手続きや費用についても解説 実際、県外転職は難しいのか

実家からの独立、配偶者の転勤、新しい環境で働きたい…など、さまざまな理由で県外への転職を考えている場合、知らない土地での転職活動や生活に不安を感じることもあるでしょう。

この記事では、県外転職のメリットやデメリット手続きや費用について解説しています。

県外への転職は難しいって本当?

県外転職のメリット・デメリットなど、その実態に迫ります。

県外転職は可能だが、
金銭面などの負担が大きい

県外への転職は「地元の人を優先的に採用するので、県外からの転職は不利」などといわれることがありますが、必ずしもそうとは限りません。一部の企業にはそうした傾向もあるようですが、県外への転職は十分可能です。

ただし、転職による引っ越し代や面接を受けるための交通費や宿泊費など、金銭的な負担は大きくなります

県外転職のメリット・デメリット

県外転職のメリット・デメリットを「地方から都会に転職する場合」「都会から地方に転職する場合」の2パターンに分けて解説します。

地方から都会に転職する場合

地方から都会に転職する場合のメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。

【メリット】・地方に比べて都会は賃金水準が高いため、収入アップが見込める・地方に比べて都会は求人数が多いので、転職先の選択肢が広がる/【デメリット】首都圏や都市部は、地方に比べて家賃や物価が高い傾向がある・業種や職種によっては、地方で働く以上に高いスキルや能力が求められることも

地方→都会への県外転職体験談 営業職Tさん(32歳)の場合

以前は地方都市の保険会社で営業職として働いていましたが、夫の都心への転勤が決まり転職を余儀なくされました。新しい環境に不安はあったものの、都心は求人が多いので転職活動にはそれほど苦労しませんでした。

スムーズに転職が決まり、クレジットカード会社の営業職としてキャリアチェンジに成功。地方都市と違って都内の通勤ラッシュや人の多さに最初は戸惑いましたが、次第にそれにも慣れ、現在では以前よりやりがいを感じて仕事ができています。

都心は賃金相場が高いので、以前より給与がアップしたこともモチベーションアップにつながっています。

地方への転職のメリット・デメリット

一方、都会から地方へ転職する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。

【メリット】・通勤ラッシュが少なく、マイカー通勤が可能な場合も・家賃や物価が安く、出費が減ることも/【デメリット】・地元出身や在住者を優先して採用する企業もあり、県外からの応募は不利なケースも・都会の企業に比べ、給与が下がることも・都会に比べて求人数が少なく、希望の転職先が見つからないことも

都会→地方への県外転職体験談 システムエンジニアKさん(28才)の場合

都内の大手企業でSEとして働いていました。知名度のある会社なので仕事も多くそれなりに給料ももらっていましたが、サービス残業や急なトラブル対応など、仕事に忙殺される日々にストレスは溜まる一方。毎日の通勤ラッシュもかなり苦痛に感じるようになりました。

「多少収入は減っても心身ともに余裕が欲しい」「これまでとは違う環境で暮らしてみたい」と考え、地方への転職を決意。幼少期に住んでいたことがある地方都市をターゲットに決め、現地の転職エージェントを通して介護施設の事務職として転職。

転職活動を開始した当初はシステム関連の会社を探していましたが、求人が少ないため応募する業種を広げました。都内より賃金相場が低いので収入は下がったものの、その分家賃や物価が安いのでさほど不満は感じません。

前職のような残業はほとんどなく、通勤ラッシュのストレスからも解放されて心身ともに健康になり、思いきって転職をしてよかったと考えています。

県外に転職する際のお金の準備は?

県外転職で気になるのが給与水準や家賃相場、転職にかかる費用など、お金にまつわる問題です。

転職前にリサーチしておくべきことや、必要な費用について解説します。

  • 転職したい地域の給与水準を調べる
  • 転職したい地域の家賃相場を調べる
  • 転職活動や引っ越しの費用を調べる

転職したい地域の給与水準を調べる

まずは転職したい地域の給与水準を調べ、現職の給与との差額をきちんと把握しておく必要があります。同じ都道府県内でも、都市部と郊外では給与水準に差があることに注意しましょう。

ちなみに、サラリーマンの月給の全国平均は30万6,200円(2018年 厚生労働省調べ)。大企業が多い東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4都府県は全体的に月給が高く、もっとも高いのは東京都の38万4,000円です。

この金額は、最も低い宮崎県の23万5,000円と、およそ15万円もの差があります。

※参考:
都道府県別に見た賃金 賃金構造基本統計調査|厚生労働省

転職したい地域の家賃相場を調べる

給与と併せて、転職希望地域の家賃もリサーチしておきましょう。家賃は都会から地方に引っ越すと安くなると思われがちですが、地域によってはあまり変わらない場合があります。

下記の表は、ワンルームマンションの地域ごとの平均家賃相場です(2020年7月時点)。

地域 家賃相場
北海道札幌市中央区 3万6,000円
宮城県仙台市青葉区 5万4,000円
埼玉県さいたま市大宮区 5万7,000円
東京都中央区 8万2,000円
東京都小平市 4万6,000円
神奈川県川崎市中原区 6万7,000円
長野県松本市 5万8,000円
静岡県静岡市葵区 5万5,000円
愛知県名古屋市東区 6万1,000円
大阪府大阪市北区 5万6,000円
広島県広島市中区 4万8,000円
岡山県倉敷市 4万3,000円
香川県高松市 4万円
福岡県福岡市博多区 4万9,000円
沖縄県那覇市 4万3,000円

現在住んでいる地域と比べて平均賃料の差額が大きい地域へ転職したい場合は、差額を考慮した転職後の生活設計をしておく必要がありそうです。

※参考:
全国の家賃相場・賃料相場情報|不動産・住宅サイト SUUMO

転職活動や引っ越しの費用を調べる

県外へ転職する場合、転職活動に必要な交通費や引っ越し費用などがどのくらいかかるかも把握しておくべきです。

引っ越し費用や交通費は現住所と転職先との距離によって変わってきますが、参考として「宮城県から東京に転職する場合」の例を紹介します。

▼宮城県から東京都の企業に転職してひとり暮らしをする場合

引っ越し費用(※1) 7万9,800円~
ひとり暮らしのための準備費用(※2) 50万円~
転職活動の交通費や宿泊費(※3) 10万円程度
当面の生活費(※4) 32万円~

※1…繁忙期以外の通常期、500km以内の引っ越し費用
※2…賃貸契約にかかる初期費用=家賃5~6ヵ月分、さらに家具家電を購入する場合
※3…会社説明会1回、面接2回の場合
※4…単身世帯の消費支出の平均約16万円×2ヶ月分

給料が翌々月払いの会社だと2ヶ月無給になることもあるため、転職先の初回の給料日がいつなのかもあわせてチェックしておきましょう。

▼初任給の支払い時期について詳しく

※参考:
家計調査年報(家計収支編)2018年|総務省

コラム:転職を考えている地域の生活スタイルもチェック

県外転職を希望する場合、転職希望先の地域の生活スタイルも調べておきましょう

都会出身者が地方に転職した場合、お店や公共交通機関の少なさに驚いたり、逆に地方出身者が都会に転職した場合は通勤ラッシュに戸惑ったりするといったことが考えられます。

いざ転職してから、想像していた生活とのギャップを感じることのないよう、その地域に住む人に話を聞くなどして、入念に調べることをおすすめします。時間に余裕があれば、旅行がてら下見に行くのも良いかもしれません。

県外転職のための転職活動のコツ

県外転職を成功させるための転職活動や、面接での志望動機の答え方について解説します。

現地のエージェントや
ハローワークを活用

県外への転職は土地勘のない場所での職探しになるため、現地のハローワークや転職エージェントを利用するのが無難です。都会の求人は大手求人サイトに多数掲載されていますが、地方の求人サイトは掲載数が少なく、地方新聞やローカル情報誌などを活用したほうが希望に合う求人が見つけやすい場合もあります。

面接で県外に転職したい理由を問われたら?

県外への転職を希望する場合、面接では「なぜわざわざ県外で働きたいのか」という理由を具体的に答えるのがポイントです。企業の社風や立地なども絡めつつ、どうしてもこの地域のこの企業で働きたいという気持ちをアピールすると良いでしょう。

以下に、県外への転職の志望動機の例文を紹介します。

都会から地方の会社に転職

この地域の◯◯というリゾート地が大好きで、何度も訪れているうちに◯◯の活性化に携わりたいと考えるようになりました。

前職での接客経験を生かし、御社の観光ガイドとして◯◯の魅力をたくさんの方々に伝えていきたいと思っております。

地方から都会の会社に転職

今まで地方の企業で営業職として勤務していましたが、クライアントや案件数が少なく、仕事の範囲もある程度限られていました。

御社は手がけている案件も非常にバリエーション豊かで、また地方には少ない◯◯という取り組みを行っていることから、これまでのスキルを活かしながらキャリアアップができると考え、この度の求人に応募いたしました。

県外転職に必要な手続きは?

いざ県外への転職が決まったら、引っ越しに伴う住所変更や保険、年金まわりのさまざまな手続きが必要です。

引っ越しは転職先が決まってから

引っ越し準備は転職先が決まってから始めるのが基本です。まずは転職活動に集中し、仕事や収入の見込みがついた時点から、引っ越し準備をスタートさせましょう。

スムーズに入社日を迎えられるよう、引っ越しの日取りはある程度ゆとりのあるスケジュールを設定します。子どもがいる場合は学校や保育園などの手続きが必要になることもあるため、より計画的に準備を進めることが大切です。

※転職に伴う引っ越しについて詳しくは→費用に関する不安も解消|転職に伴う引っ越しはいつ始める?

保険や年金、住所変更の手続きも忘れずに

県外転職の場合、現職の退職手続きに加え、住所の変更など行政上の手続きも必要です。

内定が出たら、まずは現在の職場に退職したい旨を伝えます。退職の際は、保険証の返却年金手帳の受け取りなどが必要になるため、忘れずに行いましょう。

さらに、役所への転出・転入届の提出、免許証などの住所変更も必要になります。

▼退職時の手続きについて詳しく

まとめ

土地勘のない県外への転職活動では、必要となる費用などのリサーチを入念にするのがポイントです。

県外転職のメリットやデメリットも踏まえたうえで、転職後に後悔することのないようにしたいですね。

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