見本・テンプレートつき 正しい退職願・退職届の書き方
退職時に必要な退職願と退職届。この記事では、そのまま使える見本・テンプレートに沿って、退職願・退職届の正しい書き方を紹介します。
封筒に入れる際の折り方や入れ方、宛名の書き方、出し方(提出方法)など、作成後にも役立つルールやの疑問にもお答えしています。
【見本つき】退職願・退職届の書き方
退職願・退職届の具体的な書き方を見ていく前に、まずは退職願・退職届について下記のポイントをおさえておきましょう。
退職願・退職届のポイントまとめ
- 退職願は「退職したいという意思表示のため」、退職届は「退職を確定させるため」に作成・提出するもの
- 自分でイチから文章を考える必要はなく、定型文でOK
- 基本的にパソコン作成でOK。日付や自分の名前は印刷後に手書きするのが無難
※会社のフォーマットやルールがあればそれに従う
- 印刷時の用紙サイズはB5かA4が一般的
- 退職理由は「一身上の都合により」と書く
- 会社都合退職の場合、退職願・退職届は原則提出しない
そのまま使える便利なテンプレートは、下記のボタンからダウンロードしてください。
それでは、退職願・退職届の具体的な書き方を紹介します。
退職願の見本・書き方
基本的に、退職願は定型文でOKです。
見本・テンプレートをベースにして「4)退職希望日」「6)提出する年月日」「7)所属部署・氏名」「8)押印」「9)宛先」を書き換えましょう。
なお、希望退職や整理解雇などの会社都合退職の場合、退職願を書く必要はありません。むしろ、退職願を提出することで自己都合退職とみなされる危険もあるため、求められても断るようにしましょう。
1)冒頭(見出し) | 見出しにあたる一行目には「退職願」と書く。 |
2)書き出し | 二行目の一番下に「私事、」と書く。 「私儀、」としてもOK。 |
3)退職理由 | 自己都合退職の場合、どのような事情でも「一身上の都合により、」と書く。
※会社都合退職の場合、提出しない |
4)退職希望日 | 退職を希望する日付を書く。 表記は西暦・元号どちらでもOK。 |
5)文末 | 退職を願い出る書類なので「退職いたしたくここにお願い申し上げます」と書く。 |
6)提出する年月日 | 退職願を提出する日付を書く。 西暦・元号は「4)退職希望日」とそろえる。 |
7)所属部署・氏名 | 所属する部署名とフルネームを書く。 |
8)押印 | シヤチハタ(ネーム印)ではなく、認印を使用するのが無難。 |
9)宛先 | 会社名と代表者名を正式名称・フルネームで書く。 「(株)」などと省略するのはNG。 代表者名の敬称は「殿」でもOK。 |
退職届の書き方
退職届も、退職願と同じく定型文でOKです。
見本・テンプレートをベースにして「4)退職日」「5)提出する年月日」「6)所属部署・氏名」「7)押印」「8)宛先」を書き換えましょう。
なお、退職願と同様に、会社都合退職の場合は退職届を書く必要はありません。提出することで自己都合退職と判断されてしまうおそれがあるため、提出を求められても断りましょう。
1)冒頭(見出し) | 見出しにあたる一行目には「退職届」と書く。 |
2)書き出し | 二行目の一番下に「私事、」と書く。 「私儀、」としてもOK。 |
3)退職理由 | どのような事情でも「一身上の都合により、」と書く。
※会社都合退職の場合、原則提出しない |
4)退職日 | 上司と相談して決定した退職日(雇用契約が終了する日)を書く。 表記は西暦・元号どちらでもOK。 |
5)提出する年月日 | 退職届を提出する日付を書く。 西暦・元号は「4)退職日」とそろえる。 |
6)所属部署・氏名 | 所属する部署名とフルネームを書く。 |
7)押印 | 退職願と同様、シヤチハタ(ネーム印)ではなく、認印を使用するのが無難。
上司や会社に確認できる場合は事前に確認しておくのがおすすめ。 |
8)宛先 | 会社名と代表者名を正式名称・フルネームで書く。 「(株)」などと省略するのはNG。 代表者名の敬称は「殿」でもOK。 |
コラム:退職願・退職届は手書きじゃないとダメ?
退職願・退職届は、会社から指定されない限りパソコンで作成して問題ありません。
長らく、退職願・退職届は手書き作成でなければならないという風潮がありましたが、近年は多くの人がパソコンで作成しているのが現状です。
また、退職願・退職届のテンプレートやフォーマットを用意している会社も多くあり、自分で用意をする必要がないケースも多く見られます。
可能であれば、上司との退職交渉の際に、退職願・退職届の作成方法(パソコンor手書き)やテンプレート・フォーマットの有無を確認しておくようにしましょう。
退職願・退職届の提出タイミングの違いは?
退職願と退職届は、提出するタイミングが異なります。
具体的には、退職願は「退職の意思を上司に伝える」退職交渉のタイミングで提出します。退職届は退職交渉を経て「退職が確定した」タイミングで提出します。
退職までの一般的な流れは、下記のとおりです。1)上司に退職を切り出し、必要に応じて退職願を提出→2)退職交渉を進め、退職日を決定する→3)退職届を提出して退職を確定させる、という3段階で進みます。
退職願と退職届の両方を出さないといけないの?
最近は退職願と退職届の両方を提出するのではなく、退職交渉後に退職届のみを提出するケースが多いようです。
もし退職願・退職届を提出するかどうか自分で判断できない場合は、念のためどちらも用意しておくのが無難。退職の話を切り出した際に上司から「退職願(退職届)はある?」と聞かれたら、提出するといいでしょう。
退職願・退職届を入れる封筒の書き方・マナー
封筒は「白い二重封筒・郵便番号枠なし」を選ぶ
退職願・退職届を入れる封筒は、白色で無地のものを選びます。また、「二重封筒」と呼ばれる、中身が透けないタイプのものを使うようにしましょう。
封筒のサイズは、三つ折りにした退職願・退職届がちょうど入る大きさのものを用意します。退職願・退職届の用紙がB5なら「長形4号」、A4なら「長形3号」を選んでください。
【見本つき】封筒の書き方
封筒を用意したら、表・裏にそれぞれ下記のとおり記入します。
なお、黒のボールペンか万年筆を使って手書きするのがマナーです。
封筒の書き方のポイント
- 表面の中央やや上寄りに「退職届」もしくは「退職願」と書く
- 裏には所属部署の正式名称とフルネームを書く
(動画つき)退職届の折り方・入れ方
ここでは退職届を提出する際のマナーを、折り方・入れ方・渡し方の3つにわけて紹介します。
退職届の「折り方」
退職願・退職届は、三つ折りにするのがマナーです。
折る向きには決まりがあるので、必ず次の手順で追って封筒に入れましょう。
退職届・退職願の折り方
- 文字が書いてある面を上にして、下3分の1を上向きに折る
- 上3分の1を、上から被せるように折る
退職届の「入れ方」
三つ折りにした退職届・退職願は、折る前の「右上の角」が上に来るように封筒に入れます。下記の動画を見ながら、正しい向きで入れるようにしましょう。
退職届・退職願の封筒への入れ方
- 三つ折りした用紙を、オレンジの角を目印にして左回りに90度回転させる
- 封筒の裏面を上にした状態で、中に入れる
▼退職届・願の封筒マナー・入れ方のくわしい解説は…
退職届を渡すときのマナー
退職届は、特に指定がなければ直属の上司に提出するのが一般的です。
渡す際は「これまで本当にお世話になり、ありがとうございました」といった言葉を添えて手渡ししてください。
なお、郵送する場合は、退職届を入れた封筒をさらに一回り大きな封筒に入れて送るのがマナー。宛先は、直属の上司または人事部とするのが一般的です。
退職願・退職届にまつわる疑問Q&A
退職願・退職届に関するよくある疑問をQ&A形式でまとめました。こちらを参考に、疑問を解消していきましょう。
退職願・退職届は撤回できる?
退職願は撤回できる可能性がありますが、退職届は提出後の撤回が非常に困難です。
退職の申し出を撤回したい場合は、退職願が受理・承諾される前に、すみやかに上司や人事部長に伝えましょう。
退職「願」 | 撤回はタイミングによっては可能。
※「提出後に、会社側が退職願を受理・承諾したこと」が退職者本人に伝わっていないタイミングのみ |
退職「届」 | 撤回は非常に困難。
※退職届を提出した時点で、労働者から一方的に労働契約の解約を申し出たことになるため |
▼退職の撤回方法や注意点について、くわしくは…
退職届を受け取ってもらえないときは、どうする?
法律上、退職の申告後2週間が経過すれば、退職が成立します。よって、口頭でもはっきりと「退職します」と伝えていれば、退職届を受け取ってもらえないとしても退職は可能です。
しかし、退職届を出さないまま退職すると、言った言わない問題に発展する可能性も。直属の上司が退職に応じてくれない場合は、次の流れで退職の申告を行いましょう。
〈直属の上司が退職届を受け取ってくれない場合の流れ〉
- さらに上の上司や、人事担当者に相談する。
- それでも話が進まなかった場合は、内容証明郵便(※)で退職届を送付する。
※内容証明郵便の出し方は…内容証明|日本郵便
▼退職届を郵送するときのポイントは、こちらをチェック
退職願・届が必要ないと言われたら、出さなくていい?
退職願は必ずしも提出する必要はありませんが、退職届は提出しておくのがベター。退職届を提出し、退職の意思を示した証拠を残しておかないと「辞めるとは聞いてない」と言われ、話が覆される可能性があります。
「形として、退職届を提出させていただきます」と言って提出し、コピーを手元に残しておくようにしましょう。
会社都合退職でも、退職願・退職届は必要?
退職勧奨を受けて退職するなど、会社都合退職の場合は退職届や退職願は必要ありません。
逆に退職願を提出してしまうと、自ら退職を申し出たとみなされ自己都合退職にされてしまう可能性があります。
退職届は提出しても問題ありませんが、退職勧奨で辞める場合は「一身上の都合により」の部分を「貴社、退職勧奨に伴い」などと書き換え、会社都合で辞めた証拠を残しておきましょう。
※会社都合退職の場合の書き方について、くわしくは…「会社都合退職の場合「一身上の都合」はNG」
退職願・退職届の提出後に役立つヒント
退職願・退職願が作成できたら、いよいよ本格的な退職準備に入ります。役立つ記事をまとめたので、参考にしてみてください。
▼スムーズに有給消化するコツは
▼最終日はどんな挨拶をすればいい?
▼離職するなら、どんな手続きが必要?
本当に辞めていいのか迷っている人は…
「本当に転職してしまってもいいのかな…?」とまだ悩んでいる、モヤモヤしているという人は、退職願・退職届を提出する前に下記の記事を確認しておきましょう。
この記事の執筆者
ライター・編集者
城間 美将
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。
退職関連のテーマを中心に記事を執筆、編集。自身の二度の転職経験を活かし、転職者が抱える不安や悩みに寄り添う記事作成が強み。
キャリアアップにつながる転職の実現をサポートするべく、転職やビジネスの最新情報を積極的に収集している。