【例文付き】 職場見学で「質問は?」と聞かれたら

職場見学とは、企業が開催する採用イベントのひとつで、応募者に会社のことをよく知ってもらい、入社後のミスマッチを防ぐためのものです。

職場見学には質疑応答の時間が設けられていることがよくあります。この記事では意欲や熱意をアピールできるような質問を例文で紹介します。

【例文】職場見学でするべき質問10選

採用担当者に好印象を与える10の質問例を紹介します。

積極的に質問することで意欲をアピールできるだけではなく、自分が働いているイメージが湧き、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

企業・社員・ルールに関する質問例

職場見学では会社についての質問をすることで、興味関心の度合いや志望度の高さをアピールすることができます。

  1. 社内の普段の雰囲気について教えてください。
  2. 職場見学をして入社した社員さんはいらっしゃいますか?
  3. 御社ならではのユニークな文化(社内イベント、制度など)はありますか?
  4. どのような評価・人事制度をとっているのか教えてください。
  5. 「個性を尊重する」という企業理念を掲げられていますが、仕事の中でそれを実感できる瞬間がありますか?それはどのような時ですか?

会社をより深く知るための質問をすれば、面接ではその回答をもとに、より踏み込んだアピールができるかもしれません。

職場見学をしながら思い浮かんだ質問をしてみましょう。

仕事内容に関する質問例

実務につながる具体的な質問は、入社後の働くイメージを深めたり、キャリアを描く参考にしたりすることができます。

  1. 営業部の1日の業務の流れを具体的に教えてください。
  2. 採用された場合、研修はどれくらいの期間で、どのような内容で行う予定でしょうか?(まだ決まっていない場合は)前年度はどのような研修を行ったのでしょうか?
  3. 仕事をする上でのやりがいや喜びを教えてください。
  4. 御社で活躍するために必要な資格やスキルがあれば教えてください。
  5. 御社に入社するにあたって、行動や考え方などで強く意識すべきことはありますか?

実際の業務や研修に関する質問をすることで、仕事に前向きな印象を持ってもらえるかもしれません。

印象が悪いNG質問例

職場見学では避けたほうがいいNG質問もあります。

例えばホームページや求人情報に載っているような「調べればすぐにわかる情報」や、人任せで主体性がないと思われかねない質問、給料などの待遇に関する直接的な質問はあまり印象がよくありません。

交渉の場でない限り、そのような質問は控えるようにしましょう。

  • 御社の企業理念を教えてください。
  • ◯◯について勉強できる環境は整っていますか?
  • 営業部の平均残業時間を教えてください。
  • ボーナスの支給実績を教えてください。
  • 御社に入れば、スキルや能力が上がりますでしょうか?

以上のような質問は職場見学では避けるべきですが、転職で年収交渉を行う場合、給料などの待遇についての質問が必要になることもあります。

その際も直接的な表現は避け、「自分と同じような年齢、経験の方がいらっしゃいましたら、平均年収がどのくらいかお聞きしてもよろしいですか?」と、モデルケースを尋ねるのがおすすめです。間接的に聞くことで、「お金のことにしか関心がない」という印象を持たれにくくなります。

特に質問したいことがないとき、どうする?

職場見学で「質問ありますか?」と聞かれて質問が浮かばなかった場合は、無理に答えようとしなくて構いません

職場見学の場で質問をしなかったからといって印象が悪くなることはありませんので、慌てずに下記のように答えましょう。

詳しくご説明していただきましたので、私からの質問はございません。現場の方のお話を聞くことができ、仕事への理解と志望度が高まりました。ありがとうございました。

無理やり質問をひねり出そうとして、すでに説明されたことを聞いてしまったり、長い時間沈黙してしまったりすると、かえって気まずくなってしまうことも。面接ではありませんので、気負いすぎずリラックスして臨みましょう。

【派遣】職場見学でよくある質問と回答例

派遣社員の方が派遣先企業への入社前に行う職場見学は、会社説明会ではなく、顔合わせや仕事内容に対する認識のすり合わせという意味合いがあります。

ただし、それはあくまで建前で、実態としては選考の場になっているケースが少なくありません

気を抜かずに志望動機などを整理しておく必要があります

よくある派遣先からの質問例は以下の通りです。

回答例をそれぞれ見ていきましょう。

職場見学でのQ&A

<業務経験に関するQ&A>

今までの業務経験を教えてください。

これまでの派遣先では、営業事務として営業社員の方が使う資料の作成や発注を担当していました。

例えば前職ではクライアントごとにすべて資料が分かれていましたが、共通する商材の比較検討資料が欲しいという声が多かったため、Excelを活用してデータを再整理し、必要な項目を選ぶだけで営業用資料に使えるよう工夫しました。

その後、社員の方々から使いやすいと感謝のお声がけをいただき、定例会議のフォーマットとして活用してもらえるようになりました。テレアポも担当しておりましたので、営業職のサポートを一通り経験しております。

<資格やスキルに関するQ&A>

取得している資格やスキルはありますか?

秘書検定2級と簿記3級を持っております。

語学などの資格は持っていませんが、前職でプレゼンテーション資料や報告書の作成をしていたため、WordやExcelといったソフトの基本的な使い方に関しては問題ありません。

<志望動機に関するQ&A>

今回応募したきっかけを教えてください。

これまで主に営業事務のお仕事をさせていただいており、営業スタッフの方々のサポートができるこのお仕事にやりがいを感じています。

御社では、さらなる事業拡大のために営業効率化を図っているとホームページで拝見しました。自分の今までのアシスタントスキルを活かしつつ、事業拡大に伴ってスキルアップできるのではないかと思い応募しました。

お客様や営業スタッフの方々に喜んでいただける対応を心がけ、即戦力として活躍できる人材を目指したいと思っています。

 <雇用形態に関するQ&A>

派遣を選んだ理由はなんですか?

派遣はライフスタイルにあわせて自由に仕事内容や勤務場所などを選択ができるのが魅力だと考えております。また、今までの勤務経験を通して身に付けたスキルも多く、今回の仕事内容でも効率的に業務に取り組めると考えております。

小さな子どもがいるため、保育所との都合で時間的な融通が効きやすい派遣を選びました。また、少しでも家計を支えたいという気持ちがあり、扶養の範囲内で自分の経験を活かせる仕事をしたいと考えたためです。

 <業種に関するQ&A>

前職とは異なる業種で応募した理由をお聞かせください。

これまでの派遣先では営業事務を担当していましたが、常にお客様目線で最適な提案を心がけていた社員の方に感化され、もともと人と関わることが好きだったこともあり、営業を志望しました。営業は未経験ではありますが、サポートの経験を活かし、一日でも早く活躍できるよう尽力いたします。

前職では法人営業でしたが、自社製品を改良する際に自分の提案が採用され、それが形になったときに喜びややりがいを感じ、モノづくりに携わりたいと強く思うようになりました。御社の「自分のアイデアを活かして、サービス開発ができる」というところに魅力を感じてプログラマー職を志望しております。自分のアイデアを形にすることで誰かの役に立ったり、喜ばせたりできるように、日々知識を吸収していきたいと思っています。

 <ブランク期間に関するQ&A>

退職後のブランク期間は何をしていましたか?

退職後半年間は、主に自分のスキルアップのため資格の勉強を続け、先日検定試験に合格いたしました。

在職中は多忙だったため、退職してから転職活動を始めました。同時に短期のアルバイトで収入を得ながら、語学スキルを活かしてキャリアを積むことができる仕事を探しています。

派遣社員の職場見学では、主体性や持っているスキルと絡めてアピールすることが大切です。「派遣の方が楽そう」、「派遣という選択肢しかなかった」といったネガティブな理由で答えないようにしましょう。

法律で禁止されている質問には答えなくていい

紹介予定派遣を除いて、労働者派遣法で禁止されている質問項目には答えなくても構いません

労働者側の立場を守るために、事前面接や個人の特定につながる質問は禁止されています。職業能力以外の項目で労働者の選別が行われると、就業できる機会が不当に奪われてしまう可能性があるためです。

禁止されている質問事項は以下の通りです。

  1. 個人情報にあたる質問(氏名、年齢、住所、学歴、家族構成、世帯年収)
  2. 退職理由
  3. 派遣法第24条3項に定められている内容(人種、民族、門地、その他差別的要因となるおそれのある事項、思想信条、労働組合への加入状況)

ただし、実際の派遣社員の職場見学では、面接ではなく面談と称して応募者を選考しているのが実情です。どうしても答えたくないという特別な理由がない限り、最初の挨拶で氏名を含めた簡単な自己紹介をするのが一般的になっているようです。

一方、禁止されている質問をしてくるか否かで、法律をきちんと守る遵法精神の高い勤務先かどうか、見極めるポイントにはなるでしょう。

意欲がアピールできる逆質問例

派遣社員の職場見学でも「なにか質問はありますか?」と逆質問の時間が設けられることがあります。

派遣の職場見学の場合、働き始めるまでに不安な点を残さないよう、実際の業務について具体的に質問するのがポイントです。

  1. 業務内容に関するマニュアルはありますか?
  2. 曜日や時期で繁忙期や閑散期はありますか?
  3. Excelなど事前に習得すべきパソコンのスキルや知識はありますでしょうか?
  4. (正社員登用の可能性がある場合)待遇はどのように変わりますでしょうか?
  5. (採用前提の場合)自分の指導担当の方は忙しい方でしょうか?その人が忙しい時は他の方に質問や確認を頼んでもよろしいでしょうか?

業務に関する具体的な質問をすることで、「この人は意欲的に働いてくれそうだな」というイメージを持ってもらえます。4、5個ほど質問事項をあらかじめ考えておいた方が安心です。

※逆質問について詳しくは→面接官にウケる逆質問の例30選

コラム:派遣でも面接が解禁されるってホント?

派遣社員の面接解禁は検討されてはいるものの、現状では見送りになっています。

労働者派遣法では事前面接や履歴書の提出は禁止されていますが、派遣先と派遣される人のマッチングを円滑にするために、事前面接を解禁すべきという声が現場からあがっていました。その要望を受けて、2010年に政府で労働者派遣法の改正をする動きがありましたが、国会内で反対があり、解禁は見送られました。

その後、派遣を含む非正規雇用の待遇を改善するための「同一労働同一賃金」実現の動きにシフトしたため、事前面接の全面的解禁に向けた動きはいまだにありません。

※参考→派遣先の事前面接、解禁見送り|日本経済新聞

まとめ

求人票にある文字情報だけでは職場の実際の雰囲気がわかりにくいことが多くあります。

興味のある企業が職場見学を開催している場合は積極的に参加し、紹介した質問例を使ってみてください。

この記事の担当者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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