郵送・メールのマナーまで紹介 内定承諾書とは?いつまでに提出する?
内定後に企業から送られてくる、内定承諾書。
この記事では、内定承諾書が「どんな意味を持つ書類なのか」「いつまでに提出すべきなのか」の解説や、正しい提出方法についてご紹介します。
内定承諾書とは?
内定承諾書とは、内定者が入社を約束する書類
内定承諾書とは、内定者がその企業に入社することを約束する、意思表示のための書類です。「入社承諾書」「内定誓約書」とも呼ばれます。発行が義務付けられているわけではないため、企業によっては用意されないケースもあります。
法的な拘束力はありませんが、内定承諾書を提出すると「その企業に入社することを承諾した」とみなされます。内定先に入社する意思がある場合は、必要事項を記入して早めに返送しましょう。
逆に入社するか迷っている場合は、安易に提出しないよう気を付けてください。
なお、名前が似ている書類に「内定通知書」「内定証明書」「採用通知書」などがありますが、これらは「企業があなたに対して、内定した事実を伝える」ための書類です。企業によっては発行せずに、口頭で内定した事実を伝える場合もあります。
いつまでに提出する?記入方法は?
内定承諾書は、1週間以内に提出する
内定承諾書の提出期限は、1週間以内で設定されるのが一般的です。企業から期限の指定が無かった場合も、受け取ってから1週間以内に提出しましょう。
提出期限ぎりぎりに投函すると、配送トラブル等で提出期限に間に合わなくなる可能性があるため、日数には余裕をもちましょう。
もし、提出の期限内に内定承諾の決断ができなさそうであれば、必ず事前に企業へ内定保留のお願いをしてください。
▼失礼にならない、内定保留の伝え方は…
記入の前に、労働条件などの最終確認を
内定承諾書を記入・提出する前に、労働条件などが求人票・面接時に確認した内容と違わないか、最終確認を行いましょう。
確認の際は、内定承諾書に同封されている労働条件通知書を使います。最低限、下記の8項目はチェックしておくのがおすすめです。
内定承諾前に確認すべき項目
- 入社日
- 労働契約の期間
- 勤務場所・仕事内容
- 労働時間・休みに関する内容(始業・終業時間、残業の有無、休日・休暇など)
- 給料について(計算方法、支払い方法、締切日・支払日)
- 退職や解雇の条件
- 交代勤務の場合の交代期日・交代順序など
- 昇給に関する事項
▼その他、労働条件通知書で確認したい内容については…
内定承諾書の記入方法
一般的な内定承諾書の記入箇所は、下記の5点です。なお、捺印の際はスタンプ印(シヤチハタ)ではなく、朱肉を使って押す印鑑を使いましょう。
内定承諾書の記入箇所
- 記入日(郵送の場合は投函日、企業に手渡しする場合は訪問する日付)
- 入社日
- 住所
- 氏名
- 捺印(朱肉を使って押す印鑑)
内定承諾書は、送付状をつけて郵送する
郵送で内定承諾書を提出する場合、送付状(添え状)をつけるのがマナーです。「投函日の日付」や「同封書類の一覧」など、6つの項目を記載します。
送付状に記載する6つの内容
- 投函日の日付
- 宛名
- 差出人の情報(住所、電話番号、メールアドレスなど)
- 頭語・結語(拝啓-敬具、拝呈-拝具など)
- 時候の挨拶、内定へのお礼など
- 同封書類の一覧
なお、送付状はPC・手書きどちらで作成してもOK。下記のボタンからテンプレートをダウンロードして作成するのがおすすめです。
▼内定承諾書の送付状の書き方について、くわしくは……
内定承諾書の封筒の選び方・書き方は?
内定承諾書を返送する際のマナーとして、封筒の選び方・宛名の書き方をそれぞれ解説します。
なお、くわしい内容は下記の記事でも紹介しているので、併せて参考にしてください。
封筒の選び方
内定承諾書を郵送する際は、原則として折らずに入れられる封筒に入れます。一般的なA4サイズの書類なら「角型2号」の封筒に入れて返送しましょう。
また、企業から三つ折りなどで届いた場合は、その状態で返送してOKです。三つ折りで届いた場合は「長形3号」を選ぶといいでしょう。
なお、封筒の色は必ず白を選んでください。
封筒の宛名の書き方
内定承諾書を入れる封筒には、オモテ・ウラ面それぞれに下記の内容を記入します。
縦書き・横書き封筒どちらでも書く内容は変わらないので、画像を参考に記入しましょう。
オモテ面 | ウラ面 |
|
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内定承諾書は普通郵便・書留どちらで送ってもOK
内定承諾書を郵送する際は、普通郵便・書留どちらで送っても構いません。企業に届いたかどうかを確実に知りたい場合は、配達記録が残る「一般書留または簡易書留」で送るといいでしょう。
書留にかかる追加料金は、一般書留が基本料金+435円、簡易書留が基本料金+320円となっています。
なお、一般書留・簡易書留の違いは下記のとおり。書類が企業に届いたことだけを確認したい場合は、簡易書留を選ぶといいでしょう。
一般書留 |
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簡易書留 |
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メールで内定承諾書を提出する場合は、どうする?
企業によっては、内定承諾書などの書類をメールで提出するよう求められるケースがあります。その場合は、企業からの提出依頼メールに返信する形でメールを作成し、書類を添付して送信しましょう。
なおメール本文には、送付状と同じく「同封書類の一覧」を必ず記載します。くわしくは下記の例文を参考にしてください。
件名:
Re: 内定承諾書送付のご依頼
本文:
株式会社◯◯◯
人事部 △△様
お世話になっております。
[氏名]と申します。
先日ご依頼いただいた書類提出の件、下記のとおり添付にて送付させていただきます。
〈記〉
- 内定承諾書 1部
- 普通自動車免許証のコピー 1部
以上
ご多用のところ恐れ入りますが、
ご査収のほど、何卒よろしくお願いいたします。
氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)
よくある疑問・Q&A
ここからは、内定承諾書に関するよくある疑問にお答えします。
Q. 内定承諾書の提出後でも辞退できる?
民法において、内定辞退(労働契約の解除)はいつでも申し入れが可能とされています。
ただし、会社の信頼を著しく損ねるような辞退をした場合、損害賠償を請求された事例もあります。合理的な理由が無いケースや、入社直前など非常識なタイミングでの辞退にはリスクがあるので注意してください。
▼内定承諾書提出後の辞退について、くわしくは…
Q. 「内定承諾書を送る」と言われたが、なかなか届かない…
そもそも内定承諾書を用意しない企業もありますが、もし送ると言われているのに届かない場合は、企業に確認の連絡を入れましょう。
内定承諾書は、企業から内定の連絡があってから数日~1週間ほどで届くのが一般的です。ただし、内定者が多かったり、企業の繁忙期に重なっていたりすると、発送が遅くなる場合もあります。
目安として、もし1週間以上経っても内定承諾書が届かなければ、メールで採用担当者に問い合わせましょう。
問い合わせの際は印象が悪くならないよう、相手を非難することは避け、届いていない事実と確認の依頼のみを行いましょう。
件名:
内定承諾書の発送について
本文:
株式会社◯◯◯
人事部 △△様
お世話になっております。
先日内定のご連絡をいただいた、[氏名]と申します。
内定のご連絡の際にお聞きした「内定承諾書」について、
まだ手元に届いておらず、確認のためご連絡させていただきました。
お手数をおかけして恐縮ですが、発送状況をご確認いただけますでしょうか。
ご多用のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)
Q. 記入ミスで内定取り消しはありうる?
内定承諾書の記入ミスだけで内定取り消しになるかどうかは、企業によって判断基準が異なるので一概に「取り消しの可能性が無い」とは言い切れません。
ただし、日付や住所の形式のミス程度であれば、内定取り消しになる可能性は低いでしょう。
もし不安なら、記入ミスに気付いた段階で採用担当者に相談して判断を仰ぐのもひとつの方法です。内定承諾書の再発行といった対応を取ってもらえます。