記入例付きでわかりやすい 就業促進定着手当支給申請書の書き方
再就職手当を受給していて、再就職先で半年以上働いたものの、再就職後の賃金が離職前より減ってしまったときに支給される就業促進定着手当。
その申請に必要な就業促進定着手当支給申請書の書き方を、記入例付きで詳しく解説します。
就業促進定着手当支給申請書の書き方と記入例
就業促進定着手当支給申請書には自分で記入する箇所と、再就職先の会社に記入してもらわなければならない箇所があります。
ここでは本人記入欄と会社記入欄に分けて、記入例をもとに書き方を説明します。
就業促進定着手当支給申請書(見本)
本人記入欄
まず、申請者本人が記入する欄は6欄~10欄の姓名(漢字)、郵便番号、電話番号、住所(漢字、アパート・マンション名まで)です。
その後11欄から15欄までを会社に記入してもらい、内容を確認した上で、16欄に申請日を記入し、署名・捺印します。
このような公的機関に提出する書類はボールペンなどの消えない筆記具を使用するのが通例ですが、6欄~10欄はOCR(光学式文字読取装置)で読み取るため、間違いがあっても訂正できるように鉛筆(HB程度)での記入が認められています。
16欄は通例どおり消えない筆記具で記入しましょう。
就業促進定着手当:本人記入欄(6欄~10欄)の記入例
- 6欄:姓(漢字)を左詰めで記入します。
- 7欄:名(漢字)を左詰めで記入します。
- 8欄:郵便番号を記入します。
- 9欄:電話番号を項目ごとに左詰めで記入します。
- 10欄:住所を記入します。
1行目:都道府県は必要ありません。市・区・郡、それに続く町村名を左詰めで記入します。
2行目:丁目、番地のみを左詰めで記入します。
3行目:アパートまたはマンション名等を左詰めで記入します。 - 16欄:11欄から15欄までを会社に記入してもらった後に申請日を記入、署名・捺印します。
訂正したい場合
本人記入欄のうちOCRで読み取る6欄から11欄について、ボールペンなどの消えない筆記具でミスしてしまった場合は、新たな申請書に記入し直すことをおすすめします。
新しい申請書はハローワークインターネットサービスのWebサイトからダウンロードできます(ページ下部の「様式のみ印刷」をクリックすると、pdfファイルをダウンロードできます)。
→ハローワークインターネットサービス『就業促進手当支給申請書』
16欄については、間違えた箇所を二重線で消し、訂正印を押した上で改めて正しい内容を記載しましょう。
再就職先の会社記入欄
就業促進定着手当支給申請書には、再就職先の会社の人事部に記入してもらわなければならない項目もあります。
具体的には、申請書の11欄~15欄の会社の基本情報、一週間の所定労働時間、求人申し込み時等に明示した賃金(月額)、半年間の賃金支払い状況は、再就職先の人事部に記入を依頼します。
就業促進定着手当:会社記入欄(6欄~10欄)の記入例
- 11欄:会社の基本情報を記入してもらいます。「(雇用保険)事業所番号」はハローワークで各種手続きをした際に交付される書類に記載されている11桁(4桁-6桁-1桁)の番号を転記してもらいます。
- 12欄:再就職から6カ月経過した時点における所定労働時間を記入してもらいます。
- 13欄:求人申し込み時などに明示した月額賃金を記入してもらいます。
- 14欄:賃金の支払い状況を記入してもらいます。
(1)賃金支払対象期間:賃金締切日の翌日~賃金締切日を記入してもらいます。
(2)(1)の基礎日数:支払いの基礎日数を記入してもらいます。月給制の場合は暦日数、日給月給制の場合は給与が支払われた日数、日給・時給の場合は出勤した日数となります。
(3)賃金額:月給制の場合はA欄に、日給や時給・出来高による賃金はB欄に記入してもらいます。両方がある場合はA、B欄に区別して記入し、計の欄に合計額を記入してもらいます。 - 15欄:証明日を記入のうえ、署名(事業者名・代表者役職名・代表者名)・捺印(代表者印)してもらいます。
捨印は必要?
捨印とは、記載内容に明らかな誤りがあったときのために訂正印としてあらかじめ押しておくものです。自治体によっては捨印の捺印箇所がある場合もありますが、空欄のままでも手続き上問題はありません。
ただし、会社側の記入内容に誤りがあった場合は、書類の修正・再提出が必要になるので注意しましょう。
就業促進定着手当の必要書類と申請方法
就業促進定着手当の支給申請書が用意できたら、申請手続きに移りましょう。ここでは必要書類と申請方法について解説します。
4つの必要書類
就業促進定着手当の申請には、支給申請書を含め4つの書類が必要です。
就業促進定着手当の申請に必要な書類
- 就業促進定着手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者書
- 出勤簿またはタイムカードの写し
- 給与明細または賃金台帳の写し
申請の流れ
- 「1.就業促進定着手当支給申請書」の本人記入欄と再就職先の会社記入欄に必要事項を記入
- 再就職先に「3.出勤簿またはタイムカードの写し」と「4.給与明細または賃金台帳の写し」を手配してもらうよう依頼
- 再就職先に手配してもらった書類3、4と「2.雇用保険受給資格者証」を「1.就業促進定着手当申請書」に添付してハローワークに提出し、申請完了
▼支給条件や申請方法についてくわしく
コラム:就業促進定着手当支給申請書が届かない、手元にない場合
就業促進定着手当支給申請書は再就職手当の支給決定通知書と一緒に送付されますが、万が一同封されていなかった、紛失してしまったという場合は、ハローワークインターネットサービスからもダウンロードすることができます。
支給申請書はハローワークの窓口でも配布しているため、申請に関して疑問、質問があれば直接出向いてもいいでしょう。
就業促進定着手当の申請方法2つ
就業促進定着手当の申請には「ハローワークに持参」と「郵送」の2つの手段があります。
ハローワーク窓口
再就職手当をもらったハローワークに必要書類を持参して手続きを行います。
郵送
同じく、再就職手当をもらったハローワーク宛に必要書類を郵送します。支給申請書はOCRで読み取るため、郵送する際は折り曲げないよう注意しましょう。
就業促進定着手当は振込まで何日かかる?
就業促進定着手当の支給申請から振り込みまで、約1.5カ月程度かかります。
一般的には、申請完了から2週間〜1カ月ほどで支給決定通知書が届き、そこから1週間以内には就業促進定着手当が振り込まれます。
自治体によって申請から振り込みまでの期間が変動することもあるため、気になる方は利用しているハローワークに問い合わせてみるとよいでしょう。
▼振り込まれる金額はいくら?
まとめ
就業促進定着手当の申請書の記入ルールや申請書以外の提出書類を事前に把握しておき、早めに準備しておく必要があります。
また、提出書類の一部は会社に用意してもらわなければならないため、申請のときに依頼できるようにしておくことも忘れないようにしましょう。
この記事の監修者
社会保険労務士
山本 征太郎
山本社会保険労務士事務所東京オフィス
静岡県出身、早稲田大学社会科学部卒業。東京都の大手社会保険労務士事務所に約6年間勤務。退所後に板橋区で約3年開業し、2021年渋谷区代々木に移転。若手社労士ならではのレスポンスの早さと、相手の立場に立った分かりやすい説明が好評。様々な業種・規模の会社と顧問契約を結び、主に人事労務相談、給与計算、雇用保険助成金などの業務を行う。