税金の扱いにも気を付けよう 年収に交通費は含まれる?

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転職活動の面接で、前職や希望の年収を聞かれたときに、遠距離の会社だと「交通費を含めた数字を答えて良いのか」と疑問に思うこともありますよね。

ここでは、状況に合わせて適切な年収を答えることができるように、交通費と年収の関係について解説していきます。

一般的な「年収」は交通費を含まない

一般的に言われる「年収」は交通費を含みません。

保険料や税金を引く前の毎月の給料と、賞与や通勤手当(交通費)以外の手当を足した合計額が「年収」です。手取り金額ではありません。

面接で聞かれる前職の年収と希望年収ですが、それぞれどのように答えるべきか、詳しく見ていきましょう。

前職の年収は源泉徴収票の支払金額を答える

面接で前職の年収を聞かれたときは、交通費を含めず、源泉徴収票の支払金額の数字を答えましょう。

この金額には賞与や手当、保険料などが含まれていますが、非課税分の交通費は引かれています。

ちなみに、保険料や税金が差し引かれた手取り額で答えると、あなたの価値を低く見積もられ、損をすることにもなりかねないので気を付けましょう。

源泉徴収票の見本

 

希望年収を聞かれたら交通費は入れなくても良い

転職の際に面接で聞かれる希望年収も、仕事に対する報酬の金額を指すので交通費は入れずに、保険料や税金が引かれる前の総支給額を答えましょう。

ただし、派遣社員のように交通費を給料に含んで渡している場合、交通費も給料として扱われるので注意。年収で損をしないためにも、面接では交通費を給料扱いにしているかどうか確認したうえで、希望年収を答えるようにしましょう。

※転職時の給与交渉について詳しくは→転職時の給与交渉│基本の流れと失敗しないためのコツ

厳密な「年収」を計算する場合は交通費を含めていい

年収に交通費を含めるのはどんな場合か、交通費に税金はかかるのかなどの基礎知識を解説いたします。

交通費や家賃補助などを含めた年収が「総支給額」

税金や保険料を引く前の給料・賞与に、交通費や家賃補助などの各種手当も含めた給料を総支給額といいます。何も引かれていない状態の数字であり、厳密な年収ともいえます。

交通費は通勤するための必要経費

交通費は通勤手当とも呼ばれ、仕事を行うための必要経費とされています。そのため、一定の金額までは非課税扱いで税金がかかりません。この限度額を交通費の非課税限度額と言います。

2016年度の税制改正では、公共交通機関を利用する場合の非課税限度額が、ひと月当たり15万円に引き上げられました。

自動車や自転車での通勤の場合、距離によって限度額が異なります。ただし、通常会社が計算してくれるので、特に意識する必要はありません。

交通機関・有料道路を利用した場合と、交通機関の通勤用定期乗車券…1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額(最高限度 15万円)は課税されない。交通機関・有料道路を利用+交通用具を使用+通勤用定期乗車券…1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額との合計額(最高限度 15万円)は課税されない。自動車や自転車等の交通用具を使用した場合は、距離によって限度額が異なる。詳しくは以下のとおり。通勤距離が片道55km以上:3万1,600円。通勤距離が片道45km以上55km未満:2万8,000円。通勤距離が片道35km以上45km未満:2万4,400円。通勤距離が片道25km以上35km未満:1万8,700円。通勤距離が片道15km以上25km未満:1万2,900円。通勤距離が片道10km以上15km未満:7,100円。通勤距離が片道2km以上10km未満:4,200円。通勤距離が片道2km未満:(全額課税)。

※出典:通勤手当の非課税限度額の引上げについて|国税庁

税金や保険料によって年収に交通費を含むかは変わる

転職して年収や交通費が変わると、税金や保険料にも影響します。

前職の年収を維持するためにも、交通費と税金の関係について知っておきましょう。

社会保険の計算では年収に交通費を含む

健康保険や厚生年金などの社会保険料は、交通費込みの年収で計算されます。

その理由は、交通費は労働の対価ではなく生計を維持するために必要なものであるため、社会保険料の対象とされるからです。そのため、交通費が高いほど社会保険料が上がるともいえます。

所得税や住民税など税金の計算では交通費は含まない

所得税や住民税などの税金を計算する際、非課税分の交通費は年収に含みません。なぜなら、交通費は労働による対価ではなく必要経費のため、所得とは言えないからです。

ただし、もし交通費が1ヶ月15万円以上など非課税限度額を越えた場合、超えた金額は課税対象となります。

なお、派遣社員のように給料が交通費込みになっている場合、全額課税対象となってしまうので注意。ちなみに、ふるさと納税の計算では、非課税分の交通費は年収に含みません。

※所得税の控除について詳しくは→所得税の控除とは?控除一覧&計算例

扶養内で働くときは年収130万円の壁に注意

扶養の範囲内で働く人は、交通費を含めて年収130万円未満になるように気を付けましょう。

パートやアルバイトの場合も、社会保険料の算定では課税・非課税問わず交通費は年収に含まれます。

また、扶養の範囲内で働くための壁には年収103万円の壁もありますが、その場合は非課税分の交通費は年収に含まれません。130万円と103万円の壁を意識したうえで、交通費がいくらになるのかをハッキリさせて、扶養内で働けるようにしましょう。

※扶養控除について詳しくは→意外と知らない扶養控除のすべて

まとめ

交通費は場面によって、年収に含まれる場合と含まれない場合があります。転職の面接では、基本的に交通費は含めない金額を答えましょう。

また、交通費には非課税限度額があることも意識して受け取るようにしてください。

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