スーツじゃないとダメ? 転職の面接の正しい服装【男女別】
転職の面接が決まったものの、どんな服装で行けばいいのか、やっぱりスーツの方がいいのか、頭を悩ませる人は少なくありません。
転職の面接にふさわしい服装・身だしなみマナーを、男女別・写真付きで解説します。
転職の面接の服装はスーツじゃないとダメ?
スーツが基本!ない場合は1着買う
転職の面接において、服装はスーツが基本です。
採用面接は求職者と面接官がお互いを見定めるフォーマルな場。商談と同じように、TPOをわきまえたビジネスパーソンとしての振る舞いが求められるからです。
普段スーツを着ない方は、面接用に1着購入しましょう。ユニクロなどのファストファッションブランドなら、ジャケット・パンツ合わせて1万~2万円台で揃えることができます。
ただし、金融・保険業界やホテル業界など、堅実さや清潔感が重視される一部の業界を志望する場合、スーツ専門店などで身体にフィットした高品質なものを準備できると安心です。
価格別のスーツが購入できる場所や、お直し・受け取りにかかる日数などについては、下記の記事でくわしく解説しています。
すでにスーツを持っている方は、今の体型に合っているか要チェック。「小さすぎてボタンが留まらない」「大きすぎてダボダボ」といったことがないようにしましょう。面接官に「だらしない」「仕事ができなさそう」といった印象を与えてしまうからです。
何年も前に買ったスーツは、形が古いだけでなく身体に合わなくなっている可能性もあります。転職を機に買い直すのも良いでしょう。
就活時のリクルートスーツは避ける
転職活動において、就活で使ったリクルートスーツを着回すことはおすすめできません。リクルートスーツによくある「黒無地」は、ビジネスシーンにおいては一般的ではないからです。
一目で「就活生っぽい」垢抜けない印象になってしまうため、新しいスーツを1着買うのが無難でしょう。
企業によってはオフィスカジュアルでもOK
応募先企業の社風・雰囲気によっては、ジャケット・チノパンといったオフィスカジュアルのスタイルで面接に臨むのも選択肢の1つです。
昨今ではIT業界をはじめとし、服装の規定がゆるく、普段スーツを着ない企業も増えてきています。
オフィスカジュアルの例
スーツかオフィスカジュアルで迷った場合、企業のホームページなどにあるオフィス風景や社員インタビューのページを確認し、社員がどんな服装で働いているかをチェックしましょう。
とはいえスーツを着て失礼にあたることはないので、不安な場合はスーツにするのが無難です。
オフィスカジュアルのコーディネート例について、詳しくは下記の記事で解説しています。
服装を指定されることもある
エンタメ・ファッション業界などの一部の業界では、面接時の服装について「私服で」「あなたらしい服装で」「スーツ以外の服装で」といった指定をされることも。
その際は、ホームページなどにあるオフィス風景や社員インタビューのページを確認し、応募先企業やブランドの雰囲気・イメージに近い服装を準備しましょう。
服装指定の文言別の正しいコーディネートについては、下記の記事で解説しています。
コラム:Web・オンライン面接でもスーツが無難
コロナ禍で増えたWeb・オンライン面接ですが、対面の面接と変わらずスーツが基本です。
自宅だからと言って、部屋着や普段着のままで面接を受けるのは避けましょう。
また、Web・オンライン面接では上半身だけが映るものの、何かの拍子で下半身も画角に入る可能性もあるため、パンツやスカートもきちんと身につけましょう。
Web・オンライン面接のマナーや注意点については、下記の記事でまるっと解説しています。
【女性】転職の面接にふさわしい服装・スーツ
ジャケット
転職の面接で着るスーツの色は、ビジネス向きの黒・濃紺・グレーがベター。
子どもの入学式に着るようなツイードカラーのジャケットや、華やかな色のオシャレスーツは面接には不向きです。
また、ジャケットのボタンはすべて閉めるのがマナーです。インナーの袖を見せる必要はありません。
ポケットのフラップはしまっておく
ジャケットの種類によっては、両サイドの腰ポケットにフラップが付いていることも。その場合、フラップは応募先企業のオフィスに入る前にポケットの中へしまっておきましょう。
ポケットのフラップはそもそも、屋外で雨やゴミがポケットに入らないようにするためのもの。屋内の面接会場ではその心配はないので、フラップはポケットの中にしまっておくのが本来のマナーです。
スカート・パンツ
面接時のボトムスは、スカートでもパンツでも問題ありません。
スカートは、立ったときに膝が半分隠れる丈に。座ったときは膝上10cmにくる丈がベストです。
パンツの場合、近年主流であるストレートのものだと、足首が隠れるくらいがちょうど良い長さ。裾広がり(フレア)のものなら、ヒールの付け根が半分隠れるくらいのやや長めで問題ありません。インナーをタックインする場合は、ベルトの着用も忘れずに。
インナー(シャツ・ブラウス)
面接時のインナーの色に決まりはありませんが、紺やグレーなどの暗い色よりも、白または淡色のワイシャツまたはカットソーがおすすめです。
ただし、白ブラウス&ダークスーツの組み合わせは、就活生のように見えてしまうので避けるのが無難。下着が透けないよう、インナーの下には同色のキャミソールを着用するとベターです。
夏のジャケットや冬のコートは?
夏の場合
夏場に面接する場合でも、ジャケットは持参するのが無難です。屋外では脱いでおき、会場のオフィスに入る前に着用すると良いでしょう。
応募先企業から「クールビズを推奨しております」といった連絡があった場合は、ノージャケットで構いません。
冬の場合
面接が冬場の場合、コートはオフィスに入る前に脱いでおきましょう。コートのデザインは
トレンチコートやチェスターコートなどのシンプルなデザインで、色はベージュや紺など落ち着いた色がおすすめです。
コラム:スーツ・インナーの年齢別着こなしポイント
女性は、男性と比べて体型や似合う色味の変化が激しいもの。ここでは、年齢別にスーツの着こなしポイントを紹介します。
年代 | ポイント |
20代 |
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30代 |
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40代 |
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50代 |
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女性のスーツ・インナーのポイントやコーディネート例については、下記の記事もあわせてご確認ください。
靴
転職の面接時の靴は、黒のシンプルなパンプスで、ヒールの高さは5cm程度のものがベター。スーツに合っていれば、紺やグレー、ベージュも良いでしょう。つま先やかかとが出るものはビジネス向きではないのでNGです。
歩いたときにカツカツ音のするものも避けましょう。面接前に磨く・修理に出すなどのケアを行うのがベターです。
▼おすすめの靴について詳しく
カバン
面接時のカバンは、もらった書類を折らずに収納できる、A4サイズのシンプルなビジネスバッグが基本です。
普段リュックで通勤している場合も、面接の場では肩がけできる無地のカバンにしましょう。色は黒が無難です。
▼おすすめのカバンについて詳しく
髪型・髪色
転職の面接では、顔周りをスッキリとさせた髪型がベター。髪は耳にかけ、前髪が目にかからないように注意してください。髪が肩につくロングやミディアム程度の長さであれば、後ろで一つに結びましょう。
▼おすすめの髪型について詳しく
髪色は、黒髪か暗めの茶髪が無難でしょう。明るい髪の色をしている場合は、黒く染め直すと良いでしょう。美容室で染めてもらう際には、8トーン以下を指定すれば問題ありません。
▼おすすめの髪色について詳しく
メイク
面接時のメイクは、プライベートのメイクよりも気持ち薄めを心がけましょう。
アイラインは目尻をはみ出さない程度に引き、アイメイクはブラウン系の落ち着いた色味がおすすめです。チークとリップは、華やかな赤系のものよりも、ピンクやオレンジ系のほうがスーツに合うでしょう。
▼メイクについて詳しく
ネイル
もともとピンクやベージュなどの無地のネイルであれば、面接にあわせてわざわざ落とす必要はないでしょう。長すぎる爪や、付け爪、ネイルアート、派手な色のマニキュアはNGです。
ただし、食品業界や医療業界など、業務上清潔さが必要な仕事の場合はネイルを落としましょう。
▼ネイルについて詳しく
時計
普段はスマートフォンを時計代わりにしている場合でも、面接では腕時計を着用しておくとなお好印象でしょう。
時計の有無が合否に関わることはありませんが、時間遵守で仕事をするビジネスマンにとって、腕時計を着けるのがマナーだと考える面接官もいるからです。
時計の種類はデジタル式ではなく、長針・短針のあるアナログタイプで金属製のものがベスト。ベルト部分が革のものでもOKですが、色は黒、茶色、ベージュや白のものが無難です。
▼おすすめの時計について詳しく
アクセサリー
転職の面接では、ピアスやネックレスはこぶりなものなら身につけてもOK。カットソーを着る場合は、胸元がさみしく感じられるので、むしろなにか着けたほう良い場合もあります。
指輪は、結婚指輪であれば着けたままで問題ありません。
▼ピアスについて詳しく
【男性】転職の面接にふさわしい服装・スーツ
スーツ
転職の面接で着るスーツは、黒・紺・暗めのグレーの無地のものがベター。チェック柄や幅の広いストライプはNGです。
銀行や保険会社、証券会社、ホテル産業などの業界では、堅めの服装が好まれるので、黒を貴重にしたシックな装いを心がけましょう。
ボタンは「一番上だけ」とめる
ジャケットのボタンは、2つボタンなら上のみ、3つボタンなら真ん中のみ、もしくは上と真ん中を留めましょう。
▼ボタンの留め方について詳しく
ポケットのフラップはしまっておく
ジャケットの両サイドにある腰ポケットのフラップは、応募先企業のオフィスに入る前にポケットの中へしまっておきましょう。
ポケットのフラップはそもそも、屋外で雨やゴミがポケットに入らないようにするためのもの。屋内の面接会場ではその心配はないので、フラップはポケットの中にしまっておくのが本来のマナーです。
シャツ
面接では、白や青のワイシャツが無難。カジュアルな印象を与えるボタンダウンは避けましょう。
ワイシャツの袖口は、スーツの袖から1~1.5センチほど出るのが理想。また、袖口のボタンはしっかりと留めましょう。
ネクタイ
面接時のネクタイの色や柄に特に決まりはありませんが、青やえんじは、比較的どの色のスーツとも合わせやすいのでオススメです。
ビビッドなピンクやパープル、イエローは、好みが分かれるので避けるのが無難。柄も同様で、幅の大きなストライプやバンダナ柄は避けたほうが良いでしょう。
▼ネクタイのおすすめカラー・柄
夏や冬はどうする?
夏の場合
夏場に面接する場合でも、ネクタイを締め、ジャケットは持参するのが無難です。ジャケットは屋外では脱いでおき、会場のオフィスに入る前に着用すると良いでしょう。
また、ワイシャツの袖はジャケットから少し出ているのが正しい着こなし。半袖のワイシャツを着るのは避けましょう。
応募先企業から「クールビズを推奨しております」といった連絡があった場合は、ノージャケット・ノーネクタイで構いません。
冬の場合
面接が冬場の場合、コートはオフィスに入る前に脱いでおきましょう。コートのデザインは
チェスターコートやステンカラーコートなどのシンプルなデザインで、色は紺や黒など落ち着いた色がおすすめです。
ベストを着用する場合、スーツと同じ生地のスリーピースのものであればOKです。
靴
面接には黒または焦げ茶の革靴がベスト。
キャメルなどの明るい色や、つま先が尖っているなどの個性的なものは、避けた方が良いでしょう。また、必ず面接前に磨き、艶を出しておきましょう。
靴下は黒が無難ですが、グレーや紺などでもOKです。
▼おすすめの靴について詳しく
▼おすすめの靴下について詳しく
カバン
スーツに合わせる面接用のカバンは、黒のビジネスバッグがベター。ナイロン素材のものでも可ですが、手を離しても自立するものにしましょう。
最近、多くのビジネスマンが使用している自立式の黒のビジネスリュックも、持ち手がついているものであればOK。ただし応募先企業のオフィス内では背負わず、手で持つのがマナーです。
▼おすすめのカバンについて詳しく
▼リュックについて詳しく
時計
普段はスマートフォンを時計代わりにしている場合でも、面接では腕時計を着用しておくとなお好印象でしょう。
時計の有無が合否に関わることはありませんが、時間遵守で仕事をするビジネスマンにとって、腕時計を着けるのがマナーだと考える面接官もいるからです。
時計の種類は、金属製もしくは黒、茶の革製のものが良いでしょう。高価なものやゴージャスなものは、業界によっては似つかわしくない場合もあるので、避けた方が無難です。
▼おすすめの時計について詳しく
髪型・髪色
面接時の髪型は、耳周りを短く切りそろえた黒髪がベスト。前髪は、眉毛と額が見えるように上げると爽やかな印象を与えられます。
また、眉毛もきれいに整えたほうが清潔感が出るでしょう。ひげはカジュアルな職場ではない限り、剃っておくのがマナーです。
▼おすすめの髪型について詳しく
▼おすすめの髪色について詳しく
スーツで出社しづらい…どうしたらいい?
普段スーツ以外の服装で働いている人が、終業後に面接を受けるため職場でスーツを着ていると、転職活動をしていることがバレてしまう可能性があります。
どうしたらいいのでしょうか?
ロッカーやクリーニング店に預けておく
終業後に直接面接に行きたい場合、スーツはスーツカバーに、靴は紙袋などに入れて、出社時に駅のコインロッカーに預けておくのがおすすめ。あるいは、会社付近のクリーニング店にスーツを出しておき、面接前に取りに行くのも良いでしょう。
通勤カバンに無理やりスーツやワイシャツを入れるのは、しわになってしまうので絶対にNGです。
職場の同僚がいないところまで離れてから、駅や商業施設のトイレで着替えましょう。着ていた私服はコインロッカーに預け、面接終了後に取り出すのがスマートです。
面接当日はこうした着替えやロッカー操作のこともきちんと加味し、時間に余裕をもって行動しましょう。
有給か半休を取るのがベター
在職中に面接を受ける場合、可能であれば有給や半休を取得するのがベター。
半休を取得する場合、午後休を取ってお昼以降に面接に向かう人が多いですが、午後休ばかりでは怪しまれてしまう可能性も。たまには午前休を取り、午前中に面接を受けるのも賢い選択です。
その場合、面接後は普段の服装に着替え、スーツをコインロッカーに預けて出社するようにしましょう。
質問対策や当日マナーもチェック
面接では服装や髪型といった身だしなみ以外にも、入退室のマナーも見られています。下記の記事から、受付や入退室といった一連の当日マナーをおさらいしておきましょう。
また、肝心の質問対策も忘れてはいけません。下記の記事では、面接でよくある質問と回答例を網羅的に解説しています。
この記事の執筆者
ライター・編集者
金子 龍介
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。面接対策の記事を中心に、転職ノウハウやキャリアに関する記事を手がける。
「人前で話すことが苦手」という自らの課題意識を原動力に、同じように悩む方に向けて、声や表情、伝え方といったコミュニケーションにまつわるテーマにも注力している。