数は何個?ないときや終わり方も 面接官に聞いた、最終面接の逆質問の例6選

内定か不採用かが決まる最終面接。失敗できない緊張感に加え、目上の社長や役員相手に気後れしてしまい「逆質問で何を聞けばいいのかわからない…」という人は少なくありません。

最終面接における逆質問のポイントと、実際の面接官に聞いて高評価だった質問例を紹介します。

最終面接の逆質問は、合否に大きく影響する

最終面接における逆質問の時間は、内定が出るか・出ないかに大きく影響します

なぜなら最終面接の逆質問は「御社に興味があります」「ぜひ入社したいです」という、応募先に対する熱意入社への覚悟を伝えられる、最後のアピールチャンスだからです。

最終面接まで残っているということは、スキルや経験などは合格ラインをクリアしているということ。

ただ、入社後に活躍し長く働けるかどうかは、能力の高さだけではなく、モチベーションの高さにも大きく左右されます

そこで最終面接の面接官は、逆質問を通して自社や仕事に対する理解度興味・関心の高さを確認することで「本気で入社したいという熱意はあるのか」「壁にぶつかっても乗り越えていく覚悟があるのか」を見極めているのです。

「社長や役員相手に何を聞いたらいいのかわからない…」「一次・二次面接で既に疑問は解消しちゃったよ…」という気持ちもわかりますが、焦らずしっかり対策しましょう

▼最終面接のコツや心構えについてくわしく

最終面接の逆質問でおさえておきたいポイント

最終面接での逆質問を通して入社意欲や覚悟をしっかり伝えるためには、下記の3つのポイントをおさえておく必要があります。

【最終面接の逆質問おさえておきたいポイント3つ】1/企業研究をして気になったことを聞く/2/経営や組織全体に関することを聞く/3/面接官の回答に共感や興味を示す

企業研究をして気になったことを聞く

最終面接の逆質問では、企業研究をした上でさらに深く知りたいと思ったことについて質問するようにしましょう。

具体的には、応募先企業に関するニュースプレスリリース経営陣のインタビューや書籍IR情報などを確認し、疑問に思ったところやくわしく知りたいと思ったことを聞くのがよいでしょう。

そうすることで「自社や仕事に興味を持ち、きちんと調べてくれている」「それだけ入社意欲があるはずだ」として、好印象につながります。

実際に逆質問する際は、質問の前に「◯◯のニュースを拝見したのですが…」などと言い添えると、企業研究をしていることが伝わりやすいでしょう。

準備をより万全にしたいという場合は、聞きたいことに対して「きっとこういうことでは?」などと、自分なりの意見や仮説を持っておくのもおすすめ

逆質問の際に「自分は◯◯と感じたのですが…」などと前置きをしたり、面接官から意見を求められたときに端的に述べたりすることで、入社意欲や熱意がより伝わります。

経営や組織全体に関することを聞く

最終面接の面接官は社長や役員などの経営層であることが一般的なので、逆質問では経営や組織全体に関することを聞きましょう

具体的には、企業の経営理念事業方針今後の展望求める人物像・スタンスなどが挙げられます。

こうした質問をすることで、面接官に対して「相手の立場に合わせたコミュニケーションができる」「視座が高く、中長期的なビジョンを持っている」といった印象を与えることができるでしょう。

面接官の回答に共感や興味を示す

最終面接に限りませんが、逆質問では質問する内容だけではなく、面接官の回答に対するリアクションも大切です。

具体的には、面接官が話している間は目を見ながら頷いたり、「そうなんですね」「知らなかったです」「すごいですね」などと適宜相槌を打ったりしましょう。

面接官が話し終えたあとはお礼を伝えつつ、「お話にあった◯◯についてですが、△△ということでしょうか?」などと、話を掘り下げるように質問を重ねるのも好印象です。

面接官に対して「自分の話に興味を持ってくれている」「きっと志望度も高いはずだ」という印象を与え、入社意欲をアピールできます。

面接官が語る!最終面接のおすすめ逆質問6例

この章では、実際に最終面接を担当する面接官から聞いた、好印象だった逆質問の例を6つ紹介します。

「理念」についての逆質問

〈逆質問の例〉

(会社HPなどで事前に調べた上で)御社の理念は●●ですが、理念を体現する上で○○様(面接官の名前)が一番大切になさっていることは何ですか?

企業理念や経営理念に関する逆質問は、面接官に対して「経営や組織運営に関心があり、視座が高い」と印象づけることができるため、おすすめです。

また、最終面接の面接官である経営陣にとっても答えやすい質問のため、話が盛り上がりやすいというメリットもあります。

質問の冒頭で「御社の◯◯という経営理念についてですが…」などと言い添えると、企業研究をしっかりしていることが伝わり好印象です。

▼面接官からのコメント

40代女性、部長

経営者である面接官の私見・会社運営のスタンスを聞きたいという点で、違和感がない質問です。HPに掲載されている経営理念や、社長メッセージを必ず読んだ上で「HPのメッセージでも仰っておられましたよね」と、共感を示しつつ会話のキャッチボールができると、印象がとてもよくなります。

「社員に求めていること」についての逆質問

〈逆質問の例〉

  • ○○様は社員の皆さんに対し、どのようなスタンスで業務に臨むことを求めていらっしゃいますか?
  • 入社した場合、どのような結果を求められていますか?
  • 活躍されている社員の方に共通する考え方やスタンスなどがあれば、伺いたいです。
  • もし内定をいただけるとしたら、入社までにどんなことを勉強・経験しておくのがよろしいでしょうか?

求める人物像や社員として期待していることに関する逆質問は、「自分もいち早くそうした人物像に近づき、成果を出したい」という熱意が伝わり、好印象に映るようです。

ただ、最終面接の面接官はあくまで社長や役員なので、具体的な実務ではなく、会社や組織全体にフォーカスした聞き方になるよう注意しましょう。

▼面接官からのコメント

40代男性、執行役員

「入社した場合、どのような結果が求められているのか」を聞いてきた逆質問は、すごくよかった。求められていることと自分にできることのギャップを必死に見つけようとしている姿勢を感じた。

30代男性、部長

自分の上司になる方が相手であれば、よい質問。会社のカルチャーを理解しようとする意欲や、入社後の活躍イメージを描きたいという意思が感じられる。転職者なら「実際に活躍している人はどんな人が多いか?」についても聞いてみるといいかもしれない。

40代女性、部長

「もし内定をいただけるとしたら、どのような勉強や経験を入社までにしておいたほうがいいですか?」と逆質問されたときに志望度の高さを感じた。ありがちな質問ではあるが、手堅い逆質問だと思う。悪い印象になることはない。

「面接官からみた自社の魅力」についての逆質問

〈逆質問の例〉

これまでの面接で、面接官の皆さまがチームワークを大切にされている印象なのですが、○○様から見て、御社の一番の魅力は何ですか?

最終面接では面接官からみた自社の魅力や強みについて聞く逆質問もおすすめ。

応募先企業の社風や経営者の価値観などを知ることで、それが本当に自分の仕事や働き方に対する価値観やスタンスとマッチするのかを、再確認できるからです。

また、こちらの質問も社長や役員からすると答えやすく、話が盛り上がりやすいでしょう。

実際に逆質問する際は単に「魅力はなんですか?」とだけ聞くと、企業研究があまり深くできていない印象につながりかねないため、冒頭で自分なりの意見も一言添えるとよいでしょう。

▼面接官からのコメント

30代男性、部長

面接官個人の意見を聞きたいという姿勢はよいと思う。質問の前に「自分自身が感じている魅力」など、これまでの面接を踏まえた印象を伝えた上で質問できるとベター。ただし、その魅力が見当はずれだったら危険かもしれない。

40代女性、部長

「会社とのフィッティングのために、経営者クラスの面接官の考えを知りたい」という質問は違和感がありません。経営者は自分の会社に誇りを持っている人が多いので、嬉々として回答してくれそうです。

「面接官からみた自社の課題」についての逆質問

〈逆質問の例〉

▲▲業界では今後✕✕という傾向がより一層強まっていくと認識しておりますが、そんななかで○○様から見て、御社の強みと課題は何ですか?

魅力や強みとは逆に、課題点を聞くパターンもあります。聞きにくい場合は、強みと一緒に聞くのも一つの手です。

こちらも業界の動向などについての私見を添えた上で質問できると、応募先や業界に対する本気度が伝わります。

ただ、回答後に「そうなんですね」だけで終わってしまうと、面接官に「なんのために聞いたの?」と感じさせてしまうため、課題の改善や克服に向けた自分なりの意見を簡単に述べられるとよいでしょう。

▼面接官からのコメント

30代男性、マネージャー

当社のことを正確に捉えようとしてくれているのが伝わる。回答を聞いたうえで「入社後はその課題にこうアプローチしたい」「こうすればもっとよくなるかもしれない」と前向きに話せる人は、事業を成長させる過程も楽める人だと感じられて好印象。

「ビジョン達成のための取り組み」についての逆質問

〈逆質問の例〉

現在トップシェアをお持ちの○○(商品名など)について、2024年までにシェア70%を目指すというビジョンをお持ちですが、そのためにどのようなことに取り組んでおられるのか、さしつかえない範囲でお聞かせいただけますか?

最終面接で事業の方針や中期計画に関する逆質問をすると、企業研究をしっかりしていることが伝わり好印象です。

回答をふまえて、その計画や目標の達成に向けて、自分に求められていることなどを追加で聞けると、入社意欲の高さをアピールできるでしょう。

ただ、応募者を含め社外の人物には口外できないケースもあるため、「差し支えない範囲で」「もし可能であれば」といった言葉を添えるようにしましょう。

▼面接官からのコメント

30代男性、部長

ビジョンを理解し、その実現に向けた取り組みを質問するのはよいと思う。戦略上答えられないケースもあるかもしれないが「さしつかえない範囲で」と配慮されている点も好印象。ただし、質問の中身で会社への理解度がはっきり分かるから、質問するならIR等の資料は見ておくべき。

「当日の面接で気になったこと」についての逆質問

〈逆質問の例〉

  • 先ほどお伝えいただいた○○について、詳しくお伺いできますか?
  • 先ほどおっしゃっていた○○業務では、どんな中途入社の方が活躍されていますか?

最終面接当日の質疑応答のなかで気になったことについて聞く逆質問は、面接官の話に真剣に耳を傾けているからこそ出てくるもの。

応募先に対する興味・関心が自然に伝わるのでおすすめです。

面接官の回答に対して「それって◯◯ということでしょうか?」など、会話のラリーを続けるように追って質問すると、さらなる印象アップにつながります。

▼面接官からのコメント

40代男性、執行役員

最終面接では、気になる話題があったら遠慮なく質問してくれると好印象。逆質問のタイミングだけでなく、会話の流れで聞いてくれてもいい。自然な会話になるし、入社意欲が高いことも感じられる。

最終面接の逆質問の数は何個がいい?終わり方は?

最終面接で聞く逆質問の適切な数や、逆質問の終わり方を解説します。

3~5個用意しておくのが無難

最終面接で聞く逆質問の数は、3~5個ほど用意しておくと安心です。

場合によっては、逆質問に移る前に疑問が解消されてしまったり、一つの逆質問に対する回答のなかで、あとで聞こうとしていたほかの質問も一緒に解決してしまったりということも。

そういった事態に備えて、できればいろいろなジャンルの逆質問を複数用意しておくことをおすすめします。

逆質問したい内容を覚えきれない場合は、一言断った上で事前に用意したメモを見ながら質問してもOK。メモについてのくわしいマナーは、下記の記事で確認してください。

また、あらかじめ用意していた逆質問を聞くだけではなく、面接官の回答のなかで気になったことについて、その場で追加の質問をするようにしましょう

応募先に対する興味・関心が伝わることはもちろん、自然な会話になり印象アップにつながります。

感謝と入社意欲が伝わる終わり方がベスト

ひととおり聞きたいことを聞き終え、逆質問を終わらせたいとき、終わり方としては「知りたい内容は全てお聞きできたため、これ以上は特にございません。ありがとうございます」などと、一言お礼を添えると好印象です。

この際、逆質問のなかで面接官から聞いた話のうち、とくに印象的だったことなどを感想として伝えてもよいでしょう。

〈会話例:逆質問の終わり方〉

面接官:ほかにも質問はありますか?

あなた:知りたい内容は全てお聞きできたため、これ以上は特にございません。ありがとうございます。

面接官:そうですか。未経験の職種だと思いますが、業務内容などにご不明点はありませんか?

あなた:はい。お気遣いいただきありがとうございます。「○○○○」ということをお聞きできたことで、御社で働くイメージがより明確になりました。

コラム:逆質問が「ない」ときは?しないのはあり?

最終面接のフェーズでは、それまでの面接ですでに多くの逆質問をしており、これといって聞きたいことが「ない」というケースも。

それでも本来は時間が許すだけ企業研究を進め、事前に質問をいくつか用意するか、当日気になったことについて質問するのが無難です。

それでもやはり逆質問が出てこない場合は、お礼の言葉を添えた上で「お話するなかで疑問はすべて解決できたので、質問はありません」と伝えてもOK。

それだけだと不安な場合は、代わりに軽く「自己PRをする」のもおすすめです。最終面接の逆質問は企業との最後の接点だからこそ、自己PRをすることで「アピールチャンスを活かそうとする熱意・意欲」を伝えるのも、立派な戦略です。

アピールする際は、面接で聞いてきたことを踏まえて「自分は会社が求める人物像に合致している」「会社に貢献できる」ということを伝えましょう。

ただ、面接官はあくまで質問がないか聞いているタイミングなので、長々と話しすぎず、端的にまとめるようにしてください。

〈逆質問で自己PRを話す際の例文〉

本日は面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。

疑問は全てお話しのなかで解決できたので、質問は無いのですが、○○という御社のビジョンや理念をお聞きして、あらためて自分の能力を活かすことができると感じることができました。

先ほどもお伝えしましたが、私の~~の経験は御社の△△にも活かせるものと考えています。まずは御社での仕事のやり方を覚えてから、現職で培った「○○○○のノウハウ」などを展開し、業務品質の向上に貢献したいと考えております。

本日は貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。

▼面接官の声

40代男性、執行役員

表面的な質問や、唐突な内容を聞かれても特に印象に残らない。無理にテンプレどおりの質問をするより、最後のチャンスだと思って自己PRをした方が意欲が伝わる。実際、それで好印象につながる人が何人もいた。

最終面接で聞いてはいけないNG逆質問の例

いい逆質問とは反対に、最終面接で聞いてはいけないNG逆質問も存在します。

この章では、「最終面接で聞きがちだが、実は印象を悪くする逆質問」に加え、おさらいの意味も込めて「基本的にNGな逆質問」をそれぞれまとめました。

聞きがちだが実はNGな逆質問

一部の転職サイトでも最終面接のおすすめ逆質問として紹介されている、以下の3つの質問

たしかに聞きがちではあるものの、実は面接官にネガティブな印象を与えてしまうことがあります。

「教育体制・研修制度」についての逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 御社のホームページでスタッフの育成が課題と拝見しましたが、そのためにどんなことに取り組んでおられますか?
  • (入社後すぐに活躍できるか不安なので)研修制度についてくわしく教えてください。

教育体制・研修制度について聞く逆質問は、最終面接ではあまり印象がよくありません。

最終面接というフェーズだからこそ「入社後、本当に仕事についていけるか不安…」という気持ちはわかりますが、教育体制・研修制度についての質問は「自分で学んで成長する意欲がない」「入社後も受け身のスタンスなのでは?」という印象につながりかねません。

また、教育体制・研修制度といった具体的な働き方に関わる質問は、経営陣にとっても答えづらく「相手の立場に合わせたコミュニケーションができない」と思われるリスクもあるため、避けた方が無難です。

▼面接官の声

30代男性、部長

「自分の成長のために、どんな研修制度があるか」を期待しているように聞こえる。成長意欲があるというよりも、他力本願な印象。第二新卒くらいならOKだけど、あまり聞かない方がいい。

40代女性、部長

「育成してもらえる環境が整ってないとダメな、受け身の人なのかな?」とうがった見方をされそうです。特に主体性を求める会社だと、たとえ社会人未経験者であっても、受け身な姿勢が見える時点でアウトだと思います。

「競合に勝つための戦略」についての逆質問

〈逆質問のNG例〉

御社の競合にC社・D社がありますが、競合企業と差別化するためにどのような戦略をお持ちでしょうか?

競合に勝つための具体的な事業戦略に関する逆質問も、実はNG。

この質問は最終面接前に企業・業界研究をしっかりしていることが前提になるため、一見企業理解の深さや入社したいという覚悟のアピールにつながりそうに思えますが、面接官からすると「値踏みされている」印象につながることもあるようです。

そもそも営業秘密にあたるため、答えられないケースも多いでしょう。

▼面接官の声

30代男性、部長

ある程度の視座の高さを感じるので好印象だが、質問の難易度が高い。具体的な競合他社の名前を挙げている場合、それぞれについてどう考えているか、面接官側から深掘りの質問を返すことが多いので、事前準備は必須。何も考えていなければ、逆に浅はかだと思ってしまう。

40代女性、部長

競合との関係性によっては、センシティブな質問になりうる。たとえば、企業側が「明らかに勝っている」と考えている企業と比較された場合、「下に見られているのか……」と不快に思うかも。競合に勝つための戦略も、応募者には基本的に答えられないので、質問難易度が高いです。

「新規事業」についての逆質問

〈逆質問のNG例〉

御社の現在の売り上げ構成はA事業が7割を占めていますが、ほかに今後伸ばしていこうとお考えの新規事業はありますか?

事業方針にまつわる逆質問は、最終面接では定番ですが、新規事業については要注意。競合に勝つための事業戦略と同様、営業秘密にあたり答えられないケースが多いからです。

また、面接官によっては「ミーハーで、新規事業にしか興味ないのでは?」と感じる人もいるようです。

▼面接官の声

30代男性、部長

「既存事業に興味が無く、新規事業ばかりに意識が向いている?」といった印象を受けるので、マイナス要因になりうる質問。下調べした上で今後の事業戦略について興味を持っている点ではポジティブだが、聞かれても答えられないことがあるから、質問の優先度は低いかも。

40代女性、部長

「何が知りたくてそれを聞くのかな?」って思います。会社の将来性に不安を感じているのかな、とも。正直くわしく答えられないし、新規事業にしか興味が無いと感じてしまう。

基本的に避けるべき逆質問

一般的に避けた方がいいと言われている逆質問は、最終面接でももちろん避けましょう。

代表的なNG逆質問を7つ紹介するので、ざっと目を通しておくと安心です。

「福利厚生や待遇」についての逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 御社の福利厚生制度について教えてください
  • 残業はどの程度ありますか?

待遇や条件についての逆質問は「残業したくない」「仕事より、制度に惹かれている」などと感じられ、意欲が十分でないという印象を与えてしまうので、避けた方がいいでしょう。

そもそも福利厚生や待遇といった勤務条件に関する質問は、採用担当者や人事に確認すべき質問です。最終面接という場で経営陣に聞いてしまうと「TPOをわきまえられない」という印象にもつながります。

面接官のなかには『待遇面の逆質問をしてきて、その回答をさらに掘り下げていくつか質問を続けられたときは「もっと仕事の内容について聞いて欲しい…」と思った』と話す人もいました。

「自分で調べればわかる」逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 社員は何人いますか?
  • 御社の経営理念は何ですか?

採用ページなどで簡単に調べられることを最終面接で聞いてしまうと、「下調べが足りない」=「あまり志望度が高くない」と思われてしまいます。

最終面接の前には採用ページのほか、応募先に関するニュースやプレスリリース、経営陣のインタビューや書籍、IR情報などを確認して企業理解をさらに深め、そのなかで気になったポイントについて聞くようにしましょう。

「1次・2次面接ですべき」逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 今回採用される○○職の、一日のスケジュールイメージを教えていただけますか?
  • 御社に入社した場合、営業先はどのような企業になるのでしょうか?

具体的な業務内容についての逆質問は、仕事への意欲は伝わるものの、最終面接ではNG。

面接官である社長や役員は、各部署の具体的な業務内容までは把握していないことも多いため、場違いな質問になってしまいます

仕事の内容に関わる質問は、人事や部門の責任者が面接官を務める1次・2次面接で確認しましょう。

※面接が「最終面接1回のみ」であれば、各部署の仕事を把握している面接官が同席する場合がほとんどなので、問題ありません。

「応募ポジションと無関係な」逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • (営業の募集に対し)私は商品企画もできるよう独学で勉強しているのですが、営業での頑張り次第では、企画職への異動もありえるのでしょうか?
  • 御社の○○事業に興味があるのですが、もし採用していただいた場合、その事業に携わることは可能でしょうか?

最終面接は企業側も採用したいというモチベーションが高まっているフェーズだからこそ、募集要項とは違うポジション・業務について掘り下げる逆質問ばかりするのはNG。

「担当業務について正しく理解できていないのでは?」「自社が求めることと、本人の希望がマッチしていないのでは?」といった不安を与えてしまうからです。

最終面接前には担当業務や期待されていることを改めて整理し、それに関連した内容を質問するようにしましょう。

「面接の感想をたずねる」逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 今日の面接での私の印象はいかがでしたか?
  • 本日の面接内容について、フィードバックをいただけますか?

自分自身の面接の評価について聞く逆質問は、面接の練習に来たのかと思われてしまい、マイナス印象につながる可能性があります。

また、最終面接は内定か不採用かが決まるフェーズなので、その場で応募者本人にフィードバックすることは難しいのが実情。面接官を困らせてしまい、よい印象にはつながりません。

面接官によっては「自信過剰」に感じる人もいるので、最終面接では避けた方がいい質問です。

「YES/NOで答えられる」逆質問

〈逆質問のNG例〉

  • 部署異動はありますか?
  • 入社後、最初に携わる業務は○○(業務の内容)ですか?

逆質問に対する面接官の回答が「はい。そうです」「いいえ。違います」になってしまう質問は、なかなか話が広がりません。

また、事前に自分で調べられることも多いため「最終面接にもなってそんなことを聞くなんて、志望度が低いのでは?」という印象にもつながります。

相手の意見を求める逆質問など、面接官との会話のキャッチボールを意識しましょう。

「ありません」と即答してしまう

最終面接で「何か質問はありますか?」と逆質問の機会をもらったとき、即座に「ありません」と答えるのもNGです。

経営者を前にして「私は御社に興味がありません」と言っているようなものなので、必ず質問を用意してください。

どうしても逆質問が思いつかない場合は「逆質問が「ない」ときは?しないのはあり?」を参考に、自己PRの時間をもらうようにしましょう。

逆質問以外の対策も要チェック!

逆質問はあくまで面接最後のアピールチャンスです。

下記の記事から、最終面接で面接官が見ているポイントや、逆質問以外のよくある質問・回答例についても確認しておきましょう。

この記事の執筆者

ライター・編集者

金子 龍介

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。面接対策の記事を中心に、転職ノウハウやキャリアに関する記事を手がける。

「人前で話すことが苦手」という自らの課題意識を原動力に、同じように悩む方に向けて、声や表情、伝え方といったコミュニケーションにまつわるテーマにも注力している。

  • HOME
  • 面接
  • 面接官が語る、採用したくなる最終面接の逆質問の例6選|数は何個?ないときや終わり方は?