資格なしの場合はどうする? 【転職で有利な資格】おすすめ15選

転職に有利になる資格は何でしょうか?

「取得するならどの資格にチャレンジすればよいか」、「そもそも転職のために資格をとるべきか」など解説します。

どんな仕事にも役立つ!転職に有利な資格

30代40代といった年齢を問わず、幅広い仕事への転職を有利にする資格をご紹介します。

今の職種でキャリアアップするのか、今とは異なる業界・企業に転職するか定まっていないけれど、資格を取得しておきたい方にもおすすめです。

1ITパスポート試験

ITパスポートとは、ITに関する基礎知識が証明できる国家資格で、以下の3分野から構成されています。

  • 経営戦略(ストラテジ系)
  • IT管理(マネジメント系)
  • IT技術(テクノロジ系)

ITに関する知識だけでなく、経営戦略やマーケティング、財務会計、法務など経営に関わる基礎知識も学ぶことができます。

転職の資格としておすすめな理由

営業系・事務系・技術系・文系・理系を問わず、どんな仕事でも『IT力』は必要不可欠です。

その力を客観的に示せるこの資格を得ることで、転職希望先の企業にあなたの『IT力』をアピールすることができます。最近では、この資格を社内研修に取り入れたり、社員に勧める企業も増えてきています。

・勉強期間:約3~5ヶ月
・受験料:5,700円

※詳しくは→ITパスポート試験|情報処理推進機構(IPA)

2MOS

MOSとは、Microsoft Office Specialistの略称で、ワードやエクセル、パワーポイントといったマイクロソフトオフィス製品の活用スキルを証明する資格です。

転職の資格としておすすめな理由

マイクロソフトオフィス製品の活用スキルは、どんな職種でもほぼ必ず求められる力です。

この資格を持っていることで、企業側にワード・エクセル等の活用スキルを客観的に証明することができます。

  • 勉強期間:約1~2ヶ月
  • 受験料:
    <バージョン『MOS 2016』、『MOS 2010』共通>
    1)スペシャリスト(一般)レベル:10,780円
    2)エキスパート(上級)レベル:12,980円
    <バージョン『MOS 2013』>
    1)スペシャリスト(一般)レベル:10,780円
    2)エキスパート(上級)レベル:part1:10,780円/part2:10,780円
    ※『MOS 2013』エキスパートレベルは、Part1・Part2の2科目に合格すると認定証が発行されます。

※詳しくは→MOS公式サイト|株式会社オデッセイコミュニケーションズ

3日商簿記検定

日商簿記検定は、日本商工会議所・各地商工会議所が実施する検定の中で、簿記に関する知識・技能を検定する資格です。原価計算初級・簿記初級・1級・2級・3級に分かれています。

転職の資格としておすすめな理由

お金の動きを把握する力は、管理職や経理はもちろん、営業でも求められ、業界・職種を問わず幅広く活かすことができます。また、日商簿記検定は、会計知識の基礎になるものです。

今後キャリアアップしたい方は、簿記の知識を身につけておくことで公認会計士や税理士、中小企業診断士など多種多様な資格取得に有利になります。

簿記3級は『簿記の基礎知識がある』レベル、簿記2級は『企業の財務担当者として必要な知識があり、株式会社の経営管理に役立つ』レベルとして企業から認識されるため、管理職や経理を目指す方は2級を取得しておくことをおすすめします。

  • 勉強期間:
    1級:5ヶ月以上
    2級:約3~4ヶ月
    3級:約1~2ヶ月
  • 受験料:
    1級:7,850円
    2級:4,720円
    3級:2,850円

※詳しくは→日商簿記検定試験|日本商工会議所・各地商工会議所

4中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルタントに関する国家資格です。

ビジネスに役立つ知識を幅広く学ぶことができるので業界・職種を問わずキャリアアップしたい方・管理職につきたい方に適した資格といえます。

転職の資格としておすすめな理由

この資格を持っていることで経済学・経営学・財務・法務・IT・サプライチェーンマネジメント等の運営管理など、ビジネスで必要となる幅広い知識を身につけていることを企業側にアピールできます。

企業側も資格取得の難易度が高く、勉強期間も1年以上かかる場合が多いと認識しているため、この資格を取得すればお祝い金や資格手当を出してくれる企業もあります。

また、管理職につくためにこの資格の取得を求める企業も増えています。

  • 勉強期間:約14ヶ月
  • 受験料:
    1次試験:13,000円
    2次試験:17,200円

※詳しくは→中小企業診断士試験|一般社団法人中小企業診断協会

5普通自動車運転免許

普通自動車免許は働く上で持っておいたほうがよいでしょう。

特に、営業など外回りが多い仕事では、車でしか行けない場所に行ったり、営業先に試作品を持っていったり、車を使うシチュエーションがありえます。

車通勤が当たり前といった地域に転勤する可能性もあり、普通自動車運転免許を持っていないと、転職する上で不利になることもあります。

6TOEIC

TOEICは資格ではありませんが、転職に役立つ試験です。グローバル化が進み、多くの仕事で英語を使用するシーンが増えています。

今後英語力を求める企業はさらに増加すると予想され、TOEICで高得点を得ておくことで仕事で転職に有利になる可能性があります。

企業が求めるTOEICの最低ラインは600点が相場のようです。外資系企業や国際部門で働きたい場合は、800点は求められます

※詳しくはこちら→何点から履歴書に書いていい?TOEICのスコアの書き方

【業界・職種別】転職に有利になる資格

つぎに、特定の業界・職種の転職に有利になる資格をご紹介します。

▼【業界・職種別】転職に有利になる資格

<不動産業界>
宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)
管理業務主任者
<金融業界>
ファイナンシャルプランナー(FP)
証券アナリスト
<IT業界>
基本情報技術者
CCNP(Cisco Certified Network Professional)
LPIC(Linux Professional Institute)
<医療系事務職>
医療事務検定
調剤事務管理士

不動産業界

1宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)

宅地建物取引士は、宅地または建物の売買、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項の説明などを宅地建物取引業者(いわゆる不動産会社)に対して行う国家資格です。

毎年20万人以上が応募する人気資格で、”宅建”という略称で親しまれています。2014年6月18日に正式名称が” 宅地建物取引主任者”から”宅地建物取引士”に変更されました。

転職に役立つ理由

不動産業界や、不動産を担保に融資を行う際、宅地・建物の評価をする必要がある銀行や保険、証券会社など、金融業界でもこの資格を活用できます。

不動産の売買・貸借の代理・仲介などの仕事では、宅建の知識が必要です。そのため不動産業界で働く方は取得していて当たり前の資格

不動産業界の中でも宅建業者※は、従業員5名に1名以上は専任の”宅地建物取引士”を置かなければならないため、不動産業界に進みたい方はこの資格を取得しておくと転職で有利になる可能性が高いでしょう。

  • 勉強期間:約6ヶ月
  • 受験料:7,000円

※詳しくは→宅地建物取引士資格試験|一般財団法人不動産適正取引推進機構

2管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理会社の従業員として、以下のような業務を行います。

  • 管理の前提となる管理委託契約の重要事項の説明
  • 管理委託契約書への記名押印
  • 組合に対して受託した管理状況の確認・報告

転職に役立つ理由

この資格には、この資格を持っている人のみ行える独占業務があります。「管理契約書の重要事項の説明・記名押印・管理事務の報告」が独占業務事項に該当します。

また、マンション管理会社では、管理業務主任者を一定数配置しなければいけない決まりがあるため、この資格を持っていることでマンション管理会社への転職に有利になります。

  • 勉強期間:約3ヶ月
  • 受験料:8,900円

※詳しくは→管理業務主任者試験|一般社団法人マンション管理業務協会

金融業界

1ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーは、子どものいる家庭や学生、シングルマザー、定年を迎えて現在働いていない方など幅広い層に対して、それぞれが叶えたい未来を実現するためのライフプラン(生活設計)のアドバイスをします。

ファイナンシャルプランナーは、習得する知識のレベルに応じて、1級・2級・3級にわかれています。

3級:年金の運用をどうすればいいのか、マイホームを購入するためにどのような住宅ローンに入るべきか、など日々生活する上で必要となる知識を学べます。

2級:個人の資金・資産全体を考え、コンサルティングできるレベルの知識を学べます。銀行や保険会社、証券会社などの金融機関や不動産会社では、このレベルの知識が求められます。

1級:起業できるレベルの知識を学べます。お金のスペシャリストとして、知識だけでなく、高いレベルのコンサルティング能力やプランニング能力が求められます。

転職に役立つ理由

ライフプランに必要な保険や年金、資産運用、税金など金融・不動産関連の知識を学ぶため、ファイナンシャルプランナーの資格は金融業界でも不動産業界で評価されています。転職にも有利になると言えるでしょう。

現在は消費税増税の影響や米中の貿易状況の悪化、オリンピック後の景気不透明さなどの理由で、家計を節約したいというニーズが高まっています。

このような状況において資産の運用などのアドバイスができるファイナンシャルプランナーの重要性は増しており、この資格をとることで年収がアップすることもあります。

  • 勉強期間:約6ヶ月
  • 受験料:
    1級:20,000円
    2級 学科試験:4,200円/実技試験:4,500円
    3級 学科試験:3,000円/実技試験:3,000円

※詳しくは→FP技能検定|日本FP協会

2証券アナリスト

証券アナリスト資格は、日本証券アナリスト協会が認定する民間資格。

各種証券投資情報の分析と投資価値評価、投資助言や投資管理において 高度な知識を持つ者であることを証明する資格です。

転職に役立つ理由

証券アナリストの知識は証券会社、銀行、信託銀行や保険会社など金融業界全般で活用でき、職種もファンドマネージャーやリサーチアナリストなど、様々な形に活かすことができます。

また、この資格を取得するためには約2年間の勉強が必要であり、高度な知識を求められる難易度の高い資格と、企業側も認識しているため、「本気で金融業界の知識を身につけるために勉強してきたんだな」と評価してもらえるでしょう。

  • 勉強期間:約2年間
  • 受験料:
    1次試験:経済3,200円/財務分析3,200円/証券分析・ポートフォリオマネジメント6,300円
    2次試験:8,400円

※詳しくは→証券アナリスト(CMA)|公益社団法人日本証券アナリスト協会
※金融業界に有利な資格→金融業界の転職に有利な資格12選

IT業界

1基本情報技術者

基本情報技術者は、情報処理技術者として知識・技能が一定以上の水準であると認定する国家試験です。情報処理の資格として最も基本的な資格と言えるでしょう。

情報技術の原理や基礎知識・技能を総合的に評価する試験であり、ITに関わる人ならどんな人でも活用できます。

転職に役立つ理由

ITの知識や技術力を評価する指標として幅広く認知されているため、技術力の証明になります。

また、合格者に資格手当や一時金などの報奨を渡している企業や、採用の際に資格の有無を考慮する企業もあります。

  • 勉強期間:約3~6ヶ月
  • 受験料:5,700円

※詳しくは→基本情報技術者|情報処理推進機構

2CCNA(Cisco Certified Network Associate)

CCNAは、世界最大級のネットワーク機器メーカーであるシスコステムズ社の認定資格です。

CCNAを取得することで、ネットワーク機器マーケットで圧倒的なシェアのCiscoルータ、Catalystスイッチやネットワーク技術の基礎力を証明することができます。

転職に役立つ理由

CCNAは業界最大手のシスコシステムズ社が認定する資格なので、他のベンダー資格よりも転職市場からの評価が高くなっています

この資格があることでネットワークの基礎知識を習得しているとアピールできるため、実務経験がない方でも転職で有利になると考えられます。(2020年から難易度・受験料などが改定される予定)

  • 勉強期間:約1~3ヶ月
  • 受験料:33,600円

※詳しくは→CCNA|シスコシステムズ合同会社

3LPIC(Linux Professional Institute)

LPIC(エルピック)はLinuxの技術力を客観的に評価する資格。世界180カ国以上、50万人以上が受験している人気のIT資格です。

この資格は、LPIC-1 ・LPIC-2・LPIC-3と3段階にレベルがわかれています。「未経験からIT業界にチャレンジしたい」「この資格をとって転職をしたい」「派遣から正社員になりたい」など、自分のレベルに合わせて受験できます。

転職に役立つ理由

Linuxは日本で約7割の企業が導入しているOS(Operation System)です。そのためIT業界ではLinux技術者が求められていますが、現状不足しているのが実態です。

多くの企業で人事制度の評価ポイントにも採用し、この資格を取得することで昇給・昇格する方もいます。企業側から評価されている資格のため、転職の際にも有利に働くでしょう。

  • 勉強期間:
    LPIC-1:約1~3ヶ月
    LPIC-2:約3~6ヶ月
    LPIC-3:約6ヶ月~1年
  • 受験料:15,000円+税(共通)

※詳しくは→Linux Professional lnstitute|LPl日本支部

医療系事務職

1医療事務検定

医療事務は、医療施設の受付や会計の仕事をするときに役立つ、女性に人気の資格です。

仕事内容としては、初診や再診の受付対応、保険証情報等の入力、患者への病院の案内やカルテの作成などを行います。

転職に役立つ理由

医療事務は、資格必須の仕事ではないものの、この資格を持っていることで、医療事務に必要な知識を有していることが証明できます。

そのため、医療事務として転職する場合に有利と言えるでしょう。

  • 勉強期間:約3ヶ月
  • 受験料:7,000円+税

※詳しくは→医療事務検定試験|日本医療事務協会

他にも、医療施設の事務職として働くために役立つ類似の資格がいくつかあります。2つ例をあげますので参考にしてください。

2調剤事務管理士

調剤事務管理士は、保険調剤薬局で薬剤師のサポートをする事務職の民間資格です。例えば、受付業務では、処方せんの受付や会計、保険請求分のレセプト(診療報酬明細書)作成等、事務全般を担当します。

患者さんに対する接遇力とともに処方せんの内容をきちんと理解し、調剤に要した費用(調剤報酬)を計算する知識とレセプト作成のスキルが求められます。

また、『医療事務』と同様に調剤薬局が全国各地にあるため、引越しをした際にも転職しやすい点が魅力です。

転職に役立つ理由

「医薬分業」の動きにより、調剤薬局が増えこの資格が注目を集めています。

薬剤師のサポート・患者さんへの接客をする仕事には、薬剤や医療保険制度の知識が求められ、この資格はその知識を証明できるため、転職で有利になります。

  • 勉強期間:約4ヶ月
  • 受験料:6,500円

※詳しくは→調剤事務管理士技能認定試験|JSMA 技能認定振興協会

他にも、保険調剤薬局で働くために役立つ類似の資格がいくつかあります。2つ例をあげますので参考にしてください。

転職に資格の取得が必須な職種

資格を持っていないと転職できない職種もあります。

下記に資格必須職種の一例を挙げるので、転職を検討している場合は資格内容を調べてみてください。

高い専門知識が求められる職種

法律・会計・税などの専門領域において高い知識が求められる職種は資格必須です。

▼資格必須職種(一例

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 司法書士

危険がともなう職種

危険がともなう職種は仕事をする上で危険を回避する専門知識・実技(スキル)が求められます。

▼資格必須職種(一例)

  • 危険物取扱者
  • パイロット

医療系職種

医療系職種医療は命を扱う仕事ですので、専門知識・実技(スキル)が求められます。そのため下記のような資格が必須な職種が多いです。

▼資格必須職種(一例)

  • 医師
  • 看護師
  • 薬剤師
  • 臨床検査技師
  • 管理栄養士

建設系職種

建設系の職種は、安全管理やビルメンテナンスが重要な仕事です。設計・施工・管理のフェーズごとに専門知識・スキルが必要になります。

▼資格必須職種(一例)

  • 建築士
  • 監理技術者
  • 施工管理技士
  • 電気主任技術

コラム:資格なしだと転職しにくい?

転職に資格は必須ではなく、資格なしでも転職できます。

ただし、資格を取得することで下記のような効果があるため、転職に有利になることもあります。

  • 資格がその仕事と関係が深い場合、実績に箔をつけることができる
  • 資格は習熟度の証明になるので、浅い経験を資格の権威付けでカバーできる
  • 職務経歴書でスキルの客観的な評価が伝わりにくい場合の証明になる

また、中には資格の有無を求人の応募条件にしている企業もあります。

例えば、大手企業の場合、連結決算があるので経理なら『日商簿記2級』は持っていないと厳しいと判断されてしまったり、製薬業界のMR(医薬情報担当者)であれば、現在多くの現役MRの多くが取得している『MR資格』が応募条件の必須項目となっていることもあります。

転職したい業界や職種が決まっている場合は、資格があったほうが有利かどうかや必須資格がないか、調べてみると良いでしょう。

まとめ

転職に資格は必須ではありませんが、資格を取得することで転職に役立てる、転職活動が有利になることもあります。

あなたのキャリアプラン・ライフプランに合わせて、資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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