失礼にならないお返しのマナー 退職祝いにお返しは必要?
退職時に職場からお祝いのプレゼントをもらった場合、お返しをしたほうがいいのか悩む人もいるのではないでしょうか。
この記事では、退職祝いへのお返しが必要になるケースや適切なお返しのタイミング、商品の相場など「退職祝いのお返しマナー」を解説。お返しにおすすめな品も、大人数に送る場合と個人に送る場合に分けて紹介します。
退職祝いにお返しは必要?
会社や職場に対するお返しは、原則必要ない
職場全体から贈られる退職祝いに対するお返しは、原則しなくていいと言われています。
ただし、なかにはお返しをする慣例がある職場もあるため、同僚に確認した上で今までの退職者がお返しを用意していた場合は同じく用意するのが無難です。
また、職場にお返しの慣例がなくても、お礼や感謝の気持ちを伝えたい場合や今後も付き合いを続ける場合には、もらった退職祝いに対してお返しをしても問題ありません。
個人からもらったプレゼントにはお返しをする
職場からではなく上司や同期、部下などから個人的にプレゼントをもらった場合は、お返しの品とお礼のメッセージを書いたお礼状を用意するのがマナーとされています。
労いの意味が込められた個人的なプレゼントに対してお返しをすることで、自分も相手に対してこれまでの感謝を伝えることができるでしょう。
退職祝いにお返しをする場合のマナー
ここでは、退職祝いのお返しを用意する場合に関してよくある疑問にお答えします。
Q.お返しの品はいつまでに贈るべき?
A.退職後1週間以内が目安
退職祝いのお返しは原則必要ありませんが、用意する場合は退職日から1週間以内を目安にお返ししましょう。
退職後は状況によっては引っ越しや行政手続きなどで忙しくなるため、退職前からお返しの品の目星をつけておくとスムーズです。
退職時に結婚祝いを兼ねたプレゼントをもらった場合は、結婚式から1カ月以内に内祝いの品を贈るのが基本です。結婚式を挙げない場合は、プレゼントを受け取ってからなるべく早めにお返ししましょう。
コラム:退職時に自分が贈ったお菓子に対してお礼をもらった場合は?
退職日に職場の人へお菓子などを贈り、そのお礼(または退職祝い)としてプレゼントをもらった場合、さらにお返しの品を用意する必要はありません。
後日、お礼状やお礼のメッセージを送ると丁寧な印象を与えられます。
Q.お返しの品の相場はどれくらい?
A.もらったプレゼントの半額~3分の1の金額
退職祝いのお返しは、受け取ったプレゼントの半額〜3分の1程度の金額が相場です。
プレゼントの金額が分からない場合は、職場全体へのお返しなら3,000〜5,000円程度、個別に退職祝いをもらった場合は500〜1,000円程度と考えましょう。
Q.お返しの品につけるのしの種類は?
A.転職や定年退職なら紅白蝶結びののしをつける
一般的に、退職祝いのお返しなどフォーマルな贈り物にはのしを付けるのがマナーです。
ただし現実的には、普段から親しい間柄である人への品にのしをつけるとかえって仰々しくなることもあるため、相手から受け取った退職祝いのプレゼントにのしがついていたらお返しにもつけるという形でよいでしょう。
転職や定年による退職の場合
転職や定年による退職なら「紅白蝶結び」の水引ののしを付けます。
表書き上段には「御礼」、下段に自分の苗字を入れましょう。
結婚を理由に退職する場合
結婚を理由に退職する場合は「紅白結び切り」の水引ののしを付けます。
表書き上段には「結婚内祝」または「内祝」、下段に自分の苗字を入れましょう。
Q.お礼状・メッセージの書き方は?
A.プレゼントへのお礼や現在の心境について自筆で書く
お礼状やお返しの品に添えるメッセージには、下記の3つの要素を入れましょう。自筆で書くと感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
- もらったプレゼントや在職中にお世話になったことに対するお礼
- 現在の心境や退職後の近況報告
- 締めの言葉
お返しの品を郵送する場合は手紙も入れて一緒に送りましょう。お礼状だけ贈る場合には便箋を使うと丁寧です。
〈お礼状の例文〉
拝啓
麗春の候、〇〇課の皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
このたびは私の退職に際し心温まるお手紙やお祝いの品をいただきまして、誠にありがとうございました。在職中は皆様のお心添えによって〇年間とても充実した日々を過ごせましたこと、心より感謝しております。
今後は、これまでの職務経験を活かして一層充実した日々を送っていきたいと考えております。
皆様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
退職祝いのお返しにおすすめの品
ここでは、退職祝いのお返しとしておすすめの品を、大人数に贈る場合と個人に贈る場合に分けて紹介します。
大人数にお返しを贈る場合
個包装のお菓子・飲み物
大人数でも分けやすい個包装のお菓子や飲み物は、職場へのお返しの品として定番になっています。
お菓子や飲み物は「好き嫌いが分かれにくい」「職場で飲食しやすい」「日持ちがする」の条件を満たす物を選ぶと喜ばれやすいでしょう。
退職時のお菓子の選び方・渡し方のマナーについて、くわしくは下記の記事を確認してください。
観葉植物
場の緊張をほぐしたり集中力を高めてくれたりする観葉植物は、職場への退職祝いのお返しとして人気です。
観葉植物を選ぶときは、乾燥に強く水やりが少なくて済むなど手入れがしやすい種類にすると、管理する人の負担が少ないため、より喜ばれます。
個人にお返しを贈る場合
相手の好みに合わせた品
同期や後輩など親しい間柄の場合は、相手の好みに合わせた品を選ぶと喜んでもらえるでしょう。
退職祝いのお返しとしては、相手の好きな食べ物やお酒、趣味に関係する物が一般的です。
マグカップやハンドタオルなどの日用品
相手の好みが分からない場合は、マグカップやハンドタオルなど、何個あっても困らないような日用品がお返しとしてベターです。
文房具など業務に使う物もOKですが、「もっと仕事に励むように」というメッセージになりかねないため、目上の方に贈る場合は避けましょう。
退職時の必要書類・引き継ぎ方法も確認しておこう
会社を辞めた後は退職祝いのお返しのほかにも、転職先への入社準備や仕事の引き継ぎなど、やるべきことが多くあります。
退職後の生活がバタバタとしたものにならないように、一通り確認しておきましょう。
▼退職時に受け取る書類一覧表
▼退職時の仕事の引き継ぎ