退職理由の書き方も! 【見本つき】退職届・退職願の書き方まとめ
会社を辞める際の、退職届・退職願の書き方を見本付きで解説します。
パソコンで作成する人には、便利なテンプレートもご用意しました。
【見本】退職届と退職願の書き方
手書きで作成する場合と、パソコンで作成する場合にわけてご紹介します。
手書きで作成する場合
<用意するもの>
用紙
・A4(ない場合はB5やセミB5、色紙判(177×230mm)の便箋でも可)
・タテ書き
・シンプルな便箋(罫線あり・なし(無地)どちらでも可)
ペン
黒いインクの万年筆またはボールペン
※フリクションなどの摩擦で消えるペンは不可
手書きの退職願・退職届を作成する場合は、次の手順に従って作成します。
<手順>
- 一行目の中央に「退職届」または「退職願」と明記
- 二行目の最下に「私事、」として書き始める
※「私儀、」としても可。いずれの場合も「、」を忘れないこと - 三行目の頭から次の文章を記す
【退職届の場合】
「このたび、一身上の都合により、来たる平成○○年○月○日をもって、退職致します。」【退職願の場合】
「このたび、一身上の都合により、来たる平成○○年○月○日をもって、退職致したく、ここにお願い申し上げます。」※「○○年○月○日」には退職する日を記入
- 基本は退職交渉時に決まった日付、わからなければ退職交渉をした相手に確認しましょう
- 職交渉前に退職「願」を提出する場合は、提出日の日付を書く
- 一行開けて、提出する日付と所属部署名、自分の名前を書く
- 自分の名前の下に認印(三文判はOK、シャチハタはNG)で捺印
- 宛名として、退職する会社の正式名称と代表者名(社長)を明記
※会社名は「(株)」「(有)」など省略は不可
※代表者名が自分の名前よりも上に行くよう余白を調整する
※「様」を忘れずに(様の代わりに「殿」としても可)
退職理由を具体的に書く必要はない
退職願・退職届には、具体的な退職理由(たとえば「人間関係」や「待遇への不満」など)を書く必要はありません。
結婚・出産・病気に伴う退職の場合も、自分の意志で退職する場合は「一身上の都合」と書きましょう。
横書き退職届・退職願を書く場合
退職届・退職願は一般的には縦書きですが、企業側から横書きでの提出を求められる場合もあるでしょう。横書きの場合は次のように記入します。
<手順>
- 一行目に中央寄せで「退職届」または「退職願」と書く
- 二行目に提出する日付を記載
- 宛名として退職する会社の正式名称と正式名称と代表者名(社長)を省略せずに書く
- 自分の名前を所属部署から書き、認印または三文判で捺印(シャチハタ不可)
- 名前の行から二行改行し、行の最後に「私事、」と書く
- その次の行から本文を明記(本文は縦書きの場合を参照のこと)
- 最後の行に右寄せで「以上」として締めくくる
縦書きとの違いは、まず日付・宛名・自分の名前が本文より先に来ること、そして文末に「以上」が付くことです。
それ以外のルールは縦書きの場合と変わりません。
パソコンで作成する場合
下記にPC作成用のフォーマット・テンプレートをご用意しました(doc形式。Microsoft word97以上推奨)。
▼テンプレートの使い方
- ダウンロード完了後、お使いのPCのMicrosoft wordでファイルを開く
- 提出日付と、グレーになっている部分(あなたの所属と氏名、退職する企業・代表者)を記入
- 記入が終わったらグレーの文字は全て消す
- プリントアウトの上、あなたの名前の下に認印で捺印
退職届・退職願を入れる封筒の書き方
封筒のオモテには「退職願」または「退職届」と記し、裏には左下に所属部署と自分の名前を記入します。封をする必要はありません。
退職届・退職願は三つ折りにして封筒に入れましょう。
三角形のオレンジマークの位置を参考に、用紙の向きに注意して封筒へ。
※封筒のルールについて詳しくは→これで完璧!退職願/退職届の封筒全マナー(見本付き)
退職「届」と退職「願」どちらを書くべき?
退職交渉が済んでいるなら退職届
「自分は退職届と退職願、どちらを書けば良いんだろう?」。そんな場合は次のように考えるとスムーズです。
トラブルを防ぎつつ円満に退職したいなら、退職願を提出しつつ退職交渉を行うか、退職交渉をした上で相手の求めに応じて退職届を提出するのが一般的です。
また、退職届と退職願はどちらか一方を出せばOK。
退職願も退職届も、自己都合で会社を辞める際に、民法および労働契約法の「労働契約の解約の申し入れ」を行うために提出する書類。承諾後の効力は同じです。
退職届と退職願の違い
労働契約を従業員側から一方的に解約する告知書類である退職届に対し、退職願は、「退職させてほしい」とお願いするためのもの。
そのため、提出後も企業側の社長や人事部長など、人事権を有する人が受理・承諾するまでは、撤回できる可能性が残ります。
ただし、一度退職の意志を掲げてしまった以上、現実にはなかなか撤回させてもらえない場合も。仮に残ることができたとしても、上司・同僚との間に気まずいしこりが残ってしまったり、他部署への異動や人事評価への悪影響など、不利益があることもあります。
撤回する可能性があるなら、まずは退職願や退職届を書くのではなく、上司に「相談」というかたちで話を持っていくと良いでしょう。
退職届も本人の意志に反して提出したものは無効になる場合も
退職届は退職願と違って撤回できませんが、本人の意思に反するかたちで提出した場合は、無効と見なされるケースもあります。
- 強迫・強要されて提出したとき
- 自分から退職しないと解雇されると勘違いして提出したとき
- 心神が衰弱した状態で提出したとき
- 企業側が労働者に退職意思がないことを知っていながら提出させた場合
求められなくても退職届・退職願は提出すべき
退職手続きというものは、法律上、口頭で退職の意思を表明し、それが会社側に承認された時点で成立するものです。
退職届も退職願も任意提出の書類ですが、退職に関わる「言った」「言わない」のトラブルを避けるためにも、必ず提出するようにしましょう。
コラム:「辞表」と退職届・退職願の違い
「辞表」は、経営者や役員(理事、取締役、執行役、監事・監査役、支配人、本店・支店の事業主任者など)等、一定の役職にある人が書くものです。
一般的な従業員の場合は、「退職願」か「退職届」を提出しましょう。
会社都合での退職届・退職願の書き方は?
会社都合退職の場合、退職届や退職願を書いて出す必要はありません。
もし会社都合や解雇の場合に退職届や願の提出を求められたら、慎重に判断を行いましょう。提出することで、自己都合退職にされてしまう可能性があります。
どうしても退職届や願を出してほしいと言われた場合は、退職の理由に「貴社、退職勧奨に伴い」と書きましょう。
※会社都合での退職について詳しくは→会社都合退職にまつわる正しい知識
まとめ
最後に、もう一度内容をおさらいしましょう。
- 退職願・退職届の書き方や文面はほぼ同じ
- 基本はA4縦書き。手書きの場合はシンプルな便箋に。
- 既に退職交渉が済んでいる場合は退職届
- 自己都合で退職するなら求められなくても必ず提出
退職届も退職願も、退職できるか否かを決める大切な書類です。くれぐれも間違いや誤解のないよう、細心の注意を払いましょう。
また、会社が辞めさせてくれない場合や引き止めにあってしまった場合は以下の記事も参考にしてください。
※辞めさせてくれない場合→会社が辞めさせてくれない!辞める方法は?
※引き止められた場合→退職の引き止めにあったときの対処方法