【すぐ使える例文つき!】 コールセンターの志望動機の書き方
志望動機は、転職の応募書類の項目のなかでも、書類選考の通過を左右する重要な項目です。採用担当者に「入社後の活躍イメージ」を持ってもらい、選考を通過するには、何を伝えればいいのでしょうか?
この記事では、コールセンターに転職する際の志望動機の書き方と、未経験者・経験者それぞれの例文を紹介します。コールセンターならではの押さえておくべきポイントも紹介するので、参考にしてください。
【作成前に確認を!】コールセンターの仕事内容
コールセンタースタッフは、電話を使って、お客様からの問い合わせ対応や、商品紹介などの顧客対応を行う職種です。
仕事内容は大きく分けて、既存のお客様からの問い合わせ対応を行う「インバウンド(受信業務)」と、自分からアポイントメントを取ったり、商品の紹介を行ったりする「アウトバウンド(発信業務)」の2つに分けられます。
応募先の企業や募集しているポジションによって、インバウンド・アウトバウンドどちらをメインで扱うかは変わってきます。必要なスキルも異なるため、応募先の業務範囲は事前に必ず把握しておきましょう。
〈インバウンド(受信業務)業務〉
インバウンド業務(受信業務)とは、お客様から電話を受けて、問い合わせ対応や、商品・サービスの購入手続き、クレーム対応を行う業務のこと。対応する業務内容によって、下記の3種類に分けられます。
▼テレフォンオペレーター
- 商品・サービスの申し込み手続き
- 問い合わせ対応
▼カスタマーサポート
- 商品・サービスを購入したお客様からの問い合わせ対応
- クレーム対応
▼テクニカルサポート
- 技術的な問い合わせ対応(商品の不具合解決や、購入後のアフターサポートなど)
〈アウトバウンド(発信業務)業務〉
アウトバウンド(発信業務)とは、自分からお客様に電話をかけて、商品の紹介や販売、アンケート調査などを実施する業務のこと。インバウンドと比較して、営業的な側面のある業務です。対応する業務内容によって、下記の3種類に分けられます。
▼テレフォンアポインター(テレアポ)
- サービスや商品の案内・提案、商談のアポイント(個人のお客様への提案がメイン)
- アポイント後の、営業担当への引き継ぎ
▼テレマーケティング
- 既存のお客様を対象とした、満足度などの調査
▼インサイドセールス
- 見込み客に対する商品・サービスの紹介(BtoBの案件がメイン)
志望動機で伝えておくべき内容
志望動機で伝えておくべき内容は、大きく2つ。「応募先を選んだ理由」と「転職後に活かせるスキル・経験」です。
コールセンタースタッフは未経験でもチャレンジしやすい職種であり、多くの応募が集まる傾向があります。そのため、採用担当者は書類選考の段階で応募者を絞り込むために、志望動機から「自分なりの理由を持って、自社を志望している人物か」といったことを確認して、応募者の熱意や志望度を見極めようとしています。
書類選考を通過するためにも、志望動機では「応募先のどのような部分に魅力を感じたのか」「その企業で、自分は何を実現したいのか」といった応募先を選んだ理由を明確に伝えて、入社意欲を強くアピールしましょう。
また、意欲と同時に「活躍できるだけのスキルや経験がある」こともアピールして、採用担当者に「入社後に活躍できるイメージ」を持ってもらうことも重要です。
具体的にどのようなことを伝えればいいか、下記でくわしく見ていきましょう。
「応募先を選んだ理由」の伝え方
応募先を選んだ理由を伝える際のポイントは、「魅力を感じた部分」と「何を実現したいと考えているのか」を、セットで具体的に伝えること。
たとえば、「現職で培った〇〇商品の知識を活かせる貴社で、現在よりも業務の幅を広げたいと考えた」「スーパーバイザー候補を募集している貴社で、キャリアアップを実現したいと考えた」など、応募先だからこそ言える内容を伝えましょう。
加えて、「魅力を感じた部分」を伝える際には、魅力を感じた理由(「なぜ」魅力を感じたのか)も伝えるのがおすすめです。「〇〇の業務を通じて、✕✕と考えるようになった」など、過去のエピソードを紐づけて応募先を選んだ理由を語れると、説得力を高められます。
▼「応募先を選んだ理由」の例
- 〇〇の販売職で培った商品知識を活かしつつ、問い合わせ対応に専念できる環境に魅力を感じた
- (現在もコールセンターに勤務しており)対応できる業務の幅を広げたいと考えた …など
「転職後に活かせるスキル・経験」の伝え方
コールセンター業務では、「コミュニケーション能力」「臨機応変な対応力」の2つの力が求められます。
転職後に活躍できるイメージを持ってもらうために、これらの力の裏付けとなる業務経験や資格を、志望動機でも伝えておきましょう。
〈コミュニケーション能力〉
コールセンターの業務では、インバウンド・アウトバウンド問わずお客様と接するため、コミュニケーション能力が必要不可欠です。会社の窓口として応対するため、丁寧な言葉遣いや正しい敬語は必須のスキルといえます。
また、問い合わせ対応を行うインバウンド業務では、相手の用件を汲み取る「傾聴力」や、顧客の真意や要望を正しく理解し、問題点を発見する「洞察力」が重要視されています。
商品の提案などを行うアウトバウンド業務においても、会話から相手の悩みや求めていることを汲み取る「傾聴力」や「洞察力」は重要です。マニュアルに沿って営業トークをすることに意識が向いてしまいがちですが、相手の話をしっかり聞く姿勢は、顧客との信頼関係構築の第一歩とされているため、これまでの業務で発揮した経験があれば必ずアピールしておきましょう。
▼裏付けとなる経験の例
- (経験者)顧客の状況を正しく理解するため、相手の話をこちらで整理しながら、深堀りしていくようなコミュニケーションを心がけてきた
- (未経験者)販売スタッフとして、お客様の要望を受けて、それにかなう商品を紹介してきた経験がある …など
〈臨機応変な対応力〉
一般的に、インバウンド業務・アウトバウンド業務ともに、会話はマニュアルに沿って行います。ただし、マニュアルがあるからといって、すべてそのとおりに対応すればよいわけではなく、ケースバイケースの対応を求められることも少なくありません。
マニュアルでは対応できないイレギュラーな問い合わせに対処してきた経験や、クレームに冷静に対処した経験などはアピール要素になるので、伝えておきましょう。
▼裏付けとなる経験の例
- (経験者)イレギュラーな問い合わせでもスピーディに解決できる対応力を身につけ、評価された
- (未経験者)飲食店の接客のなかでクレーム対応を担当することもあり、冷静に対処するスキルが身についた …など
志望動機の書き方・構成
履歴書の志望動機は、「1.応募した理由(結論)」→「2.その背景やエピソード」→「3.入社後の意気込み」の3段構成で作成するのがおすすめです。
応募した理由を冒頭で端的に伝え、そう考えるに至った理由や背景を具体的に補足することで、応募した背景を採用側が理解しやすくなり、志望動機の説得力も高まります。
3段構成にそってまとめた例文を見ながら、志望動機の書き方を確認しましょう。
〈例文(未経験者の例)〉
(1)
接客業で培った「相手に合わせて説明する力」を活かし、お客様の困りごとを解決する業務に就きたいと考え、コールセンター業務を志望しております。
(2)
現職の携帯電話販売店では、3年間にわたり接客スタッフとして、機種変更の手続きやサービスのご案内を行っております。お客様から契約内容の質問を受けることも多く、相手の理解度に合わせてサービス内容や契約プランを説明し、お客様の不安や疑問を解消することにやりがいを感じておりました。こうした経験から、より多くの方のお困りごとを解決することに専念したいと考え、コールセンター業務を志望するようになりました。
携帯電話関連のコールセンターを開設している貴社なら、現職で培った専門知識や、相手に合わせて説明する能力も活かせると考え、応募いたしました。
(3)
コールセンター業務は未経験ですが、貴社の新人研修によって商品知識や業務の進め方を学び、一日も早く戦力として貢献したいと考えております。
(403文字)
1.応募した理由(結論)
志望動機の冒頭では、まず1~2文で「応募した理由(結論)」を伝えましょう。
「問い合わせ対応を通じてお客様に喜んでいただくという仕事内容に魅力を感じた」「スーパーバイザーへのキャリアアップを目指したいと考えた」といった形で、応募の決め手になった想いを簡潔に伝えることで、志望動機の内容を採用担当者に理解してもらいやすくなります。
2.その背景やエピソード
応募した理由(結論)に続いて、転職を決意したきっかけ・背景やエピソードを説明します。
未経験者・経験者ともに、「どんなきっかけから、転職を考えたのか」+「転職によって何を実現したいのか」+「応募先を選んだ理由」の3点を、これまでに経験した業界や業務内容を交えて、具体的に伝えてください。
なお、未経験者の場合は、そもそも「なぜコールセンターのスタッフを目指しているのか」が問われる傾向があります。志望動機の説得力を高めるためにも、応募先を選んだ理由とあわせて必ず伝えましょう。
3.入社後の意気込み
最後に、志望動機の締めとして「入社後の意気込み」を伝えます。
未経験者の場合は、「これまでの経験・スキルをベースに、積極的に学んでいく姿勢」を、経験者の場合は「経験を活かして貢献したい」「新しい環境でさらなる成長を目指したい」という姿勢をアピールするのがおすすめです。
【例文】コールセンターの志望動機
ここではあらためてコールセンタースタッフの志望動機の例文を、「未経験者」と「経験者」に分けて紹介します。
押さえておくべきポイントとあわせて確認し、自分の志望動機を作成してください。
未経験者の場合
インバウンド業務に応募するケース
〈例文〉
(1)
お客様の困りごとを解決する仕事に魅力を感じ、コールセンター業務を志望しております。
(2)
現職では家電量販店の販売スタッフとして、主に売り場での商品説明や問い合わせ対応を担当しております。業務においては、お客様の要望や困りごとに耳を傾け、寄り添う姿勢を大切にしておりました。その結果、感謝の言葉をいただくことも多く、やりがいを感じておりました。こうした経験をとおして、「お客様の困りごとを解決し、喜んでいただける仕事に専念したい」と考えるようになり、コールセンターへの転職を決意いたしました。
家電専門ECサイトのコールセンターを運営している貴社であれば、現職と商材が近いため経験や商品知識を活かせると考え、応募いたしました。販売職で培った「お客様ひとりひとりの知りたいことを汲み取り、適切な説明を行う」能力は、貴社のインバウンド業務においても活かせると考えております。
(3)
販売職で培ったコミュニケーション能力や、家電に関する商品知識などを活かし、一日も早く貴社の業務を覚えて貢献したいと考えております。
(445文字)
アウトバウンド業務に応募するケース
〈例文〉
(1)
保険商品の営業職で培った提案力を活かしたいと考え、コールセンターのアウトバウンド業務を志望しております。
(2)
前職では保険商品の営業職を3年間担当し、個人のお客様を訪問して商品の紹介や提案を行っておりました。営業にあたっては、お客様の悩みごとに寄り添う姿勢を大切にしており、お客様自身がうまく言語化できていない悩みやニーズを整理し、最適な商品を提案することで、成約に繋げてまいりました。出産を機に退職したものの、家族のサポートで仕事に復帰する余裕が生まれたため、転職活動を行っております。
保険会社のコールセンター業務を代行している貴社であれば、前職の営業経験や業界知識が活かせると考え、応募いたしました。
(3)
入社後は貴社が扱っている商品の知識を一日も早く習得し、前職で培った「お客様の悩みに寄り添う姿勢」や「ニーズに合わせて最適な商品を提案する力」を活かして貢献したいと考えております。
(388文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- コールセンターの業務はお客様と直接会話するため、「コミュニケーション能力」が評価される傾向がある。販売職や営業職などでお客様と接した経験や、問題解決を行ったエピソードは、コールセンター業務との相性がいいため伝えておくのがおすすめ。
- インバウンドの業務に応募する場合は問い合わせ対応がメインとなるため、「(問い合わせ対応を通じて)困っている方をサポートしたい」といった寄り添いの姿勢を見せると効果的。
- アウトバウンドの業務に応募する場合は営業の側面が強いため、営業・販売職の経験や実績、「提案力や営業力を身につけたい」といった意欲を見せるといい。
経験者の場合
インバウンド業務に応募するケース
〈例文〉
(1)
コールセンター業務の経験を活かし、よりお客様の不安に寄り添える業務に携わりたいと考え志望いたしました。
(2)
現職では2年間にわたり、保険代理店のコールセンターにて、商品説明や加入された方から寄せられる問い合わせへの対応を行っております。業務においては常に「お客様の立場に立って、気配りを欠かさない」ことを大切にしており、お客様の悩みや理解度に応じて説明内容を変えるなど、きめ細かい対応を意識してまいりました。その結果、お客様から感謝の言葉をいただくなど、お客様満足度の向上に貢献しております。
現職でさまざまな保険商品を扱ってきたなかで、特に生命保険は種類が多い上に内容も複雑で、保障内容を十分に理解できていないお客様や、保険の見直しをしたくてもできずに悩まれているお客様が多くいらっしゃいました。こうしたお客様の不安や疑問を解消することに専念したいと考え、生命保険を主力として扱っている貴社に応募いたしました。
(3)
現職と近しい商材を扱う貴社であれば、これまでに培った経験や業務のノウハウを活かすこともできると考えております。貴社の商材の知識を学び、お客様満足度の向上などの面で貴社に貢献したいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
(518文字)
アウトバウンド業務に応募するケース
〈例文〉
(1)
コールセンター業務の経験を活かし、スーパーバイザーへキャリアアップしたいと考え志望いたしました。
(2)
現職ではコールセンタースタッフとして、学習教材販売のアウトバウンド業務に携わっております。主に個人のお客様に対して商品の提案を行っており、顧客満足度・月間販売数でトップクラスの成績を記録して表彰された経験もあります。こうした実績を活かしてスーパーバイザーへキャリアアップをしたいと考えていたものの、現職では人員数の問題でポジションが空いておらず、将来的にもキャリアアップが難しい状況だったため、転職を決意いたしました。
貴社を選んだのは、現職と同じく学習教材を扱っていて、経験・スキルを活かせると考えたためです。ターゲット層も近いため、お客様が潜在的に抱いているニーズへの理解を武器に現職と同様に成果を出し、将来的にはスーパーバイザーとしてチーム全体の成果の向上に貢献したいと考えております。
(3)
現職のアウトバウンド業務で培った経験・スキルをベースに貴社の業務を学び、事業拡大に貢献したいと存じます。
(445文字)
〈押さえておきたいポイント〉
- 経験者の場合、対応できる業務の範囲を伝えるために、できるだけ具体的に経験や実績、扱っていた商品・サービスを伝えることが重要。
- 実績については、「営業成績トップ10に入っていた」「〇〇カ月連続で営業ノルマを達成していた」といった形で、数字も交えてアピールすると効果的。
完成したら、必ず時間を置いて見直しを
志望動機は、内容や書き方によって採用担当者へ与える印象が大きく変わる項目です。そのため、記入が終わったら、必ず時間を置いてから見直すようにしましょう。
下記の記事では、「志望動機を書くうえでのポイント」や「効果的な表現」などを説明しているので、見直しの際のチェックポイントとしてぜひ参考にしてください。
この記事の執筆者
ライター・編集者
久保田 敦大
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。
大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。
転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。