ポイント&サンプル集 「医療事務」の職務経歴書の書き方
職務経歴書に書くべき内容は、職種によって異なります。このページでは医療事務に絞って、職務経歴書のポイントや、実際の例文をご紹介します。
医療事務が盛り込みたい内容
医療事務の経歴・実力を効果的に伝えるためには、職務経歴書に下記の4つの情報を含めることが重要です。
職務経歴書の中でも特に【職務要約】【職務内容】【自己PR】欄を記入する際、これらの情報を意識するようにしてください。それぞれ具体的にどのような情報を書けばいいか、下記で詳しく見ていきましょう。
1.どんな医療施設で
- どのような医療施設か(総合病院、クリニック)
- 診療科目はなにか(診療科)
- どれくらいの規模か(病床数、従業員数)
あなたが働いていた病院の種類や規模について書きましょう。総合病院かクリニックかなどによって、業務の幅広さが変わります。
勤めていた病院に関する情報は診療科・従業員数も含めて詳しく記載することで、あなたに何の業務を任せられるのか、採用担当者はイメージしやすくなります。
なお、診察科によってもレセプト作成や会計時の点数項目が異なり、算定の難易度の差があるため、前職ではどのような科目での経験があるのかを具体的に書く必要があります。
2.どんな業務を
〈職務内容の記入例〉
- 受付、会計、ご予約対応1日に◯件)
- カルテの作成、管理(1日に◯件)
- レセプト(医療保険の請求明細書)入力、点検、請求(1日に◯件)
- 医師や看護師との情報共有、受付対応などの改善…など
あなたの担当業務とその業務量をイメージしてもらうための情報です。可能であれば1日何件ほど対応していたのかまで記載すると、業務処理のスピードが伝わりやすくなります。
また、レセプトは組合健保や協会けんぽ、市区町村などの健康保険の保険者に請求するものでもあるため、正確さも求められます。ミスなくテキパキと業務をこなすスキルはどんな事務職にも求められるスキル。積極的に採用担当者にアピールしましょう。
3.どんなスキルを使って
医療事務としてのスキルの高さを示すためには、事務処理能力の高さがアピールポイントになるため、PCスキルや関連する資格を持っている場合は記載しましょう。
また、医療事務から一般事務など他の事務職に転職する場合も、事務処理能力が求められます。Excelなどのソフトを含め、何のPC機能をどのように使っていたのかを具体的に書くと良いでしょう。
〈【活かせる経験・スキル・知識・資格】欄の記入例〉
▼PCスキル
- Word…表作成やタブ揃え、段組み
- Excel…VLOOKUPなどの関数計算、ピボットテーブル、グラフの作成
- PowerPoint…図表作成やアニメーション
▼資格
- 普通自動車運転免許(20XX年XX月取得)
- Microsoft Office Specialist Excel 365&2016(20YY年YY月合格)
- 医療事務技能審査試験(20AA年AA月取得)…など
4.どれだけの実績・成果を挙げたか
医療事務として事務業務もしっかりこなした上で、作業効率化やコスト削減など、自発的に行った業務改善の経験があるとアピールポイントになります。【職務内容】欄の実績部分に書くようにしましょう。
〈取り組みの具体例〉
- カルテのラベリング・ファイリングルールを整理し、他スタッフにも共有した結果、業務スピードが上がり、患者様の待機時間が減った
- 総合受付・会計受付がわかりづらく患者様が近くのスタッフに声をかけてしまい作業が中断されることが多かったため、パーティションを設けて受付導線を整理した
- お子様が遊べる待合スペースを作って、通院しやすくした…など
例文・サンプル
4つのポイントに基づいて作成した、医療事務の職務経歴書の例文・サンプルを用意しました。
医療事務ならではのポイント
事務処理能力の高さが求められる
患者や医師(他スタッフ)を待たせないためにも、医療事務の事務作業には的確さとスピードが求められます。「1日に平均◯件対応していた」などの具体的な数字を提示して、処理スピードの速さをわかりやすく示しましょう。
業務遂行能力向上のための努力をアピール
医療行為は診療報酬制度によって会計が決まるため、制度に関する基本的な知識が必要になります。また、患者との日々の対応の中で医療知識もあると役立つため、業務に活用できる専門的な資格を取得することで、スキルアップへの意識や向上心をアピールできます。
Q&A|こんなときどうする?
医療事務の転職でよくある2つの状況別に、正しい職務経歴書の書き方を解説します。
未経験から医療事務に転職するとき
医療事務が未経験の場合は、【自己PR】欄で前職までの仕事で培ったスキルをどのように活かせそうなのかをアピールしましょう。
医療事務はホスピタリティと事務処理能力が求められる仕事であるため、その2つのどちらかに絡めて書くといいでしょう。
〈自己PRの例文〉
私の強みは相手の話を引き出す傾聴力です。今まで営業職や接客業など、人と関わる業務を多数経験し、お客様の意見を直接お聞きすることにやりがいを感じていました。幅広い年代の方とお話しする機会が多かったので、興味を持ってもらえる部分を会話の中で探ったり、話題の引き出しを普段から多くしたりすることを心がけました。お客様に信頼されることも多く「あなたが担当でよかった」という言葉をいただけたこともあります。
また、履歴書の志望動機や面接では「なぜ医療事務を志望するのか」「なぜ自分が医療事務に適していると思うのか」などの理由をきちんと説明できると、説得力が上がります。
転職回数が多いとき
転職回数が多いときでも【職務経歴】欄にはすべての会社の情報を記入しましょう。
【職務要約】欄にも経歴をすべて書くのが望ましいとされていますが、文字数が多くなってしまう場合は、適宜省略しても問題ありません。
〈職務要約の例〉
11つの病院での担当業務をメインに書く場合
これまで事務職として3つの病院での勤務経験があり、そのうち○○病院には4年在籍し、主に受付対応・会計対応、レセプト入力を行っていました。3年目には教育担当として、2名の新人スタッフの指導も任されていました。
2複数の病院で共通している担当業務を書く場合
これまで事務職として3つの病院での勤務経験があり、受付対応・会計対応、レセプト入力をメインに行っていました。他にも、入退院手続きや食事伝票の管理、手術・検査スケジュールの管理といった業務なども幅広く経験していました。
職務経歴書が完成した後は・・・
職務経歴書の印刷・送付についての注意点をまとめました。
こちらのページを参考にして、書類を提出しましょう。