退職理由と切り出し方 円満退職を実現するには?

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スムーズに次の職場に移るためにも、円満退職を実現したい。そんなふうに考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では円満退職の基本的な考え方と、円満退職を実現するためのコツをご紹介します。

円満退職とは何か

そもそも円満退職とはどのような状態を指すのでしょうか。また、なぜ円満退職を目指す必要があるのでしょうか。

円満退職を実現する前に、それらの基本的なポイントを把握しておきましょう。

円満退職とは退職者も会社も納得したうえでの退職

同僚から「次も頑張れよ!」「後任は任せてください!」と励まされて「ありがとうございます」と笑って花束を持っている男性。

円満退職とは、退職者と会社が双方納得したうえで退職することです。たとえば以下のような状態が挙げられます。

  • 会社ともめていない
  • 退職手続きが正しく済んでいる
  • 仕事の引き継ぎが済んでいる

転職後にも、以前いた会社と関わりを持つことはあり得ます。そんなときにギクシャクせずに仕事ができる程度の関係性を残しておくことは、今後のキャリアのために大切です。もちろん、気分的にも円満退職の方が楽でしょう。

必ずしも全員から祝福されての退職である必要はありませんが、お互いに社会人として敬意を払い、退職後の仕事に支障をきたすことがなければ円満退職と言えます。よほど問題のある職場でない限り、多くの人が円満退職を実践できているのではないでしょうか。

円満退職できない場合のリスク

円満退職できなかった場合のリスク:転職先や業界に悪評が広まる。損害賠償請求をされる。前職の人脈を駆使できない。

円満退職できない場合には、今後のキャリアへのリスクも生じることがあります。 

転職先や業界に悪評が広まる

もめ事を起こしたり、仕事を残したりしたまま退職してしまうと「あの人はトラブルメーカーらしい」「実は無責任な人らしい」などと悪評を広められる可能性があります。

そのうわさが転職先や自身の働く業界に伝わり、結果として仕事上の不利益を被ることもあるかもしれません。 

損害賠償を請求される

引継ぎが不十分だったり、顧客情報を独占したまま退職することで契約打ち切りなどの損害が生じたりすると、会社から損害賠償を請求されるリスクがあります。

労働者側によっぽどの落ち度がない限りは損害賠償請求が起こされる可能性は低いですが、面倒な事態を避けるためにも、円満退職をすることが一番です。

前職の人脈を駆使できない

退職後、前職の人脈を生かすことで仕事がスムーズになる場面があります。そのつながりを期待して転職先から採用された場合もあるでしょう。

しかし、前職を円満退職できなかった場合はそのような人脈が駆使できず、仕事上で使える武器を1つ失うことになります。

コラム:円満退職を目指さないケース

退職を切り出した際に「辞めるなら損害賠償を請求する」と無理に引き止められたり、逆に「明日から来なくていい」と無理やり即日で辞めさせられたりする場合は、円満退職を目指す必要はありません

そういったケースで円満退職をしようと相手の要求に応じると、こちらが損をさせられます。引き止められても、退職の意思を示してから14日経てば辞められますし、「明日から来なくていい」と言われても、法律上は30日以上前に解雇予告をする必要があります。

トラブルが起きても、毅然とした態度で退職交渉を行いましょう。

円満退職できる退職理由と切り出し方

円満退職とは何かがわかったら、次は具体的な実現の方法が知りたいですよね。

ここからは、円満退職を実現するための退職理由と切り出し方・タイミングについて説明します。

退職理由は個人的な理由が無難

退職理由の良し悪し:【良い】個人的な理由、前向きな理由【悪い】会社への批判、引き止める余地が少ない、退職に対する前向き

円満に退職するためには以下のような個人的で前向きな理由を伝えましょう。

  • ○○に興味が出てきたのでそれに関わる仕事がしたい
  • ステップアップのため、違う環境で自分の実力を試したい
  • 将来やりたい仕事があり、そのための勉強・資格取得に専念したい

これらの理由のポイントは以下の3つです。

(1)会社に対する批判ではない

(2)引き止める余地が少ない

(3)退職に前向きな気持ちが感じられる

会社に対する批判を行っては上司・同僚の気分を害することになり、円満退職は遠のきます。

また、退職交渉の際、給料や休日が少ないなどの不満を口にすると「その点を改善するから」と引き止めにあう可能性もあります。

そのため、転職を応援したくなるような個人的で前向きな理由を告げるのが一番です。

退職理由は建前で問題ない

「本当は人間関係が理由なんだけどな…」と思いながら、『〇〇○のため退職させていただきます。』と伝える男性。

「そうは言っても本当の退職理由は会社への不満なんだけど……」そう迷っている方もいるかもしれません。

しかし、円満退職のために建前の理由を話すことは非常に一般的なことです。

2016年に人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』が1,515名を対象に行った調査では、会社に伝えた退職理由が本音と異なる人は47%と約半数近い割合でした。

退職の際、余計なトラブルを防ぐために建前を使うのは、当たり前のことです。ただし、病気ではないのに「病気になった」などあまりに大胆な嘘をつくとバレやすくなりますし、お見舞い金などを差し出される可能性もあるため、なるべく現実に即した建前を話すことを意識しましょう。

※参考:エン・ジャパン「退職理由のホンネとタテマエ会社に伝えた退職理由は「家庭の都合」、実際は…?」

強く引き止められたらどうすれば良い?

曲げない意思、折れない心でお辞儀をする男性。

「個人的で前向きな理由」を伝えたにも関わらず、上司や人事担当者から強く引き止められたとしても、強い意思を持って退職したい旨を伝えましょう

会社にとって必要な人材だと言われたり、給料など待遇を改善すると申し出られたりするとつい心がグラついてしまいますが、そんなときはなぜ転職したかったのかをもう一度思い出すべきです。

※引き止められたときのより詳しい対処方法についてはこちら
→『退職を引き止められたとき、穏便にすませるための上手な対処方法

退職の切り出し方とタイミング

退職は、退職日の1.5~3ヶ月前「今ちょっとよろしいですか?」と直属の上司に対して切り出しましょう。

労働基準法では会社を退職できるのは退職の意思を示した2週間後と定められていますが、円満退職を実現するには退職交渉や引継ぎにかかる期間を考えて、1.5ヶ月以上は間を空けるのがベターです。相談に乗ってもらえそうであれば別室に誘導し、正式に退職したいことを伝えます。

退職を切り出した後のスケジュールは以下の図の通りです。

退職を切り出すタイミングとスケジュール。1ヶ月半前に内定が出たとして、その後すぐ退職交渉。引継ぎ・有給消化1~1.5ヶ月を経て退職。その後、転職先に入社となる。

退職の切り出し方についてより詳しく知りたい方は、『円満に辞められる正しい退職の切り出し方』をご覧ください。

まとめ

円満退職ができる自信は湧いてきたでしょうか。円満退職は何も特別なことをしなくても、常識的で誠実なふるまいを心がければ容易に実現できるものです。

不安に思いすぎず、この記事のアドバイスに従ってみてください。

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