違法じゃないの? 面接で家族構成を聞かれたときの答え方

採用面接では家族構成について聞かれる場合があります。家庭の事情は人それぞれ。初対面の相手には話しづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

家族構成を聞く企業の意図や、答え方を解説します。

面接で家族構成を聞くのは違法じゃないの?

違法ではないが禁止されている

面接で家族構成について聞くことは違法ではないものの、厚生労働省から禁止されています

そもそも法律上、企業は採用試験応募者の個人情報を必要以上に集めてはいけないとされています(職業安定法第5条の4)。

これに関連して厚生労働省が定めた「公正な採用選考の基本」では、家族に関することを面接で聞いたり応募用紙に書かせたりすることを禁止しています

※参考:公正な採用選考の基本|厚生労働省

禁止されている理由とは?

面接で家族に関する質問が禁止されている理由は、就職差別につながる可能性があるからです。

例えば「母子家庭だから不安」「一人っ子だから協調性がなさそう」と勝手なイメージで不採用にされたら納得できませんよね。

家族構成は仕事の適性や本人の能力とは関係がなく、自分では変えることもできません

応募者の努力や意志によって変えることができない事柄が採用・不採用の判断材料にされないよう、家族構成の質問は禁止されているのです。

面接で家族構成について聞かれる理由は?

家族構成についての質問は禁止されているにもかかわらず、今も面接でされることがあります。

面接官が家族構成について聞く理由・背景は下記の3つが考えられます。

【面接官が家族構成を聞く3つの理由】 (1)緊張をほぐすため (2)給食や早期離職のリスクを探るため (3)信用できる人物かどうかを探るため

緊張をほぐすため 

家族構成を聞く理由としてよくあるのが、応募者の緊張をほぐすためのアイスブレイクと考えているケースです。面接官自身にタブーの意識はなく、身近な話題だからとうっかり質問してしまうのです。

こういったケースでは、家族構成を採用の判断材料にしようという意図はないことが多く、選考にはあまり影響しません。

休職や早期離職のリスクを探るため

家庭の事情で休職や早期離職をしないか、残業や休日出勤、転勤にも対応できるかを探るために、家族構成について質問する面接官も少なくありません。

企業側には「できるだけ長く働ける人を採用したい」という思惑があるため、幼い子どもや高齢の親がいるだけで、休職や退職のリスクがあると捉えられる可能性があります。

そのため、家族構成だけでなく、家族の年齢や健康状態、職業、出身地といったプライバシーに関わることまで知りたがる企業もあるのが実態です。 

信用できる人物かどうかを探るため

信頼して仕事を任せられる人物か判断するために、家族について質問する場合もあります。

例えば、家族が同業他社に勤めているだけで「会社の機密情報を漏らすのでは」と疑われる可能性もあります。

また、勤務中に重大なミスを犯した際に賠償金を支払う能力があるか、家族の収入や経済状況で判断する企業もあります

ただし、実際に労働者個人が賠償金を請求されるケースはほとんどないでしょう。

※参考:採用と人権|東京都産業労働局

面接で家族構成を聞かれた時の答え方

禁止されているものの、実際に面接で家族構成を聞かれたら、どのように答えたら良いのでしょうか。

差し支えない範囲で答えるのが無難

面接で家族構成を聞かれた場合、差し支えない範囲で答えるのが無難でしょう。

本来は禁止されている質問とはいえ「禁止されている質問なので答えたくありません」などとキッパリ断ってしまうと、印象が悪くなってしまうのも事実です。

家族構成は単に面接のアイスブレイクとして聞かれることも多いため、受け答えがスムーズにできれば詳細を語る必要はありません。以下のようにシンプルに答えましょう。

回答例

  • 4人家族です。
  • 父と母、兄の4人家族です。
  • 妻と子ども2人の4人家族です。

その上で、家族の年齢や職業などの踏み込んだ質問をされた場合は、相手の意図をくみ取って回答しましょう。

例えば、家族一人ひとりの職業や勤務先、職種などを根掘り葉掘り聞かれる場合は、同業他社に勤めているかを知りたいのだと推測できます。

答えると不利になりそうな場合や、詳しく教えたくない場合は「会社員をしています」と曖昧に答えても構いません。

どうしても答えたくない時は丁寧に断る

家族構成についてどうしても答えたくないときは、印象が悪くならないよう丁寧に断りましょう。また、質問の意図を聞いてみて、可能な範囲で回答するのも1つの手段です。

回答例

  • 大変申し訳ないのですが、プライバシーに関わるため回答は控えさせていただきます。
  • プライバシーに関わるため可能な範囲でお答えしたいのですが、ご質問の意図を教えていただけますか。

嘘をつくのはNG

家族構成について話したくないからといって、嘘をつくのはやめましょう

特に扶養家族の情報は、入社後に提出する「源泉徴収票」などの書類に記載されるため、ごまかすことができません。

嘘がばれると信用をなくしてしまい、せっかく内定したのに働きづらくなってしまいます。

その他の質問やマナーも要チェック

家族構成を聞くのはタブーですが、面接では他にも志望動機長所・短所など、さまざまな質問がされます。その他のよくある質問と回答例について、下記の記事にまるっとまとめました。ぜひご確認ください。

また、面接当日のマナーについてもあわせてチェックしておくと安心です。

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