選び方・答え方も解説 面接での「座右の銘」おすすめ15選

面接で「あなたの座右の銘は何ですか?」と聞かれることがあります。おすすめの座右の銘や、選び方・答え方について解説します。

〈注意〉

厚生労働省のガイドラインによると、「座右の銘」に関する質問は就職差別につながる恐れがあり、本来聞いてはいけない不適切な質問に該当する可能性があります。

ただし実態として、その認識なく聞いてしまう面接官もいるでしょう。

その際、面接の場であることを考えると「その質問には答えられません」などとストレートに伝えるのも現実的ではありません。万が一聞かれてしまったときのために、念のため回答を準備しておくのが無難でしょう。

※詳しくはこちら

座右の銘とは?面接官が聞く意図

そもそも座右の銘とはどういう意味で、面接官はなぜ座右の銘を聞くのでしょうか。

座右の銘とは、
心に留めている大切な言葉

座右の銘とは、自分への励ましや戒めのために、日頃から心に留めておく言葉や格言を指します。

座右は「座った時のかたわらなど身近な場所」を指し、銘は「金属や石碑に名前や功績を刻んだもの」という意味があります。

具体的には「継続は力なり」「有言実行」「天才とは努力する凡人のことである」など、ことわざや四字熟語の他、偉人や著名人の名言などが挙げられます。

詳しい例文は「面接で答えるおすすめの座右の銘15選」で紹介します。

面接官が座右の銘を聞く意図

面接官は座右の銘から、応募者の個性や人柄、仕事をする上での行動規範を見ています。

座右の銘は無意識のうちに日頃のあらゆる行動に影響していることが多いため、応募者が何を大切にしているのかどのようなところに決断の軸を持っているのか知ることができます。

例えば座右の銘が「継続は力なり」であれば、面接官は応募者に対して、目標を達成するためにこつこつと努力を積み重ねることができるタイプという印象を受けます。

面接で答えるおすすめの座右の銘15選

ここでは、面接で答えるべきおすすめの座右の銘を、ことわざ・四字熟語・偉人の名言に分けて紹介します。

【ことわざ】座右の銘5選

ことわざは教訓や知識などを含んだ簡潔な慣用句で、普段の生活や仕事において参考になるものが多いため、座右の銘として選びやすいでしょう。

面接でアピールしたいことにマッチしているものを選びましょう。

  • 継続は力なり
    …地道に成果を積み重ねていけば、いずれは目標を達成できる
  • 初心忘るべからず
    …物事に慣れてくると慢心することがあるが、始めた時の新鮮で謙虚な志を忘れてはいけない
  • 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
    …知らないことを聞くことはその時だけ恥ずかしいが、聞かずに知らないまま過ごすと一生恥ずかしい思いをする
  • 井の中の蛙大海を知らず
    …自分の周りだけの狭い価値観だけにとらわれて、多様な事実、考え方があることを知らない
  • 艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)
    …人間は苦労・困難を乗り越えることによって立派な人物になる

「初心忘るべからず」の例文

私の座右の銘は「初心忘るべからず」です。何事においても、始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを持ち続けていなければならないという意味のことわざです。

このことわざを選んだ理由は、学生時代の部活の体験から、初心を忘れずにいれば何事も楽しめると学んだからです。

私は小学生の頃からバスケットボールをやっていましたが、周りは初心者ばかりで慢心していた時期がありました。

そのせいでチームメイトとうまく連携が取れず、だんだんと楽しくなくなりました。

その時、コーチに「バスケを始めた時のことを思い出せ」と言われ、バスケを始めたばかりの自分がうまくできずにいた時に、チームメイトが優しく教えてくれたり、失敗を笑ってくれたりしたことを思い出し、自分も相手の気持ちに寄り添うコミュニケーションができるようになりました。

それからはどんなことでも「初心を忘れないこと」を肝に銘じています。働き始めてからも、何事も初めての経験になるので、その感覚を決して忘れずに楽しめる人でありたいです。

【四字熟語】座右の銘5選

四字熟語は大切なことを短く的確に表現している言葉なので、座右の銘におすすめです。自分の人柄や個性をアピールするためにおすすめの四字熟語は、以下の通りです。

  • 有言実行(ゆうげんじっこう)
    …口に出して言葉にしたことは、何がなんでも成し遂げるということ
  • 粉骨砕身(ふんこつさいしん)
    …身を粉にして力の限りを尽くし努力すること
  • 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
    …目的を成し遂げるため成功を期待して苦労に耐えること
  • 常在戦場(じょうざいせんじょう)
    …常に戦場にいるかのように心構えをしておくこと
  • 質実剛健(しつじつごうけん)
    …飾り気がなく真面目で、強くしっかりしていること

「臥薪嘗胆」の例文

私の座右の銘は「臥薪嘗胆」という四字熟語です。

目的を成し遂げるために、成功を期待して苦労に耐えるという意味です。

これを座右の銘にしている理由は、目標とその先にある成功に向けて苦労を重ねれば、かならず達成できるということを私は人生で2度経験できたからです。

私は大学入試に失敗し、1年浪人しました。なかなか上がらない成績に苦労しましたが、「病気で悩んでいる人を助けたい」という思いを胸に、毎日真面目に勉強しました。

そのかいもあってか志望校に合格し、大学4年間もその目標を持って研究を続け、自分の成果を学会で認めてもらうことができました。

こうした成功体験から、目標や夢のために努力することをポジティブに捉えられるようになりました。仕事をする上でも、努力を厭わず成長していきたいと思っています。

【偉人の名言】座右の銘5選

歴史的に大きな功績を残した偉人の言葉は、その人の主義主張や人生観を表しているため、自分の価値観を伝える座右の銘としてはうってつけです。

座右の銘にするべき偉人の名言を5つ紹介します。

  • 為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり(上杉鷹山)
    …できそうもないことでも、その気になってやり通せばできるということ
  • もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である(渋沢栄一)
    …現状に満足した時点でその人は衰退していくので、生涯を通じて成長・改善のために学び続けるべきだということ
  • 暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい(マザー・テレサ)
    …文句や不満を言うよりも、まず先に自分が行動して現状を打破するべきだということ
  • 生きるとは呼吸することではない、行動することだ(ルソー)
    …だらだらと毎日を過ごすのではなく、何かしらの目的をもって日々行動するべきだということ
  • 天才とは努力する凡才のことである(アインシュタイン)
    …生まれつき頭が良くてなんでもできる人が存在するわけではなく、努力し続けることで成長し結果が生まれ、それを継続できる人こそ天才と呼ぶということ

ルソーの「生きるとは呼吸することではない、行動することだ」の例文

私はフランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーの「生きるとは呼吸することではない、行動することだ」という言葉を座右の銘にしています。

なぜなら、自分の好きなことのために行動することは、生きていく上で非常に有意義なことだと学んだ経験があるからです。

私は幼少期、何に対しても意欲がわかず、塾も習い事も長続きしませんでした。

しかし中学生の頃、両親に初めてキャンプに連れていってもらい、そこでのテント設営や食料の確保などを任せてもらったことで、自分の頭で考え能動的に動く楽しさに気づくことができました。

好きなこと・楽しいことのために積極的に活動している今は、毎日がとても充実しています。仕事をする上でも主体性を忘れず、自分から行動を起こす人でありたいです。

コラム:座右の銘が選べるおすすめ書籍

自分の人柄や価値観をアピールできる座右の銘を見つけるのに役立つ書籍を2冊紹介します。

「必ず感動する言葉が見つかる座右の銘2000」(2015年・幸運社)

世界中のさまざまな分野の偉人たちが残した2,000の言葉を集めたものです。

「落ち込みそうになったとき」「生き方に迷ったとき」などの場面ごとに分かれていて、自分がどのような言葉を求めているかによって選べるため、心に響く座右の銘を決められます。

「必ず感動する言葉が見つかる座右の銘2000」 幸運社:文庫 | KADOKAWA 

「人生の教養が身につく名言集」(2020年・三笠書房)

「教養は人生をより楽しんで生きるためのもので、名言はその教養を象徴化したもの」という筆者の主張のもと、教養あふれる偉人の名言をたくさん紹介しています。

時代背景や人物像の詳細なわかりやすい説明があるので、知らない人の名言でもきちんと納得して学べます。

「人生の教養が身につく名言集」三笠書房

座右の銘の選び方・答え方

面接準備でいきなり座右の銘を選ぼうと思っても、数ある中から自分を表すものを一つ選ぶのは難しいことでしょう。

どのような言葉を選べばいいのか、面接でどのように答えればいいのか、ポイントを3つ解説します。

  • 企業理念とかけ離れたものは選ばない
  • 自分の経験や性格に紐付くものを選ぶ
  • 「座右の銘→理由」の順で話す

企業理念とかけ離れたものは選ばない

企業理念や方針に反している座右の銘はNGです。

採用面接の場で答える座右の銘は「企業と応募者の価値観がマッチしているか」の判断材料になるため、企業理念と異なる方向性の言葉は選ばないようにしましょう。

例えば、チームワークを大切にしている企業で「個人プレーを大切にする」などの意味を持つ座右の銘を伝えると、心証が悪くなってしまいます。

事前にどういった人柄・価値観の人が求められているのか、企業研究をしてそれに合うものをピックアップしておきましょう。

自分の経験や性格に紐付くものを選ぶ

座右の銘は、自分の体験談や個人的なエピソードに紐付けられるものを選びましょう。

自分の人柄・価値観のアピールに説得力が増します。

単に「言葉の響きがかっこいいから」「有名だから」という理由では、面接官に人物像を正しく伝えることができません。

人柄や価値観に一貫性を出すために、自分の過去の経験や性格から裏付けられている座右の銘を選ぶようにしましょう

「座右の銘→理由」の順で話す

答える時は、最初に結論である座右の銘を伝えてから、その座右の銘を選んだ理由や経緯を話しましょう

先にエピソードから話し始めると、だらだらと長く話している印象を持たれる可能性があります。

面接で答える時の構成は、以下の通りです。

結論:「私の座右の銘は◯◯です。~~という意味の言葉です」

理由:「~~ということがあったから選びました」

今後の抱負:「これからの会社生活においても~~な場面で、この言葉を大切にしていきたいです」

大切にしている座右の銘を、志望先の会社での仕事ぶりに生かすつもりだという今後の抱負も加えると、前向きな姿勢に好印象を持ってもらえるでしょう。

その他の質問やマナーも要チェック

面接では「座右の銘」以外にも、志望動機長所・短所など、さまざまな質問がされます。その他のよくある質問と回答例について、下記の記事にまるっとまとめました。ぜひご確認ください。

また、面接当日のマナーについてもあわせてチェックしておくと安心です。

〈不適切な質問について〉

厚生労働省のガイドラインによると、「座右の銘」に関する質問は就職差別につながる恐れがあり、本来聞いてはいけない不適切な質問に該当する可能性があります。

厚生労働省は就職の機会均等を確保するため、応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考を実施するよう、事業主に求めています。

厚生労働省による採用選考に関する指針「公正な採用選考の基本」の中では「応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しない」ことが基本方針とされており、出生地や家庭環境、宗教や支持政党、思想や生活信条などの内容を履歴書に記入するよう求めたり、面接で質問したりしないよう注意喚起されています。

詳しくは、厚生労働省や労働局のホームページをご確認ください。

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