5つのタイプ別|対処法と回答例 面接で「苦手な人」を聞かれたら?
面接で「苦手な人のタイプ」を聞かれた場合、企業側にはどのような意図があるのでしょうか。回答例や注意点を解説します。
5つのタイプ別|面接の「苦手な人」の回答例
面接で聞かれる「苦手な人」について、以下の具体的な5つのタイプ別に回答例を紹介します。
時間にルーズな人
私は時間にルーズな人が苦手です。
なぜなら、時間管理意識をしっかり持たないとプロジェクト全体のスケジュールが押してしまうなど、周囲に迷惑をかけることがあるからです。
しかし人にはそれぞれ、その人なりのペースがあると思います。そのため、時間にルーズな人がいた場合は、こまめに連絡を取るようにして進捗を確認しながら、なるべくそれぞれの人のペースに寄り添えるように心がけています。
お互いの進捗や作業内容をこまめに確認しあうことによって、それを習慣化することができたら、自分も相手もより強い時間管理意識を持てるようになるのではと考えております。
苦手な人として「時間にルーズな人」と答えることで、時間管理意識がしっかりしていることをアピールできます。
会社では時間管理意識がないと、職場のメンバーや顧客に迷惑をかける場合があります。
そのため「時間にルーズな人」との付き合い方・対処法を述べる時は、苦手だと感じてしまう自分の非を改めるような姿勢を伝えるだけでなく、どうしたら時間管理できるようになるのかといった建設的な対処法に踏み込むのも手です。
冷静で俯瞰的な視点があると評価してもらえるでしょう。
優柔不断な人
私自身が物事をすぐに決めたいと思う性格のため、優柔不断な人には苦手意識を持ってしまいます。
物事を前に進めるためには、スピード感を持って取捨選択をする必要があり、その決断が遅れてしまうと仕事やプロジェクトが停滞し、効率が悪くなってしまうからです。
しかし、判断に迷っているということは、選択肢や可能性がたくさんあって決められない場合がほとんどだと思います。
つまり、裏を返せば自分にはない視点を持っているかもしれないので、どんな要素で迷っているのか耳を傾け、お互いの意見を汲んだ判断ができるように意識しています。
「優柔不断な人」を苦手な人として答えることで、決断力やスピード感をアピールできます。
「優柔不断な人」というだけでは、際立った悪いイメージがないため、自身の性格と向き合いながら、どうして苦手だと感じるのかしっかりと理由を述べることが大切です。
協調性がない人
私は協調性のない人が苦手です。
なぜなら、みんなで協力をすることを無視してしまうと徐々に周囲の不満もたまり始め、チーム全体の雰囲気が悪くなってしまうからです。
仕事は一人の力で成し遂げるのではなく、チームのメンバーそれぞれがサポートし合いながら行うものだと思っています。
そのため私は、協調性がない人がいた場合、自分が望む通りのサポートを強要してしまっていないか反省し、一度相手の意見をしっかりと聞いた上で「私達はこう思っているのだけれど…」と伝えるなど、お互いが歩み寄るコミュニケーションを行うようにしています。
「協調性がない人」を苦手な人として答えることで、チームワークを大切にしていることをアピールできます。
ただし、周囲との輪が大切だとただ強調するだけでは、調和を重んじるあまり受け身になってしまう印象も与えかねません。
そのため「より良いチームを構築するために、主体的・積極的にコミュニケーションを図る」などの対処法を述べ、ネガティブな印象を残さないようにしましょう。
また「相手に協調性がない」と見える理由は、周囲の環境も関係しており、場合によっては相手ばかりが原因とは限りません。
チームメンバーそれぞれが協調性を持てていたのか、サポートの仕方に対して双方の認識を擦り合わせられていたのかなど、考えられる自分の欠点を仮説立てし、その欠点を補えるような対処法を述べましょう。
嘘をつく人
私が苦手な人は嘘をつく人です。
なぜなら、いくら悪気がなかったとしても、嘘をつかれてしまうとその場で対処できたことが後回しになってしまうため、最終的に周囲に大きな迷惑がかかるからです。
しかし、相手が嘘をついて取り繕ってしまうのは、周りに相談しにくいと感じさせてしまっていることも起因していると思います。
このような状況を作らないために、こまめな進捗管理や報連相の場を設けて積極的にコミュニケーションを図ることで、フランクな雰囲気を作ったり、困っている時にサポートしあえる信頼関係を構築したりするなど、工夫できることはあると考えております。
「嘘を付く人」を苦手な人として答えることで、誠実さはもちろん、困難な状況下でも柔軟に対応していける能力を伝えることができます。
また、「嘘をつく人」によって具体的に困った状況を説明したり、自分なりの対処法を述べたりして、共感の得やすい内容にすることが大切です。
挨拶をしない人
挨拶ができない人に苦手意識があります。
私は、組織で働く上でお互いが気持ちよく働ける環境づくりは重要なものだと考えています。そのため、コミュニケーションの基本となる挨拶は、社会人の礼儀として必要なことだと思うのです。
しかし、これは私の考えであるため、挨拶をしない人がいた場合は相手がしてくるのを待つのではなく、自ら積極的に挨拶をしにいくことで、きちんとコミュニケーションが取れるように対策をしています。
「挨拶をしない人」を苦手な人として挙げることで、礼儀やコミュニケーションを大切にしていることを伝えられます。
挨拶はビジネスマナーの基本。会社で働く上で必要不可欠なものとなるため、面接官の人に納得してもらいやすい理由です。
ただし、「挨拶をしない」というのは、相手に悪意があるわけではなく、ただ単に恥ずかしがっているだけの可能性もあります。
挨拶をしても無視されたなどの具体的なエピソードがない場合は、相手の性格次第という点も考慮して、どうして苦手だと思うのかをしっかりと述べた上で、前向きな接し方を述べるようにしましょう。
面接の「苦手な人」への答え方のコツ3つ
面接で「苦手な人」を聞かれた場合の上手な答え方を3つ紹介します。
- 自分にも問題点があることを伝える
- ネガティブに終わらないよう対処法も述べる
- 具体的なエピソードも用意しておく
自分にも問題点があることを伝える
ポイント
回答の中で、自分の問題点・反省点を述べることで真摯に問題と向き合っている印象を与える
NG
苦手な人が全面的に悪いと決めつけ、自分の欠点に気づかない
ただ苦手な人のタイプとその理由のみを答えるのではなく、その人のことを苦手だと感じてしまう自分の問題点についても触れましょう。
相手に責任を押し付けるのではなく、状況を冷静に判断し自省ができることをアピールできます。
苦手な人がいるということは、自分自身にもその人を苦手だと思ってしまう欠点があると解釈できます。
「時間にルーズな人」を例にすると、時間通りに行動してほしいと自分のペースを押し付けてしまっているとも捉えられます。
「それぞれのペースがあることを把握せずに自分本位になってしまっていた」と、自分に対する反省点を振り返ることで、「問題を客観視できる」というアピールに転換できます。
ネガティブに終わらないよう対処法も述べる
ポイント
苦手な人に対する対処法を述べることで、面接官にプラスのイメージを与えるようにする
NG
苦手な人のタイプのみを答えたまま、回答を終わらせる
面接では、苦手な理由というネガティブな意見だけを述べて回答を終わらせるのではなく、対処法も述べるようにしましょう。
苦手な人のタイプがどんなに一般的で納得してもらいやすいものだとしても、対処法の説明は必要です。
ポジティブなイメージで話を終えるためには、苦手な人に対してどのように接し、どのような問題解決をおこなったのかを具体的に説明することが大切でしょう。
会社という組織では、苦手なタイプと同じチームになって仕事をする可能性もあります。そういった場合の自分なりの対処法・接し方を説明することで、困難に直面した際の対応能力があるとアピールできます。
具体的なエピソードも用意しておく
ポイント
どうして苦手だと思ったのか具体的に説明できるエピソードを用意しておき、説得力を上げる
NG
「性格が悪いから」のような抽象的な表現や、人格の否定など、筋の通らない理由
苦手な人について面接官に質問された際、自分がどうして苦手だと思うのか具体的に説明できるエピソードを用意しておきましょう。話に筋が通り、説得力が増します。
ただし、具体的といっても、特定の人物の名前など、苦手な人として挙げたタイプを詳細に説明するのは、心証が悪いため控えましょう。
面接官が「苦手な人」を質問するのはなぜ?
苦手な人のタイプを質問する企業側の意図を2つ説明します。
企業が知りたい情報を把握し、どのような回答ならば自分自身をアピールすることができるのか考えてみるといいでしょう。
応募者の性格を知りたい
面接官が苦手な人を聞く意図は、応募者自身の性格を知るためです。
苦手な人のタイプというのは本人の性格とは異なった人物のことを示す場合が多いため、自ずと応募者の性格も知ることができるのです。
例えば「協調性がない人」を苦手な人と答えた場合、本人はチームワークや調和を大切にしていると判断できます。
苦手な人と接する時の対応力を知りたい
面接官が苦手な人のタイプを聞くもう一つの意図は、応募者が苦手な人と出会った際に適切に対処できるのか確かめるためです。
会社は組織としてさまざまな人と働くため、気の合わないメンバーだからといって仕事を途中で辞められてしまうと、再度人材を探すコストがかかります。
また、社内だけでなく社外でも苦手なタイプに出会う可能性はあるため、応募者が困難に対して適切に対処でき、多くの人と協力しあえる人材かどうかを把握しておきたいのです。
その他の質問やマナーも要チェック
面接では「苦手な人」以外にも、志望動機や長所・短所など、さまざまな質問がされます。その他のよくある質問と回答例について、下記の記事にまるっとまとめました。ぜひご確認ください。
また、面接当日のマナーについてもあわせてチェックしておくと安心です。