体調不良や他社内定など 面接を当日キャンセル・辞退する方法

やむを得ない事情があって、面接を当日にキャンセル・辞退したいとき、どのように伝えればいいのでしょうか?また、当日キャンセルによって選考に影響は出てしまうのでしょうか?

面接の当日キャンセル・辞退の方法や、企業への印象について解説します。

面接は当日キャンセルしても大丈夫?

やむを得ない事情なら悪影響はない

急な体調不良や仕事の都合など、やむを得ない事情がある場合は、面接を当日キャンセルしても悪い印象にはなりにくいでしょう。日程調整も対応してもらえるケースがほとんどです。

ただし、当日のキャンセル連絡は電話で行うのがマナー。緊急性が高く、確実に伝える必要があるからです。

〈やむを得ない事情とは〉

  • 急な体調不良
  • 仕事の都合
  • 交通機関のトラブル
  • 家庭の事情(子どもの看病など)

一方、キャンセルの理由を明確に答えなかったり他社選考と予定が被ってしまったことをそのまま伝えたりすると「志望度が低い」として、採用担当者の心証を悪くする可能性があるようです。

日程調整をして後日改めて面接を受けたいのであれば、誠意ある対応を心がけましょう

当日の選考辞退はマナー違反

面接当日に選考辞退するのはマナー違反にあたるため、極力避けましょう。企業としては採用候補者を突然1人失うこととなり、採用活動の計画に大きな狂いが生じてしまいます。

場合によっては、企業から辞退理由について詳しく追及されたり、選考に残って欲しいと引き止めを受けたりすることも。

もし選考そのものを辞退したいのであれば、社会人として、面接の前日までに連絡しておくのがベターです。

採用枠が埋まってしまうリスクも

一度面接をキャンセルしてしまうと、再調整できずに採用見送りとなるリスクもゼロではありません

キャンセルしたことで他の候補者の面接が先に行われ、その人が合格・内定した場合、選考通過の枠や採用の枠に空きがなくなることがあるからです。

とくに応募者が多い企業ではこうしたケースが稀にあるため、面接の当日キャンセルには慎重になるべきでしょう。

〈日程調整したい〉ときの電話例文

面接を一旦キャンセルし、日程調整をして後日改めて面接をしたい場合の例文を、状況別に4つ紹介します。

急な体調不良

〈例文〉
お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変恐れ入りますが、急な体調不良で高熱が出ているため、面接にお伺いすることが難しい状態です。誠に申し訳ないのですが、面接の日程を変更していただくことは可能でしょうか?

当日キャンセルの理由が急な発熱やインフルエンザといった体調不良の場合は、症状について具体的に話すことで、日程調整もやむを得ないと受け取ってもらいやすくなります。

嘘のない範囲で、症状の重さを伝えましょう。

仕事の都合

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、急ぎ本日の◯時までに対応が必要な業務が入ってしまったため、面接にお伺いすることが難しい状態です。誠に申し訳ないのですが、面接の日程を変更していただくことは可能でしょうか?

現職の仕事の都合で当日キャンセルする場合、どうしても対応が必要な予定が面接の時間と被ってしまった点を強調して伝えましょう。

取引先からの急な対応依頼などは予想が難しいため、致し方ないとして受け入れてもらえる可能性が高いでしょう。

交通機関のトラブル

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

ただ今、御社に向かっている最中なのですが、○○線の電車が事故のため◯◯駅と△△駅の間で止まっており、いつ運転が再開するのかわからないとのことです。このまま復旧しなければ、○時の面接には遅れてしまいます。

ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。もし可能であれば、面接を後日に再調整していただけないでしょうか?

当日のキャンセル理由が交通機関のトラブルの場合、トラブルの詳細と復旧の目途を伝えるのがポイントです。

その上で、状況に応じて面接の日程を再調整するか、そのまま向かうか判断し、採用担当者に伝えましょう。

もし、走行中の電車内にいて電話ができない場合はひとまずメールで連絡をし、下車してから改めて電話をかけましょう。

復旧の目処が立たない場合

大きな事故により、交通機関が運転再開する時刻がわからない場合は、面接の日程を後日に再調整できないか打診しましょう。復旧の目処が立たない以上、運転が再開し、到着するまで採用担当者や面接官を待たせるわけにはいきません。

運転再開の見込みがある場合

運転が再開する時刻が明確にわかっていたり、5分~10分程度の遅刻で済みそうな場合は、そのまま会場に向かってもいいか確認しましょう。

〈例文〉

(前略)

ただ今、御社に向かっている最中なのですが、○○線の電車が事故のため遅延しております。

今から伺うと5分ほど遅れてしまいそうなのですが、このまま向かってもよろしいでしょうか?あるいは、後日に再調整していただくことは可能でしょうか?

最終手段ではありますが、電車は止まっているものの、駅には降車できている場合、タクシーなど他の交通手段を使うのも一つの手です。

▼面接に遅刻する場合の電話例文

家庭の事情

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、先ほど母が転倒して急遽病院に運ばれ、付き添う必要があるため、面接にお伺いすることが難しくなってしまいました。

誠に申し訳ないのですが、面接の日程を変更していただくことは可能でしょうか?

家庭の事情で当日キャンセルする場合、詳細まで話す必要はありません。

ただし、誰がどうなったかの概要は、伝えたほうが採用担当者の理解は得やすくなるでしょう。

コラム:お礼メールやお詫びの一言も忘れずに

無事に面接の日程変更ができた場合は、日時の確認を兼ねたお礼メールを送りましょう

謝罪の気持ちに加えて、面接日程を調整してもらえたことに対する感謝も伝えるのがポイントです。

〈お礼メールの例文〉

▼件名

面接日程変更の御礼(○○○○←応募者のフルネーム)

▼本文

□□株式会社
□□部署 □□様

いつも大変お世話になっております。

○○○○(フルネーム)です。
本日は、お忙しい中、面接日程の調整にお手数をおかけし、大変申し訳ございませんでした。

ご調整いただきました◯月◯日◯時にご訪問させていただきます。
誠にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願いいたします。

▼署名
◯◯◯◯(フルネーム)
電話番号
メールアドレス

また、次回面接に行った際は、採用担当者や面接官に必ず一言お礼を伝えましょう。第一印象も良くなり、面接がスムーズに進みます。

〈お礼の例文〉

先日は急なご連絡だったのにもかかわらず、面接の日程をご調整いただき、本当にありがとうございました。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

お礼の品や、手土産などは必要ありません。礼儀を忘れず、誠意ある対応で面接に臨むことが一番です。

〈選考辞退したい〉ときの電話例文

面接当日に選考そのものを辞退したいときの例文を2つ紹介します。

他社から内定が出た

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、この度、第一志望の企業から内定をいただいたため、面接を辞退させていただきたく、お電話差し上げました。

今先ほど連絡をいただいたため、ご連絡が直前になってしまい、誠に申し訳ございません。

他社からの内定を理由に面接を辞退する場合、内定先が第一志望であり、そこへの入社が確定していることを伝えるのがポイントです。

条件が合わない

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、以前よりご相談させていただいておりました○○という条件について、やはり自分の希望に合っておらず、変更も難しいとのことでしたので、面接を辞退させていただきたく、お電話差し上げました。

そちらについてずっと悩んでおりましたため、ご連絡が当日になってしまい、誠に申し訳ございません。

条件に不満があり面接を辞退する場合、ネックになっている具体例な条件が何かに加え、変更も望めないことを伝えるのがポイントです。

転職を考え直した

〈例文〉

お忙しいところ恐れ入ります。

本日、○時から面接のお時間をいただいております、□□□□(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、転職について家族に相談したところ、来年に子どもの受験や進学を控えていることもあり、年収や職場環境が変わることを懸念材料として妻に反対され、やむを得ずひとまずは現職に留まることに決めました。大変身勝手な都合で恐れ入りますが、本日の面接を辞退させていただきたく、お電話差し上げました。

そちらについて家庭内でずっと揉めておりましたため、ご連絡が当日になってしまい、誠に申し訳ございません。

転職そのものを考え直して選考を辞退する場合、家族とも相談したなど、自分の意思だけではどうにもできない旨を伝えましょう。

そもそも転職するか否かは応募前によく考えておくべきこと。採用担当者に納得してもらうためには、面接当日に辞退するに足る理由について、具体的に話す必要があるでしょう。

辞退理由があいまいだと、引き止められる可能性も

選考を辞退したい場合、しっかりと選考辞退の理由を述べることが大切です。

辞退理由を「迷っている」「自信がない」「やりたいことと違う気がする」などのあいまいな理由にすると、引き止められる可能性もあります

企業側も多くの人員や時間をかけて採用活動を行っているため、交渉によって辞退を考え直してもらいたい、あるいはその後の採用活動に活かすために辞退理由を詳しく聞きたいと考えているからです。

また、体調不良など嘘をついた場合も、別の日程を案内される恐れがあるため、おすすめできません。

コラム:他の企業への連絡も忘れずに

第一志望の企業から内定をもらって転職活動を終える場合、内定先には内定お礼メールを、他の応募先には選考辞退・内定辞退メールを送る必要があります。

下記の記事から自分の状況にあった例文を確認し、忘れずに送りましょう。

▼内定先には…

▼その他の応募先には…

〈内定を辞退するとき〉

〈選考を辞退するとき〉

担当者不在なら、伝言を依頼する

面接の当日キャンセルの電話をかけたものの、採用担当者が不在だった場合、電話を取ってくれた人に伝言を依頼します。

本来であれば担当者本人に直接伝えるべきですが、当日キャンセルの場合は急を要するため、ひとまず伝言で問題ありません。

電話を切った後、念の為採用担当者にもメールを送りつつ、時間を置いて改めて電話をかけ直しましょう

【担当者不在のときの対応3つのステップ】1.電話の相手に伝言を頼む2.採用担当者にキャンセルメールを送る3.採用担当者に改めて電話をする(メール返信があった場合は不要)

伝言を頼むとき

〈例文〉

――採用担当の◯◯ですが、あいにく席を外しております。

そうでしたか。大変申し上げにくいのですが、急な体調不良で高熱が出ているため、本日の面接に伺うのが難しく、キャンセルのご連絡をさせていただきました。

お手数ですが、その旨、採用担当の△△様へ伝言をお願いできますでしょうか?申し訳ございません。

――そうだったんですね。もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか?

はい、□□□□(フルネーム)と申します。よろしくお願いいたします。

△△様にはまた私から改めてお電話差し上げたいのですが、△△様はお席に何時ごろお戻りになられますか?

伝言を依頼する場合も、フルネームとキャンセル理由を確実に伝えましょう。その上で、採用担当者が戻ってくる時間帯を聞きます。

場合によっては相手から「◯◯(採用担当者)からお電話差し上げます」と提案されることも。その場合、電話に確実に出られる時間帯を伝えましょう。

キャンセルメールの例文

▼件名

面接日程変更のお願い(○○○○←応募者のフルネーム)

▼本文

□□株式会社
□□部 □□様

いつも大変お世話になっております。
本日面接のお時間をいただいております、○○○○(フルネーム)です。

先ほどお電話にてご伝言をお願いしたのですが、改めてメールでもご連絡差し上げます。

本日、急な発熱のため面接に向かうのが難しく、もし可能であれば、面接の日程を変更していただけないでしょうか。
(※辞退希望の場合は「選考を辞退させていただけませんでしょうか」)

急なご連絡となり、ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございません。

後ほど改めてお電話いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

▼署名
◯◯◯◯(フルネーム)
電話番号
メールアドレス

伝言を頼んだ後は、念のため担当者本人にキャンセルと謝罪のメールを送っておきましょう。直接お詫びをするのがマナーですし、伝言が伝わっていない可能性もないとは言い切れません。

かけ直しをするとき

〈例文〉

――はい、採用担当の◯◯です。

お忙しいところ恐れ入ります。本日面接のお時間を頂戴しておりました□□□□(フルネーム)です。

先ほどご連絡した際はお席を外されていたので、直接お詫びしたく、改めてお電話を差し上げました。

本日は私の勝手な都合で大変なご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

――いえ、ご丁寧にありがとうございます。

以後このようなことがないようにいたします。不躾(ぶしつけ)なお願いではございますが、御社の選考を受けたいという気持ちに変わりはございませんので、もし可能であれば、再度面接の機会をいただけないでしょうか?

採用担当者にかけ直しの電話をする際は、まずは改めてお詫びの気持ちを伝えましょう。その上で「不躾なお願いではございますが」などと前置きし、面接の日程調整ができないか打診します。

一方、そのまま選考辞退したい場合は「〈選考辞退したい〉ときの電話例文」から、伝え方を確認してください。

なお、電話をする前にキャンセルメールへの返信があった場合は、わざわざ電話をする必要はありません。

転職エージェントを利用しているときは?

担当者に電話で連絡する

転職エージェント経由で応募した場合は、まずは担当者に電話で連絡し、指示を仰ぎましょう。企業に直接連絡する必要はありません。後日、日程調整をしてもらえるケースが一般的です。

一方、面接当日になって選考そのものを辞退するのは、転職エージェントを利用していないときと同様、マナー違反。応募先にも担当者にも迷惑がかかるので、できるだけ避けましょう。

選考を辞退するとき

〈例文〉

大変申し訳ないのですが、株式会社○○の面接をキャンセルしたいと考えています。

実は昨日、直接応募していた他の会社から採用のご連絡をいただきました。第一志望だったため、内定を承諾しようと考えています。

面接当日の連絡で恐縮ですが、このまま面接を受けてもかえってご迷惑になると思いますのでご連絡を差し上げた次第です。

直前のご連絡となってしまい、誠に申し訳ございません。

なお、自分で断る必要がないからといって、内定辞退する前提で興味のない会社の選考を進めるのはNG。たとえ担当者に強くすすめられても、自分の希望と異なる企業の場合、選考を断ってかまいません。

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