【受かる例文9選】 職務経歴書の自己PR(職種・業種別)

受かる自己PRを書くためには、職務経歴書ならではのポイントがあります。

この記事では、職種・業界別の例文を使って、自己PRづくりのポイントを紹介。履歴書の自己PRとの違いなどの疑問にもお答えします。

職務経歴書と履歴書の自己PRの違いは?

一般的に、履歴書の自己PRは「要点を絞ってアピール内容を書く」ものです。一方で職務経歴書の自己PRは「具体的にアピール内容を書く」もの。同じ話題を扱っていても、職務経歴書ではエピソードを交えて話を膨らませる必要があります。

役割が異なるため、欄があればどちらの書類にも自己PRを書くようにしてください。

【自己PR欄の役割の違い】履歴書…役割:要点を絞ってアピールする/特徴:書ける文字数が少ない、志望動機と欄が一緒の場合が多い、あまり踏み込んだ話ができない/文字数:200~300文字|職務経歴書…役割:エピソード等の具体例を活用して、詳しくアピールする/特徴:文字数に余裕がある、アピール内容を裏付ける「エピソード」「実績」を詳しく書ける/文字数:~400文字

▼履歴書の自己PRの書き方・例文はこちら

【例文9選】職種・業種別の自己PR

主要な職種・業種における職務経歴書の自己PRの例文を9種類ご用意しました。

高評価につながるポイントも併せて紹介していますので、どんな風に文章を作成すればいいか、参考にしてみましょう。

上記以外の職種の自己PR例文や、職務経歴書全体のサンプルは、下記のページの「業界・職種・状況別の例文ダウンロード」からご覧になれます。

事務職(経理・人事など)

【例文1】経理(専門知識をアピール)

入社以来7年間、経理を担当してきました。その中で強みとしているのが、対応業務の幅広さです。

年次決算までは一人で対応可能で、連結決算や開示資料の作成も経験しています。ここ3年間は、海外子会社の管理にも携わっており、昨年は新規会計ソフトの導入プロジェクトにも参加しました。スキルの向上にも取り組んでおり、日々の業務と並行しながら独学で簿記を学び、今年、日商簿記検定1級に合格しました。

こうした経験や知識を存分に活かし、上場を控える貴社で、決算業務の中心メンバーとして貢献してまいりたいと思います。

【例文2】営業事務(業務改善の経験をアピール)

前職では営業事務として納期管理や売上の管理など、正確な対応が求められる仕事を担当してまいりました。その中で得意としてきたのは、業務効率化のための改善提案です。

人為的なミスを防ぐため、納期や売上はエクセルで自作の管理表を用意し、間違いがあればエラーが表示されるようにしました。そうした工夫を共有することで、周りのメンバーのミスも減り、作業効率を改善することができました。また、一昨年MOS資格取得に挑戦し、エクセルのピボットやマクロなどは一通りマスターしています。

今後は、貴社での業務で必要になるアクセス等についても、早々にマスターできるよう努めていきたいと思います。

〈高評価につながるポイント〉

  • 専門知識(担当できる業務)が明記されている
  • 持っている資格が書かれている
  • 「コミュニケーション力」「自発的な業務改善の経験」がある

営業職・販売職

【例文3】営業(業績アップのための工夫をアピール)

これまで注文住宅の営業を5年経験してまいりました。その中で強みとしてきたのが、お客様の信用を得るに十分な専門知識です。

住宅は高額で検討期間も長く、お客様の信用を得ない限り契約には至りません。信頼獲得のためには、住宅の購入に関するあらゆることをサポートすることが必要と考え、「お客様の相談・質問に対応できるよう、住宅購入に関係する資格を網羅的に取得する」という目標を立ててきました。その一環で、入社3年目には宅地建物取引士、4年目にファイナンシャルプランナー2級の資格を取得しています。

こうした姿勢・知識によってお客様の信頼を得ることができ、毎期営業目標を達成して参りました。また、以前購入いただいたお客様からご子息の住宅購入の相談をうけるなど、リピートやご紹介も好調で、売上の3割以上を占めています。

貴社においても必要な知識を早期に身につけ、真摯にお客様に向きあうことで結果を残していきたいと考えております。

【例文4】エリアマネージャー(実績をアピール)

前職のアパレル会社では、店長、エリアマネージャーを計5年経験しました。その中で得意としてきたのが、定期的な分析による売上達成プロセスの提案です。

売上目標達成のために必要な手段は店舗の状況により変わるため、店舗ごとに隔週で分析を行い、KPIを設定。メンバーにはKPIとして設定したプロセスを完遂することを要望しました。その結果、管轄の全店舗でプロセスを全て達成し、売上目標も1年目103%、2年目125%、3年目125%、4年目142%、5年目141%と全てクリア。全社平均が98~105%で推移するなか、非常に高い成果を残すことができました。

扱う商材は変わりますが、お客様や店舗の状況を調査し戦略を立てた経験や、多数のメンバーをマネジメントした経験は、貴社でも活かせるものと思います。

〈高評価につながるポイント〉

  • 売上・業績アップのための工夫や努力が書かれている
  • 自分の実績・成果が、目標や同僚の成果といった客観的なデータと比較して「いい結果」があれば数字で伝える(目標達成率・社内順位・前年比・平均比など、周囲と比較できている)

製造業・エンジニア

【例文5】生産管理(得意なこと・スキルアップの姿勢をアピール)

自動車部品の生産技術を5年間経験しました。その中で得意としてきたのが、入社当初にラインで作業していた経験を活かした、現場視点での効率化提案です。

直近で担当した業務では、治具の設計・導入や工程の見直しによって、リードタイムの20%削減を実現しました。また、最新技術にもアンテナを張るようにしており、目視確認していた検査工程への画像認識装置の導入なども進めてまいりました。リードタイムを削減できただけでなく、不良品の発生件数の80%減も実現するといった成果を上げています。

貴社への入社後も、経験を活かして効率化の提案などを行い、貢献していきたいと考えております。

【例文6】システムエンジニア(保有しているスキルをアピール)

Java言語を用いたWebアプリケーション開発を4年間経験しました。その中で強みとしてきたのが、業務の効率化提案です。

直近でリーダーとして進捗管理・品質管理を担当した通販会社向けのシステム開発では、開発をサポートするツールを自作し、メンバーに共有しました。その結果、納期を4週間短縮でき、取引先の担当者から高い評価をいただくことができました。

またスキルアップのため、DBについての勉強を自主的に行っています。月に1回、社内でのDB勉強会を主催し、情報収集と共有に努めています。貴社への入社後も、1日も早く戦力になれるようスキルアップを継続していきたいと考えております。

〈高評価につながるポイント〉

  • 自分の持つスキルが、応募先での活躍をイメージできる形で書かれている
  • 自発的にスキルアップしていこうとする姿勢が見える

接客業(飲食・アパレルなど)

【例文7】飲食店のフロアスタッフ(アンケート等での評価をアピール)

居酒屋のフロアスタッフとして、3年間勤務していました。その中で得意としてきたのが、ノウハウの共有による店舗全体の接客品質向上です。

本部から展開されている接客マニュアルに加え、接客の注意点や、取り扱っているお酒の銘柄・すすめ方などのノウハウを整理し、店舗内で共有するように努めてきました。スタッフの入れ替わりも多い店舗でしたが、取り組みの結果、ノウハウの共有以降は常にアンケートで接客を高く評価していただき、クチコミサイトでの評価も高めることに成功しました。

取り組み自体は地道ですが、貴社においてもこの経験を活かし、接客品質の向上に貢献したいと考えております。

【例文8】アパレルの販売員(表彰実績をアピール)

女性向けアパレルショップで販売員として、4年間勤務してきました。その中で得意としてきたのが、お客様との適切な距離感を保つ接客スタイルです。

新人の頃に強引に売り込むような接客で失敗した経験から、お客様に何度もご来店いただけるような接客を意識するようになりました。具体的には、相談に乗れる関係づくりに重きを置いており、商品知識やシーズンごとのトレンドは欠かさず収集しています。近年では、SNSを使ってお客様への情報発信も行い、リピーターの獲得に繋げてきました。その結果、売上目標を毎月達成しており、店舗売上No.1として表彰された経験もあります

貴社への入社後も、引き続きこの接客スタイルでお客様との関係づくりを行い、一日も早く成果をあげたいと考えております。

〈高評価につながるポイント〉

  • 自分のパフォーマンスを、客観的なデータを使って伝えられている(業績、表彰された実績、お客様からの評価など)
  • チームワークに必要な能力が備わっていることがわかる(コミュニケーション力、協調性、リーダーシップなど)

未経験の仕事に応募するとき

未経験の仕事に応募するときの自己PRは、これまでの経験のなかから少しでも応募先で活かせそうな内容をアピールする必要があります。

「○○の経験は、応募先の△△にも応用できそう」という視点で、応募先との共通点を探して記入しましょう。

【例文9】営業(現職のスキルが、応募先で活かせることをアピール)

現職の個別指導塾では、高校生の数学の指導を担当しました。その中で得意としてきたのが、担当する生徒に足りないものを補う教え方の工夫です。

難関大学に合格するためには、大前提として「理論を理解し、応用する力」が必要と考え、通常の授業では扱わないような応用問題を積極的に授業に導入しました。志望校の傾向に合わせた問題も用意し、生徒一人ひとりの足りないものを補うようにしています。その結果、第一志望の合格率85%という実績を残しました。

営業は未経験ですが、相手に寄り添って課題解決のために試行錯誤を行ってきた経験は、お客様とのやりとりにも応用できると考えております。まずは貴社の製品についてしっかりと理解を深めつつ、お客様に納得していただける営業スタイルを習得していく所存です。

〈高評価につながるポイント〉

  • 得意なこと(スキル)が、応募先での活躍をイメージできる形で書かれている
  • 未経験の仕事に挑戦していく意欲が伝えられている
  • 未経験の仕事で一人前になるために、自発的にスキルアップしていこうとする姿勢が見える

職務経歴書の自己PRづくり・4ステップ

例文のような自己PRを作成する際は、下記の4つのステップにそって作成しましょう

【自己PRづくりの4ステップ】ステップ1:PRのテーマ(強み・得意なこと・知識)を探す/ステップ2:裏付けるエピソードを集める/ステップ3:結論→エピソード→抱負の流れで書く/ステップ4:文字数など、読みやすさを整える

それぞれのステップについて、順番にくわしく見ていきましょう。

ステップ1:PRのテーマ(強み・得意なこと・知識)を探す

まず1つ目のステップは、PRするテーマ探しです。

自己PRは「過去に○○という実績があるから、御社でも活躍できる」と、自分の経験・スキルを企業に売り込むためのもの。基本的には、応募先と前職で共通して活かせそうな内容を選ぶようにすると、間違いがありません。

〈PRするテーマの例〉

  • お客様との関係構築が得意
  • 新規開拓が得意
  • 高度な専門知識を持っている
  • 上流工程の仕事に携わっている
  • 「これができれば一人前」と言われる仕事を一人でこなせる
  • 業務改善の提案力がある
  • 周囲への気配りが得意
  • 状況を的確に分析できる
  • 後輩・スタッフの育成が得意 ・・・など

ステップ2:裏付けるエピソードを集める

2つ目のステップは、自己PRのためのエピソード集めです。ステップ1で決めたテーマについて、それを裏付けるエピソード・成果を集めましょう。

たとえば下記のように、客観的な評価・認定を受けたエピソードや、具体的な数字で表せる成果を伝えることで、自己PRの納得感をグッと高めることができます。

〈客観的な評価・認定の例〉

  • 社内表彰を受けた
  • 顧客から感謝の言葉をいただいた
  • 指名されて仕事を受けるようになった
  • 資格を取得した ・・・など

〈営業成績や売上などの数字〉

  • 自分のアイデアによって、○○%のコストダウンに成功した
  • 自分が赴任してから、チームの営業成績が○○%アップした
  • 社内で一番の営業成績を収めた
  • 1ヶ月で○○件成約した
  • 工夫したことで、売上を○○%アップできた
  • 合格率が○○%の難関資格を取得した ・・・など

華々しいエピソードが思いつかないときは?

華々しい業績を書かないといけないと思っている人は、自己PRに書くべき内容のハードルを自ら上げてしまっている可能性があります。

華々しい成果や高い実績にこだわらず、日々の業務のプロセスから、自分の仕事への向き合い方や業務での工夫点を伝えられないか、考えてみましょう。

下記の記事では、企業の採用担当者が自己PRをどのように見ているのか、よりくわしく解説しています。エピソードの洗い出し方も紹介しているので、チェックしてください。

ステップ3:結論→エピソード→抱負の流れで書く

3つ目のステップでは、ステップ1・2で集めた題材をもとに、実際に自己PRを書いてみます。下記の流れにそって、アピール内容とエピソードを組み立てましょう。

【自己PRの流れ】1、結論:どんな会社で何を担当していたか/何をアピールしたいのか|2、アピール内容を裏付ける、エピソード:具体的に、どんな成果・結果を残したのか|3、入社後の抱負:入社後に、どんな風に活躍したのか|■流れにそって書いた自己PRの例|1:前職のカーディーラーでは、販売担当を3年経験しました。その中で得意としていたのは、お客様との丁寧な関係構築に基づいた成約です。2:その結果、3年連続で営業成績1位を達成することができ、表彰を受けています。3:貴社においても顧客企業様の理解を真っ先に深め、納得してお取引いただける関係性を築けるように努めてまいります。

ステップ4:文字数など、読みやすさを整える

4つ目のステップは、読みやすくするための文章の見直しです。

情報を盛り込み過ぎた文章は読みにくくなるため、下記のポイントを参考に文字数や行数を整えましょう

〈自己PRを読みやすくするポイント〉

  • 全体の文字数は、400文字以内
  • 文字サイズは、10~11ポイント前後
  • 行数は、10行以内
  • 文章が長くなったら、適宜改行して段落を分ける

箇条書きはOK?

自己PRの場合、箇条書きはNGです。採用担当者によっては手抜きだと思われてしまうリスクがあります。

また、箇条書きを使うと具体的なエピソードや実績を盛り込みにくくなるという点でも不利になるため、通常の文章形式で書きましょう。

自己PRの記入が終わったら?

職務内容や職歴(職務経歴)など、ほかの欄を記入していない場合は、下記の記事を参考に記入するのがおすすめです。さまざまな職種・業種ごとの例文も掲載しています。

▼職務経歴書の、ほかの欄の書き方を知りたい場合は…

完成間近!という人はこちらもチェック

職務経歴書の記入が終わっている人は、下記の記事を参考に企業へ送付する準備を進めましょう。

▼職務経歴書・履歴書の郵送方法

▼職務経歴書・履歴書のメールでの送り方

▼郵送する際の、送付状・添え状の書き方

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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