つらいときに考えてほしいこと 新入社員が「辞めたい」理由と退職のリアル
入社前に思い描いていた理想とは程遠い社会人生活を目の当たりにして、仕事を辞めたいと思っている新入社員の皆さん。悩んでいるのはあなただけではありません。
ここでは、2017年に入社した新入社員の皆さんが仕事を「辞めたい」と思う理由と、新入社員の退職の実情についてご紹介します。
【17入社】新入社員が「辞めたい」と思う7つの理由
2017年の春に晴れて新入社員となったものの、すでに「仕事辞めたい」と嘆いているみなさんの声を集めました。
仕事ができるようにならない / 上司や社風が理不尽 / 給料が少ない / 定時に帰れない / 配属先の希望が通らなかった / 入社前のイメージと違う / もっと休みたい
1 仕事ができるようにならない
◆毎月の売り上げが社内に貼り出されて、できる同期と比べられる。順位が低い月は特に辞めたくなる。(営業)
◆テレアポを断られすぎて、自分自身が否定されているような気持ちになってきた。電話をかけるのが怖くて仕事に行きたくない。(営業)
◆教えられたことが一度でできるようにならなくて、毎日失敗ばかり。休みの日も勉強漬けなのになかなか成長できないから、向いてないのかもしれない。(医療)
2 上司や社風が理不尽
◆直属の先輩が気分屋でやりにくい。機嫌が悪いときは、ミスをしなくても怒鳴られる。(運送)
◆始業は9時なのに、新入社員は7時半までに出社して掃除などの雑用をしなければならないという暗黙のルールがある。みんなでやればもっと短時間で済むはず。(製造)
◆「人件費削減」を掲げて人手不足の状態が続いているので、10連勤以上している。アルバイトが休めば社員が出勤しなければならないし、体力が持たない。(飲食)
3 給料が少ない
◆少ない給料から家賃の支払いや奨学金の返済をしなければならないので、お金が全然残らない。この生活が続くと思うと将来が不安。(エンジニア)
◆朝は食べずに出社して、昼はカップ麺、夜もカップ麺。コンビニ弁当さえ贅沢で、友達と飲みに行くようなお金はもちろんない。(製造)
◆店頭で着用する服は、全額自腹。社割はあるものの給料から天引きされているので、毎月給料日にがくぜんとする。(アパレル販売)
4 定時に帰れない
◆18時が定時なのに、仕事量が多すぎて毎日終電で帰宅。もっと給料が安くてもいいから、早く帰れる会社に就職すればよかった。(エンジニア)
◆自分の仕事が早く終わったとしても、周りが残業していると帰りづらい雰囲気。結局意味もなくだらだらと残っている。(事務)
5 配属先の希望が通らなかった
◆商品企画を希望していたのに、配属は店頭での接客。好成績を出せたら本部に異動できるとのことだけど、人と話すのは苦手だしやる気にならない。(販売)
◆配属地の希望が考慮されると聞いていたので、地元で働くつもりで入社。ところが、今まで行ったこともない県に配属された。友達がいなくて辛い。(金融)
6 入社前のイメージと違う
◆バリバリ働くぞ!と意気込んで入社したものの、コピー取りや資料作成などの雑用しか任されなくてやりがいがない。新入社員でも大きな仕事ができる会社に就職すればよかった。(企画)
◆かわいいと思っていた制服が似合わなくて、毎日憂鬱。人前に出たくない。(受付)
7 もっと休みたい
◆ゴールデンウィークもお盆も出勤で、年末年始も休みが取れなさそう。なかなか地元に帰れないので、実家が恋しい。(サービス)
◆仕事がシフト制で土日が休みの友達と遊べない上に、連休が取りにくいので旅行にも行けない。(販売)
◆毎晩遊んでいた大学生の頃に戻りたい。平日は仕事だし、土日も疲れが溜まっていて寝てしまうので、何もできない。(建設)
17年に入社した人の就職活動は売り手市場だったため、内定をいくつも手にした人も多いのではないのでしょうか。会社や仕事への不満がたまる中で、「別の企業に就職しておけばよかった」と後悔し、それが「辞めたい」という気持ちにつながってしまうのかもしれません。
新入社員で実際に仕事を辞めたのは10人に1人
いろんな理由で「辞めたい」と思っている新入社員の皆さんですが、実際に仕事を辞めた人はどれくらいいるのでしょうか?
2016年に新卒で入社した人のうち、1年以内に仕事を辞めたのは11.3%。およそ10人に1人が入社から1年たたず辞めてしまっていることになります。「3年で3割」と言われている若手社員の離職率ですが、最も離職率が高いのが1年目。2、3年と時間がたつにつれ、辞める人の割合は減っていきます。
辞めた理由1位「仕事が自分に合わなかった」
1年以内に仕事を辞めた新入社員が、その理由として最も多く挙げたのが「仕事が自分に合わなかった」から。2位は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」で、「人間関係がよくなかった」が続きました。5位には「賃金の条件がよくなかった」が入っており、入社前後のギャップが仕事を辞めてしまう大きな原因となっているようです。
就職活動を通じてイメージできる社会人生活には限界があります。入社前には分かっていたつもりでも、いざ実際に働いてみると全く違うと感じてしまうのも無理はありません。
就職説明会などでは、企業も自社の悪い部分まではなかなか見せないもの。入社後に「こんなことは聞いてない」と思うことも少なくはないでしょう。
▼自分に合った会社はどこにある?
勢いだけで転職するのはNG。でも今すぐ辞めた方がいい場合も
とはいえ、後先考えずに退職してしまうのは危険です。まずは冷静になって、辞めるべきか踏みとどまるべきか、見極める必要があります。
一生消えない「1年目で辞めた」事実
新入社員の退職は、「あなたの将来」「勤務先の企業」「あなたの家族」に大きな影響を与えます。
退職した場合、何年たっても「新卒入社1年目で仕事を辞めた」という事実があなたの経歴から消えることはありません。採用や研修にたくさんのお金と時間をかけている企業にとっても新入社員が辞めてしまうのは損失ですし、家族にも心配をかけてしまいます。「辞めたい」という勢いだけで退職してしまうのはオススメできません。
ブラック企業は今すぐ辞めるべき
もちろん、辞めてしまうのも一つの方法です。勤務先がブラック企業の人や、仕事で体調を崩したり、精神を病んだりしてしまっている人は、むしろ今すぐにでも辞めることを考えた方がいいかもしれません。
最近は企業も「第二新卒」を積極的に採用しており、転職市場での価値が高い今のうちに転職した方が、希望に合った仕事ができる可能性もあります。
辞める決意を固めたら、退職前に転職先を決めるのが基本です。
辞めるべきかどうかを考えるためのヒント
慣れない社会人生活で身も心も疲れてしまうのが新入社員。「辞めたい」と思ってしまうのも無理はありません。ですが、勢いで辞めてしまうのは後悔のもと。転職してまた「辞めたい」と思うことがないよう、よく考えることが必要です。
「今の会社を辞めていいのか、とどまるべきか」を考えるためのヒントを下記の記事にまとめました。ぜひ参考にしてください。
▼辞める前に考えてほしいこと
▼「3年は働け」に根拠なんてない
▼辞めるべき?残るべき?