・職種別に、面接での逆質問の例を紹介します。主に二次面接において現場社員やマネージャーに聞く、具体的な業務内容に関する質問を載せています。
※面接のフェーズ別(担当者別)の逆質問の例は、前の章「一次・二次・最終面接の逆質問の例」で紹介しています。
看護師
〈逆質問の例〉
- こちらで働かれている看護師の方の1日のスケジュールを教えていただけますか?
- スタッフの年齢層はどれくらいなのでしょうか?
- 院内勉強会の内容と開催頻度について教えていただけますでしょうか?
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銀行
〈逆質問の例〉
- 御行では一人の行員が個人・法人のお客様を区別なく担当されていると伺いましたが、そうした体制だからこそ感じられるメリットややりがいなどがあれば伺いたいです。
- 御行では金融資産を保有いただいているお客様に対するアフターフォローに力を入れていると伺いましたが、その狙いと、お付き合いを継続する上で大切にされていることがあれば教えていただけますか。
- 風通しの良い環境だと伺いましたが、例えば支店運営の業務において何か課題が見つかったとき、行員の皆様はどのように発信されているのでしょうか?
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医療事務
〈逆質問の例〉
- 来院される方の年齢層など、傾向や特徴があれば伺えますでしょうか?
- レセプトの入力・点検業務は1日あたり何件ほどになるのでしょうか?
- 正社員としてのフルタイム勤務を希望しておりますが、パートの方との役割分担などはあるのでしょうか?
- 貴院では「スキルアップ講座」「資格取得講座」が開催されていると求人票にて拝見しました。差し支えなければ、具体的な内容について伺えますでしょうか?
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コンサルタント
〈逆質問の例〉
- これまでの経験をふまえ、マネージャーへのステップアップを考えておりますが、そのために御社で重視されているスキルセット、マインドセットなどがあれば伺えますでしょうか?
- 中途入社して間もないメンバーがはじめのうちにアサインされるプロジェクトについて、特徴や傾向がありましたら教えていただけますか?
- 中途入社のメンバーに期待する点、伸ばして欲しい点などがあれば教えていただけますか?
- 入社後にキャッチアップしていく上で大切なポイントがあれば伺いたいです。
- ◯◯様が印象に残っている案件がございましたら、差し支えない範囲で教えていただけますか?
ITエンジニア
〈逆質問の例〉
- 今使われている技術や、技術的課題について教えていただけますか?
- 失礼ながら、使われている言語のバージョンが少し古い印象ですが、バージョンアップできないことに何か理由があるのでしょうか?
- チーム内のコミュニケーション活性化や関係性構築のため、具体的に取り組まれていることがあれば伺いたいです。
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- IT業界の志望動機の書き方・例文
- IT系職種の職務経歴書の書き方・例文(SE/プログラマ/インフラエンジニア/プロジェクトマネージャー/ヘルプデスク)
保育士
〈逆質問の例〉
- 「園児の自主性を育てる」ことを大切にされていると伺いましたが、その実践に向けて先生方が日々の業務で意識されていることがあれば教えていただけますでしょうか?
- 1日でも早くお役に立てるようになりたいのですが、新人としてとりわけ優先的に身につけるべきこと、慣れるべきことがあれば伺いたいです。
- 知育に力を入れていると伺いましたが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?
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介護士
〈逆質問の例〉
- こちらで働かれている介護士の方の1日のスケジュールを教えていただけますか?
- スタッフの人員配置について伺えますでしょうか?
- 資格取得に向けた支援制度の内容について具体的に教えていただけますでしょうか?
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コラム:逆質問の終わり方
用意していた質問をすべて聞き終え、逆質問を終わらせる際は、一言お礼を述べるといい印象を残せます。
面接官から「他にも質問はありますか?」と尋ねられた後に、答えてくれたことへの感謝や、回答を受けて抱いた印象などを伝えて逆質問を終えましょう。
〈例:逆質問の終わらせ方〉
こちらで知りたい内容は全てお聞きできたため、特にございません。
「○○○○」ということをお聞きできたことで、御社で働くイメージがより明確になりました。ご回答いただき、ありがとうございました。
【NG集】聞いてはいけない逆質問
「特にありません」と答える以外にも、逆質問のNGパターンがあります。これらも避けるようにしましょう。
後ろ向きな考え方が伝わってしまう質問
〈NG例〉
- 能力を伸ばしてもらえる環境でしょうか?
- ノルマが達成できない場合どうなりますか?
- 入社してから覚えれば問題ないでしょうか?
こうした後ろ向きな質問は、向上心が無いと捉えられるため避けましょう。また、受け身の姿勢も伝わってしまいます。
事前に調べればわかる質問
〈NG例〉
- 経営理念は何ですか?
- 売上高を教えてください。
- 主要取引先はどのような企業でしょうか?
求人票や会社のホームページなどで調べられるような質問もNGです。「下調べが足りない=志望度が高くない」と思われてしまいます。
実際の業務や面接官本人の考え方など、面接の場だからこそ聞けることを質問しましょう。
以前聞いたものと全く同じ質問
〈NG例〉
- (これまでの選考の中で説明されたのに)入社までに勉強しておくことはありますか?
一度説明を受けていることについて、改めて質問するのはNGです。入社意欲や学習能力に疑問を抱かれかねません。
ただし、一度聞いたことを深掘りするのはOK。質問の際は「以前〇〇と説明していただいたのですが~」と前置きして、以前の内容を覚えていることを伝えましょう。
「面接の感想をたずねる」質問
〈NG例〉
- 今日の面接での私の印象はいかがでしたか?
- 本日の面接について、何か課題点があれば教えていただけますか?
面接の感想をたずねる質問は、面接の練習に来たのかと思われてしまう可能性があります。
面接官が答えにくい上に、自信が無い印象も与えてしまうので、この質問も避けましょう。
待遇や条件についての質問
待遇や条件についての質問は「残業したくない」「仕事より制度に惹かれている」といった印象を与える可能性があり、できれば質問しないのがベターです。
ただし、業務内容について詳しく話している最中など、話の流れによっては聞いてもOK。あくまで「待遇や条件ばかり気にしている」と思われないことが大切です。
また、質問する際は下記のように嫌な印象を与えない聞き方を心がけましょう。
年収について
〈質問例〉
- 条件面については御社の規定に従う考えですが、私と近しい年齢・経験の方の年収はどのくらいか教えていただけますか?
- 年齢と実績から給与が決まるとお聞きしていますが、参考までに「どのくらいの経験を積むと○○万円になる」といった事例を教えていただけますか?
入社後の年収について聞きたい場合「年収はいくらですか」などと具体的な数字を問うストレートな聞き方はNG。転職先の規定・評価に従う姿勢を述べた上で、自分に近い人のモデル年収を聞くていで質問しましょう。
転勤について
〈質問例〉
- 求人情報には「転勤あり」と記載がありましたが、転勤の頻度や転勤先のエリアを教えていただけないでしょうか?
「転勤がある」とあらかじめわかっている場合は、頻度・エリアについてストレートに質問して問題ありません。どこでその情報を見たかを伝えた上で、具体的に質問しましょう。
そもそも転勤の有無がわからない場合、遠回しに質問しましょう。「転勤している社員はいるのか」と、他の社員の事情を聞く形が無難です。
〈質問例〉
- ○○県や△△県に支店をお持ちですが、転勤する方はいらっしゃいますか?いらっしゃる場合は、どのくらいの頻度で転勤されているのでしょうか。
残業について
〈質問例〉
- 一日も早く社員の方と同じペースで働きたいと考えているのですが、社員の方々は何時頃まで仕事をされていますか?
- 今の会社では残業するケースが多いのですが、御社の社員の方々は通常何時頃まで残業されていますか?
残業時間を知りたい場合は「残業への拒否感」が出ないように注意しましょう。
あくまでも残業前提の仕事を受け入れていると伝えた上で、実態としてどれくらい残業しているのか、モデルケースを聞くのが無難です。
休日について
〈質問例〉
- 休日は部署によって異なるのでしょうか?
- 仕事の繁忙期はいつ頃でしょうか?
- 年末年始やお盆はどのような勤務になっているのでしょうか?
具体的な休日数を知りたくても、ストレートに聞くのはNGです。繁忙期や長期休暇中の勤務について質問し、おおよその休日のイメージをつけましょう。
また、そもそも求人票に書いてある情報を質問するのは印象が良くありません。求人票に書いてあることを詳しく知りたいと前置きして、具体的な情報を聞くようにしましょう。
逆質問が「ない」ときの対処法
「しない」はNG。逆質問をつくる3つの方法
面接で聞くべき逆質問が「ない」「思いつかない」場合でも、まったくしないのはNG。質問をしないことはつまり「あなた(応募先の企業)には興味がありません」と言っているようなものだからです。
逆質問が「ない」「思いつかない」とき、逆質問をつくるための方法を3つ紹介します。
1応募先での業務をイメージしてみる
応募先での実際の業務をイメージしてみる方法です。仮に「明日から働かなければならない」状況だとして、1日の業務の段取りを想像します。その中でわからない点、不安な点があれば、その内容を逆質問すると良いでしょう。
そもそも業務内容のイメージが固まっていない場合、どのような働き方をするのか、それ自体を逆質問にするのもOK。ただ、基本的な内容は企業のホームページや求人票に記載されていることも多いので、事前に確認した上で掘り下げるような質問をしましょう。
2現職の良い点・悪い点をもとに考える
現職の良い点・悪い点を洗い出し、それぞれの項目について「応募先ではどうか」を逆質問として確認するのもおすすめです。
例えば「今の職場では◯◯の業務について、△△といった流れで業務を進めているのですが、御社の営業職ではどのように進められているのでしょうか?」といった具合です。
ただし悪い点について「人間関係が悪い」「給料が低い」といった不満をストレートに伝えるのはNG。あくまで「◯◯の業務が属人的になっていた」「△△の確認漏れが多かった」など、客観的な業務上の課題点を挙げるようにしましょう。
3ホームページや求人票を読み込む
大前提ではありますが、応募先のホームページや求人票の内容をくまなく読み込むことは大切です。そもそも逆質問が思いつかないのは「応募先のことを十分に理解できていない」「具体的な業務のイメージがついてない」などの原因があります。
何かを質問するためには、その対象に対するある程度の前提知識が必要となります。ホームページや求人票を読み、自分が実際に働くイメージをつけることで、徐々に確認したいことが出てくるでしょう。
メモを見たり、とったりしてもいい?
断りを入れれば基本OK
逆質問の最中、メモを見ながら質問したり、面接官の回答内容をメモしたりすることは、事前に断りを入れれば問題ありません。逆質問を始める前に、下記のように伝えましょう。
〈断りの例文〉
- 事前に用意したメモを見ながら質問してもよろしいでしょうか?
- 後から見返せるよう、メモをとってもよろしいでしょうか?
メモ用のノートやペンは、カバンの取り出しやすい位置にしまっておくと良いでしょう。
質問対策やマナーも要チェック
逆質問の対策を終えたら、通常の質問対策や当日のマナー、服装や身だしなみについても要チェック。下記の記事から確認しましょう。
▼よくある質問と回答例
▼当日のマナー
▼服装・身だしなみ
また、面接対策全般について最初からおさらいしておきたい方は、下記の「面接ガイド」もおすすめ。面接対策のすべてを解説しています。