聞き方からトラブル対策まで 通知書で確認すべき13の雇用条件

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雇用条件とは、給与や勤務時間などの労働条件のことです。転職で内定をもらったら、面接の段階では聞きにくかった細かい条件も気になるものです。

内定獲得後に確認すべき雇用条件の項目や雇用条件の聞き方、入社後のトラブルQ&Aなどを解説します。

雇用条件とは|どこを確認すればいいの?

雇用条件とは、給与や勤務時間といった働く条件のことです。

まずは雇用条件を確認するタイミングや書類、具体的な確認項目について説明します。

雇用条件は内定承諾前に労働条件通知書で確認

雇用条件は、内定を承諾する前にもらえる「労働条件通知書で確認しましょう。

労働条件通知書とは、業務内容や賃金の計算方法などの雇用条件が記された書類のことです。雇用契約書と合わせて「労働条件通知書兼雇用契約書」として交付する企業もあります。

労働基準法には「企業は採用時に労働条件を明示しなければいけない」と定められており、多くの場合は労働条件通知書が内定通知書に同封されていたり、内定通知のメールに添付されていたりします。

内定の承諾で注意しなければならないのは、口頭で「入社します」と伝えただけでも内定を承諾したとみなされる点です。民法上、雇用契約は口約束で成立します。内定をもらっても安易に承諾せず、しっかり雇用条件を確認しましょう。

入社日まで労働条件通知書がもらえないことも

企業によっては、入社日まで労働条件通知書がもらえず、それまで雇用条件を確認できないこともあります。雇用条件を通知するタイミングは具体的に法律で決められているわけではないからです。

入社日が近づいているにもかかわらず、未だに労働条件通知書を受け取っていない場合は、遠慮せずに「労働条件通知書を送っていただけますか」と伝えましょう。

企業によってはオファー面談がある場合も

会社によっては、オファー面談で雇用条件を確認することもあります。

オファー面談とは、最終面接後に行われる年収交渉や疑問の解消を目的とした面談です。雇用条件について詳細に確認でき、労働条件通知書などに詳しく書かれないような社内の制度などについても話を聞くことができます。

内定先の会社がオファー面談をセッティングしている場合は、気になっていることを質問し、わだかまりなく入社するための機会として積極的な姿勢で臨みましょう。

※オファー面談について詳しくは→オファー面談ってなに?内容・目的と質問すべき4つのこと

労働条件通知書で確認すべき雇用条件13項目

労働条件通知書を受け取ったら、具体的にどういった雇用条件を確認すればいいのでしょうか。

労働基準法で明示が定められている雇用条件は13項目あります。

書面での記載が義務付けられている必須5項目と、会社の規定がある場合には記載しなくてはいけない8項目に分かれます。

以下は、書面での記載が義務付けられている必須5項目です。これらに加え、昇給についても労働基準法により明示されることになっています。しかし昇給に関する内容のみ、書面以外の方法でも通知が可能です。

▼必ず記載しなくてはいけない5つの雇用条件

  1. 労働契約の期間
  2. 勤務場所・仕事内容
  3. 労働時間・休みに関する内容(始業時間・就業時間・休憩時間、残業の有無、休日・休暇)
  4. 給料について(計算方法、支払い方法、締切日・支払日)
  5. 退職や解雇の条件

※出典→労働基準法施行規則|e-Gov

会社に規定がある場合は、以下の8項目も合わせて通知されます。労働条件通知書に記載されていたら内容を確認するとよいでしょう。

▼会社に規定がある場合は記載する必要がある8項目

  1. 退職手当
  2. 退職手当以外に臨時で支払われる賃金
  3. 労働者が負担するべき食費、作業用品など
  4. 安全・衛生
  5. 職業訓練
  6. 災害補償や業務外の傷病扶助
  7. 表彰や制裁
  8. 休職

※出典→労働基準法施行規則|e-Gov

労働契約の期間、勤務場所、勤務時間や給与など、働くうえで基本となる情報は労働条件通知書に必ず載っているはずですので、これらの事項に抜けているものがあれば、遠慮せずすぐに会社に確認を取りましょう。

失敗しない雇用条件の聞き方

労働条件通知書を確認すると、雇用条件の内容について「○○という社内制度があるとわかったものの、どれくらいの人が利用しているのか実態が知りたい」「求人票に載っていた情報が本当に正しいのか確かめたい」など、細かい部分も気になることもあるでしょう。

ここでは例として、雇用条件の中でも給与・残業・休暇の聞き方をそれぞれ、口頭とメールの場合で分けて紹介します。

口頭で雇用条件を聞く場合

メールで内定を知らされたものの電話や対面で話をしたい場合や、最終面接後に直接内定を伝えられた場合は、口頭で雇用条件を確認することになります。

口頭で聞いた内容はメモを取ったり録音したりするなどして、後々トラブルにならないようにしましょう。

▼給与について確認する場合の例

御社では、私と同じくらいの年齢の方の平均年収はどれくらいですか?

▼残業について確認する場合の例

前職でも残業はありましたので抵抗はありませんが、御社では皆さん平均どれくらい残業されていますか?

▼休暇について確認する場合の例

年間スケジュールをより具体的に理解するため、有給休暇について取得率などを教えていただけますか。また可能ならば、有給休暇以外の休暇制度についても合わせて教えていただけたらと思います。

メールで雇用条件を聞く場合

会社からの返事を急がない場合であれば、メールで雇用条件について確認しても問題ありません。

しかしメールは口頭に比べてニュアンスが伝わりにくいため、表現には十分注意しましょう。

▼給与について確認する場合

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

先日、面接をしていただきました◯◯と申します。

この度は採用内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

内定受諾のお返事の前に、ご確認させていただきたいことがございます。

※御社の給与体制は、応募時の求人票に記載されていた内容と変わりありませんでしょうか?※

お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、残業や休暇について確認する際は、※の部分を以下のように変更することで対応できます。

  • 残業について確認する場合
    「御社の場合、繁忙期の場合ではどれくらいの残業時間が一般的でしょうか?」
  • 休暇について確認する場合
    「年末年始やお盆期間は、どのような勤務体制になっていますか?」

会社側と雇用条件の交渉をしたいときは?

転職では、単なる雇用条件の確認にとどまらず、年収などの条件を交渉する場合もあります。自分にとって優先度の高い項目を決め、交渉が決裂しないように慎重に話し合いをすすめましょう。

給与の最低ラインを決めておいたり、年収アップの希望を具体的な金額ではなく割合で伝えたりすると、交渉をスムーズに進めやすくなります。

※転職時の給与交渉について詳しくは→転職時の給与交渉│基本の流れと失敗しないためのコツ

入社後に役立つ雇用条件トラブルQ&A

内定承諾前に雇用条件を確認しても、入社してからトラブルが発生しないとは限りません。

ここでは入社後に起こり得るトラブルについて、どのように対応したらよいのか解説します。

入社後も雇用条件通知書がもらえないのは違法?

入社日を過ぎても雇用条件が通知されない場合は違法と考えてよいでしょう。

労働基準法では、会社側は労働契約を結ぶ際に雇用条件を明示しなければならないと定められています。

ただし、労働契約を結んだとみなすタイミングは会社によって異なり、入社当日に通知する会社もあるため、それまでは違法と断定できる可能性は低いでしょう。

また、紙の雇用条件通知書(労働条件通知書)がないこと自体は違法ではありません。以前は紙の書類のみ適法でしたが、時代の変化に伴いメールの添付ファイルやFAXでもOKになりました。

ただし、書面やメールで通知書をもらっていても、「確認すべき雇用条件13項目」にある必須5項目が記載されていなければ違法になる可能性があります。

雇用条件が実態と違う場合は退職できる?

入社前に聞いていた雇用条件と、働き方の実態が異なると感じた場合は、まず上司や人事に確認しましょう。

その上で、説明を求めても取り合ってくれない場合や事態が是正されない場合は、退職を検討した方がよいかもしれません。

労働基準法により、明示された雇用条件が事実と違う場合は即日退職することができます。また、この場合は自己都合退職ではなく会社都合退職にできる可能性があります。

※会社都合退職について詳しくは→会社都合退職にまつわる正しい知識

雇用条件について外部に相談したいときは?

雇用条件について社内で問題が解決できない場合は、以下の機関に相談してみましょう。

労働基準監督署

→賃金、労働時間、解雇などの法令違反などについて相談したいとき
全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

総合労働相談コーナー

→法令に違反しているかどうか調べてもはっきりしないことについて相談したいとき
→労働問題について相談したいが、どの分野に該当するかわからないとき
総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

まとめ

入社後のトラブルは、雇用条件を事前に把握しておくことで減らすことができます。

内定をもらったら、雇用条件を確認してから承諾をするように心がけましょう。

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