選考で見られているポイントは？ 【例文4つ】広報の志望動機の受かる書き方
志望動機は書類選考や面接の合否を分ける重要なもの。採用担当者に評価される志望動機を作成するにはどうしたらいいのでしょうか。
この記事では広報の志望動機の書き方のほか、すぐに使える例文などを紹介します。書き方と例文を参考にして、受かる志望動機を作成しましょう。
広報の志望動機が評価されるポイントは？
広報の志望動機が評価されるかどうかは、次の2つがポイントとなります。
〈評価される志望動機のポイント〉
- 「転職理由」と「応募した理由」に一貫性がある
- これまでの経験とキャリアビションを踏まえた貢献イメージが描けている
「転職理由」と「応募した理由」に一貫性があるか？
ひとつ目のポイントは「転職理由」と「応募した理由」に一貫性があることです。志望動機には、第三者から見ても「その理由で転職を考えたなら、この会社を選んだのは理解できる」と納得できる説得力が必要です。そのためには、「なぜ転職を考えたのか」という転職理由と、「なぜその会社を選んだのか」という応募理由に一貫性を持たせることが大切なのです。
たとえば、「幅広い業務を経験したい」という理由で転職を決めたという人が、高い専門性を持って特定の業務を遂行することが求められるポジションに応募してきたら、採用担当者はどう思うでしょうか。おそらく「なぜ応募してきたのだろう？」と疑問に感じることでしょう。
一貫性のない志望動機は説得力がないだけでなく、「うちの会社じゃなくてもいいのでは？」「本気で志望していると思えない」などとマイナスの印象につながりかねません。
貢献イメージが描けているか？
評価される志望動機にするためのもうひとつのポイントは、「入社後はどのように貢献したいのか」という具体的なイメージを伝えること。採用担当者は、自社について理解したうえで、「この会社でこんな仕事をしたい」という明確な意思を持った人を採用したいと考えているからです。
その際、評価のポイントになるのは、あなた自身のこれまでの経験とキャリアビジョンを踏まえた貢献イメージが描けているかどうか。そこがクリアできていれば、これまでの経験や身につけたスキルと募集ポジションの業務内容が合致しているかどうか、応募者自身がしっかり考えていること、熱意を持って応募したことが伝わります。
広報の志望動機を書くために必要な2つのこと
上記のポイントを押さえて、説得力ある志望動機を作るためには、次の2つを整理しておくことが大切です。
「転職を考えたきっかけ」を「応募理由」に変換する
まずは、これまでの業務経験を振り返り「転職を考えたきっかけ」を洗い出しましょう。
転職を考えたきっかけは人それぞれ。そのきっかけ自体には良いも悪いもありません。現職に対して何か不満があるから転職を考えたという人は少なくありませんが、不満を感じるのは何もおかしなことではありませんし、第三者から見ればたいした問題ではないと思えても、当事者にとっては重大な問題だということもあり得るのです。
大切なのは、その不満を前向きな転職理由に変換すること。不満を感じるということは何か叶えたいことがあるということですから、自分が何を不満に思っていて、本当はどうしたいのか、つまり「転職で叶えたいこと」が何なのか考えてみましょう。
たとえば、「保守的な風土で広報の業務内容が固定化されており、新たな施策や戦略の提案が難しい」「現職では人員構成上の都合で総務の業務を兼任しており、専門性を高めるのが難しい」といったように、仕事上の「現職では叶えられないこと」を整理して、「だから自分はどうしたいのか」、つまり、転職先で叶えたいことを考えてみましょう。
（例）広報の転職のきっかけ→叶えたいこと
- 保守的な風土で広報の業務内容が固定化されており、新たな施策や戦略の提案が難しい→広報戦略の立案や新しい施策の提案が積極的にできる環境で働きたい
- 現職では人員構成上の都合で総務の業務を兼任しており、専門性を高めるのが難しい→広報業務に専念できる環境で専門性を高めたい
…など
応募先企業のどんなところが希望とマッチするのか
「転職で叶えたいこと」が明確になったら、応募先企業のどんなところが自分の希望とマッチするのか整理してみましょう。求人票や採用ページはもちろん、口コミサイトなどもチェックして、応募先の特徴や強みをつかんでおくとスムーズです。
「広報戦略の立案や新しい施策の提案が積極的にできる環境で働きたい」なら、「第2創業期として企業ブランディングや認知拡大に取り組んでおり、広報戦略の立案や新しい施策の提案が積極的にできる点に魅力を感じた」といったように、「転職理由」と「応募した理由」に一貫性を持たせることができます。
活かせる経験／スキル・資格
次に、入社後に「活かせそうな経験／スキル・資格」を整理しましょう。
「○○の経験を活かして貢献したい」といった形で、志望動機を通して過去の経験／スキル・資格もアピールできると「自社に入社しても活躍してくれそうだ」と思ってもらうことができます。
応募先の採用ニーズに合った経験・スキルを伝える
入社後に「活かせそうな経験／スキル・資格」を判断するには、応募先企業の業務内容や、そこで求められるスキル・経験を把握しておかなければなりません。
求人票などから「具体的な仕事内容」「必須／歓迎要件」をよく確認して、企業の採用ニーズに合う経験・スキルをアピールしましょう。
（例）広報で活かせる経験
- PR業務経験（プレスリリース配信、メディア対応、SNS運用など）
- 社内広報経験
- 希望企業に関連する業界経験
- 接客・営業など人と話す仕事の経験
…など
（例）広報で活かせるスキル・資格
- ライティング能力
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- 関係構築能力
- 情報収集能力
- 計画・企画能力
- 語学力（英語）：必須ではないが、大手企業の場合は海外広報が求められる傾向にあり、重要視される
…など
広報の志望動機の書き方
それでは、広報の志望動機の書き方を見ていきましょう。
まず、広報の志望動機の基本構成と、その構成にしたがって作成した例文をご紹介します。
〈広報（経験者）の志望動機の例文〉
- 企業広報として、ブランディングや認知拡大に向けた広報戦略の立案に携われる環境に魅力を感じて志望いたしました。
- 現職では4年間、プレスリリース作成や新作発表会の企画運営といった広報業務を担当しておりますが、保守的な風土で広報の業務内容が固定化されており、新たな施策や戦略の提案が難しい状況のためキャリアアップに向けて転職を決意しました。貴社は「第2創業期」として企業ブランディングや認知拡大に取り組んでおり、広報戦略の立案や新しい施策の提案が積極的にできると伺い、大変魅力に感じております。
- 現職では自社のSNSを運用し、ターゲットに合わせたコンテンツを発信することで、ファンコミュティの形成・拡大に貢献しました。現職での経験を活かし、貴社のブランディングに貢献したいと考えております。
（340文字）
1.応募した理由（結論）
志望動機の書き出しではまず、応募した理由を結論として一言で述べます。「○○に魅力を感じた」「○○に携わりたい」などと、応募先企業に惹かれたポイントを端的に伝えるのがおすすめです。
〈応募した理由（結論）〉
- 企業広報として、ブランディングや認知拡大に向けた広報戦略の立案に携われる環境に魅力を感じて志望いたしました
志望動機の書き出しに明確なルールはありませんが、表現に迷う場合は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
2.その背景やエピソード
次に、なぜ転職しようと考えたのかと、その企業のどんなところに魅力を感じたのか、応募した背景や裏付けとなるエピソードを記載します。未経験者の場合は、「なぜ広報を志望したのか」を伝えてください。
〈転職理由〉
- 保守的な風土で広報の業務内容が固定化されており、新たな施策や戦略の提案が難しい状況のためキャリアアップに向けて転職を決意しました
〈魅力を感じた点〉
- 貴社は「第2創業期」として企業ブランディングや認知拡大に取り組んでおり、広報戦略の立案や新しい施策の提案が積極的にできると伺い、大変魅力に感じております
3.入社後の意気込み
最後に、入社後の意気込みを語って締めます。現職（前職）での経験を活かしていきたいという姿勢をアピールするとよいでしょう。あわせて、応募先の採用ニーズとマッチする業務経験と身につけたスキルを記載できると、入社後の活躍イメージを抱いてもらうことができるでしょう。
締めくくりの表現に迷う場合は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
【4パターン】広報職の志望動機の例文
ここでは広報職の志望動機の例文を、4つのパターンに分けて紹介します。
よりインパクトのある広報活動に関わりたい
〈例文〉
- より規模の大きな組織で、大きなインパクトのある広報活動に携われる環境に魅力を感じて応募いたしました。
- 現職では3年間、ニュースリリースの作成やSNS運用など幅広く広報業務を担当しております。今後は、社外広報のスペシャリストとして経験を積んでいきたいと考えておりますが、業績悪化の影響から広報業務が縮小傾向にあり、実務経験を積むことが難しいと考えて転職を決意しました。貴社は、SNSでの発信が注目されているだけでなく、今後、さらに広報によるブランディングやファン獲得に力をいれていく方針と伺い、社外広報の担当者として多くの経験を積める魅力的な環境だと感じております。
- 現職では限られた予算でSNSの有料広告とオーガニック投稿を組み合わせ、フォロワー数を◯%増加させた経験があります。これまでに培った企画力や実行力を活かし、貴社のブランディングに貢献したいと考えております。
（383文字）
〈おさえておきたいポイント〉
- なぜ転職を決めたのか、応募先のどんなところに魅力を感じたのか一貫性のある理由を伝える
- 応募先でどのようなキャリアを実現し、どのように貢献したいのか具体的に言及して熱意を伝える
広報に専念したい
〈例文〉
- 広報の業務に専念して専門性を高められる環境に惹かれ応募しました。
- 現職では、総務広報課にて4年間、プレスリリース作成や取材対応などのほか、備品管理や社内総会の企画・運営などの総務業務も担当してまいりました。経験を積むうちに、社内外へのブランディングや危機管理の重要性を感じるようになり、より広報の経験を積める環境で働きたいと考えて転職を決意しました。貴社は広報活動に積極的で、担当者ひとりひとりが企画を考え、実施できる環境があると伺い、大変魅力に感じております。
- 現職では、業界の主要メディアと良好な関係を築き、掲載件数・取材件数については対目標で120％を達成しました。貴社でもこの経験を活かし、貴社ブランドの認知向上に貢献したいと考えております。
（323文字）
〈おさえておきたいポイント〉
- なぜ広報に専念したいと考えたのか、その理由や背景を具体的に伝える
- 応募先のどのような特徴、環境が、広報の専門性を高めたいという自身の希望に合致すると考えたのか説明する
幅広い経験を積んで管理職を目指したい
〈例文〉
- 幅広い広報業務の経験を積み、将来的には広報部門のマネージャーを目指せる環境に魅力を感じて志望いたしました。
- 現職では広報課にて5年間、主に報道対応とブランド戦略の実行を担当してきましたが、ここ数年間は増員や配置転換がなく、業務範囲を広げるのが難しい状況です。今回、貴社が募集されているポジションは、管理職候補として危機管理やブランド戦略の立案など、会社のブランド価値に関わる業務を含む幅広い経験を積み、将来的には部門マネージャーとして活躍できるチャンスがあると伺い、大変魅力に感じております。
- 危機管理や戦略立案の経験は不足しておりますが、報道対応で培った情報収集力や対応力などを活かしてキャッチアップに務め、貴社に貢献したく存じます。
（316文字）
〈おさえておきたいポイント〉
- 現職ではなぜ希望するキャリアを積めないのか、第三者から見ても納得できる理由を伝える
- 管理職経験がある場合はマネジメント経験について具体的に伝え、未経験の場合は意欲を伝える
PR会社からベンチャーの広報へ転職
〈例文〉
- 広報の仕事を通して経営や事業の課題を解決し、貴社の成長に貢献したいと考え志望いたしました。
- 現職はPR会社に5年間勤務し、プレスリリースの作成やメディアリレーション、イベント企画など、多岐にわたる業務を経験してきました。業務のなかで、広報戦略が企業の課題解決の手段となることを知り、事業会社の広報として事業課題の解決に貢献したいと考え転職を決意しました。貴社は、経営陣が成長の手段として時流やトレンドを事業やPRに取り込んでいくことを重視して広報戦略を立案していると伺い、大変魅力に感じております。
- 現職では、クライアントの事業課題の解決をゴールとした広報戦略を立案し、その戦略に基づいて目標やKPIを設定することで成果を上げてきました。貴社でもこれまでの経験を活かし、事業の成長に貢献したいと考えております。
（352文字）
〈おさえておきたいポイント〉
- なぜ事業会社で働きたいと考えたのか、その理由や背景について言及する
- 現職の経験を踏まえた「応募先企業で実現したいこと」を伝えて活躍イメージを持ってもらう
志望動機の不安を解消するには…
志望動機は合否に関わる大切な項目です。一度書き終えたからといって気を抜かず、採用担当者の印象に残る内容になっているか、時間を置いて読み直しましょう。
下記の記事では、志望動機を書く上での大切なポイントや、効果的なアピールにつなげるためのコツなどについて解説しています。
こちらもあわせてチェックしておきましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。
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