就職に有利! おすすめ英語資格まとめ

さまざまな企業がグローバルに展開し始めているこのご時勢、少しでも英語ができる人は、転職・就職活動でぜひ英語力をアピールしたいところ。

でも、いったいどの資格を取っておけば人事にアピールできるのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ここでは採用担当者の目に留まる、英語関係の資格を紹介します。一般的な転職・就職で使える英語の資格と、専門分野別の資格に分けて紹介していきますので、これから英語の資格取得を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

はじめに

英語の資格って本当に転職や就職に有利なの?

英語の資格があると、英語が必須の仕事では当然有利になりますし、それ以外の仕事でも「デキる人材」という印象を与えることができます。

現在、国際的な企業活動が活発になるなかで、英語が使えるビジネスパーソンの需要は増えています。

TOEICの主催団体が2019年に行った調査では、回答企業の82.6%が「今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル」で「英語」を選択しています。
この調査からも「英語」は多くの企業で重要視されていることがわかります。そのため転職や就職の履歴書では、資格欄に英語関連の資格が書いてあると目に留まりやすくなります。

※出典:一般財団法人国際コミュニケーション協会「英語活用実態調査 企業・団体ビジネスパーソン2019」(公表日:不明、参照日:2023年12月1日)

人事担当者が知らない資格は要注意

その一方で、どんなに難しい英語の資格を取って履歴書に書いても、企業の採用担当者がその資格を知らなければどのくらいすごいのか伝わりません。

知名度の低い資格を取得している場合は、たとえば「GTEC 670点(海外赴任が可能なレベル)」などと試験が公式に設定している評価レベルを付け加えたり、TOEICのスコアや英検の合格級を併記しておくとよいでしょう。

また、高い英語力を求められる企業では、日本での知名度が低くても海外では有名な資格や、工業系や会計など、その業界に特化した資格を取得しておくとよいでしょう。

転職・就職で使える英語の資格

ここでは一般的な転職・就職で使える、純粋な「英語力」を示す資格を紹介していきます。

以下の一覧を参考にしながら、自分の目的に合わせて選んでみてください。

【基本編】まずはこの2つから!

TOEIC (トーイック)…約7割の企業が参考に!アピール度No. 1の資格)

知名度★★★★★
おすすめな人:初心者から上級者まで、ビジネス英語の能力を証明したい人
履歴書に書くなら:600点以上

ビジネス英語のレベルを測る試験のなかでも代表的なテストです。約7割の企業が採用時にTOEICスコアを参考にしているという調査結果もあるほどで、日本のビジネス英語の資格として最もポピュラーです。

英語を母語としない人を対象に、コミュニケーション能力を評価します。結果は10~990点のスコアで表示されます。年に13日ほど開催され、初級~上級レベルの英語力を一律に評価するので、とても受験しやすい試験です。

履歴書に書くのであれば、「600点」を目指してください英語での日常会話に支障がなく、ビジネスでも英語で業務を遂行できると判断される点数です。さらに「800点」以上では、国際部門や外資系企業では英語で商談ができるレベルとされています。

600点、800点と聞くと、難しいと感じてしまうかもしれませんが、スコアアップに必要な考え方がわかれば、短期間でスコアを伸ばすことができます。下記の記事では、英語コーチングスクールのコーチに聞いた学習のコツを紹介しています。

TOEICは日本や韓国では非常に知名度が高い一方、実は海外ではそこまで有名ではありません。海外の企業などに応募する場合は注意しましょう。

受験料 7,810円(リスニング&リーディング テスト)
試験時間 約2時間
受験者数 約197万人(2022年度)
試験日 年13回(4・5・6・7・8・9・10・11・12・1・2・3月)※複数日開催される月あり
受験地 全国約80都市で開催
試験内容 マークシート方式。
リスニング(約45分間・100問)、リーディング(75分間・100問)2つのセクションで構成されている。
問い合わせ先 TOEIC公式サイト

実用英語技能検定(英検)あらゆるシーンでの総合的な英語力をアピール

知名度★★★★★
おすすめな人:初心者から上級者まで、あらゆる場面での英語力を試してみたい人
履歴書に書くなら:2級以上

英語のコミュニケーション能力を測るテストです。英検取得者は大学入試で学科試験免除などの優遇があるほか、海外留学時の語学力証明資格として認められるなどと、非常に信頼性の高い試験です。

基本的には筆記とリスニング、3級以上では二次試験として面接試験が行われます。また、準1級以上では筆記試験に英作文が含まれます。

こちらも知名度抜群で、学生時代に3級くらいまでなら受けた人も多いかもしれませんが、就職・転職活動でアピールするのであれば2級以上が必要です。1級、準1級は合格率も低いため、履歴書に書いておくとさらに優れた英語力を示すことができます。

検定料 [1級]11,800円 [準1級]9,800円 [2級]6,400~8,400円 [準2級]5,700~7,900円 [3級]4,700~6,400円 [4級]2,900~4,500円 [5級]2,500~3,900円※全て税込。2級から5級は団体(準会場)と個人/団体(本会場)によって検定料の違いあり
試験時間 50~140分(級による)
受験者数 年間約420万人(2022年度・すべての級の合算)
試験日 年3回(5~6月、9~10月、1~2月)
試験地 全国各地
試験内容 マークシート方式。準1級、1級ではライティングの試験もある。また、3級以上では二次試験で面接が行われる。
問い合わせ先 英検 公益財団法人 日本英語検定協会公式サイト

コラム:TOEICと英検、どちらを受けるべきか

まだどちらの資格も持っていない場合、まずはTOEICを受験しておくのがおすすめです。なぜなら大手を中心に採用基準にTOEICの点数を盛り込んでいる企業があり、高得点を取っておくことで自分の応募できる会社の幅を広げられる可能性があるからです。

▼例:採用基準にTOEICの点数を盛り込んでいる企業

年3回の英検に比べ、TOEICは年に13日も試験が行われており、手軽に受けることができます。また、試験でうまくいかなかったとしても「不合格」になることはないので、何かしらの点数を履歴書に書くことができるため、大手を狙っているわけではない人でも転職・就職の準備にあまり時間が取れない人には効率的です。

一方、英語が必須の仕事に応募する場合は、まずTOEICで800点以上を取り、その上でスピーキングを含めた実力を証明できる英検準1級以上をおすすめします。英検は年3回と回数が少ない上に、3級以上では筆記試験合格後に面接試験も受けなければならず、合否が出るまでに時間がかかります。その分、TOEICよりも英検のほうが信頼性が高いと考えている人事担当者も少なくないからです。

また、TOEICをすでに取得していて、自分が受けられる英検のレベルがわからない人は、下記のスコア比較を参考にしてみてください。英検のそれぞれの級を取得した受験者が、TOEICで何点取れているのかの平均点がわかります。

英検 TOEIC
1級 955点
準1級 713点
2級 527点
準2級 402点

 ※「TOEICプログラム DATA & ANALYSIS 2014」より「実用英語技能検定(英検)取得級別受験者数と平均スコア」をもとに作成 

【発展編】高い英語力をアピールしたいなら…

TOEICや英検をすでに持っていて、さらに英語力をアピールしたい場合は以下の3つを用途別に使うのがおすすめです。

国際連合公用語英語検定試験(国連英検)英語力+国際意識の高さを印象付けられる

知名度★★★★
おすすめな人:国際関係や社会性の高い仕事に就きたい人
履歴書に書くなら:B級以上

国際連合の普及活動の一環として行われている英語の検定。国連の理念である「国際協力」「国際理解」をコンセプトにしており、出題内容にも国際的な時事問題などが含まれることが特徴です。そのため、単に英語の能力を測るだけではなく、世界平和や地球環境、世界の政治経済などについての知識や意見も問われます。

筆記やリスニング、英作文の試験のほか、A級以上は二次試験で面接が行われます。

TOEICや英検に知名度では劣るものの、国際問題への理解度が問われるため難易度が非常に高く、英語力とともに国際意識の高さをアピールできます

また、国際公務員(国連職員・ユネスコ職員等)を目指す方や、国際協力機構(JICA)など国際機関に就職を考えている人は必須の試験です。そのほか、警察官採用試験などでも成績の一部として扱われます。

受験料 [特A級]13,500円 [A級]11,000円 [B級]8,800円 [C級]5,500円
試験時間 100~120分(級による)
受験者数 非公開
合格率 非公開
試験日 年2回(5~7月、10~12月)
試験地 全国各地
試験内容 C級は筆記試験(マークシート)とリスニングテスト、B級は筆記試験(マークシート・作文)とリスニングテスト、特A級とA級は筆記試験(マークシート・作文)と面接試験(2次試験)となっています。
問い合わせ先 国連英検公式サイト

日商ビジネス英語検定試験…ビジネス英語の能力を売り込める

知名度:★★★☆☆
おすすめな人:貿易関連の仕事など、英文のビジネス・ライティングの機会が多い人
履歴書に書くなら:2級以上

ビジネスの場での実践的な英語力を問う、即答力を重視した試験です。出題内容には、計画書や企画書、報告書、請求書、履歴書、電子メールなどの作成なども含まれ、海外取引全般など実際のビジネスの場で使われる英語力が問われます

知名度はあまり高くないものの、実践的なビジネス英語力をアピールすることができます。貿易関連の仕事などを希望している場合は2級以上を持っておくと良いでしょう。

受験料 6,600円
試験時間 30分
受験者数 非公開
合格率 非公開
受験資格 なし
試験日

2023年度の試験施行日は2023年10月15日(日)および2024年2月4日(日)

試験地 自宅PC受験および複合カフェ「快活CLUB」での受験(一部店舗)
試験内容 スピーキング、リスニング(択一式)、リーディング(択一式)
問い合わせ先 日商ビジネス英語公式サイト

Linguaskill Business(リンガスキル ビジネス)…ハイレベルなビジネス英語をアピールできる

知名度:★★★☆☆
おすすめな人:海外企業や外資系、大手企業への転職を目指している人
履歴書に書くなら:B1 140点以上

ビジネスシーンに特化した英語能力テストです。ビジネスレターや報告書、企画書の作成など、実践的なビジネス英語が問われるため「結果と実務能力が一致しやすい」と考えられています。

学校や企業など、団体ごとに導入される場合が多いですが、個人でも東京・大阪の会場で随時受験することができます。

現在、国内での知名度はTOEICなどと比べると高くないものの、大手企業では知られてきているほか、イギリスをはじめとするヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、香港など海外での認知度は高まってきています。海外で働くことを考えている人や外資系企業に応募する人にはアピール度の高い試験です。

受験料 [Reading & Listening]
2,900円

[Speaking ]
6,900円

[Writing]
3,900円

試験時間 最大150分
開催国 50カ国以上
テスト結果 Cambridge English Scale Score(82~180+)、CEFRレベル:欧州で導入されている語学力基準(A1未満~C1以上)が併記される
試験日 会場受験(東京は毎月、大阪は隔月で実施)とリモート受験(毎月10日間、受験期間内は24時間受験可能)
試験地 会場受験(東京と大阪)、リモート受験(リモート監視システム利用要件を満たし、受験者以外の出入りのない環境)
試験内容 4技能ともオンライン形式で実施

[Speaking テスト]
マイク付のヘッドセットを用いて、スクリーンに表示される指示に従って解答
[Writing テスト]
タイピングによる入力形式
[Reading & Listening テスト]
Computer Adaptive Test(受験者の能力に合わせて出題レベルが変化。正解すれば、より難度の高い問題が、不正解なら、より易しい問題が出題)。3または4肢択一式(一部語句の入力式)

問い合わせ先 Linguaskill Business 公益財団法人 日本英語検定協会

移住や留学を考えているなら…

移住や留学を考えている人は、以下のふたつの資格に関する説明をそれぞれ参考にしてみてください。

IELTS(アイエルツ)…移住ができるだけの英語力を証明する

知名度:★★☆☆☆
おすすめな人:転職して海外で働くことを目指している人
履歴書に書くなら:スコア5.0以上

海外留学や移住に必要な英語力を評価するテストです。16歳以上からの受験が推奨されており、受験にはパスポートが必須です。現実に即した英語のコミュニケーション能力を測る信頼性・公平性のある指標として、世界の国の教育機関や政府機関などが採用しています。

試験結果は1.0から9.0までの0.5刻みのスコアで表示されます。海外への移住を必要とする転職活動ではアピールになりますし、そうでない場合でも面接などで「移住ができるほどの語学力がある」といった説明を入れると好印象になります。

受験料 27,500円
試験時間 約165分
受験者数 年間およそ350万人(世界)
テスト結果 1.0から9.0のバンドスコアで評価
受験資格 満16歳以上が望ましい。有効期限内のパスポートが必要
試験日 オンライン版はほぼ毎日、ペーパー版は月数日(日数は会場により異なる)
試験地 東京・大阪・京都・札幌・仙台・福岡など全国の主要都市、自宅
試験内容 [アカデミック・モジュール]
[ジェネラル・トレーニング・モジュール]

どちらを受験しても、筆記試験(リスニング、リーディング、ライティング)、スピーキング試験(対面式またはビデオ通話)が行われる。

問い合わせ先 IELTS 公益財団法人 日本英語検定協会公式サイト

TOEFL(トーフル)…留学のために取った人は履歴書にも書くべし

知名度:★★★★
おすすめな人:新卒で海外企業、外資系への就職を目指している人
履歴書に書くなら:90点以上(iBTテスト)、500点以上(ITPテスト)

英語圏の大学・大学院に入学して授業を受けるために必要な英語力を判定する国際標準の英語運用能力テスト。現在日本では、個人で受験できるコンピュータ試験の「TOEFL iBT」と、学校など団体のみで受験できる「TOEFL ITP」が行われています。

「ITP」はTOEFLの過去問を利用し、大学で英語のクラス分けなどに使われているものなので、結果がTOEFLとしての正式な記録にはなりません。学生などの方でどうしても他に書くものがない場合のみ、「TOEFL ITP ○○点(677点満点)」と記入しましょう。

「TOEFL iBT」は、試験時間が約2時間と非常に長く、その分正確にリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの能力を判定できます。「英語で授業を受ける」ための能力を測るため、ビジネス英語に特化したTOEICなどに比べると転職でのアピール度はやや劣ります。

しかし海外での知名度・信頼性は非常に高いので、海外企業や外資系企業に応募する場合は受けてみてもよいでしょう。

受験料 245USドル(テストの7日前まで)
試験時間 約2時間
受験者数 非公開
合格率 0~120のスコアで判定
試験日 会場受験は年80回以上 、年間50日ほど(土日のみ・土は午後も実施)。自宅受験は週4回(24時間体制)
試験地 会場(全国各地)、自宅
試験内容 PCでの択一・記述およびマイクに向かって口頭で回答
問い合わせ先 TOEFL公式サイト

今の実力を試したい、試験結果を急いで知りたいなら…

英語を勉強中で、自分の実力がどのくらいか試したい人や、試験結果を急いで知りたい場合は下記のふたつがおすすめです。

CASEC(キャセック)…24時間いつでも、短時間で自分の実力を判定できる

知名度:☆☆☆☆
おすすめな人:すぐに結果がでる試験を受けたい人
履歴書に書くなら:650点以上

株式会社 教育測定研究所が開発・運営している、オンラインで受験できる英語テスト。

インターネット環境につながっているパソコンがあれば自宅に限らずどこでも簡単に受験することができ、結果もすぐに見られるので便利です。また、回答者のレベルに合わせて問題の難易度が変化していくので、短時間で実力を判定することが出来ます

まだまだ知名度は低い試験のため、転職や就職で履歴書に書くためにあえて選ぶほどの試験ではありません。ただし、TOEICや英検などは申し込みから受験できるまでに非常に時間がかかるため、「すぐに履歴書を提出しなければならないけれども、何か英語関係の資格を書いておきたい」「現在の自分の英語の実力を知りたい」という人に適しています。

受験料 3,667円
試験時間 平均試験時間は約40分~50分
受験者数 約16万人(2022年度)
合格率 終了後すぐに結果を表示
試験日 24時間いつでもオンラインで受験可能
試験地 自宅などでのオンライン試験
試験内容 PCでの択一・ディクテーション(書き取り)
問い合わせ先 CASEC公式サイト

GTEC(ジーテック)…ライティング・スピーキングも含めた能力がわかる

知名度:☆☆☆☆
おすすめな人:他の人があまり受けていない試験を受けてみたい人
履歴書に書くなら:650点以上

教育事業で有名なベネッセと、英会話教室のベルリッツが共同開発したオンラインテスト。

実際の生活・ビジネスで使用される内容からの出題で、リーディング、リスニングだけではなくライティング、スピーキング能力も測定できます

知名度は低いため、転職や就職で履歴書に書くために受験するには若干不利かもしれません。他の人があまり受けていない試験を受けてみたい人は受験してみてもいいでしょう。

履歴書に書くのであれば、650点以上(海外赴任が可能なレベル)を目指してください。

受験者数 不明
採点方法 0-1000点満点のスコア制
受験資格 なし
試験日 随時(いつでも受験可能)
受験料 2,640円~15,840円(税別/テストタイプによる)
試験地 全国のベルリッツ・ランゲージセンター、またはライセンシー締結企業でのコンピュータ受験、もしくは自宅でのコンピュータ受験
試験時間 約30~90分(テストタイプによる)
試験内容 PCでの択一・タイピング・スピーキング方式
問い合わせ先 GTEC公式サイト

コラム:英語の資格は履歴書にいくつまで書くべきか?

英語関連の資格を複数取得している人でも、履歴書に書くときには知名度の高いものを2~3つほどにとどめましょう

せっかく取得した資格なので、すべてを履歴書に書きたくなるかもしれません。しかし、履歴書の資格欄に書くものの基本は「応募先の業務に関する資格」です。もし英語を頻繁に使う仕事でない場合は「こんなに英語が出来るなら、うちに来てもらうのはもったいない」などと思われて逆に不利になってしまう可能性があります。

※より詳しくは→履歴書の「資格欄」書き方マニュアル

 翻訳関連の英語の資格

「英語を使って仕事ができるかどうか」を証明する資格を主として紹介してきましたが、ここではさらに踏み込んだ「英語翻訳」関連の資格を集めました。

ビジネスで発生する書類の翻訳ができる程度のレベル、特定の専門分野の翻訳、どんな翻訳の仕事でも対応できるプロ翻訳家のレベルの3つに分けて紹介していきます。

ビジネス書類の翻訳

仕事上、ビジネス書類の翻訳をする人は以下の資格がおすすめです。

ビジネス英語翻訳士…翻訳を勉強中の人でも受けやすい

おすすめな人:仕事で翻訳業務がある人、翻訳の勉強をしている人

多くの翻訳講座を主催しているBES(ビジネス教育学会)による翻訳能力検定。さまざまなビジネス分野における翻訳が滞りなくできるレベルから、企業で海外取引の責任者を補佐できる程度のレベルまで、ビジネス英語翻訳主任者、準翻訳士、翻訳士の3つに分かれており、自分のレベルに合ったものを受験することができます。

自宅受験で、メール、FAX、郵送が選べます。各試験は80%以上の正解率で合格となります。すでにプロの翻訳者として働いている人だけではなく、現在の仕事で翻訳に携わることがある人、勉強中の人にもおすすめの試験です。

<問い合わせ先>ビジネス英語翻訳士®検定試験公式サイト

TEP TEST(テクニカルライティング英語検定試験)……すべて記述式の試験で英文作成能力がわかる

おすすめな人:仕事で英文を作成する機会が多い人

日本人の英語による実務分野のコミュニケーション能力を正確に測るための試験で、ミシガン大学と早稲田大学が問題の作成や採点・運営方法などを管理しています。大きな特徴は、回答形式がすべて記述式であること。英文作成能力が測られます。

1~4級に分かれており、1級のみ二次試験として面接が行われます。出題内容はメール、手紙、ファックスや論文、提案書、契約書といった実務英語に特化しています。そのため、転職では国際ビジネスにおける英語の文章作成能力をアピールすることができます。

<問い合わせ先>TEP Test – 日本テクニカルコミュニケーション協会公式サイト

専門分野の翻訳

翻訳関連の資格には、専門分野に特化したものもあります。ここではふたつ紹介します。

翻訳実務検定TQE…産業翻訳分野の能力の証明となる

おすすめな人:専門分野に特化した翻訳家を目指す人、仕事で翻訳業務がある人

さまざまな分野における専門的な翻訳能力を測る試験。英語以外にもドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語、韓国語があります。英語はIT、電気、機械、医学・薬学、金融・経済、法務・契約書など15分野・19科目に分かれており、その他の言語はビジネス全般のみです。

インターネットによる在宅受験で、5日間の期間が与えられます。結果は点数ごとに1~5級のグレードで評価され、3級以上は「翻訳実務士」として認定されます。「翻訳実務士」になると主催会社のサン・フレアに翻訳者として登録できるので、翻訳の仕事をつかむチャンスがあります。

分類が非常に細かいので、転職の際には「この分野の翻訳に強い」という専門的な翻訳能力のアピールに役立ちます。

<問い合わせ先>翻訳実務検定TQE公式サイト

知的財産翻訳検定…海外への特許申請に特化した翻訳能力の証となる

おすすめな人:特許関係の翻訳の仕事をしている人、勉強中の人

日本知的財産翻訳協会が実施する試験で、日本企業が海外に特許を出願する際に発生する「特許明細書」の翻訳のための技術を認定する検定です。単純な翻訳能力だけではなく、特許特有の事情や国際的な特許・特定技術にまつわる専門知識なども必要です。

1~3級に分かれており、すでに特許翻訳の実務を行っている人も、勉強中の人も受験することができます。1級は(1)知財法務実務、(2)電気・電子、(3)機械、(4)化学、(5)バイオテクノロジーの5つの分野に分かれているのでより専門性も必要になってきます。

転職では、特許翻訳の仕事があることがわかっている場合などには非常に強いアピールになります。

<問い合わせ先>知的財産翻訳協会公式サイト

プロ翻訳家レベル

プロの翻訳家として活躍している人や、これから翻訳家を目指す人がぜひ取っておきたい資格です。翻訳家として働く場合以外でも、翻訳レベルの高さをアピールしたいときに有効です。

JTA 公認 翻訳専門職資格試験(CPT)…翻訳系で最も難易度の高い試験

おすすめな人:翻訳家のプロフェッショナルとして働きたい人

プロフェッショナルとしての翻訳能力を総合的に審査する試験です。英語のほかには中国語があります。「翻訳文法技能試験」「翻訳専門技能試験」「翻訳IT技能試験」「翻訳マネジメント技能試験」の4科目に分かれており、ひとつずつでも、いっぺんに受験することも可能です。

インターネットによる在宅受験で、科目ごとに合否判定とグレード評価が受けられます。4科目すべてのテストに合格し、2年にわたる翻訳実務経験の実績審査を通過すると、「JTA公認翻訳専門職」として認定されます。こちらは毎年数名しか合格しない狭き門であるため、これを取得している人はレベルの高い翻訳家として認められます。

<問い合わせ先>一般社団法人 日本翻訳協会公式サイト

JTFほんやく検定…基礎レベルから実力を確かめられる

おすすめな人:翻訳家を目指す人、公務員や貿易事務などで翻訳業務がある人

グローバル化が進む社会のなかでますます需要が高まっている、産業翻訳(ビジネス翻訳)における英語の技能を測定するための試験です。産業翻訳とは、契約書や企画書、マニュアル、特許などビジネスシーンで発生する種々の翻訳作業のことです。重視されるのは、「商品として通用する翻訳」であるかどうか。そのため正確性や表現力はもちろん、翻訳のスピードも問われます。

インターネットによる在宅受験ができるので、自宅で手軽に受けることができます。2級以上に合格すると、JTF(日本翻訳連盟)の公式サイトや機関誌にプロフィールを登録できるため、翻訳の仕事を獲得できる可能性が高くなります。また、現在の仕事で翻訳業務がある人は、レベルの目安になり、転職の際にも「これだけできる」という証拠になります。

<問い合わせ先>日本翻訳連盟 ほんやく検定公式サイト

分野別 その他の英語関連資格

英語にまつわる資格試験には、英語を使って何かをするために、単純な「英語力」プラスアルファの知識が問われるものもたくさんあります。日本国内で受験できるものを職種別に紹介していきますので、語学を活かした仕事に就くための手段として、また現在の仕事でさらにステップアップしていくための手がかりとしてください。

通訳

外国人向けの観光ガイドとして働きたい人や、仕事上、外国人の取引相手などに日本国内を案内することがある人におすすめの資格です。

全国通訳案内士(ガイド)試験…語学力と日本についての知識が問われる

おすすめな人:外国人向けの観光ガイドをしたい人、秘書など外国人を案内する仕事がある人

英語のほかにもフランス語、中国語、ロシア語など10カ国語があります。この試験では、語学ができることはもちろん、日本の地理や歴史、政治経済や文化など、さまざまな知識が問われます。

試験科目は筆記試験(マークシート方式)と口述試験です。2022年度の合格者数と合格率は、英語が452人で17.4%、全言語の合計が571人で16.4%です。

観光ガイドを目指している人以外にも、一般企業の秘書などで外国人を観光案内する機会が多い人は取っておくとアピールになる資格です。

<問い合わせ先>日本政府観光局 通訳案内士公式サイト

ビジネス通訳検定(TOBIS)…ビジネスシーンでの通訳能力を判定する

おすすめな人:ビジネスシーンで通訳として働きたい人、外資系企業などで働きたい人

通訳技能向上センターが実施する、実際に企業で働くなかで必要な通訳スキルを判定する検定。単純な語学力だけでなく、ビジネスでよく使われる英語の語彙、ビジネスにまつわる知識も同時に試されます。

試験内容は「逐次通訳試験」と「同時通訳試験」に分かれており、1級を目指す場合は両方、2~4級を目指す場合は「逐次通訳試験」のみを受験します。筆記試験はありません。

通訳として働きたい人はもちろん、貿易を行っている会社や海外との取引の多い会社、外資系企業などに転職する場合にも活かせる資格です。

<問い合わせ先>ビジネス通訳検定公式サイト

観光

観光産業で働きたい人や、海外出張などで海外に行くことが多い人は取得するとアピール材料になります。

観光英語検定試験…旅行・観光で使える実践的な英語力がわかる

おすすめな人:観光産業で働きたい人、海外出張の機会がある人

全国語学ビジネス観光教育協会が実施している、とくに観光の場面において国際人として外国人とコミュニケーションをするためのスキルを判定する試験。「観光英語」とは旅行や観光の際に使う実践的な英語を指しており、出題内容は空港、交通、ホテル、観光、ショッピングなどの場面を具体的に想定しています。さらに国内外の文化や歴史、地理の知識も問われます。

観光産業に従事している人はもちろん、海外出張が多い仕事などで海外慣れしていることをアピールしたい人などにおすすめの試験です。

<問い合わせ先>観光英語検定公式サイト

工業

工業系の専門職に就いている人で、英語が得意なことをアピールしたい場合に有効です。

技術英語能力検定(技術英検)…工業分野で国際的に活躍するための英語力がわかる

おすすめな人:理学・工学系の学生や研究者など、専門分野で海外とのやりとりを行いたい人

一般社団法人日本能率協会が運営する科学技術文書を英語で読み書きする能力を判定するための検定試験。技術情報の国際的なやり取りが増えるなか、読み手に誤解されない、はっきりと正確に事実を伝えるための英語力に重点を置いています。

試験は4つの級に分かれており、マークシートや記述形式による筆記試験になります。学生や研究者、またメーカーの開発職など、科学技術の専門知識・技術を持っており、その分野で国際的に活躍したい人に役立ちます。

<問い合わせ先>一般社団法人日本能率協会技術英語能力検定(技術英検)公式サイト

コラム:会計関連資格について

BATICは「IFRS(国際会計基準)」を中心にした出題の試験ですが、会計関連の資格で他に有名なものには同様に「IFRS(国際会計基準)」を中心にした会計能力を問う「IFRS検定」があります。

日本国内で開催されている試験は日本語のみ。英語で受験したい場合は、オンラインで何度でも受験できる、勉強用のテキストと試験がセットになったプログラムを受けることが可能です。

※IFRS検定の日本語受検については
http://www.ifrs-kentei.com/about_ifrs/index.php
※IFRSの試験を英語で受けるには
About the IFRSs learning and assessment programme(英語)

貿易

貿易関連の職場で働いている場合などは、実務能力と合わせて体系的な知識もあることがアピールできます。

貿易実務検定…貿易実務のエキスパートとしての能力を測る

おすすめ:貿易実務で働いている人や、通関士の勉強をしている人

日本貿易実務検定協会が実施する試験で、貿易実務の能力や知識を図ることを目的としています。貿易関係の法律を中心とした学習が必要とされる「通関士」の資格とは違い、貿易実務検定では、マーケティングから商談、契約、決済、クレームまで、実用的かつ幅広い学習が必要とされます。

レベルはA~C級の3つに分かれており、自分のスキルや知識がどの段階にあるのかがわかります。貿易実務で働いている人以外にも、個人輸入を行っている人や、通関士の勉強をしている人などにも役立つ検定です。転職でも意識の高さをアピールすることができます。

<問い合わせ先>日本貿易実務検定協会 貿易実務検定公式サイト

秘書

秘書としてステップアップするために、外資系企業や海外企業で働くことを考えている人におすすめの資格を紹介します。

CBS(国際秘書)検定…バイリンガル秘書として活躍したい人向け

おすすめ:外資系企業や海外企業で秘書業務に就きたい人

日本秘書協会が実施している、国際秘書を認定する検定。国際秘書とは、英語と日本を使ってプロフェッショナルとして高い能力を持って上司をサポートする秘書・アシスタントを指しています。

「プライマリー試験」の合格者には準CBS資格、「ファイナル試験」の合格者にはCBS資格が与えられます。審査内容は、「プライマリー試験」が「ビジネス実務」と「ビジネス英語」、「ファイナル試験」が「オフィス業務管理」「経営管理」「秘書実務」「日英両語による個人面接」となります。外資系企業や海外企業で秘書業務に就きたい人に向いています。

<問い合わせ先>一般社団法人日本秘書協会 CBS(国際秘書)検定公式サイト

米国公認秘書資格(CAP)検定……英語力とマネジメントに関する知識が必須

おすすめ:外資系企業や海外企業で秘書業務に就きたい人、MBAを目指す人

米国秘書協会(IAAP)が主催している、秘書の能力を測るための検定。卓越した英語能力はもちろんのこと、マネジメント、ビジネスレター、オフィスコミュニケーション、英文会計、IT、データのセキュリティ管理など、さまざまな知識やスキルが要求されます。

現在はコンピュータで試験が行われているので、国内ではピアソン社のテストセンターで受験できます。「プレMBA」と言われるほど広い範囲についてバランスの取れた能力が要求されるので、資格自体の知名度はあまり高くありませんが、マネジメントなどに対する意識の高さもアピールできます。

<問い合わせ先>The IAAP Certified Administrative Professional (CAP)公式サイト(英語)

コラム:取得した資格が廃止されてしまったら?

資格によっては、主催団体の解散などによって試験が開催されなくなってしまうことがありますが、希望職種と関係がある場合には履歴書に書いてかまいません

たとえば2009年まで実施されていた「英文会計検定」などは、以前はあったものの現在はもう試験が行われていません。残念ではありますが、せっかく勉強して取得した資格です。とくに英語プラスアルファの知識が問われる専門性の高い資格などは、「専門知識がある」「この資格を取得するために努力した」ということをアピールするためにもぜひ書いておきましょう。

ただし、資格によっては有効期限があり、それをすぎると更新しなければならない場合があります。また、TOEICの点数などについては、企業側が「○年内に取得したスコアのみ記入可」などと指定している場合もありますので、履歴書に記載する際はくれぐれもご注意を。

まとめ

以上が転職・就職に有利な英語資格の一覧です。

これから英語の資格を取ってみようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

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