ポイント&サンプル集 製造業「管理系」の職務経歴書の書き方
職務経歴書に書くべき内容は、職種によって異なります。このページでは製造業のうち生産管理・製造管理、生産技術・製造技術、品質保証、品質管理といった「管理系」の職種に絞って、職務経歴書のポイントや実際の例文をご紹介します。
「管理系」が盛り込むべき内容
製造業の管理系職種(生産管理と製造管理・生産技術と製造技術・品質保証・品質管理)の経歴・実力を効果的に伝えるためには、職務経歴書に下記の4つの情報を含めることが重要です。
職務経歴書の中でも特に【職務要約】【職務内容】【自己PR】欄を記入する際、これらの情報を意識するようにしてください。それぞれ具体的にどのような情報を書けばいいか、下記で詳しく見ていきましょう。
1.どのような製品・設備を扱ったのか
- 製造していた商品
- 扱ってきた設備(使用した機械、ツールの種類)
あなたが持っている知識やスキルについて伝えるための情報です。採用担当者が自社の業務との相性を判断しやすいよう、どのような製品を扱っていたかは【職務経歴】欄の「職務内容」などに具体的に記載しましょう。
また、製造する上で使用していた設備・機材に関しても【活かせる経験・資格・知識・スキル】欄に記載してアピールしましょう。あなたの対応可能範囲を正しく伝えることができます。
2.どのような業務を経験したのか
製造業における管理系の仕事は企業によって担当領域の幅が異なるため、これまでの業務経験は漏れなく記載して対応可能範囲を正しく伝えることが大切です。【職務経歴】欄の「職務内容」などに詳しく書きましょう。
また、管理能力やその資質があると高く評価してもらえるため、リーダー経験もアピールポイントになります。改善活動にあたって「関係部署での意見を率先して取りまとめた」などのエピソードがある場合は、必ず記載しましょう。
〈「職務内容」の具体例〉
- 生産計画立案(月次、半期など)
- 進捗管理・納期調整
- 設備メンテナンス、製造ラインの見直し・改善
- 品質検査・不良品の原因分析
- 顧客対応、クレーム対応
- マネジメント業務の一環での生産性向上のための改善活動 など
3.どのような実績・成果を挙げたのか
【職務経歴】欄の「職務内容」に、どのような実績・成果を上げたのかもあわせて記載しましょう。数値で示せる実績・成果は、あなたのスキルの高さをわかりやすく伝えることができます。
数値以外にも「製造ラインを見直したことによって、工場全体の標準的な製造レイアウトとして採用された」などのエピソードがある場合も、必ず記載しましょう。
〈実績・成果を表す指標の具体例〉
- 生産性向上率・稼働率
- コスト・工数削減率
- 生産計画達成率
- 製品不具合・トラブルの削減率(=歩留まりの向上率)
4.どのようにして取り組んだか(工夫、姿勢など)
【3】の説得力をあげるために、そうした実績・成果をあげるためにどのような工夫を行ったのかを【自己PR】欄などで詳しく説明しましょう。
生産管理や品質保証など、業務で外部との関わりがある職種の場合は、折衝力やコミュニケーションスキルも伝わるようなエピソードがあると、より効果的です。
〈工夫の具体例〉
- 確認工数を削減するために、属人的になりがちな作業を全員対応できるようにマニュアル化した
- 市場・他社動向を把握したり、スムーズに調整したりできるように、関連業者とは普段から密なコミュニケーションを心がけて信頼関係構築に努めた
- 工程調査のときに現場メンバーの協力を得られやすくするために、ヒアリングの段階から改善活動の重要性をきちんと説明してモチベーションアップを図った
例文・サンプル集(4種)
4つのポイントに基づいて作成した、管理系の職務経歴書の例文・サンプルを用意しました。生産管理・製造管理、生産技術・製造技術、品質保証、品質管理の4種を揃えたので、自分の状況に近いものを選んで参考にしてみてください。
生産管理・製造管理
生産管理・製造管理ならではのポイント
生産計画に携わっていた場合は必ず記載する
生産管理の業務の中でも生産計画立案は、製品をトラブルなくスムーズに生産できるようにするための重要な仕事です。
生産計画の立案を任されていた経験は、スキルの高さをアピールする材料になるため、必ず記載しましょう。
コミュニケーションスキルが重視される
生産管理・製造管理は原料の仕入れ先決定から価格交渉、実際の工場現場での生産活動の管理や納期・在庫管理に携わる職種であるため、社内外の様々な年齢や立場の人と円滑にコミュニケーションがとれるスキルは重宝されます。
例えば「営業部と製造部の間でトラブルが起きないように認識すり合わせの場を設けた」「価格交渉では先方が決裁者を説得しやすくなるように数値的メリットを押し出すなど伝え方を工夫した」など、人と人の間を取り持ち、柔軟に対応できていたエピソードを提示するようにしましょう。
生産技術・製造技術
生産技術・製造技術ならではのポイント
改善意識や課題解決力をアピールする
改善意識の高さや課題解決力をアピールしましょう。生産技術・製造技術には、生産現場の現状を把握した上で「そこでの課題を技術的な観点から改善できないか」「いかに生産性が高い工程を構築できるか」といった観点で製造工程を適切に管理することが求められるからです。
工数がかかっている部分・属人的作業の洗い出しと、その解決方法などを記載すると、課題解決力などがより伝わりやすくなります。
折衝力・調整力をアピールする
生産技術・製造技術は関わる部署が多くなることもあるため、折衝力・調整力もアピールポイントになります。
生産技術・製造技術としての高い技術力や知識はもちろんのこと「工場環境において現場の意見を吸い上げられるように、普段から工場メンバーに積極的に声がけした」などの、対人コミュニケーション能力が伝わるエピソードがあれば記載しましょう。
品質保証
品質保証ならではのポイント
課題発見能力をアピールする
品質保証は、製品が品質基準に達していることを確認したり、販売後のアフターフォローを行ったりする職務です。その業務を通して身に付いた、課題を発見し改善するスキルをアピールしましょう。
不良品の再発防止、不具合の発見といったエピソードの中から、とくに評価された経験、高い成果・実績を上げたものを【自己PR】欄に詳しく記載しましょう。
業務対応力の幅広さもアピールする
品質保証の業務は多岐にわたるため、企業によって担当する領域が異なります。対応可能な業務の範囲が広ければ評価につながる可能性が高いため、担当していた業務は抜け漏れなく列挙しましょう。
品質管理
品質管理ならではのポイント
問題改善意識をアピールする
品質管理は、不良品を出さないように製造過程の見直し・改善をする仕事です。ミスや不良品を減らすために、改善意識を持ってどのような施策を講じてきたかを伝えてください。
「製作プロセスのボトルネックを特定するために、ヒアリング調査だけでなく、カメラを導入してモニタリング映像による分析手法を取り入れた」などのエピソードで、高い改善意識が備わっていることをアピールしましょう。
得意分野・対応可能範囲をわかりやすくする
【活かせる経験・資格・知識・スキル】欄には、取り扱える分析手法、商材、使用できる設備などもすべて書き出しましょう。あなたができることが採用担当者に伝わりやすくなります。
職務経歴書が完成した後は・・・
職務経歴書の印刷・送付についての注意点をまとめました。
こちらのページを参考にして、書類を提出しましょう。