【初めて転職する人向け】 スムーズな会社の辞め方とは?

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初めての転職にはいろいろな不安がつきまといますよね。誰だってトラブルなく会社を辞めたいはずです。

そこでこの記事では、特に初めて転職をする人に向けて、スムーズな会社の辞め方と、もしトラブルが起こってしまったときの対処方法を解説していきます。

会社の辞め方5ステップとその前にすべきこと

スムーズに会社を辞めるためには、転職活動を計画的に行い、内定が決まったらなるべく早く会社に退職の意思を伝えることが大切です。

希望する退職日から逆算して転職活動スケジュール、会社に退職の意思を伝えるタイミングを考えるようにしましょう。

会社に退職の意思を伝える前に転職先を決めておこう

会社に退社の意思を伝えるのは、なるべく転職先が決まってからにしましょう。

先に伝えてしまうと、納得のいく転職先を見つけられない可能性があります。

たとえば、「退職日までに転職先が決まらなかったらどうしよう」と焦ってしまい、志望度がそこまで高くない会社からの内定でも、妥協の末に受諾せざるを得ないかもしれません。

また、ブランクが空くことで、経済的にも厳しくなることが考えられます精神的にも、経済的にも余裕を持って転職活動を行うためにも、先に転職先を決めてから退職交渉を始めるのが得策です。

ただし、勤めている会社がブラック企業で、どうしてもすぐに辞めたい場合は先に退職してから転職先を探しても問題ありません。

いずれにしても、いかに精神的、経済的にゆとりをもって転職活動できるかを軸に置くことが重要です。

それでは、ブランク期間を作らずに今の会社を辞めるための5ステップをそれぞれ見ていきましょう。

1退職を申し出る

口頭で構わないので、直属の上司に退職の意思を伝えましょう。

2退職日の調整・退職届(退職願)の提出

上司と相談しながら退職日を調整し、退職日が決まったら退職届を提出します。会社によっては退職届の提出が不要な場合もあるので、上司に確認しておきましょう。

※退職願、退職届について詳しくは→【事例付き】すぐわかる退職理由の書き方

3業務の引き継ぎ

退職日が決まったらなるべく早めに引き継ぎ資料の作成を始め、後任者が困ることのないように努めましょう。

4返却物、受取書類の確認

社員証や社章、名刺、制服などの返却物と、雇用保険被保険者証や年金手帳(会社が預かっている場合のみ)などの受取書類を人事担当者に確認します。

5退職日当日

退職日当日は、引き継ぎの最終確認、退職手続き、社内へのあいさつ回りをします。私物やデスクの清掃は計画的に済ませておきましょう。また、送別会などに参加する場合、店などに書類や退職のプレゼントを忘れないように注意してください。

 辞めることを会社に伝えるタイミング

最初に退職の意思を伝えるべき相手は直属の上司ですが、退職したい日から何日くらい前に伝えるべきなのでしょうか。

就業規則に退職規定が盛り込まれている会社も多いので、就業規則もしっかり確認しながら進めていきましょう。

就業規則になるべく従おう

多くの会社の就業規則には「自己都合退職の場合は○日以上前に申し出ること」と記載されており、一般的には1~2ヶ月前のケースが多いようです。

1~2ヶ月前に申し出てほしいというのは、社員の退職によって会社側も後任の採用や育成を行う必要が出てくるからです。

円満退職したいのであれば、基本的には従うようにしましょう。

ただし、「半年前に退社を申し出ること」など、労働者にとって明らかに不利な条件は無効とされています。

法律上は伝えてから2週間後に辞められる

就業規則に「退職は○日以上前に申し出ること」と記載されている会社は多いものの、法律上は、退職の意思を伝えてから2週間後には辞めることができます。

<民法627条1項>

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

例えば、「半年以上前に申し入れないと退職できない」「会社の許可がないと退職は認めない」と就業規則(または雇用契約書)に書かれていたとしても、法律の方が優先されるので安心してください。

円満に会社を辞められる退職理由

退職理由としてどのような理由を会社に伝えようかと迷う人も多いでしょう。

理由次第では引き止められたり、会社や上司を怒らせてしまいかねません。退職理由の例も参考にしながら、納得してくれる可能性が高い理由を伝えるようにしましょう。

納得してもらいやすい退職理由例

上司に退職の意思を伝える際に納得してもらいやすいポジティブな退職理由や、止むを得ない退職理由として挙げられるのは以下のようなものです。

  • ○○業界に挑戦してみたくなった。
  • △△職に挑戦してみたくなった。
  • 親の介護が必要になった。
  • 夫(妻)の転勤の都合で職を変えざるを得ない。

できれば本音を伝えたいところですが、理由によっては強い引き止めを受けてしまうこともあるので、時には本音を抑え、「その理由なら仕方ない」と思ってもらえるような退職理由を伝えるようにしましょう。

ポジティブな理由としては、「○○業界に行きたい」など、自分のキャリアアップにつながるものが考えられます。

理由を聞かれて会社への不平不満を答えるのはNG

仮に会社のやり方や上司への不満があって辞める場合でも、退職理由として不平不満を挙げてしまうのはNGです。

思わぬ反感やトラブルを招く原因になったり、「それらを改善するから残ってくれ」と引き止められる可能性があります。

スムーズに会社を辞めたいと考えている場合は、やはりポジティブな理由や止むを得ない事情のみを退職理由として伝えるようにしましょう。

会社を辞めるときの悩み・トラブル事例

退職までの流れは掴んだものの、こういうことがあったらどうしようと不安が尽きない方も多いはず。

ここからは、先に転職を経験した先輩たちのケースをもとに、会社を辞めるときにありがちな悩みやトラブルの事例を見ていきましょう。

転職先はどこに決めたのかを執拗に聞かれた

鈴木さん(仮名)25歳のケース

上司から転職先の会社名を繰り返し聞かれました。競合関係にある会社への転職で答えたくなかったのですが、何度も聞かれるうちに答えてしまいました。上手く断る術があればと後悔しています。

鈴木さんへのアドバイス

転職先の会社名を執拗に聞かれることはあり得る話です。基本的には転職先を伝えても構いませんが、言いたくない場合は「まだ選考中なので…」「確定したらお伝えします」などと濁してしまいましょう。それでも転職先の会社名をしつこく聞かれる場合には、「申し訳ないのですが社名までは言いたくありません」ときっぱり断っても問題ありません。また、退職交渉の際に「次が決まってないならまだうちで…」と引き止められることを避けたい場合は、「転職先は決まっていて、○○業界に行きます」と業界名のみ伝えるよいでしょう。

有休休暇が余っていたのに消化させてくれなかった

篠原さん(仮名)27歳のケース

有給休暇が6日間余っていたのですが、3日分しか消化させてもらえませんでした。転職先に入社する前に準備したいこともたくさんあったので、振り返ってみると有給休暇をすべて消化できなかったのは残念です。

篠原さんへのアドバイス

有給休暇の取得は労働者に認められた権利なので、退職時に残っている分をすべて消化することが可能です。会社側が取得を妨害したり、拒むことは許されません。

有給休暇の取得も考慮して退社日を調整できるように、1~2ヶ月前には退職交渉をスタートさせましょう。どうしても有給休暇を使わせてくれない、という場合には労基署(労働基準監督署)や都道府県労働局に相談してください。

転職先に電話をかけられて、あることないことを言われた

平手さん(仮名)26歳のケース

いつの間にか転職先に電話をかけられ、現職での勤務態度やスキルについてあることないこと伝えられており、転職先から「本当なのか」と確認されました。説明をして内定取り消しは免れましたが、危うく転職先からの信用を損なってしまうところでした。

平手さんへのアドバイス

退職自体を快く思っていない会社であれば、嫌がらせをしてくる可能性はあります。嫌がらせを防ぐためには、とにかく現職の社員には転職先を伝えないことです。

退職前は味方でいてくれた同僚も、会社側から頼まれて情報を探ってくるかもしれません。もし不安があるのであれば、仲のいい同僚といえども、伝えるのは「○○業界で働いている」くらいで留めておきましょう。

退職の意思を伝えたらボーナス額が下がった

高山さん(仮名)29歳のケース

ボーナスをもらったらすぐに会社を辞めたいと考え、ボーナス額が確定する前に退社の意思を伝えたところ、大幅に減額されていました。全員一律で給与2ヶ月分のボーナスがもらえるにも関わらず、私はなぜか1ヶ月分しかもらえませんでした。

高山さんへのアドバイス

ボーナスの査定対象期間に在籍していたにも関わらずボーナスが支給されなかった、減額されたというケースもあるようです。残念ながら、ボーナスの支払い義務や査定方法は労働基準法で定められておらず、会社ごとの就業規則によって決まります。かつて、ベネッセコーポレーション事件(1996年)の裁判において、退職予定者のボーナスをほかの社員と比べて2割減とすることが認められた判例がありました。

ボーナスの減額を回避するためには、ボーナスの金額が確定してから、あるいはボーナス支給日を過ぎてから退職交渉をスタートさせましょう。

退職金をもらえるはずなのに支給されなかった

白石さん(仮名)25歳のケース

現職の会社は3年勤めれば20数万円の退職金がもらえるはずなのに、なぜか支払われませんでした。会社に確認しても取り合ってもらえないので、結局、退職金を諦めることになってしまいました。

白石さんへのアドバイス

まずは就業規則を確認しましょう。退職金制度を設けている場合には規定を定めなければいけないことになっています。

支給要件を満たしているのにもらえない、提示されていた金額が告知なしに減額されている場合は最寄りの労基署や法テラスに相談することをおすすめします。

退職金の請求は5年間で時効になることが定められているので早めに相談しましょう。

ばっくれてしまい、会社からの電話が鳴り止まない

前田さん(仮名)26歳のケース

どうしても会社に行きたくなくてばっくれてしまいました。それから1週間が経っても会社から何度も電話がかかってきます。本来は2~3日後に電話で退社の意思を伝えようと思っていたのですが、怖くなってしまい連絡できずにいます。このままフェードアウトできないかと考えています。

前田さんへのアドバイス

まず、ばっくれることは周囲にかなりの迷惑をかけてしまうのでおすすめできません。

会社側も事件性を心配し、電話やメールなどで何度も連絡をしてくるはずです。場合によっては親や住んでいるマンションの管理会社に安否確認の連絡がいく可能性も否定できません。

ばっくれたままにしていてもフェードアウトできるわけではないので、自分から連絡するのが心理的に難しければ、退職届を提出し、退職の意思を会社に伝えましょう。退職届を提出すれば自動的に2週間で退職できるので、内容証明郵便で退職届を会社宛に郵送してください。内容証明郵便とは、郵便局が「誰が」「誰に」「いつ」「何を」送ったかを証明してくれるサービスです。

その他、強引に引き止められそうで心配な人は「退職を引き止められたとき、穏便にすませるための上手な対処方法」、どうしても会社が辞めさせてくれなそうな人は「【状況別】辞めさせてくれない会社を辞める方法」も参考にしてみてください。

労働者は法律でしっかりと守られているので、辞めたいのに辞められないということはありません。ポイントをしっかり押さえて、安心して転職活動、退職交渉を進めてください。

まとめ

スムーズな会社の辞め方、退職理由の例や伝え方、トラブル事例を見てきましたが、みなさんの疑問や不安は払拭されましたか。

「退職したいけど怖くて一歩踏み出せない」と考えている人もいるかもしれませんが、すべての人には職業選択の自由が憲法で認められています。ぜひ勇気を持って踏み出してみてください。

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