年収別の生活スタイルを紹介 結婚できる年収の最低ラインは400万?

結婚を考えた時に「今の年収で幸せな結婚生活を送ることはできるのか?」と不安になる人は少なくありません。

ここでは、結婚できる年収の最低ラインや、年収別の結婚生活、結婚後に年収にまつわるトラブルで悩まないためのコツについて紹介します。

結婚できる年収の最低ラインはいくら?

まずは結婚できる年収は最低いくらなのかについて解説します。

結婚生活に必要な年収は夫婦で400万円台

2014年の厚生労働省の調査では、結婚に必要な世帯年収は平均490.3万円という結果が出ました(男女計・既婚未婚計)。

【結婚生活に必要な世帯年収(男女計・既婚未婚計)】平均490.3万円 ~200万円台:1.4%|200万円台:6.6%|300万円台:19.8%|400万円台:23.2%|500万円台:20.8%|600~800万円台:12.8%|800万円~:4.0%|不明・無回答:11.4%

ただし、結婚に必要な世帯年収の最低ラインは、結婚後どのような生活をしたいかにもよります。自分たちが望む結婚生活について考え、その場合はいくらぐらいの年収が必要となるのか試算してしましょう。

※参考→平成26年度 結婚・家族形成に関する意識調査 報告書(51P 15結婚生活に必要な夫婦の年収)|厚生労働省

※世帯年収や家計内訳について詳しくは→世帯年収の平均は?家計内訳モデルも公開

「年収◯◯円だから結婚できない」ということはない

結婚できるかどうかは年収だけで判断できる問題ではないため、「年収が低いから結婚できない」ということはありません

例えば年収が低くても、今よりも安いマンションに引っ越す、どちらかの親と同居して家賃や生活費を押さえるなど、工夫次第で結婚すること自体はできます。

そのため、「結婚できないのは年収が低いからだ」と決めつけずに、年収以外に原因がないかを考えてみましょう。

年収別・結婚後の生活スタイル

年収によって結婚後の生活スタイルは大きく変わります。

年収300万円、400万円、500万円、600万円、1,000万円の男性が、平均年収372万円の20代後半~30代前半の女性と結婚した場合についてみていきましょう。

※世帯年収はすべて額面金額です。

※手取りは各年収に応じた割合で算出しています(300万円:8割、400~600万円:7.5割、1,000万円:7割)

※月収は、夫婦ともに「年2回それぞれ月給2ヶ月分のボーナスがもらえる」として、ボーナスを含めた年収を16(ヶ月)で均等に割り、1千円未満を四捨五入して算出しています。

※参考→平成30年賃金構造基本統計調査 |厚生労働省

男性の年収300万円・世帯年収672万円の場合

夫の年収300万円、妻の年収372万円の場合、世帯年収は672万円、手取り538万円(手取り月収34万円)です。

【男性300万+女性372万=世帯年収672万の場合の支出】 住居費:100,000円(2LDKの賃貸マンション) |食費:40,000円(平日昼は手作り弁当持参) |通信費:25,000円(スマホ2台、モバイルルーター1台) |趣味・交際費:30,000円(夫婦で食べ歩きをするのが趣味) |小遣い:60,000円(それぞれ3万円ずつ) |日用品:20,000円(妻の美容品8,000円含む) |交通費:10,000円(休日に出かける際の電車やバス、レンタカー代) |水道光熱費:20,000円(寒冷地のため、冬は40,000円になることも) |支出合計:305,000円/貯蓄:35,000円

毎月の小遣いがそれぞれ3万円ずつ、趣味・交際費をそれとは別に確保していても、貯蓄ができます。

ただし、どちらかが専業主婦(主夫)になる場合や子供を希望している場合、生活水準を下げたり、ボーナスはできるだけ貯蓄に回したりする必要があります。

男性の年収400万円・世帯年収772万円の場合

夫の年収400万円、妻の年収372万円の場合、世帯年収は772万円、手取り598万円(手取り月収37万円)です。

【男性400万+女性372万=世帯年収772万の場合の支出】 住居費:120,000円(持ち家) |食費:50,000円(平日昼は外食かコンビニ) |通信費:25,000円(スマホ2台、モバイルルーター1台) |趣味・交際費:30,000円(親戚付き合いが多い) |小遣い:45,000円(夫3万円、妻1万5千円) |日用品:30,000円(夫が家電好きなため、度々新製品を購入する) |交通費:20,000円(車のローンやガソリン代) |水道光熱費:15,000円(入浴せずにシャワーのみで済ませることが多い) |支出合計:335,000円/貯蓄:35,000円

小遣いの他に、趣味・交際費にかける金額が多いこともあり、貯蓄額は少なめです。また300万円同様、片働きや子育てはまだまだ慎重に考えるべきでしょう。どちらかが専業主婦(主夫)になる場合や子供を希望している場合、生活水準を下げたり、共働きができるうちになるべく貯蓄する必要があります。

男性の年収500万円・世帯年収872万円の場合

夫の年収500万円、妻の年収372万円の場合、世帯年収は872万円、手取り673万円(手取り月収42万円)です。

【男性500万+女性372万=世帯年収872万の場合の支出】 住居費:50,000円(妻の親が所有するマンションに格安で入居) |食費:50,000円(平日昼は外食かコンビニ) |通信費:8,000円(格安スマホ2台) |趣味・交際費:60,000円(ペットの犬のエサ代、夫が通うスポーツジムの月謝など) |小遣い:80,000円(夫6万円、妻2万円) |日用品:20,000円(プライベートブランドの商品で節約) |交通費:20,000円(車のガソリン代) |水道光熱費:20,000円(夫はスポーツジムのシャワーで済ませることも) |支出合計:308,000円/貯蓄:112,000円

最大の出費である住居費が抑えられている分、ペットを飼ったり平日の昼食を外食やコンビニで済ませたりしても、10万円以上貯蓄できます。夫の小遣いが6万円と、自由に使えるお金もあり生活に余裕が出てきます

この先も住居費が変わらないのであれば、出産を機に妻が仕事を辞めても生活は可能です。

※片働きで年収500万円の生活について詳しくは→年収500万円生活の実態!手取り390万円で結婚できる?

男性の年収600万円・世帯年収972万円の場合

夫の年収600万円、妻の年収372万円の場合、世帯年収は972万円、手取り748万円(手取り月収47万円)です。

【男性600万+女性372万=世帯年収972万の場合の支出】 住居費:100,000円(夫が独身時代から住んでいる1LDKのマンション) |食費:40,000円(昼食はなるべく500円以内) |通信費:20,000円(格安スマホ2台、モバイルルーター1台) |趣味・交際費:30,000円(妻が通うヨガの月謝など) |小遣い:60,000円(夫3万円、妻3万円) |日用品:60,000円(妻がインテリア好きで度々購入) |交通費:20,000円(車が必要な際はカーシェアリングを利用) |水道光熱費:25,000円(夫婦ともに長風呂になりがち) |支出合計:355,000円/貯蓄:115,000円

住居費や食費を抑えており、車も持っていないため、十分な金額を貯蓄に回すことができています。妻が専業主婦になることも可能です。

ただし、子供を2人以上希望する場合は、現在よりも広い家に引っ越す必要が出てくる可能性もあり、育休後に妻が職場復帰した方が余裕を持って生活できるでしょう。

※片働きで年収600万円の生活について詳しくは→リッチ?それともプア?年収600万円の生活スタイル

男性の年収1,000万円・世帯年収1,372万円の場合

夫の年収1,000万円、妻の年収372万円の場合、世帯年収は1,372万円、手取り998万円(手取り月収62万円)です。

【男性1000万+女性372万=世帯年収1372万の場合】 住居費:200,000円(駅前のタワーマンション) |食費:70,000円(平日昼と休日はほぼ外食) |通信費:25,000円(スマホ2台、モバイルルーター1台) |趣味・交際費:60,000円(夫婦で通うスポーツジムの月謝、ペットの犬2匹のエサ代など) |小遣い:110,000円(夫8万円、妻3万円) |日用品:40,000円(妻が高級化粧品を愛用) |交通費:30,000円(タクシー利用が多い) |水道光熱費:20,000円(朝夜シャワーを使う) |支出合計:555,000円/貯蓄:65,000円

住居費、食費、小遣い、日用品、交際費などがかさんでいるため、収入が多くても6.5万円ほどしか貯蓄に回すことができません。

妻が専業主婦になったり、子供が生まれたりした場合は、食費や小遣いを見直さなければ余裕を持った生活を送ることは難しいでしょう。

※片働きで年収1,000万円の生活について詳しくは→憧れ年収、実は損?年収1000万円のリアルと、お得な年収

結婚後に年収で悩まないためのコツ

結婚後に年収で悩まないためには、結婚する前に以下の3つのポイントをおさえましょう。

年収が高い=結婚がうまくいくという考えを捨てる

結婚生活で重要なのは年収が高いか低いかではなく、お互いが満足し快適に共同生活できるかどうかです。

年収が低いことから結婚に不安を覚える人は多いですが、かといって年収さえ高ければ結婚がうまくいくとは限りません。

相手の年収が高くても、浪費癖がある場合は貯金ができなかったり、自分の趣味ばかりにお金を使ったりというパターンもあるため、年収だけで結婚生活がうまくいくかどうかを判断しないようにしましょう。

出産や育児による世帯年収の変動を見据える

結婚後に子供を望んでいる場合、出産や育児で世帯年収が変動することを考えた上で生活プランを立てることが大切です。

子供ができると、女性は産休や育休などで収入が減ったり、ゼロになったりする時期が出てきます。

場合によっては、妊娠中に長期間入院して医療費がかさんだり、子供が待機児童になって保育園に入れず、育休を延長せざるを得ないこともあります。そうした事態にそなえ、夫婦で貯蓄金額や妊活の時期を決めるようにしましょう。

※女性の働き方について詳しくは→よくある悩みから結婚出産まで 女性のキャリアはどうあるべき?

結婚前にお金の価値観をすり合わせておく

結婚前にお金の価値観をすり合わせておくと、結婚後にお金のトラブルが起こりにくくなります。

生活のどこにお金をかけるかは、人それぞれ大きく違うからです。

例えば、独身時代に趣味にお金を費やしていて、結婚後もそれを続けようとした場合、妻(夫)に反対されることもあるでしょう。

また、夫婦の収入をどちらがどのように管理するのかも、結婚前に話し合っておくと良いでしょう。世帯収入と毎月の出費を照らし合わせて、結婚後の生活のシミュレーションをしておくことが大切です。

まとめ

結婚できる年収の最低ラインは夫婦で400万円ですが、生活スタイルによってはそれ以下の年収でも結婚は可能です。

お互いの年収と希望する生活スタイルが見合っているか、結婚前にしっかり確認しましょう。

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