【例文付き】原因4つと解決策 事務職の志望動機が書けないときは?
事務職への転職を目指している方のなかには「志望動機をどう書いたらいいのかわからない」と悩んでいる方も多いかもしれません。
この記事では、事務職の志望動機が書けない主な4つの原因について解説し、それぞれの解決策を紹介します。
事務職の志望動機が書けない「4つの原因」
事務職を目指す方が「志望動機が書けない」と悩む背景には、次の4つの原因のどれかが隠れているケースが多いでしょう。
それぞれの原因についてくわしく解説します。
【原因1】企業特有の業務がないと感じている
事務職の志望動機が書けないと悩む背景としてありがちなのは、事務職というとどの企業でも同じような仕事をするイメージを持っていて、応募先企業特有の志望理由を考えにくいというものです。
資料作成やデータ管理、備品管理、来客応対など、事務職の業務はどの企業でも共通することが多いのは事実です。しかし、それぞれの企業が異なる商品・サービスを展開しているように、具体的な業務内容や求められる知識・スキルは企業ごとに異なります。
そのため、事務職の志望動機を書くためには、その企業が属する業界や事業内容、企業理念、職場環境などについて徹底的に調べることがポイントになります。
数多くの事務職の求人があるなかで、なぜ応募先の企業に惹かれたのかを改めて整理しましょう。
具体的な方法については、次章の「【解決策1】企業について徹底的に調べる」で解説します。
【原因2】労働環境や待遇面に惹かれている
事務職は「転勤がない」「残業が少ない」「土日休み」「服装自由」など、一般的に働きやすいとされる条件が整った職種です。
そういった労働環境や待遇面に惹かれている場合、そのまま志望動機として伝えるのはよくないはずと考え、結果としてどう書くべきか悩むケースは少なくないでしょう。
このような、そのままでは伝えづらい志望動機しか思い浮かばない場合は、企業に好印象を持ってもらえるように本音を変換して表現するのも一つの手です。
具体的な言い換え方法と志望動機の例文は、次章の「【解決策2】志望の本音を言い換える」で解説します。
【原因3】具体的な業務イメージがついていない
事務職と一口にいっても、具体的に担当する業務イメージがついていないことも志望動機が書けない原因の一つになります。
事務職は書類作成やデータ入力、問い合わせ対応など業務内容が多岐にわたります。企業によっても担当する業務範囲が異なり、中小企業であれば人事や総務、会計などバックオフィス全般に関わるマルチスキルが求められるケースも珍しくありません。
そのため、仕事の印象が漠然としてしまい、具体的な業務をイメージしながら志望動機を書くことが難しいという状況になりがちです。
このような場合は、まず事務職の仕事内容や役割、求められる能力などについて調べ、職種に対する理解を深めましょう。くわしくは、次章の「【解決策3】職種研究を行う」で解説する内容をチェックしてください。
【原因4】自分のアピールポイントが定まっていない
これは事務職に限りませんが、転職の志望動機が書けない背景には、自分のアピールポイントが定まっていないことが関係している場合もあります。
転職で伝えるべきアピールポイントとは、業務経験やスキルなどのなかで特に押し出すべき自分の強みのこと。アピールポイントが決まると、職種への適性を絡めて説得力のある志望動機を書くことができます。また、入社後の活躍イメージも持ってもらいやすく、志望度の高さもしっかり伝えることが可能です。
自分のアピールポイントを考えるためには、まずこれまでのキャリアの棚卸しをしましょう。
業務経験やスキル、働き方の価値観などを言語化すれば、志望動機にどんな内容を入れるべきかが明確になるはずです。具体的な業務経験の棚卸しの方法と、志望動機の例文については「【解決策4】業務経験の棚卸しに取り組む」で解説します。
コラム:事業内容や経営理念を志望動機にするのはNG?
事務職の志望動機でやってしまいがちなのが「〇〇の事業を展開する貴社で働きたい」「〇〇の理念を掲げている貴社の一員になりたい」など、事業内容や企業理念をそのまま伝えてしまうこと。これでは単なる企業自体の説明になってしまい、自分自身についてほとんど何も伝えることができないのでNGです。
企業の事業や経営理念に惹かれている場合は、今までの経験や仕事に対する価値観を踏まえて、なぜそこに魅力を感じているのか、説明するようにしましょう。
また、その企業ならではの志望理由をまとめようとしても上手くいかないという場合は、応募書類や初期段階の面接であれば、「こういう基準で貴社を選びました」という自身の会社選びの基準(選社理由)を伝えられれば問題ありません。
ただし、転職活動の終盤では「こういった理由から貴社に入社したいと考えています」と自らの言葉で明確に伝える必要があるので、選考を通して自分の思いを語れるようにしていきましょう。
▼NGな志望動機・選社理由の伝え方についてくわしく
事務職の志望動機が書けないときの「解決策」
事務職の志望動機が書けないときは、次の4つの解決策を試してみましょう。
それぞれの解決策の具体的な取り組み方について解説します。
※解決策はそれぞれ1章の「事務職の志望動機が書けない4つの原因」に対応しています。
【解決策1】企業について徹底的に調べる
事務職の志望動機が書けないときの解決策の一つは、応募先の企業の事業内容や企業理念、職場環境などについて徹底的に情報を集めることです。
企業のホームページだけでなく、経営者のインタビュー記事や採用サイト、SNSなども参考にしましょう。
志望動機を書く前に企業について徹底的に調べておくことで、応募先の企業のどのような点に魅力を感じたのかを具体的に説明できるようになります。また、企業が求める人材についても理解が深まり、自分のアピールポイントを考えやすくなるでしょう。
【解決策1を踏まえた志望動機の例文】
貴社の採用ホームページを拝見し、事務職でも全社的なDX推進プロジェクトなどに参画できることを知り、主体的に挑戦できる環境に魅力を感じております。
【解決策2】志望の本音を言い換える
本音しか思い浮かばず、事務職の志望動機が書けないときは、ポジティブな印象を与えられるような表現に言い換えができないか、考えてみましょう。
〈本音を言い換えた例〉
本音の志望動機 | 言い換えた表現 |
安定した職に就きたいから | 自分のスキルを磨き一つの職場で長く活躍できる人材になりたいから |
転勤がないから | 地域に根ざした仕事で地域社会と深く関わり、活性化に貢献したいから |
ノルマがなく精神的に疲れないと思うから | (過去の経験から)売上管理を裏からサポートする立場にやりがいを感じるから |
本音をもとに言い換えているだけであり、嘘をついているわけではないため、履歴書に限らず面接で志望動機を聞かれたときも違和感なく説明できるでしょう。
ただし、本音を言い換えて伝えるだけでは説得力に欠けるので、転職のきっかけや理由を具体的なエピソードをもとに伝えるようにしましょう。
【解決策2を踏まえた志望動機の例文】
前職は営業担当でしたが、自分用に作成した顧客管理表や受発注・売上管理表が見やすいと評価され、会社のフォーマットとして採用された経験があります。
これをきっかけに、個人・組織の業務効率化をサポートし、会社の業務・組織改善に貢献する仕事にやりがいを感じるようになりました。また、自分のスキルを磨き一つの職場で長く活躍できる人材になりたいと思い、今回事務職を志望しました。
【解決策3】職種研究を行う
事務職という仕事への解像度が低く、志望動機が書けない場合は、「職種研究」を行うのがおすすめです。
業務内容や求められる能力・適性、活かせる経験、スキル・資格などを改めて調べてまとめましょう。
〈一般事務職の職種研究の例〉
項目 | 具体例 |
業務内容 |
|
求められる能力・適性 |
|
活かせる経験 |
|
活かせるスキル・資格 |
|
具体的な業務内容を確認するには、応募企業の求人情報や募集要項を読み込みましょう。応募先の企業における事務職の役割や、実際に入社後に担当する業務について、具体的なイメージも持つことができます。
事務職に対する理解を深めることで、応募先の企業から求められることを推測できたり、前職の経験との共通点を探したりでき、自分の経験やスキル、能力のなかから志望動機でアピールすべきポイントを的確に選べるようになります。
【解決策3を踏まえた志望動機の例文】
私は、周囲の人がスムーズに仕事ができるように先回りしてサポートする事務職を志しています。
前職では飲食店の店長代理として売上・在庫・シフト管理などを担当しておりました。もともとは店長が一人で切り盛りしていたため、私のサポートによって「新メニューやイベントなどの企画をする余裕ができた」と感謝されたときに、やりがいを感じました
【解決策4】キャリアの棚卸しに取り組む
事務職の志望動機を書くうえで自分のアピールポイントが定まっていない場合は、これまでの仕事を振り返る「キャリアの棚卸し」に取り組み、自分のスキルや強みなどを言語化してみましょう。
過去の業務経験を細かく振り返ることで、履歴書の志望動機や自己PRに活かせるだけではなく、面接などでは業務への適性と入社後の活躍イメージを伝えやすくなります。
キャリアの棚卸しでは、次の4つの観点から過去の業務を整理しましょう。
〈キャリアの棚卸しの例〉
4つの観点 | 具体例 |
過去にどんな業務を担当していたか | アパレルショップの店舗スタッフ(顧客対応、売上管理、在庫管理、新人指導など) |
どんな成果を出したか | 会社運営上の収支管理を整理した |
成果を出すためにどんな工夫をしたか | 経理について一から勉強した(MOS Excel 365&2019 エキスパート取得) |
成果を出すのに役立ったスキルや強みは何か | 実践的な経理事務の知識・スキル |
ひととおり情報を洗い出せたら、そのなかで事務職に活かせそうな業務経験に絞ってみましょう。
その業務経験がアピールポイントになり、説得力のある志望動機を書くことができます。
【解決策4を踏まえた志望動機の例文】
前職での収支管理経験を活かし、未経験でも経理業務にチャレンジできる貴社を志望いたしました。
前職ではアパレルの販売スタッフをしながら売上管理・在庫管理も任されておりました。会社運営上の収支管理をきちんと把握するためには簿記の知識が必要であると実感し、お金を取り扱う経理事務の仕事に興味を持ちました。
MOSのExcel 365&2019 エキスパートを取得し、実践的な経理事務スキルも身につけています。
事務職の志望動機の書き方・例文
事務職の志望動機は、次の3つの要素を上から順番に伝えることで完成します。
はじめに「応募した理由」として、事務職としてチャレンジしたいと思っていることや、応募先に惹かれたポイントなどを端的に説明しましょう。
次に「その背景やエピソード」を伝えます。事務職にチャレンジしよう、転職しようと思ったきっかけや経緯を具体的なエピソードをもとに伝えましょう。
最後に「入社後の意気込み」で締めます。未経験の場合は積極的に学んでいきたいという姿勢や成長のために取り組んでいることをアピールしましょう。経験者は現職(前職)での経験を活かして即戦力で活躍したいという姿勢を伝えればOKです。
〈事務職の志望動機の例文〉
- 事務職としてスタッフが仕事に集中できる環境づくりがしたいと思い、志望しました。なかでも貴社は、未経験で入社して活躍されている方がいらっしゃると社員ブログで拝見し、魅力を感じております。
- 現職で受発注・売上管理表を作成した際、「わかりやすい」と評価され、フォーマットとしてチーム内で使われるようになったことをきっかけに、スタッフが働きやすいようにサポートする仕事に興味を持ちました。
- 未経験ではありますが、少しでも早く戦力になれるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務職の志望動機の書き方やほかの例文について、くわしくは下記の記事で解説しています。
それでも志望理由が書けないときは…
事務職は働き方の魅力の多さや業務の幅の広さなどから、志望動機をどう書けばいいのか悩みやすい職種といえます。
この記事で紹介した解決策に取り組んでみても、納得できる志望動機が書けない場合は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。