1162人にアンケート調査 退職時に嘘の退職理由を伝えた?バレる?

「上司に本当の退職理由は伝えづらい…」「嘘をついたらどうなるの?」。

転職Hacks編集部が実施した独自のアンケートをもとに、会社を辞めるときの退職理由に関する嘘の実態を紹介。嘘をつくリスク退職理由の上手い伝え方も解説します。

退職時に「嘘の退職理由」を伝えている人は、どれくらいいる?

約5人に2人が嘘の退職理由を伝えて辞めている

転職Hacks編集部が行ったWebアンケートによると、過去に会社を辞めた経験がある20代~40代の正社員1162人のうち、退職時に嘘の退職理由を伝えたことが「ある」と答えた人は485人(41.74%)。

およそ5人に2人が嘘の退職理由を伝えたことがあると答えました。

【会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことはあるか?】総計:n=1162/ある:485(41.74%)/ない:677(58.26%)

※回答人数:1162人(全国の20代~40代の正社員2,000人のうち、会社を辞めた経験が「ある」と答えた人数)
※質問文:「会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことはありますか?」
※調査期間:2022年4月5日~6日
※調査方法:ネットリサーチ

よくある嘘の退職理由は「家族の病気や介護」

会社を辞める際に嘘の退職理由を伝えたことがあると答えた人に、伝えた嘘について尋ねたところ、最も多かったのが「家族の病気や介護」(複数回答あり)。

家族の病気や介護は本人ではどうしようもない理由であるため、嘘として使っている人が多いようです。

次いで多いのが「自身の病気」でした。程度の問題はあるにせよ、会社としても引き止めづらい理由にはなります。

【退職理由として伝えた嘘は?】総計:n=468/家族の病気や介護:196/自身の病気:	115/引っ越し:82/その他:77/結婚や妊娠:70

※回答人数:468人(会社を辞めた経験がある全国の20代~40代の正社員1162人のうち、「会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことがある」と答えた485人の中で、回答に応じた人数)
※質問文:「どのような嘘の退職理由を伝えましたか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

引っ越し」の次に多かった「その他」(自由回答)では、下記のような回答が見られました。

〈「その他」の回答内容〉

  • 家業を継ぐため
  • 大学や専門学校への進学
  • 両親の離婚を機に一人暮らし
  • 知人の会社に誘われている
  • 育児や家庭の都合
  • やりたいことが他にみつかった など

結婚や妊娠」は人生においても稀なイベントであるためか、退職理由として使う人が比較的少ない結果となりました。

嘘をついた理由は「できるだけ早急に辞めたかったから」

退職時に嘘をついた人になぜ嘘をついたのか尋ねたところ、最も多かったのが「できるだけ早急に辞めたかったから」(複数回答あり)。次いで「退職理由のせいで引き止められたくなかったから」でした。

これらの結果からも、会社に本当の退職理由を伝えて話がこじれるより、嘘の理由を伝えてでもスムーズに退職したいと考える人が多い傾向にあることがわかります。

【なぜ会社に嘘の退職理由を伝えたのか?】総計:n=468/できるだけ早急に辞めたかったから:224/退職理由のせいで引き止められたくなかったから:198/会社に転職先を言いたくなかったから:102/本当の退職理由を伝えて上司に怒られるのが嫌だったから:97/次にやるべきことや仕事が決まっていなかったから:43/その他:4

※回答人数:468人(会社を辞めた経験ががある全国の20代~40代の正社員1162人のうち、「会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことがある」と答えた485人の中で、回答に応じた人数)
※質問文:「なぜ会社に嘘の退職理由を伝えたのですか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

また「会社に転職先を言いたくなかったから」「本当の理由を伝えて上司に怒られるのが嫌だったから」などの回答数は上位2つの約半数ほどでしたが、100近い票を集めています。

比較的少ないですが「次にやるべきことや仕事が決まっていなかったから」という人もおり、退職先が決まっていないがひとまず辞めたいと考え、嘘の退職理由で辞めた人も一定数いることがわかりました。

退職理由が嘘だとバレた?その後どうなった?

嘘の退職理由がのちのちバレる可能性はあるのでしょうか? そのキッカケや実際に被った不利益など、アンケート結果をもとに紹介します。

約7人に1人が退職理由が嘘だとバレた

退職時に嘘の退職理由を伝えたことがあると回答した485人の中で、回答に応じた468人のうち嘘がバレたと答えた人は72人(15.38%)。

およそ7人に1人が会社に嘘がバレたことになります

【会社に伝えた退職理由が、嘘だとバレたことはあるか?】総計:n=468/ある:72(15.38%)/ない:396(84.62%)

※回答人数:468人(会社を辞めた経験がある全国の20代~40代の正社員1162人のうち、「会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことがある」と答えた485人の中で、回答に応じた人数)
※質問文:「会社に伝えた退職理由が嘘だとバレたことはありますか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

退職理由の嘘はなぜバレた?

嘘がバレてしまった人を対象にどういった理由でバレてしまったのか聞いたところ、以下のような回答がありました(自由回答)。

〈嘘がばれてしまったきっかけや理由〉

  • 険悪なムードになったので見透かされた気がする
  • 「家族の介護=嘘」だと思われていると思う
  • 本音を話した会社の同僚から伝わってしまった
  • 転職先で前職の同僚に偶然鉢合わせしてしまった
  • 転職先が前の勤め先に在籍確認した
  • 前の勤め先から転職先に電話がかかってきた
  • 転職先の同僚が前の勤め先に転職した など

※回答人数:72人(「会社に伝えた退職理由が嘘だとバレたことがあるか?」との質問で、「ある」と答えた人数)
※質問文:「会社に伝えた退職理由が嘘だとバレたことはありますか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

退職理由を伝えた際に険悪なムードになったり、理由そのものが嘘くさいと感じられたかもしれないとの意見がありました。

また「この人になら…」と信じて伝えても、思わぬところから嘘だとバレてしまうことも。退職時に嘘の理由を伝えるからには、他の社員に本音を伝えないほうがよさそうです。

さらに、会社間での確認から嘘がバレてしまうケースもある模様。特に同業界への転職の場合、退職理由の嘘は注意が必要そうです。

退職理由の嘘がバレたらどうなる?

退職時に嘘の退職理由を伝えたことがある人と回答した72人のうち、その後何かしらの不利益を被ったことが「ある」と答えた人は37人。対して「ない」と答えた人は35人で、ほぼ半々という結果になりました。

【嘘がバレたことで、その後不利益を被った経験はあるか?】総計:n=72/ある:37(51.39%)/ない:35(48.61%)

※回答人数:72人(「会社に伝えた退職理由が嘘だとバレたことがあるか?」との質問で、「ある」と答えた人数)
※質問文:「嘘がバレたことで、その後不利益を被った経験はありますか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

「被った不利益はどのようなものか」との問いに、最も多かったのが「退職日を早められた」で16票(複数回答あり)。嘘がバレたあかつきには、スケジュールどおりの円満退職が難しくなってしまうケースもあるようです。

【嘘の退職理由のせいで被った不利益とは?】総計:n=37/退職日を早められた:16/転職先に嘘をついたことをバラされた:10/退職までの給与やボーナスを減給された:9/退職日までにいじめを受けたり、居心地が悪かった:9/具体的な不利益はないが、自分の心が傷んだ:3/家族など関係者に連絡を取られて気まずい思いをした:1/その他:1

※回答人数:37人(「嘘がバレたことで、その後不利益を被った経験はありますか?」との質問で、「ある」と答えた人数)
※質問文:「その不利益とはどのようなものですか?」
※調査期間:2022年4月7日~15日
※調査方法:ネットリサーチ

次に多かったのが「転職先に嘘をついたことをバラされた」。入社後の評価にどこまで影響するかは定かではありませんが、心象を損ねてしまう可能性もゼロではありません

また、ほぼ同数で「退職まで給与やボーナスを減給された」「退職日までにいじめを受けたり、居心地が悪かった」と回答する人も。嘘の退職理由には、こうしたリスクもあることを理解しておきましょう。

コラム:離職票から退職理由の嘘はバレる?

退職時、下手に嘘の退職理由を伝えてしまうと、離職票の発行手続きの際に嘘がバレてしまう可能性があります

具体的には、以下の2つのケースです。

  • 転職先が決まっていると伝えたのに、離職票の発行を依頼した
  • ハローワークでの失業給付の手続き時に、本当の退職理由を言った

転職先が決まっていると伝えたのに、離職票の発行を依頼した

一時的な離職期間ができる場合、離職票を発行するための手続きを会社に依頼しなければなりません。一方で、退職日の翌日が入社日になる場合、離職票は不要なケースが一般的。

よって、離職票の発行前に「転職先が決まっている」などの嘘をついてしまうと「転職先が決まっていると言っていたのに、なぜ離職票が必要なのか?」と怪しまれ、退職理由が嘘であったことがバレてしまいます。また、バレることを恐れるあまり、会社に離職票の発行手続きを依頼しづらくなってしまうというトラブルも起こりえます。

ハローワークでの失業給付の手続き時に、本当の退職理由を言った

離職票は会社がハローワークに申告した退職理由(離職証明書)をもとに発行されます。

そのため、ハローワークで失業給付の手続きを行う際に、窓口などで本当の理由を伝えてしまうと会社が申告した理由と相違があることになり、それが原因で嘘をついていたことが会社にバレてしまう可能性もあります。

本音を伝えた人に聞く「嘘をつかなかったワケ」

会社を辞める際に嘘の退職理由を伝えたことが「ない」と答えた677人に「なぜ嘘をつかずに本音で退職理由を話したのか」を聞いたところ、下記のような回答がありました(自由回答)。

〈退職理由で嘘をつかなかったワケ〉

  • やましい理由がない/嘘をつく必要がない
  • 嘘をつくとのちのち面倒なことになりそうだから
  • どうせ辞めるから/最後なのでもう関わりがないと思った
  • 「一身上の都合」と言ってその場が済んだ など

※回答人数:677人(会社を辞めた経験がある全国の20代~40代の正社員1162人のうち、「会社を辞める際に、嘘の退職理由を伝えたことがない」と答えた人数
※質問文:「嘘をつかず、本音で退職理由を伝えたのはなぜですか?」
※調査期間:2022年4月5日~6日
※調査方法:ネットリサーチ

そもそも退職理由が後ろめたさを感じるものでなければ、嘘をつく必要性がないということでしょう。

一方で、嘘がバレたときのリスクや大変さを考えると、ありのままに伝えるしかなかったとの回答も。加えて「どうせここで関係が切れる」と割り切って本当の理由を伝えた人もいたようです。

しかし、本音をストレートに伝えたことが原因で、退職時にトラブルが起こるリスクも。そうならないよう、伝え方には細心の注意が必要です。

引き止められそうな場合は?そもそも円満退職は必要?

できるだけ早く穏便に退職したいと考える人は多いでしょう。実際に退職時に会社から引き止められてしまい、想定していた退職日に辞められなかったり、退職の手続きが長引いてしまったりする人も。

下記の記事では、スムーズに退職するための伝え方を解説。退職を切り出すまでの流れも紹介しているので、あわせてチェックしておきましょう。

一方で、中には「もう辞めるから、終わり際はどのような形でも良い」と考える人もいるでしょう。しかし円満に退職できなかったために、思わぬトラブルが発生する可能性があるのも事実。

下記の記事では、円満退職できなかった時のリスクを解説しています。退職理由として伝えるべきポイントも紹介しているので、確認しておきましょう。

▼会社を辞める前に読んでおきたい

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