【例文つき】 退職願をメールで済ます時の注意点や書き方
体調不良やパワハラを受けているなどの理由で退職の交渉を直接行うのが難しいとき、「退職願をメールで出せたらいいのに……」と思うかもしれません。
退職願をメールで出すことは可能なのでしょうか? 例文付きで解説していきます。
退職願をメールで送ってもいい?効力は?
上司に口頭で退職を切り出しにくい場合、退職願をメールで送ってもいいのでしょうか?
退職願のメールは法的には有効、マナーとしてはNG
退職願をメールで送ることは、法的には有効です。
退職したい場合、法律では「退職の意思を14日前までに伝えれば良い」と定められており、退職願の形式などに決まりはないからです。
ただし、社会人のマナーとしてはNG。
本来であれば、退職したいという旨を上司に直接伝え、合意が得られたら退職願ではなく「退職届」を提出するのが良いでしょう。
肉体的・精神的に弱っていて出社するのが難しいなど、やむを得ない理由がある場合はメールや郵送で退職願のやりとりができないか上司に相談しても構いませんが、基本的には直接上司と話し合い、退職届を手渡しするのが望ましいでしょう。
※退職願と退職届の違い・書き方やテンプレートは→退職届・退職願の書き方【例文・テンプレ】
まずは退職願ではなく「退職の相談」を
退職願をどうしてもメールで送りたいときは、まず退職についての相談という形でメールを送るようにしましょう。
その上で、退職願をメールで送ってもいいかどうかを確認します。
<退職の相談メール例文>
◯◯(上司の名前)さん
お疲れ様です。〇〇です。
突然ですが、実は○月をめどに退職を考えております。
本来であれば直接お話すべきことですが、体調不良のために出社が難しく、メールという形でご連絡させていただきました。
こちらの都合で大変申し訳ございませんが、今後についてメールでご相談させていただきたいと考えております。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
退職願をメールで送る場合の3ステップ
上司に退職について相談し、退職願をメールで送ることを承諾してもらった場合は以下の流れで退職願を送りましょう。
ステップ1:退職願を作成する【テンプレ付き】
まずは退職願を作成します。
WordやPDF形式で作成する場合
退職願をメールで送ってもいいと言われた場合は、退職願のWordやPDFを作成し、メールに添付して送るのが一般的です。
<退職願の例文>
1退職願
1行目の中央に「退職願」と入力します。
2私儀、
「私儀、」とは「自分のことですが」を意味するへりくだった表現です。「私事、」でも構いませんが、ともに「、」を忘れずに付けましょう。
3退職理由、退職希望日
退職理由は「一身上の都合」と記載します。退職希望日は上司と相談した日付を入れましょう。
4提出日
退職願を提出する日付を入れましょう。
5所属部署、氏名、認印
所属部署や課、氏名を入れます。本来は認印を押すべきですが、なくても受理される場合もあるため、認印が必要かどうか上司に相談しましょう。
6会社名、代表取締役社長の名前
会社名は略さずに「株式会社◯◯」と正式名称で書き、代表取締役の名前には「様」または「殿」を付けます。
自宅にパソコンがなく、WordやPDFが作成できない場合はネットカフェなどのパソコンで退職願を作成しましょう。もし、それも難しいようであれば上司にどのように退職願を送ればいいか相談してください。
メールの本文にベタ打ちでOKな場合
メールの本文に退職願を直接入力する場合は、以下の退職願の例文をメール本文に左詰めで貼り付け、日付や名前を書き換えるようにしてください。
退職願
令和◯年◯月◯日(提出年月日)
株式会社△△
代表取締役社長 ◯◯ ◯◯様
(自分の所属部署名)(自分の名前)
私事、
この度、一身上の都合により、令和○年○月○日を持って退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
以上
ステップ2:メールの本文を作成する
メールの本文にはまず上司への挨拶を記載し、退職願を送ることを伝えてください。
<WordやPDFを添付する場合>
◯◯(上司の名前)さん
お疲れ様です。◯◯です。
添付にて退職願をお送りいたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
<メールの本文にそのまま退職願を入力する場合>
◯◯(上司の名前)さん
お疲れ様です。◯◯です。
以下、退職願をお送りいたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
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※<退職願のメール文面>を直接入力
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上司が取り合ってくれない場合は人事に送付
より確実に退職願が受理されるよう、上司だけでなく、CCに人事担当者を入れるという方法もあります。
上司が退職させたくないと考えている場合、メールが送られてきても意図的に対応しないケースもあります。
上司が取り合ってくれない場合は、人事担当者に送るようにしましょう。
ステップ3:退職にまつわる手続きについて確認する
退職願をメールで送信し、上司から「退職願を受理した」という連絡がきたら、会社への返却物や必要となる手続きについて確認してください。
※退職の詳しい手続きについては→退職時・退職後の手続きガイド【完全版】
退職願をメールで送る際のQ&A
最後に、退職願をメールで送る際によくある疑問について解説していきます。
派遣、バイトは退職願をメールで送ってもいい?
派遣やバイトであっても、まずは退職したい旨を直接上司に伝えるのがマナーです。
ただし、体調不良などで出社が難しい場合はメールで退職やその後の手続きについて相談することも可能です。
また、バイトの場合は退職届を出す必要がなく、上司に退職の意思を伝えるだけで退職できることもあります。ただし、引き継ぎをしたり後任を探す期間が必要となったりすることもあるため、前もって伝えるようにしましょう。
退職願をメールで送るタイミングはいつがいい?
退職の意思が固まったら、なるべく早めに連絡しましょう。
法的には退職の申し出から2週間で退職が可能ですが、退職の手続きや引き継ぎに時間がかかることもあるため、退職日までに余裕をもって伝えることをおすすめします。
また、就業規則で退職を申し出るタイミングについて「◯ヶ月前まで」と規定している会社もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
退職願をメールで送りたいと思った場合は、いきなり退職願を送るのではなく、まずは上司に退職の相談メールを送ることが大切です。
その際に退職の手続きについて確認し、適切な形式や手順で退職願を提出しましょう。