交渉のタイミングや伝え方の例文 Q&Aでわかる、転職時の給与交渉ガイド

せっかく転職するなら、なるべく年収を上げたいと思う人も多いはず。

この記事では、転職時の給与交渉のやり方や、失敗しないコツなどを詳しく解説します。

Q.転職の給与交渉、どう伝えればいい?

A.自分からか面接官からかで伝え方を変える

転職時の給与交渉は、自分から切り出すのか、あるいは面接官から話が出たのかで、伝え方を変えましょう

「お金」の話であるため、伝え方次第で交渉の印象は大きく変わります。ここでは、4つの状況別に給与交渉の例を紹介します。

自分から切り出す場合

自分から給与交渉を持ちかける場合は、面接の最後にある逆質問のタイミングで、いくつか仕事に関する質問をした後に切り出しましょう

最初からいきなりお金の話をすると、心証を悪くすることもあります。

給与体系など給与に関する大枠の話を聞いたうえで「その場合、給与を○%ほど上げるのをご検討いただくことは可能でしょうか」などと、希望額の提示につなげていくのがポイントです。

なぜ給与アップを希望するのか、これまでの実績や生かせるスキルがあるなど、説得力のある理由もあわせて伝えるようにしましょう。

会話例

あなた「仕事内容について詳しくご説明いただき、志望度が一層高まりました。最後に恐れ入りますが、改めて給与体系についてご確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

面接官「中途採用では、前職の年収とこれまでのご経験を加味して給与を決定します。◯◯さんの場合は、月収40万円からのスタートを考えています」

あなた「ありがとうございます。経験や実績を考慮していただけるとのことでしたが、その場合給与を10%ほど上げていただくことは可能でしょうか。
前職では目標成績の125%を多くのプロジェクトで達成しており、この経験は新たな仕事においても十分生かせると考えております。
大変身勝手なお願いで恐縮ですが、もしも交渉の余地がございましたら、ご再考いただけますと幸いです」

面接官から「◯◯万円出す」と言われた場合

面接官から具体的な金額を提示された場合でも、交渉の余地があります

その時は、希望額を伝えて、説得力のある根拠を提示して検討してもらうようにしましょう。

会話例

面接官「入社された場合、今のところ弊社では年収500万円スタートを想定しておりますが、問題ありませんでしょうか?」

あなた「誠に勝手ながら、もし可能であれば、現在と同額の年収600万円をいただきたいと考えているのですが、ご検討いただくことは可能でしょうか。
前職では職種に関わる業務の他、プロジェクトマネジメントも経験し、御社でも十分に活かせるものと思います。ご再考の余地がございましたら、何卒よろしくお願い申し上げます」

一方、面接官から具体的な給与額を提示されたとき「この金額までしか払えない」というニュアンスだった場合は、給与交渉の余地はほとんどないでしょう。

規定に従う姿勢を示して、希望額をもらうためにはどんな成果を出す必要があるのかを聞くのにとどめておくのが無難です。

会話例

面接官「弊社に転職しても年収は500万円しか出せませんが問題ないでしょうか?」

あなた「はい。御社の規定に従うつもりですが、現在と同額の年収600万円をいただくためには、どのような成果をあげればよろしいでしょうか?」

面接官「弊社の給与体系ですと、その金額はマネージャーにならないと難しいと思います。プロジェクトリーダーになって良い成果を出せれば、昇進・昇給の可能性があります」

面接官から「いくらほしいのか」と聞かれた場合

面接官からストレートに希望額を聞かれた場合は、志望企業の給与水準や自分の実績をもとに算出した希望額を、その根拠と一緒に伝えましょう

(例1)経歴に自信アリ、年収アップを叶えたい人

会話例

面接官「希望年収を教えてください」

あなた「現在の年収は600万円ですが、前職では今回の募集内容に直結するような業務の実績を出していることもあり、恐縮ながら10%アップを希望します。
面接を通して、ご期待に添えるとご判断いただけた場合は、ご検討いただけますと幸いです」

(例2)現在と同額の給与をキープしたい人

会話例

面接官「希望年収を教えてください」

あなた「現在の年収は600万円ですので、同額の600万円を希望します。伺っている業務内容につきまして、前職で同じようなことを経験しており、ノウハウや知識を十分に生かせると思っているためです。
採用していただけた場合はもちろん、ご期待に添えるように精一杯努めますので、ご検討いただけますと幸いです」

(例3)業界未経験者など経歴に自信が無く、年収ダウンの可能性がある人

会話例

面接官「希望年収を教えてください」

あなた「現在の年収は600万円ですが、未経験での転職ということもあり、希望年収については御社規定に従います」

メールで給与交渉する場 

選考の中で給与についての話がなかった場合、内定後(採用決定後)にメールで交渉するのも手です。

ただし、本来は面接の段階で話し合うことが望ましいため、メールでは印象が悪くなる可能性もあります。長くならないように、前職の給与水準と転職先の仕事に対する熱意を簡潔に伝えましょう。

件名:給与に関するご相談(転職 太郎)

本文:
株式会社Hacks
人事部 〇〇様

お世話になっております。

〇月〇日に面接の機会をいただきました転職太郎です。この度は御社より内定通知をいただき、大変感謝しております。これまでの経験を生かして、御社に誠心誠意貢献したく思っております。

このタイミングになってしまい大変恐縮ではございますが、ご提示いただきました労働条件通知書の給与面に関してご相談したく、ご連絡差し上げました。

書面では年収420万円とご提示いただきましたが、現職の年収500万円を下回るため、身勝手なお願いで大変恐縮ではございますが、可能であればご再考いただくことは可能でしょうか。

面接でも申し上げた内容になってしまいますが、前職では5年間を通じて目標に対して年間125%程度の営業成績を達成してまいりました。その中で培ってきた経験やノウハウを生かしながら、貴社でも同等以上の成果を出せるよう精一杯努める所存でございますので、ご検討の機会をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


転職太郎
電話番号:090-XXXX-XXXX
Email:●●@●●.ne.jp

給与交渉の伝え方のNG例

給与交渉に失敗すると採用の可否に影響する可能性があるため、なるべく心証を悪くしない言い方で伝えるようにしましょう。

伝え方の具体的なNG例は以下の通りです。

  • 業界・職種の未経験者なのに、前職と同額の金額を希望する
  • 企業や業界の給与水準とかけ離れた、高すぎる金額を要求する
  • 前職や企業・業界の給与水準よりも低すぎる金額で妥協する
  • 逆質問の1つ目で給与の話題を出す

「給与は低くても良い(ので、採用してください)」というスタンスだと、スキルに自信がなく実力に乏しい人と見なされてしまうため、不採用になるリスクがあります。

採用されたいあまり、希望額を低く見積もりすぎるのも控えましょう

Q.転職時の給与交渉はどのタイミング?

A.面接中か内定承諾前がベスト

転職時の給与交渉は、面接中か内定承諾前に行いましょう。

面接の最後に「なにか質問ありますか?」などと、逆質問の時間をもらえることが多いため、そのタイミングで給与について切り出すようにしましょう。

内定後に給与が提示されてから給与交渉を行う場合、内定を承諾する前に面談の場をもらえないか提案した上で「このくらい上げてほしい」と相談します。

面接中に希望額を伝えたものの、内定後に提示された年収が想定よりも低かった場合は、再度給与交渉を行っても問題ありません

その場合も、メールか電話で面談のアポイントメントを取り、顔を合わせて直接交渉するようにしましょう。

内定承諾後に交渉できるかは会社次第

内定を承諾した後に給与交渉できるかどうかは会社によるでしょう

本来、内定を承諾したということはつまり、会社側が提示した労働条件に了承したと解釈されます。よって、承諾後に給与交渉することで心証が悪くなり、内定が取り消しになる可能性もゼロではありません。

労働条件に不満がある場合は、内定承諾前の早めのタイミングで相談するようにしましょう。

Q.転職の給与交渉はいくらまで上げていい?

A.前職より1割~3割上げられたら成功

前職の年収よりも1割~3割ほどアップさせることができたら、給与交渉は成功と言えるでしょう。いくらスキルが高く実績があっても、前職の年収や企業の給与体系とかけ離れた金額だと、最悪の場合、給与交渉のせいで心証が悪くなり、不採用につながりかねません。

厚生労働省のデータによると、転職によって給与をアップできた人は4割ほど。その中でも、給料の上がった割合として最も多かったのは「1割以上3割未満」(18.9%)でした。

【転職で給与はどれくらい変わった?】 増えた/40.4% |減った/36.1% |変わらない/22.1% <詳細> 1割未満増えた/12.9% |1割以上3割未満増えた/18.6% |3割以上増えた/8.9% |変わらない/22.1% |1割未満減った/9.9% |1割以上3割未満減った/17.3% |3割以上減った/8.8%

※出典:
平成 27 年転職者実態調査の概況|厚生労働省

※希望年収の答え方について詳しくはこちら→希望年収を聞かれたら?決め方・答え方・書き方を解説

自分のスキルに見合う業界・職種の年収相場を調べておこう

給与交渉で提示する希望額を決めるときは、これまでの経験や実績をふまえ、業界や企業の給与水準を調べておきましょう

また、給与交渉時にはどうしてその金額を望むのか、根拠も説明できるように準備しておくことが大切。

前職で、会社に貢献できたと客観的にわかる数値的なデータがある場合は、実績として紹介するのがおすすめです。

コラム:年収水増しは源泉徴収票でバレる

給与交渉時にウソをつき、前職年収を水増しして申告するのはやめましょう。面接時や入社時に源泉徴収票の提出を求められることがあるため、もし前職の年収を多く伝えていた場合、真実がバレてしまいます。

自己申告した金額と大きなズレがあった場合、虚偽申告とみなされ、最悪のケースでは内定取り消しになる可能性もあります。

前職の年収を伝える場合は、給与明細・賞与明細・銀行通帳などを確認し、なるべく正確な収入金額を答えましょう。

Q.転職の給与交渉で失敗しないコツは?

転職の給与交渉時に失敗しないために気を付けたいポイントは4つあります。

【転職の給与交渉で失敗しないためのコツ4つ】 (1)具体的な金額ではなく割合で伝える  (2)直接会って給与交渉するようにする	 (3)給与の最低ラインを決めておく (4)転職エージェントに交渉してもらう

1)具体的な金額ではなく割合で伝える

給与交渉で希望額を伝えるときは、具体的な数字ではなく割合で伝えるのがおすすめです。

「◯◯万円上げてほしい」と言うよりも「◯%アップしてほしい」と言う方が、相手により柔らかく伝わります。

2)直接会って給与交渉するようにする

会話のキャチボールができるよう、給与交渉はなるべく対面で行うようにしましょう。

メールだと顔が見えず温度感が伝わらないため、お金にうるさい人だと思われてしまったり、面と向かって希望を伝えられないコミュニケーション能力の低い人だと思われてしまったりする可能性があります。

3)給与の最低ラインを決めておく

生活にはいくら必要なのか、勤務時間や仕事内容を考慮するといくらもらっておきたいのかなどを踏まえて「年収◯◯万円以上ならOK」という最低ラインを決めておきましょう

「いくらでもいい」というスタンスだと、自分のキャリアやスキルに自信がない・客観的に分析できていないと思われてしまうことも。具体的な最低金額を事前に決めておけば、交渉の末に金額が伸びなかったときでも、引き際を判断しやすくなるでしょう。

4)転職エージェントに交渉してもらう

転職エージェントはあなたの経験や実績をもとに給与交渉を代行してくれるので、交渉に自信がない場合は利用を検討してみるのも良いでしょう。

どんな経験があるとどのくらいの年収がもらえるのかという相場も知っているので、希望額の算出方法が分からない人も相談することができます。

まとめ

転職の給与交渉のタイミングは、面接中か内定承諾前がベストです。給与交渉のやり方を間違えると心証が悪くなり、不採用につながることもあるので注意が必要です。

前職よりも年収を上げたい場合は、その根拠を企業の給与水準や自分の実績をもとに算出し、妥当な金額で交渉するようにしましょう。

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