プロに聞いた転職のコツも紹介 年収を上げる方法

年収を上げるための4つの方法を解説します。また、実際に年収を上げた2人の体験談と、転職アドバイザーに聞いた年収を上げるコツも紹介します。

年収を上げる4つの方法

年収を上げるには、一般的には大きく4つの方法があると言われています。

【年収を上げる4つの方法】 昇進/転職/副業/投資

昇進

【2019年役職別平均年収(企業規模100人以上)】(30代前半/20代前半): <非役職>492万円/434万円 <係長級>607万円/503万円 <課長級>760万円/618万円 <部長級>773万円/655万円

※出典:賃金構造基本統計調査|e-Stat政府統計の総合窓口

昇進することで、今いる会社でも年収を上げることができます

給与テーブルは会社によって異なりますが、非役職から係長級に昇進した場合、20代後半で平均75万円、30代前半では平均115万円、年収を上げることができます(2019年 厚生労働省調べ)。

昇進は、会社を辞めるなどリスクを取らずに年収を上げることができますが、依然として年功序列の傾向が強い日本企業では、他の方法より比較的時間がかかるでしょう。

転職

転職者全体の年収が上ったか下がったかを表す円グラフ。

※参考:平成27年転職者実態調査の概況|厚生労働省

転職によって年収がグッと上がったという人もいます

2015年の厚生労働省の調査では、転職で年収が上がった人は全体の約4割にのぼります。

同じポジションでも大企業のほうが年収が高かったり、転職先で自分の持っているスキルが現職以上に評価されたりすることが、主な要因として挙げられます。

ただ、現職で相場以上の年収を稼いでいる場合や、未経験分野への転職、より高度なスキルや希少な知識を求められる30代後半~40代の転職などでは、年収が下がってしまうこともあります。

※詳しくは→転職で年収アップする人、しない人

副業

サラリーマン収入とは別に副業で稼ぐことで、年収を上げることができます

例えば、クラウドソーシングの受注などは、現職のスキルを活かしてお金を稼げる上に、独立の足がかりとすることもできるでしょう。

はじめは安い受注金額でも、件数を多くこなすことでスキルが身につき、徐々に上がっていく場合も。副業が軌道に乗り、安定して稼げるようになれば、独立してさらに年収を上げられる可能性もあります

ただし、副業禁止の会社で副業すると懲戒解雇になる恐れもある点、初心者がすぐにまとまったお金を稼ぐのは難しい点には注意が必要です。

※詳しくは→正社員でも副業はOK?

投資

投資でお金を増やすことで、年収を上げることもできます

今まで貯蓄していたお金の一部を、投資信託や株式購入などで運用して増やすという方法です。LINE証券など、スマホのアプリでできる初心者向けの少額投資や、ローリスクローリターンのプランを用意している投資信託もあります。

投資した額よりも減ってしまう「元本割れ」のリスク、投資についての知識をつける労力などがネックにはなりますが、労働以外の方法でお金が増やせる点は、魅力的だといえるでしょう。

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これら4つの方法の他にも、難易度は格段に上がりますが、独立や起業で年収をアップさせることもできます。

年収を上げた2人の体験談

実際に年収を上げることができた人は、どのような方法で年収をアップさせたのでしょうか。2人の経験者にお話を伺いました。

転職で年収450万円→700万円 Aさん(25歳男性)の場合

前職 現職
年収 450~500万円 700万円
業界 コンサルティング 美容医療
職種 WEBマーケティングのコンサル WEBマーケター
ポジション メンバー リーダー
企業規模 ~100人 約200人

2021年の1月に、今の会社に転職して年収が上がりました。

前職では1年ほど勤めていましたが、業務の専門性が高く、関われる領域の幅が狭かったことと、業務時間が長く体調を崩しかけていたことから、転職を決意しました。

年収にはあまりこだわらず、業務を通じて自分が希望しているキャリアを積めるかどうかを最も重視していましたね。

転職エージェントや就職支援サイトでも探しましたが、最終的にはプロフィールを見た企業から声をかけてもらう、スカウト方式で決まりました。職務経歴書に、実績だけでなくプロセスの中で試行錯誤したことまで細かく記入したのが、功を奏したと思っています。

現職はほぼ定時上がりなので、プライベートとのバランスも取れています。業務内容も思い描いていたとおりで、今後さらなるキャリアにつながっていく見込みも感じ、満足しています。

高い年収が提示されやすいスカウトという手段を使ったことに加え、平均年収が高い美容医療業界にリーダー職として採用されたことが、Aさんの年収アップの決め手でしょう。

また、仮説を立てて検証したり、結果を分析して施策を立てたりといった具体的なプロセスを、職務経歴書や面接で論理立てて説明したこともポイントです。

面接官に「自分の経験や能力を客観視できている=再現性があり、成果を期待できる」と感じさせることで、年収の高いポジションでの採用につながったと考えられます。

独立で年収400万円→500万円 Bさん(25歳男性)の場合

前職 現職
年収 400万円 500万円
業界 メーカー 映像・写真
職種 法人営業 ビデオグラファー

写真家

ポジション メンバー
企業規模 約3000人

2020年の5月に、2年間勤めていた前職を辞め、独立しました。今では会社員時代よりも年収がアップしています

前職のメーカーはなんとなく入社した会社で、やりたいことではなかったんです。2年間続けてみましたが、仕事にやりがいを見出せず、もともと興味があった映像関連の仕事で独立しようと考えました。

入社後1年半くらいから、働きながら独立に向けて動き出しました。実績がないとお仕事をいただけないので、最初は知り合いの飲食店や美容室などから営業をはじめ、無償で映像や写真を撮らせてもらっていました。帰宅後と休日の時間をフルに使って活動していましたね。

依頼をいただいた方に別のお客様を紹介してもらって制作、というサイクルを繰り返していたら、少しずつ有償の仕事が増えていきました。

3ヶ月くらい経ち、作品が5つほど溜まってから、ポートフォリオとなるホームページを自作しました。気軽に見てもらえるサイトがあることで、自分から営業をかけられるようにもなり、仕事の量もアップ。その後、安定してお仕事をいただけるようになったので、会社を辞めて独立しました。

プライベートと仕事の境目は薄くなりましたが、好きなことでお金をいただける上に、時間の使い方も働く場所も自分で決められるので、独立してよかったと思っています。

独立して働く上で難しいのは、実績のない時期に仕事をもらうことと、仕事を安定してもらい続けることの2点でしょう。

ただ、Bさんの場合、最初は無償でも、実績を作ってさらなるスキルを身につけ、顧客に満足してもらうことで次の仕事につなげていきました。このサイクルを回していったことで、徐々に安定して有償の依頼を受けられるようになったようです。

独立する場合は、勢いで会社を辞めて収入に困ることがないよう、働きながらスキルアップをしたのち退職したほうが得策でしょう。

転職のプロに聞く、年収が上がる転職のコツ

転職で年収を上げる方法や注意点について、キャリアアドバイザーの大熊氏にお話を伺いました。

株式会社クイックのキャリアアドバイザー、大熊文人氏の写真

大熊文人氏。転職支援を行うキャリアアドバイザー。豊富な支援実績から得た採用市場や業界の事情、転職活動の最適な進め方などのアドバイスを積極的に行い、4,000人以上の求職者の転職成功に貢献。

ずばり、転職で年収を上げられる人ってどんな人ですか?

転職で年収を上げられる人は、大きく4つのパターンにあてはまります。

【転職で年収が上がる4パターン】 (1)現職の年収が低い (2)平均年収が高い業界への転職(ex.半導体業界、IT業界、金融業界) (3)特定のスキルが必要な職種への転職 (4)給与テーブルが高い企業への転職

【1】は、業界・職種の水準と比較して年収が低い企業に勤めていることを指します。また、【2】や【4】のように、業界や企業によっても年収に差が出てきます

ちなみに企業ごとの給与テーブルは、なかなか一般の方では知り得ない情報なので、気になる場合は転職エージェントに聞いてみるのもいいでしょう。

逆に、転職で年収を上げづらい、もしくは下がってしまう人の特徴はありますか?

転職で年収が下がってしまう人は、以下の3つのパターンが多いでしょう。

 【転職で年収が下がる3パターン】 (1)給与テーブルが高い企業に勤めている (2)異業界や異職種へのチャレンジ (3)経験に一貫性がない(特定の分野での業務経験年数が浅い)

【3】については、例えば営業を1年、エンジニアを1年、事業企画を1年…など、キャリアチェンジを頻繁にしている場合です。それぞれの業務に対する専門性が足りないと判断され、市場価値は低くなりがちです。

様々な業種の経験を積むより、メインキャリアをひとつに絞ってレベルアップしていくほうが、高年収につながりやすいでしょう。

転職で年収を上げるために必要なことは何でしょうか。

転職先で活かせる自分のスキルと能力を明確に把握することです。

中途採用は即戦力、つまり「できるか、できないか」を最も重視されます。そのため、これまでの経験が志望先でどのように活かせるか、具体的に説明できなくてはなりません。

そもそもこれができていないと、面接を通過するのはかなり難しくなってしまいます。それは、面接官に下記のような印象を与えてしまうからです。

  • 能動性に欠ける。言われたことしかやっていない
  • 持っているスキルが仕事で活かせるように感じられない
  • うちの会社で何をやりたいのかが不明確

不採用にならないためには、どんなことをしたらよいでしょうか。

応募前に下記のような対策をするとよいでしょう。

【面接で不採用にならないようにやるべきこと】 (1)今までやってきたこと (2)その経過と成果 (3)今の自分ができること の3つを整理する →応募企業や職種についてよく調べ、自分の経験をどう活かせるのか考える →その会社でのキャリアアップのビジョンを立てる

以上のステップを踏み、自分のスキルや能力、ビジョンを整理し、明確に言葉にできるようにしておきましょう。

ちなみに、転職で即戦力を求められるのはいつ頃からでしょうか?

転職で即戦力を求められるようになるのは、たいてい20代後半から、つまり社会人歴4,5年程度以降です。そのくらいの年代になると、異業界・異職種の転職は難しくなってきます。

社会人歴3年未満はポテンシャル採用なので、意欲や熱意を重視されます。志望動機を明確に書けていれば、書類選考で落ちることは少ないでしょう。

転職で年収を上げるために、今すぐできることはありますか?

資格を取っておくのがおすすめです。どの資格を取るかは、自分のキャリアに合わせて選びましょう。

資格で証明できるスキルが少ない文系職は、語学力を磨くのがおすすめです。どんな職種でも、英語ができる人は重宝されます。大手だとTOEIC600700点以上とっていると、かなり良い評価を得られます。

一方、技術系の職種の場合は、その領域に特化した資格や、自分のキャリアにおいて必要な資格をとっておくと、経歴や技能により説得力が出ます。

転職回数は少ないほうがいいとよく言われますが、年収との関係はあるのでしょうか?

転職回数と年収に直接的な関係はありません

ただ、とりわけ日本の転職市場においては、転職回数が多いことが選考時にマイナスに捉えられることはよくあります。

転職回数に対する評価は、国によって考え方が異なります。韓国、アメリカでは転職回数が経験値としてプラスになることが多い一方、日本の企業は定着率を重視するため「転職回数が多い=すぐ辞めてしまうのでは?」とマイナス評価になるとされています。

不利に働く転職回数や在籍期間の基準はあるのでしょうか。

一般的な目安は、下記の通りです。

【転職で不利になる転職回数・在籍年数】 <転職回数> 20代/2回以上 |30代/3回以上 |40代/4回以上 <在籍年数> 2年以下

20代では2回以上、30代では3回以上、40代では4回以上転職していると、在籍期間関係なく「定着率」に懸念を持つ企業が多くなってきます。

また、年齢にかかわらず在籍年数が2年以下の経歴がある場合も、不信感につながる可能性は否めないでしょう。

ただ、業界や企業によるところも大きいので、これが絶対というわけではありません。

日本国内でも、転職回数にこだわらない企業や業界はありますか?

外資系企業やIT業界、ベンチャー企業は、転職回数におおらかな傾向にあります。転職回数よりも「できるか、できないか」を強く重視するからです。

また、日系企業でも、その人にしかできないような特殊な経験を求めている企業は、転職回数にこだわりません。

結局のところ、その会社がどんな人材を求めているかによる、といえるでしょう。

まとめ

年収を上げる方法は大きく4つ、昇進・転職・副業・投資です。どれも相応の労力がかかるので、年収を上げるのは簡単なことではありません。

スキルを磨き、希少性の高い人材になることで、おのずと年収が上がります。結局は今の会社で愚直にコツコツ積み重ねるのが、一番の近道なのかもしれません。

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