聞かれても慌てない対処法 転職先、会社に言う?言わない?
退職時に上司や同僚から「転職先はどこ?」と聞かれた場合、正直に言うべきかそれとも言わない方がいいのか、迷う人は少なくありません。
この記事では、会社に転職先を聞かれた場合の対処法を解説します。
転職先を聞かれたとき、言わないのはあり?
ここでは、今働いている職場には転職先を言いたくない場合の注意点や、相手に不快感を与えない回答例を解説します。
無理に答えなくてOK。ただし、相手を不快にしない配慮を
辞める前の職場で転職先を聞かれても、自分が言いたくなければ言わなくても構いません。ただし、その際は相手に失礼にならないような言い回しを心がけましょう。
転職先を言いたくないからといって「言いたくありません」「あなたには関係ないですよね」などと相手を突き放した表現をしてしまうと、不快感を与えて気まずくなったり、人間関係のトラブルを招いたりすることもあります。
答えたくないのに転職先を聞かれたら?【回答例文】
会社から転職先を聞かれた場合は、以下のように社名を明らかにしない形で答えるのが無難です。
【例1】
「今のところは、まだ確定していません。◯◯系の企業を候補にして転職活動を進めています」
転職先の社名ではなく業種のみを伝えてみましょう。民間企業から公務員への転職の場合は「行政関係」、逆の場合は「民間の◯◯系の企業です」と伝えても構いません。
何気なく転職先の社名を聞いてきた相手に対しては、業種のみを伝えればそれだけで十分回答になります。
ただし、相手によっては業種のみを伝えた場合でも「◯◯系なら、もしかして△△社?」と具体的な社名を挙げて掘り下げられる可能性もあるので、「正式に決まったらお知らせします」など別の答えも用意しておくのが良いでしょう。
「◯◯の制作に力を入れている会社に転職します」
転職先の事業内容をピックアップする答え方もできます。とくに転職先の業種が現職と同じ場合は、あえて現職と異なる事業内容を伝えることで余計に詮索される可能性を減らすことができます。
「まだ、いくつかの会社の選考が進んでいる最中なんです」
まだ選考段階であることを強調した答え方です。
その後「そろそろ選考結果が出たんじゃないの?」などと聞かれることもあるかもしれませんが、言いたくない場合は「まだ選考中で……」と濁し続けて明言を避けましょう。
それでもしつこく聞いてくる場合は、【例1】や【例2】のように業種や事業内容を伝えてみましょう。
コラム:転職先を言わないことは法律上問題ない
退職の際に転職先の会社名を伝えるべきという法的義務はありません。また、転職先を言わなくとも、退職時の社会保険の手続きなどに不都合が出ることもないため、言いたくない場合は言わなくてOKです。
中には、契約内容の開示を禁じるという狙いから、転職先の担当者から「現職に社名の開示をしないでほしい」と言われるケースもあるようです。
ただし、退職そのものを伝えるタイミングなどは、現職の就業規則に従うようにしましょう。
転職先を言わない方が良いケースと理由
現職との関係が良かったり、転職先の会社で現職からの仕事がもらえたりする場合は、転職先を伝えるメリットもあります。しかし、転職先を言うことでスムーズな退職ができない場合もあります。ここでは、転職先を言わない方が良いケースとその理由を解説します。
ケース1:引き止められそうなとき→引き止めの口実に使われる
特に人手不足の企業などでは、転職先を伝えたことによって、上司から引き止めの口実として使われることがあります。
例えば、上司に転職先の企業について真偽が定かではないネガティブな情報を聞かされて「あの会社に転職するよりも、うちの会社にいた方が良い」と引き止められるケースなどです。転職先を言わないことで、引き止めの口実を与えないことも必要でしょう。
ケース2:転職先と現職がライバル関係→マイナスな情報を吹聴される
現職の競合他社に転職する場合、レアケースではあるものの上司や同僚から転職先に「今度入社する◯◯という社員は、前職で◯◯といったミスをしていた」などとネガティブな情報を吹聴される可能性があります。転職先を伝える場合は、現職と転職先の関係性をよく考えた上で言うかどうかを判断するのが重要です。
ケース3:転職先の知名度が現職より高い→妬みの対象になる
転職先の社名を伝えた結果、社内で「◯◯さんは△△社に転職するらしい」など噂が広がり、肩身が狭くなって仕事がしにくくなることがあります。特に現職よりも知名度の高い企業や待遇の良い企業に転職する場合などは、同僚からの妬みの対象になってしまうケースもあるため、積極的に転職先の情報を出すのは避けた方が良いでしょう。
コラム:できるだけトラブルなく退職するための4つのポイント
トラブルを起こさずスムーズに退職するためには、以下のポイントに注意しましょう。
(1)関係性の深い人にのみ、転職することを早めに伝えておく
同じ部署やチームで仕事をしてきた関係性の深い相手には、早めに転職する旨を伝えておきましょう。社内の噂などで転職することを知った場合、相手が「一緒に仕事をしていたのに、なんで言ってくれなかったんだろう」「何も言わずに自分だけ転職するなんて、裏切られた」と感じることもあるためです。
(2)引き継ぎ作業を丁寧に行う
転職や退職の情報が広まると、普段以上に業務に対する姿勢に注目が集まりやすくなります。現職での仕事がおざなりになっていると思われないよう、退職時の引き継ぎは丁寧に行うことを心がけましょう。
(3)現職への不満などを社内で口にしない
退職間近になると、送別会などのお酒の席に誘われることもありますが、そこでつい口をすべらせて現職に対する不満などをこぼさないようにしましょう。現職の先輩・同僚・後輩との人間関係は、退職後も続くことがあります。
彼らとの関係にしこりを作らないよう、前向きな理由で退職・転職をするという姿勢をみせましょう。
(4)転職先の話題には触れない
退職するまでは転職先の話題は自分から出さないのが無難です。今後転職先で就くポジションや参加予定のプロジェクトなど、重要な情報を話したりすると、現職の社員に「口が軽い」という印象を与えます。場合によっては「転職先で前職の機密情報などを漏らすのでは?」と思われ、信頼感を失うこともあります。
※スムーズな会社の辞め方について詳しくは→【初めて転職する人向け】 スムーズな会社の辞め方とは?
まとめ
転職先は言っても言わなくてもどちらもでも構いませんが、言わない場合は相手に配慮した表現をすることも大切です。
退職日までしっかりと業務に向き合い、お世話になった人々への感謝の気持ちを忘れず、気持ちよく転職できるようにしましょう。
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